10. CORBA通信基盤(Object Broker)

Object Brokerに関する設定について説明します。

10.1. Object Broker設定項目・設定方法

Object Brokerの設定項目については全てMO化されています。 項目の設定方法については [ リファレンス > 設定 > 各サービスの属性 ] を参照してください。

10.1.1. Object Broker共通の設定項目一覧

以下はMOで設定可能なObject Broker共通の設定項目一覧です。

10.1.1.1. Dottedname : server.orb-config

orb-configでの設定項目は、[共通] [Cpp] [Java] の3つの画面(タブ)に分かれています。
共通タブ:Object Broker C++およびObject Broker Javaの共通の設定を行うことができます。
属性名
(attribute-name)
説明 既定値
ORBインストール ディレクトリ
(${OrbRoot})
ORBがインストールされているディレクトリをフルパスで表示します。このディレクトリにはconfおよびlogサブディレクトリが必要です。 参照のみ可能な項目です。既定値はありません。
oadを使用
(UseOad)
oadを使用するかどうか指定します。 false
oadのポート番号
(OadPort)
oadが使用するポート番号を指定します。
ORB通信を行うクライアントとサーバ間で同一のポート番号を使う必要があります。
運用開始後にoadのポート番号を変更すると、それ以前に作ったオブジェクトを呼び出すことができなくなります。変更した場合は、システムを再起動してください。
9825
名前サービスが動作しているホスト名
(NameServiceHostName)
名前サーバとoadが動作するホスト名を指定します。 指定なし
リクエスト呼び出しのタイムアウト時間
(RequestTimeout)
メソッド呼び出しの最大待ち時間(0以上の整数)を設定します。0を設定すると処理が戻ってくるまで待ち続けます。 30(秒)
クライアント無通信監視タイマ(ClientAutoTimeout) クライアント側で一定時間送受信要求の無いコネクションを監視するタイマ値(秒)を指定します。指定されたタイマ値の間メッセージの送受信を行わなかったクライアントコネクションは切断されます。既定値は0で、この場合、無通信監視は行いません。 0
コネクションの最大接続数
(MaxConnection)
コネクションの最大接続数(0以上の整数)を設定します。この設定がないとき、および、0を設定したときは上限を設定しません。 0
corbalocサーバ呼び出し時の動作
(CorbalocAskWithMT)
初期サービスのアドレスを複数指定した場合のcorbalocサーバ呼び出し時の動作を選択します。
true - マルチスレッドによる同時処理
false - 順次処理(既定値)
false
インタオペラブル名前サービスで使用するデフォルトのポート番号
(CorbalocDefaultPort)
インタオペラブル名前サービス利用時のURL記述でポート番号を指定しなかったときに使用するポート番号を指定します。 2809
リファレンス生成時に格納するホスト名
(AlternativeHostName)
リファレンス生成時に格納するホスト名を指定します。
ドメインのホスト名(domain.hostname)にlocalhost(デフォルト)以外のホスト名が指定された場合、この設定が上書きされます。このため、この設定を変更した後でドメインのホスト名を設定すると値が書き換わってしまいますので注意してください。
指定なし
AlternativeHostNames IORに設定されているホスト名(またはIPアドレス)がこのプロパティで指定された値に含まれていて、かつ、呼び出し先のCORBAオブジェクトが同一プロセス内で動作していれば、ローカルスタブで呼び出しを実行します。
複数の指定をする場合は、コロン (:) で区切って記述します。
指定なし
MultiConnection オブジェクトリファレンスが多重化されている場合に、クライアント側でコネクションの多重化を行うかどうかを指定します。
多重化を行う場合は true を指定します。多重化を行わない場合は false を指定します。
true
ConnectionRoundRobin オブジェクトリファレンスが多重化されている場合に、ラウンドロビンにより呼び出しを各サーバに振り分けるかどうかを指定します。 true
プールスレッド数
(PoolThreadNumber)
クライアントからの要求を並行処理(同時処理)するプールスレッド数(1以上)を指定します。 10
GIOPのマイナー番号
(GIOPMinorVersion)
クライアントがサーバに送信する要求メッセージのGIOPバージョンのマイナー番号には、サーバがIORのIIOPプロファイルに格納したIIOPバージョンのマイナー番号を使います。GIOPMinorVersion を指定すると、この要求メッセージのGIOPバージョンのマイナー番号を変更することができます。ただし、GIOPMinorVersion で指定した値よりもサーバがIORのIIOPプロファイルに格納したIIOPバージョンのマイナー番号のほうが小さい場合、サーバが格納した番号が優先されます。

GIOPMinorNumberに設定可能な値を以下に示します。
・ GIOP1.0を使用
・ GIOP1.1を使用
・ GIOP1.2を使用(既定値)
GIOP1.2を使用
IIOPのマイナー番号
(IIOPMinorVersion)
IIOPMinorVersionには、サーバがIORのIIOPプロファイルに格納するIIOPバージョンのマイナー番号を指定します。

IIOPMinorNumberに設定可能な値を以下に示します。
・ IIOP1.0を使用
・ IIOP1.1を使用
・ IIOP1.2を使用(既定値)
IIOP1.2を使用
TCPバックログの指定
(ListenBackLog)
TCPバックログ(接続要求の待ち行列の最大長)を指定します。 0
TCP_NODELAYソケットオプション
(TCPNODELAY)
TCP_NODELAYソケットオプションの指定を選択します。
true(既定値) - 有効
false - 無効
TCP_NODELAYソケットオプションが無効な場合、TCPプロトコルのアルゴリズムにより、送信データがある一定量溜まるまで送出が遅延することがあります。
既定値trueのままであれば、送出が遅延することはありません。
true
クライアント端末に公開するサーバのホスト名
(ExternalHostName)
負荷分散装置や、クラスタ構成での仮想化のための、クライアント端末に公開するIPアドレスまたはホスト名を指定します。サーバ側で指定すると、全てのクライアント端末で有効になります。この設定は、ローカルマシン内でのEJBやCORBAの通信では使用されません。このため、設定されたホスト名が有効になっていなくても、サーバマシン内でEJBやCORBAの通信を行うことができます。
リファレンスを作る際、指定されたアドレスが、AlternativeHostNameより優先して格納されます。また、指定されたアドレスと自ホストのアドレスを、内部で自動的にAlternativeHostNamesプロパティに設定しています。
指定なし

10.1.2. Object Broker C++の設定項目一覧

C++タブ :Object Broker C++の設定を行うことができます。
属性名
(attribute-name)
説明 既定値
CppCodeSetNegotiationStrict
Check
GIOP バージョン 1.0 で通信を行う場合、および、コードセットのネゴシエーション機能を持たない ORB と通信を行う場合に、通信するデータに wchar 型もしくは wstring 型が含まれていたとき、CORBA 仕様に準拠してアプリケーションに例外を返却するかどうかを指定します。
true を指定した場合は、通信するデータに wchar 型もしくは wstring 型が含まれていた場合、アプリケーションに例外を返却します。
false を指定した場合は、wchar 型もしくは wstring 型のコードセットに UCS2L1 を使用して通信します。
既定値はfalseです。
false
ConnectionRoundRobinTimeout 多重化使用時に個々のサーバへのメソッド呼び出しにかかる最大待ち時間(0以上の整数)を設定します。また0を設定した時は処理が戻ってくるまで待ち続けます。 30
ConnectionWatchInterval 多重化されたオブジェクトのコネクションの状態を監視する間隔時間(0 以上の整数)を秒単位で設定します。ただしMultiConnection が有効でない場合は、意味を持ちません。 300
CppConversionCodeSets string 型のコンバージョンコードセットの指定 JIS_eucJP,ISO8859-1,ISO646
(Windows)

OSF_SJIS1,ISO8859-1,ISO646
(HP-UX, Solaris, Linux)
CppConversionCodeSetsW wchar/wstring型のコンバージョンコードセットの指定 UTF16
GetHostNameCache falseを指定するとIP アドレスの解決に毎回gethostbyname を使います。trueを指定したときは同一ホスト名に対して1 プログラムからは1 回しかgethostbyname を呼び出しません。 true
LoggingLevel 例外として返せないエラーなどの情報をロギングファイルに出力するときの出力レベルです。ERROR を指定するとエラー情報のみを出力します。WARNING を指定するとエラーとワーニングの情報を出力します。INFORMATION を指定すると全ての情報を出力します。 ERROR
LoggingOutput ロギングファイル名を指定します。 指定なし
LogLimit 各ログファイルの上限値(キロバイト)を指定します。ログファイルのサイズがこの値を超えると、新しいログファイルが作成されます。古いログファイルは、< ログファイル名_old > として保存されます。 10240
LogicalHostName MC/SG によって多重化されたオブジェクトとして動作させるときの論理ホスト名を指定します。 指定なし
LogicalIPAddress MC/SG によって多重化されたオブジェクトとして動作させるときの論理IP アドレス(ドット('.')区切りの文字列)を指定します。 指定なし
NameServiceDuplicationAware true を指定するとCORBA::ORB::__duplication_aware(1)で名前サーバを動作させます。つまり、MC/SG により多重化された論理ホスト上の名前サーバとして動作します。この指定を行ったときはLogicalHostName およびLogicalIPAddress の指定も必要となります。false の場合は物理ホスト上の名前サーバとして動作します。 false
NativeCodeSet string 型のネイティブコードセットの指定 OSF_SJIS1
(Windows)

JIS_eucJP
(HP-UX, Solaris, Linux)
NativeCodeSetW wchar/wstring型のネイティブコードセットの指定 UCS2_LEVEL1
MesBufNum 初期メッセージバッファの分割されたメモリ領域個数を指定します。 1
MesBufTryLen MesBufSize に32767 以上を指定した場合で、send システムコールで一度に送信要求する大きさを32767 以上にしたいとき、MesBufTryLen で指定します。MesBufSize を越えて設定することはできません。 2147483647
MesBufSize メッセージバッファ分割の大きさを指定します。単位はバイトです。 65536
MessagingLog trueを指定すると通信相手、通信量のログをとることができます。 false
MessageBodyLog trueを指定すると通信内容のログをとることがきます。 false
MessageLogFile 通信ログ出力先ファイル名を指定します。 指定なし
SendCodeSetContextEverytime この設定が"true"のときは、CodeSetContext を毎回送ります。設定が"false"のときは、1 コネクションにつき最初の一回だけ送ります。ObjectSpinner R4.x のサーバとコードセットを使用して通信を行うには設定を"true"にする必要があります。 false
ServerKeepAlive trueを指定すると、TCP/IP レベルでのKEEPALIVE をそのマシン内の全サーバプロセスで使用します。 true
ServerRequestTimeout クライアントからのリクエスト処理にかかる最大待ち時間(0 以上の整数)を秒単位で設定します。0 を設定すると処理が戻ってくるまで待ち続けます。 30
SockBufSize OS 内部のソケットごとのバッファサイズを指定します。単位はバイトです。未設定の場合、Object Broker C++ は明示的な値の設定を行いません。 65536
SysExcWithOMGORG 旧バージョンや他社製品でIDL:omg.org/で始まるリポジトリID を正しく処理できないORB と通信を行う場合にfalseを指定します。falseを指定すると例外のリポジトリIDL:omg.org/)を従来形式(IDL:)でマーシャルします。 true
Syslog trueを指定するとシステムログ情報をsyslog に出力します。 false
SyslogDetail trueを指定すると詳細なシステムログ情報をsyslog に出力します。 false
SyslogForOperator trueを指定するとシステム運用者向けのログ情報を出力します。 false
SyslogForDeveloper trueを指定するとアプリケーション開発者向けのログ情報を出力します。 false
UseCodeSet この設定が"false"のときは、コードセットを使用せずに通信を行います。"true"のときは、コードセットを使用して通信を行います。 true
UseProfileBodyComponents IOR Components をProfileBody 内に格納するか、MultipleComponent 内に格納するかを設定します。この設定がtrueのときは、ProfileBody 内に格納します。falseのときは、MultipleComponent 内に格納します。ただし、IIOPMinorVersion が0 に設定されているときは、この設定にかかわらず、MultipleComponent 内に格納します。 false
CppAddWcharWidthOctet GIOP バージョン 1.2 において、wchar 型のデータをマーシャルするときに、1文字あたりのバイト数を示すオクテットを各文字に付加するかどうかを指定します。付加する場合は true を指定します。付加しない場合は false を指定します。 true
CppAddWstringWidthOctet GIOP バージョン 1.2 において、wstring 型のデータをマーシャルするときに、1文字あたりのバイト数を示すオクテットを各文字に付加するかどうかを指定します。付加する場合は true を指定します。付加しない場合は false を指定します。 false
CppClientCertKey PEM 形式のクライアント証明書のファイル名を設定します。
クライアント認証を要求するサーバと通信する場合は必ず設定しなければなりません。

(例)
D:\\temp\\userCA.pem
指定なし
CppSSLProvider SSL通信で使用する製品を指定します。

以下の値を設定することができます。
・SSL-C
・OpenSSL(既定値)
OpenSSL
CppTrustedCACerts PEM 形式の信頼するCA証明書のファイル名を設定します。

(例) D:\\temp\\CA.pem
指定なし
BindRetryCount 起動処理で、サーバポート開設に失敗した時の再試行回数を設定します。 0を設定した場合は再試行を行いません。この設定値は全てのCORBAサービスに適用されます。 10
BindRetryInterval 起動処理で、サーバポート開設に失敗した時の再試行間隔を秒単位で設定します。 この設定値は全てのCORBAサービスに適用されます。 3

10.1.3. Object Broker Javaの設定項目一覧

Javaタブ:Object Broker Javaの設定を行うことができます。
(注) 以下の項目に無いObject Broker Javaのプロパティは、オペレーションを使用して設定することができます。
オペレーションからの設定方法、および設定可能プロパティ一覧は、[ 構築・運用 > Object Broker > ORBコンフィグの操作 ] の「3. Object Broker Java プロパティ設定[set-orb-java-property]」を参照してください。

属性名
(attribute-name)
説明 既定値
Java エンコーディング (JavaCodeSetEncoding) 通信に使用するコードセットに対応する Java™エンコーディングを変更します。
指定は、コードセット名と新たに設定するエンコーディング名をイコール (=) で区切って記述します。複数の指定をする場合は、カンマ (,) で区切って記述してください。

-CodeSetEncoding OSF_SJIS1=MS932,0x05020002=MS932
コードセット名のかわりにコードセット番号で指定することもできます。10進数もしくは16進数での指定が可能です。16進数の場合は先頭に 0x を付け加えてください。

Object Broker Java でサポートするコードセットについての詳細は [ 文字コードセット ] を参照してください。
Object Broker Javaで対応していないコードセットに対しては指定できません。指定しても設定は更新されません。 また、Java™ がサポートしていないエンコーディングは指定できません。Java™ がサポートするエンコーディングは Java™ のバージョンによって異なります。Java™ がサポートしていないエンコーディングを指定した場合は、文字コード変換が発生した時点 (文字および文字列データの送受信) でアプリケーションに INV_OBJREF 例外を返却します。
この項目を指定しない場合の既定値は、 [ 文字コードセット ]を参照してください。
Char、string型のコンバージョンコードセット
(JavaConversionCodeSets)
char 型、string 型のコンバージョンコードセットを変更します。
指定可能なコードセットは [ 文字コードセット ]を参照してください。
ConversionCodeSets プロパティの設定は、サーバに対してのみ有効です。 複数のコードセットを指定する場合は、カンマ(,)で区切って記述してください。
この項目を指定しない場合の既定値は、OSF_SJIS1,JIS_eucJP,
ISO8859-1,ISO646です。
wchar、wstring型のコンバージョンコードセット
(JavaConversionCodeSetsW)
wchar 型、wstring 型のコンバージョンコードセットを変更します。
指定可能なコードセットは [ 文字コードセット ]を参照してください。
ConversionCodeSetsW プロパティの設定は、サーバに対してのみ有効です。 複数のコードセットを指定する場合は、カンマ(,)で区切って記述してください。
この項目を指定しない場合の既定値は、UTF16 です。
コードセットの指定がないときに例外を返却するかどうかの指定
(JavaCodeSetNegotiationStrict
Check)
GIOP バージョン 1.0 で通信を行う場合、および、コードセットのネゴシエーション機能を持たない ORB と通信を行う場合に、通信するデータに wchar 型もしくは wstring 型が含まれていたとき、CORBA 仕様に準拠してアプリケーションに例外を返却するかどうかを指定します。
true を指定した場合は、通信するデータに wchar 型もしくは wstring 型が含まれていた場合、アプリケーションに例外を返却します。
false を指定した場合は、wchar 型もしくは wstring 型のコードセットに UCS2L1 を使用して通信します。
false
バッファの初期プール数
(JavaInitialBufferPoolSize)
内部バッファが使用するバッファの初期プール数を設定します。内部バッファが使用するバッファは再利用されます。 InitialBufferPoolSizeで指定された数だけ、ORB起動時にバッファが確保されます。 4
バッファの初期サイズ
(JavaInitialBufferSize)
内部バッファが使用するバッファの初期サイズを設定します。バッファサイズの指定は性能の改善に有効です。
既定値(65536バイト)より大きなデータの送受信を頻繁に行う場合、そのデータサイズより大きいバッファを設定することで、性能を改善することができます。
65536
バッファプールの最大数
(JavaMaxBufferPoolSize)
内部バッファが使用するバッファの最大プール数を設定します。内部バッファが使用するバッファは再利用されます。 MaxBufferPoolSizeで指定された数以上は、バッファはプールされません。 20
AddWcharWidthOctet
(JavaAddWcharWidthOctet)
GIOP バージョン 1.2 において、wchar 型のデータをマーシャルするときに、1文字あたりのバイト数を示すオクテットを各文字に付加するかどうかを指定します。付加する場合は true を指定します。付加しない場合は false を指定します。 true
AddWstringWidthOctet
(JavaAddWstringWidthOctet)
GIOP バージョン 1.2 において、wstring 型のデータをマーシャルするときに、1文字あたりのバイト数を示すオクテットを各文字に付加するかどうかを指定します。付加する場合は true を指定します。付加しない場合は false を指定します。 false
クライアント認証の要否
(JavaCertRequest)
クライアントに対する、クライアント証明書の要求の指定を選択します。サーバ側で有効です。次の値を設定することができます。

true - クライアント証明書を要求します
false - クライアント証明書を要求しません
false
SSL 通信で使用する製品
(JavaSSLProvider)
SSL通信で使用する製品を指定します。次の値を設定することができます。

SSL-J
JSSE
JSSE
クライアント証明書のファイル名
(JavaClientCertKey)
クライアント証明書のファイル名を設定します。 クライアント認証を要求するサーバと通信する場合は必ず設定しなければなりません。

(例) D:\\temp\\userCA.p12
指定なし
クライアント証明書のファイルのパスワード
(JavaClientCertKeyPassPhrase)
クライアント証明書のファイルのパスワードを設定します。 指定なし
クライアント証明書の鍵の別名
(JavaClientCertAlias)
クライアント証明書の鍵の別名を設定します。 証明書ファイルが JKS 形式の場合のみ必要です。 指定なし
クライアント証明書の鍵の別名のパスワード
(JavaClientCertAliasPassPhrase)
クライアント証明書の鍵の別名のパスワードを設定します。
証明書ファイルが JKS 形式の場合のみ必要です。
指定なし
クライアント証明書の鍵の形式
(JavaClientCertKeyType)
クライアント証明書の鍵の形式を設定します。 この項目を指定しない場合の既定値は DSA です。
クライアント証明書のファイル形式
(JavaClientCertKeyFileType)
クライアント証明書のファイルの形式を設定します。 PKCS12
CA証明書のファイル名
(JavaTrustedCACerts)
信頼するCA証明書のファイル名を設定します。

(例) D:\\temp\\CA.DER
指定なし
CA証明書のファイルのパスワード
(JavaTrustedCACertsPassPhrase)
信頼するCA証明書のファイルのパスワードを設定します 証明書ファイルが JKS 形式の場合のみ必要です。 指定なし
CA証明書のファイル形式
(JavaTrustedCACertsFileType)
信頼するCA証明書のファイルの形式を設定します。DER もしくは JKS を指定することができます。PEM 形式の場合は DER と指定してください。 JKS
SSLCipherSuites
(JavaSSLCipherSuites)
SSLで利用するCipherSuitesの種類を指定します。使用する各CipherSuitesを":"で区切って指定します。指定可能なCipherSuitesについてはORACLEのJSSEリファレンスガイドを参照ください。 JSSE を使用し、このプロパティを指定しない場合は JSSE の既定値に従います。
スレッドポリシー
(JavaThreadPolicy)
サーバ処理のスレッドポリシーを選択します。 次の値を設定することができます。

PerClientThread - クライアント単位にスレッドを生成し、そのスレッド上でクライアントからの要求をシリアルに処理します
PooledThread - クライアントからの要求をあらかじめプールされた複数のスレッドに配分してパラレルに処理します

PerClientThreadの場合、クライアントが異なれば、スレッドも異なるため、それらの要求はパラレルに処理されます。
PooledThreadの場合、プールスレッドは、クライアント単位ではなく、クライアント全体で共通のものです。その数は、共通タブのPoolThreadNumberで変更できます。
PooledThread
Dynamic RMI-IIOP機能を有効にするかどうかの指定
(UseDynamicStub)
Dynamic RMI-IIOP機能(RMI-IIOP のダイナミック・プロキシによる通信モード)を有効にするかどうかを指定します。 次の値を設定することができます。

true - RMI-IIOP のダイナミック・プロキシによる通信モードを有効にします
false - RMI-IIOP のダイナミック・プロキシによる通信モードを無効にします
true

10.1.4. CORBAサービスの設定項目一覧

oadや名前サーバ、oadといったObject Brokerが提供する各種サービスの設定を行うことができます。

各サービスの設定項目の前に、各サービスが持つ[状態] のタブで設定できる項目について説明します。
状態タブ:各サービスのアライブチェックに関する設定を行うことができます。
属性名
(attribute-name)
説明 既定値
状態 監視対象のサービスの状態を表示します。 参照のみ可能な項目です。既定値はありません。
アライブチェックモニタの自動登録を行う trueの場合、ドメイン起動時にアライブチェックモニタを登録し、サービスのアライブチェックを行います。
サービスが正常動作していない(アボート、ストールなど)場合、イベントが発生して通知されます。
アライブチェックモニタの詳細については、[ 構築・運用 > モニタリング > モニタリングについて > モニタの種類 > Alive Check Monitor ] を参照してください。
oad、名前サーバ(namesv)ではtrue、oadjではfalseです。
監視間隔 アライブチェックの監視間隔をミリ秒単位で指定します。 30000(ミリ秒)
イベントを連続発生させる間隔 監視対象のサービスがアライブ中でない状態が続く場合にイベントを発生させる間隔をミリ秒単位で指定します。0の場合、このイベントは発生しません。 0
10.1.4.1. Dottedname : server.corba-service.oad

oadの設定項目は、[一般] のタブにあります。

属性名
(attribute-name)
説明 既定値
OadPort oadのポート番号(任意の整数)を指定します。
指定可能な値の範囲はOSに依存します。
ORB通信を行うクライアントとサーバ間で同一のポート番号を使う必要があります。

同一ホス内のOadPortには、(他のサーバも含めて)重複しないポート番号を指定する必要があります。
運用開始後にoadのポート番号を変更すると、それ以前に作ったオブジェクトを呼び出すことができなくなります。変更した場合は、システムを再起動してください。
9825
OadActivationMode disabledを指定すると一切サーバの自動起動を行いません。
enabledを指定するとサーバの自動起動を行います。
enabled
OadNoCheckActivation enabledを指定するとあらゆるホストからの活性化を受け付けます。またサーバの実行ファイルについても一切の制限なく受け付けます。 このモードの使用はセキュリティ上の問題を引き起こす恐れがあります。
disabledを指定すると、活性化を受け付けるホストのチェックを行います。
disabled
OadAllowRelativePath true を指定すると、相対パスのサーバ実行ファイルでも自動起動を行います。
falseが指定されたときは"相対パスのサーバ実行ファイルは自動起動を行いません。
false
OadActivationTimeout oadによるサーバプロセス自動起動時に起動完了通知を待つ時間を秒単位で設定します。 10
OadStartup ドメイン起動時、ObjectBroker MOからのサービススタート時にoadを起動するかどうかを指定します。
OadMOからのoad起動時は、この値に関係なく、oadを起動します。
次のような場合には、oadを起動する設定に変更してください。
  • V9.1までと同様の運用形態にしたい場合(たとえばプロセス監視対象を変えたくない等)
  • V9.1までの環境からCORBAサービスを利用する場合
  • oadjを起動する場合
  • oadによるサーバプロセス自動起動を使用する場合
false
OadLoggingLevel oadのLoggingLevelを設定します。設定と引数の両方が指定されている場合は、引数が優先されます。指定可能な値は、LoggingLevelと同じです。未指定時は、LoggingLevelの値が使用されます。 指定なし


10.1.4.2. Dottedname : server.corba-service.namesv

名前サーバの設定項目は、[一般] のタブにあります。

属性名
(attribute-name)
説明 既定値
NameServicePort 名前サーバのポート番号。指定可能な値の範囲はOSに依存します。
名前サービス運用開始後にポート番号を変えるとそれ以前に付けられた名前は使えなくなります。
運用開始後にポート番号を変更する場合は、いったん名前サービスを停止後、
${INSTANCE_ROOT}/config/ObjectBroker/namesv.ndfファイルを削除してから行ってください。
2809
NameServiceHostName 名前サーバが動作しているホスト名を指定します。 自ホスト
NameServiceExportHostName 名前サーバが動作するホスト上で指定すると、名前サーバのIOR中に含まれるホスト情報として使われます。NameServiceHostNameと同時に指定した場合、この設定が優先されます。 指定なし
NameServiceFileSaveRetryInterval 名前サーバ終了時にパーシステントデータを保存できないとき、データ書き込みの再試行を行う間隔を設定します。設定できる上限の値は2,147,483,647です。この値を越えたり、負の値を設定してはいけません。 30
NameServiceIdWithOMGORG 旧バージョンや他社製品でIDL:omg.org/で始まるリポジトリIDを正しく処理できないORBと通信を行う場合にfalseを指定します。falseを指定すると名前サービスのリポジトリID(IDL:omg.org/)を従来形式(IDL:)でマーシャルします。 true
NameServiceAccessCheck trueを指定すると
${INSTANCE_ROOT}/config/ObjectBroker/namesvwtファイルに記述されたホストおよび名前サーバが動作しているホスト以外からはresolve以外の名前サービスへのアクセスができなくなります。namesvwtファイルには書き込みアクセスを許可するホストのホスト名またはIPアドレスを記述します。
false
NameServiceThreadPolicy スレッド処理方針を設定します。
指定なし - シングルスレッドで実行されます。
permethod - メソッドごとにスレッドを作成して実行されます。
pool - あらかじめ作成されたスレッドで実行されます。
指定なし
NameServiceRoundRobin trueを設定するとラウンドロビン機能が有効になります。 falseの場合にラウンドロビンのインタフェースが呼ばれたときの動作は保証しません。 true
NameServiceConvertIOR 変換データファイルのパス または auto を指定します。 指定なし
NameServiceStartup ドメイン起動時、ObjectBroker MOからのサービススタート時に名前サーバを起動するかどうかを指定します。
NameServiceMOからの名前サーバ起動時は、この値に関係なく、名前サーバを起動します。
true
NameServiceFileSaveRetryCount 名前サーバ終了時にパーシステントデータを保存できないとき、データ書き込みの再試行を行う回数を設定します。設定できる上限の値は2,147,483,647です。この値を越えた値や負の値を設定してはいけません。 2
NameServiceDuplicationAware trueを指定するとCORBA::ORB::__duplication_aware(1)で名前サーバを動作させます。つまり、MC/SGにより多重化された論理ホスト上の名前サーバとして動作します。
この指定を行ったときはLogicalHostNameおよびLogicalIPAddressの指定も必要となります。
設定がないとき、および、true以外を指定したときには物理ホスト上の名前サーバとして動作します。
false
NameServiceBackupNDF NDFファイルのバックアップ機能を利用するかどうかをtrue / falseで指定します。デフォルトはtrueです。 true
NameServiceManagementNDF 壊れているNDFファイルは、調査の為に退避されますが、何世代まで退避しておくかを指定します。デフォルトは2世代です。退避されたNDFファイルは、${OrbRoot}/conf配下に格納されます。
${OrbRoot}については [ Object Broker共通の設定項目一覧 ] を参照してください。
2
NameServiceConfDirectory namesv.ndfファイルが置かれるディレクトリを指定します。設定がされていないときは${OrbRoot}/confとなります。
${OrbRoot}については [ Object Broker共通の設定項目一覧 ] を参照してください。
指定なし
NameServiceLoggingLevel 名前サーバのLoggingLevelを設定します。設定と引数の両方が指定されている場合は、引数が優先されます。指定可能な値は、LoggingLevelと同じです。未指定時は、LoggingLevelの値が使用されます。 指定なし

名前サーバを起動するサーバで、NameServiceHostNameにリモートのホスト名を設定する必要がある場合は、名前サーバが起動できるようNameServiceExportHostNameに自ホスト名を設定してください。


10.1.4.3. Dottedname : server.corba-service.oadj

oadjの設定項目は、[一般] のタブにあります。
(注) 属性重要度をデフォルトの1から3に上げると、[拡張]タブが表示され、設定可能な項目が増えますが、[拡張タブ]の項目は、通常、設定の必要のないものです。

一般タブ:OadJに関する基本的な設定を行うことができます。
属性名
(attribute-name)
説明 既定値
OadJ を起動するかどうかの指定
(Startup)
ドメイン起動時および ObjectBroker MO からのサービススタート時にOadJ を起動するかどうかを指定します。OadJ MO からのOadJ 起動時は、この値に関係なく、OadJ を起動します。 false
ライセンス情報を取得できるかどうかを表す値
(Licensed)
インストール時にライセンスが登録されたかどうかを表します。ただし、OadJが起動していない場合は必ずfalseが返ります。 参照のみ可能な項目です。既定値はありません。
OadJのポート番号(Port) OadJ の使用するポート番号です。 9826
Oadのポート番号
(OadPort)
Oad のポート番号です。
OadJ は起動時にOad を使用します。Oad のポート番号の変更は、oad MO から行うことができます。
参照のみ可能な項目です。既定値は9825です。
OadJ 起動時のログ採取有無
(InitLog)
OadJ の起動に関するログを採取するかどうかを指定します。ログは${INSTANCE_ROOT}/logs/ospi.log に出力されます。 oadj プロセスの起動に失敗するような問題の解決に有効です。 true
OadJ ログファイルサイズ
(LogFileSize)
oadjのログファイルの上限値(キロバイト)を指定します。ログファイルのサイズがこの値を超えると、新しいログファイルが作成されます。古いログファイルは、<ログファイル名.bak>として保存されます。

(注)この値は目安であり、ログファイルサイズが設定値を上回る場合があります。
100
OadJのログレベル
(LogLevel)
ログレベルを切り替えることにより、OadJ の運用時のログをとることができます。ログは${INSTANCE_ROOT}/logs/ObjectBroker/oadj.log に出力されます。次の値を設定することができます。

NO - 診断メッセージを出力しません。
ERROR - 通信エラーなど、エラーが発生した時に診断メッセージを出力します。
WARN - 警告的な意味を持つ状況が発生した時に診断メッセージを出力します。
INFO - アプリケーションプログラムの動作情報を出力します。
DEBUG - 詳細な診断情報を出力します。自動起動サーバプロセスが起動されないような問題の解決に有効です。
ERROR
JavaCommand OadJが使用するJavaコマンドをフルパスで設定します。

例)
D:\Java\x.x.x_xx(JDKのバージョン)\bin\java
未指定時
System.getProperty
("java.home")で取得したJDKのJavaコマンドを使用します。
拡張タブ:OadJに関する拡張設定を行うことができます。通常はこのタブの項目の設定を行う必要はありません。
属性名
(attribute-name)
説明 既定値
OadJ 起動時Javaオプション
(JavaOptions)
OadJ 起動時に呼び出されるjava/jre 起動コマンドに渡すコマンドライン オプションを指定します。複数のオプションが指定できます。通常は指定する必要はありませんが、何らかのjava/jre 実行時の問題を回避するような場合に有効となります。オプションについては、JDK/JRE のドキュメントを参考にしてください。未指定時は何も渡されません。

例) メモリ割り当てプールの初期サイズと最大サイズを指定する場合。
OadJJavaOptions=-Xms64m -Xmx128m
-Xms16m -Xmx64m
OadJのクラスパス
(Classpath)
OadJ起動時のクラスパスを指定します。

例)
D:\libtemp\aaa.jar;D:\libtemp\bbb.jar;D:\libtemp\cccc.jar
この表の下にある
<"OadJのクラスパス"の既定値>を参照してください。
AliveCheckSleepTime oadjにより起動されたサーバプロセスの生存を確認する間隔をミリ秒単位で設定します。 30000(ミリ秒)
ServerActivationTimeout OadJによるサーバプロセス自動起動時に起動完了通知を待つ時間をミリ秒単位で設定します。 30000(ミリ秒)
OadJAvoidAliveCheckProblem サーバプロセス生存確認時に発生するIOExceptionの種類がJDKのバージョンによって異なることを吸収します。 false

<"OadJのクラスパス(Classpath)"の既定値>

Windowsの場合 :
<webotx_home>\modules\wo-orb110.jar;<webotx_home>\modules\omgorb110.jar;<webotx_home>\modules\jsocks.jar

UNIXの場合 :
/opt/WebOTX/modules/wo-orb110.jar:/opt/WebOTX/modules/omgorb110.jar:/opt/WebOTX/modules/jsocks.jar


10.2. Object Broker JavaにおけるORBのプロパティ定義

この章ではORBに設定できるプロパティについて説明します。

10.2.1. 項目の参照と設定

項目の参照と設定は、Javaのシステムプロパティと同様に行ってください。詳細は、 [ ドメインの構築 > Java VMオプションの設定 > ユーザ独自のJava VMオプションの追加方法 ] を参照してください。

または、ORBコンフィグMOのオペレーションを使用して設定することができます。オペレーションからの設定方法は、 [ 構築・運用 > Object Broker > ORBコンフィグの操作 ] の「3. Object Broker Java プロパティ設定[set-orb-java-property]」を参照してください。

プロパティ指定の優先順位は次の通りで、argsでの指定が最優先です。

  1. ORB.init(String[] args, Properties props)のargsでの指定
  2. jp.co.nec.orb.PropertyFileで指定されたプロパティ定義ファイルでの指定
  3. ORB.init(Applet, Properties)のAppletパラメータでの指定
  4. ORB.init(xxxx, Properties props)のpropsでの指定
  5. Javaシステムプロパティ
  6. ドメインのORBコンフィグの設定
  7. ユーザのホームディレクトリのプロパティ定義ファイル (orb.properties)
  8. javaのホームディレクトリ/libのプロパティ定義ファイル (orb.properties)

各プロパティで、プレフィックス「jp.co.nec.orb.」が付く名称(例:jp.co.nec.orb.AddWStringWidthOctet)のものは、プレフィックスをつけない名称でも設定可能です。

WebOTX Ver6で既定値を変更したプロパティの一覧を、以下に示します。

プロパティ名(括弧()内の名前でも指定可能 )
jp.co.nec.orb.AddWstringWidthOctet
説明 Ver5までの既定値 Ver6での既定値
GIOP バージョン 1.2 において、wchar 型のデータをマーシャルするときに、1文字あたりのバイト数を示すオクテットを各文字に付加するかどうかを指定します。付加する場合は true を指定します。付加しない場合は false を指定します。 true false

jp.co.nec.orb.ClientRequestTimeout (jp.co.nec.orb.RequestTimeout)
説明 Ver5までの既定値 Ver6での既定値
クライアントからサーバにオペレーション呼び出しを行ってサーバからその応答が返るまでのタイムアウト値を設定します。このプロパティを指定したプロセス全体にこのタイムアウト値が適用されます。単位は秒です。0 を設定するとタイムアウトせず、サーバから応答が返るまで待ちつづけます。 設定した時間を過ぎてもサーバから応答がない場合には org.omg.CORBA.NO_RESPONSE 例外 (マイナーコード 5130) が発生します。 タイムアウトしない 30秒

jp.co.nec.orb.UseConnectionRoundRobin (jp.co.nec.orb.ConnectionRoundRobin)
説明 Ver5までの既定値 Ver6での既定値
オブジェクトリファレンスが多重化されている場合に、コネクションのラウンドロビンを行うかどうかを指定します。 ラウンドロビンを行う場合は true を指定します。ラウンドロビンを行わない場合は false を指定します。 false true

jp.co.nec.orb.ConnectionRoundRobinTimeout
説明 Ver5までの既定値 Ver6での既定値
オブジェクトリファレンスが多重化されている場合に、各オブジェクトに対する呼び出しのタイムアウト時間を秒単位で指定します。0 を指定した場合はタイムアウトしません。 タイムアウトしない ClientRequestTimeoutの設定に従う

jp.co.nec.orb.LogLevel (jp.co.nec.orb.LoggingLevel)
説明 Ver5までの既定値 Ver6での既定値
Object Broker Javaは、動作中に診断メッセージを出力することができます。診断メッセージを出力すると、アプリケーションのデバッグなどに便利なこともあります。診断メッセージは設定されているLogLevelに基づいて出力する情報が変わります。次の値を設定することができます。

NO - 診断メッセージを出力しません
ERROR - 通信エラーなど、エラーが発生した時に診断メッセージを出力します
WARN - 警告的な意味を持つ状況が発生した時に診断メッセージを出力します
INFO - アプリケーションプログラムの動作情報を出力します
DEBUG - 詳細な診断情報を出力します

LogLevelは上記のリストの下の方を指定するほど出力される情報は多くなります。
ERROR NO(出力しない)

jp.co.nec.orb.SSLProvider
説明 Ver5までの既定値 Ver6での既定値
SSL通信で使用する製品を指定します。次の値を設定することができます。

SSL-J
JSSE
SSL-J JSSE


WebOTX Object Broker Java™ におけるORBのプロパティ一覧を、以下に示します。

プロパティ名(括弧()内の名前でも指定可能 )
jp.co.nec.orb.AddWcharWidthOctet
説明 既定値
GIOP バージョン 1.2 において、wchar 型のデータをマーシャルするときに、1文字あたりのバイト数を示すオクテットを各文字に付加するかどうかを指定します。付加する場合は true を指定します。付加しない場合は false を指定します。指定しない場合の既定値は true です。 true

jp.co.nec.orb.AddWstringWidthOctet
説明 既定値
GIOP バージョン 1.2 において、wchar 型のデータをマーシャルするときに、1文字あたりのバイト数を示すオクテットを各文字に付加するかどうかを指定します。付加する場合は true を指定します。付加しない場合は false を指定します。 false

jp.co.nec.orb.AllowNullString
説明 既定値
オペレーション呼び出しにおいて、string 型および wstring 型の引数、戻り値に null を指定することを許すかどうかを指定します。許す場合は true を指定します。許さない場合は false を指定します。 false

jp.co.nec.orb.AlternativeHostName
説明 既定値
リファレンス生成時に格納するホスト名を指定するときに使用します。 サーバソケットのbindでは全てのローカルアドレスへの接続を受け入れます。 java.net.InetAddress. getLocalHost()の戻り値

jp.co.nec.orb.AlternativeHostNames
説明 既定値
IORに設定されているホスト名(またはIPアドレス)がこのプロパティで指定された値に含まれていて、かつ、呼び出し先のCORBAオブジェクトが同一プロセス内で動作していれば、ローカルスタブで呼び出します。 複数の指定をする場合は、コロン (:) で区切って記述します。 指定しない

jp.co.nec.orb.AppletProxyHost
説明 既定値
AppletProxyのホスト名 指定なし

jp.co.nec.orb.AppletProxyPort
説明 既定値
AppletProxyのポート番号 −1

jp.co.nec.orb.CertRequest
説明 既定値
クライアントに対して、クライアント証明書の要求を行うかどうかを指定します。サーバ側で有効です。 次の値を設定することができます。

true - クライアント証明書を要求します
false - クライアント証明書を要求しません
false

jp.co.nec.orb.ClientAutoTimeout
説明 既定値
クライアント側で一定時間送受信要求の無いコネクションを監視するタイマ値(秒)を指定します。指定されたタイマ値の間メッセージの送受信を行わなかったコネクションは切断されます。指定されない場合、監視は行いません。 監視しない

jp.co.nec.orb.ClientCertAlias
説明 既定値
JSSEで使用するクライアント証明書の鍵の別名を設定します。証明書ファイルが JKS 形式の場合のみ必要です。 指定しない

jp.co.nec.orb.ClientCertAliasPassPhrase
説明 既定値
JSSEで使用するクライアント証明書の鍵の別名のパスワードを設定します。証明書ファイルが JKS 形式の場合のみ必要です。 指定しない

jp.co.nec.orb.ClientCertKey
説明 既定値
JSSEで使用するクライアント証明書のファイル名を設定します。 クライアント認証を要求するサーバと通信する場合は必ず設定しなければなりません。 指定しない

jp.co.nec.orb.ClientCertKeyFileType
説明 既定値
JSSEで使用するクライアント証明書のファイルの形式を設定します。 PKCS12 もしくは JKS を指定することができます。 PKCS12

jp.co.nec.orb.ClientCertKeyPassPhrase
説明 既定値
JSSEで使用するクライアント証明書のファイルのパスワードを設定します。 指定しない

jp.co.nec.orb.ClientCertKeyType
説明 既定値
JSSEで使用するクライアント証明書の鍵の形式を設定します。このプロパティを指定しない場合は DSA が既定値として選択されます。 DSA

jp.co.nec.orb.ClientRequestTimeout (jp.co.nec.orb.RequestTimeout)
説明 既定値
クライアントからサーバにオペレーション呼び出しを行ってサーバからその返事が返ってくるまでのタイムアウト値(単位:秒)を設定します。このプロパティを指定したプロセス全体にこのタイムアウト値が適用されます。 0 を設定するとタイムアウトせず、サーバからリプライが返るまで待ちつづけます。 設定した時間を過ぎてもサーバからリプライがない場合には org.omg.CORBA.NO_RESPONSE 例外 (マイナーコード 5130) が発生します。 30秒

jp.co.nec.orb.CodeBasePropertyFile
説明 既定値
プロセスで共通のコードベースプロパティファイルのファイル名を指定します。このプロパティを指定しない場合の既定値は カレントディレクトリ/codebase.conf です。 ./codebase.conf

jp.co.nec.orb.CodeBasePropertyFileDir
説明 既定値
コードベースプロパティ名に対応するコードベースプロパティファイルの格納ディレクトリを指定します。 カレントディレクトリ

jp.co.nec.orb.CodeBasePropertyFileSuffix
説明 既定値
コードベースプロパティ名に対応するコードベースプロパティファイルの拡張子を指定します。 cbp

jp.co.nec.orb.CodeSetEncoding
説明 既定値
通信に使用するコードセットに対応する Java™ エンコーディングを変更します。
指定は、コードセット名と新たに設定するエンコーディング名をイコール (=) で区切って記述します。複数の指定をする場合は、カンマ (,) で区切って記述してください。

-CodeSetEncoding OSF_SJIS1=MS932,0x05020002=MS932
コードセット名のかわりにコードセット番号で指定することもできます。10進数もしくは16進数での指定が可能です。16進数の場合は先頭に 0x を付け加えてください。

Object Broker Javaで対応していないコードセットに対しては指定できません。指定しても設定は更新されません。 Java™ がサポートしていないエンコーディングは指定できません。Java™ がサポートするエンコーディングは Java™ のバージョンによって異なります。Java™ がサポートしていないエンコーディングを指定した場合は、文字コード変換が発生した時点 (文字および文字列データの送受信) でアプリケーションに INV_OBJREF 例外を返却します。
[ 文字コードセット ]を参照してください。

jp.co.nec.orb.CodeSetNegotiationStrictCheck
説明 既定値
GIOP バージョン 1.0 で通信を行う場合、および、コードセットのネゴシエーション機能を持たない ORB と通信を行う場合に、通信データに wchar 型もしくは wstring 型が含まれていたとき、CORBA 仕様に準拠してアプリケーションに例外を返却するかどうかを指定します。指定できる値は true もしくは false です。
true を指定した場合は、通信するデータに wchar 型もしくは wstring 型が含まれていた場合、アプリケーションに例外を返却します。
false を指定した場合、wchar 型もしくは wstring 型のコードセットとして UCS2L1 を使用します。
false

jp.co.nec.orb.CompatibleMinorCode
説明 既定値
R7.10 より Object Broker Java独自のマイナーコードの番号の一部を CORBA 標準マイナーコードに変更しました。そのため、R6.x もしくはそれ以前で作成したアプリケーションにおいて、マイナーコードで処理を切り分けている場合は、正しく動作しなくなる可能性があります。その場合、このプロパティに 6 を指定してください。 8

jp.co.nec.orb.UseConnectionRoundRobin (jp.co.nec.orb.ConnectionRoundRobin)
説明 既定値
オブジェクトリファレンスが多重化されている場合にコネクションのラウンドロビンを行うかどうかを指定します。 ラウンドロビンを行う場合は true を指定します。ラウンドロビンを行わない場合は false を指定します。 true

jp.co.nec.orb.ConnectionAutoRetryInterval
説明 既定値
オブジェクトリファレンスが多重化されている場合に、呼び出しに失敗したオブジェクトに対して状態確認を行う間隔を秒単位で指定します。 300(秒)

jp.co.nec.orb.ConnectionRoundRobinTimeout
説明 既定値
オブジェクトリファレンスが多重化されている場合に、それぞれのオブジェクトに対する呼び出しのタイムアウト時間を秒単位で指定します。0 を指定した場合はタイムアウトしません。 ClientRequestTimeoutの設定に従う

jp.co.nec.orb.ConnectionSharingUnit
説明 既定値
クライアント側でコネクションを生成、管理するときの共有単位を設定します。
Object Broker Javaでは設定された共有単位毎にコネクションを生成、管理します。 プロセス(JavaVM)単位、ORBインスタンス単位、Appletインスタンス単位のいずれかの設定が可能です。 ConnectionSharingUnitはORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。

Process - プロセス(JavaVM)単位
ORB - ORB.init()で生成されたORBインスタンス単位
Applet - ORB.init()の引数で指定されたAppletインスタンス単位

クライアントコネクションの切断、解放はORBインスタンスのshutdown()、もしくはdestroy()のいずれかが呼び出されたときに行います。切断、解放の対象となるコネクションはConnectionSharingUnitに設定された共有単位になります。
共有単位が同じである全てのORBインスタンスのshutdown()、destroy()が呼び出されない限り切断、解放は行いませんので注意が必要です。 例えば、Processを設定して生成したORBインスタンスが一つのプロセス内に複数存在する場合、それら全てのORBインスタンスのshutdown()、destroy()が呼び出されない限り切断、解放は行いません。
Process

jp.co.nec.orb.ConversionCodeSets
説明 既定値
char 型、string 型のコンバージョンコードセットを変更します。指定可能なコードセットは [ 文字コードセット ]を参照してください。
ConversionCodeSets プロパティの設定は、サーバに対してのみ有効です。 複数のコードセットを指定する場合は、カンマ(,)で区切って記述してください。
OSF_SJIS1,
JIS_eucJP,
ISO8859-1,
ISO646

jp.co.nec.orb.ConversionCodeSetsW
説明 既定値
wchar 型、wstring 型のコンバージョンコードセットを変更します。指定可能なコードセットは [ 文字コードセット ]を参照してください。
ConversionCodeSetsW プロパティの設定は、サーバに対してのみ有効です。複数のコードセットを指定する場合は、カンマ(,)で区切って記述してください。
UTF16

jp.co.nec.orb.CorbalocAskWithMT
説明 既定値
初期サービスのアドレスを複数指定した場合のcorbalocサーバ呼び出し時の動作を選択します。 次の値を設定することができます。

true - マルチスレッドによる同時処理
false - 順次処理

キャッシュ名前サービスを利用する場合は、trueを指定して同時処理を選択してください。 CorbalocAskWithMTは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
false

jp.co.nec.orb.CorbalocDefaultPort
説明 既定値
名前サービス利用時のURL記述(corbaloc URL)でポート番号を指定しなかったときに使用するポート番号を指定します。
CorbalocDefaultPortは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
2809

jp.co.nec.orb.DomainName
説明 既定値
サーバホストのドメイン名を指定します。 DomainNameは、ドメイン名の付いたホスト(例:host1.domain1.nec.co.jp)と付かないホスト(例:host2)が混在している場合に、ホスト名の整合性を取るために使用します。 Object Broker Javaがクライアントとして動作する場合、ホスト名解決に失敗すると、DomainNameで指定されたドメイン名を補完または削除してリトライします。サーバとして動作する場合、サーバのホスト名にドメイン名が付いていなければ、DomainNameで指定されたドメイン名を付加した名前でオブジェクトリファレンスを作成します。 指定しない

jp.co.nec.orb.ExternalHostName
説明 既定値
負荷分散装置や、クラスタ構成での仮想化のための、クライアント端末に公開するIPアドレスまたはホスト名を指定します。サーバ側で指定すると、全てのクライアント端末で有効になります。この設定は、ローカルマシン内でのEJBやCORBAの通信では使用されません。このため、設定されたホスト名が有効になっていなくても、サーバマシン内でEJBやCORBAの通信を行うことができます。
リファレンスを作る際、指定されたアドレスが、AlternativeHostNameより優先して格納されます。また、指定されたアドレスと自ホストのアドレスを、内部で自動的にAlternativeHostNamesプロパティに設定しています。
指定しない

jp.co.nec.orb.GIOPMinorNumber (jp.co.nec.orb.GIOPMinorVersion)
説明 既定値
クライアントがサーバに送信する要求メッセージのGIOPバージョンのマイナー番号には、サーバがIORのIIOPプロファイルに格納したIIOPバージョンのマイナー番号を使います。GIOPMinorNumberを指定すると、この要求メッセージのGIOPバージョンのマイナー番号を変更することができます。ただし、GIOPMinorNumberで指定した値よりもサーバがIORのIIOPプロファイルに格納したIIOPバージョンのマイナー番号のほうが小さい場合、サーバが格納した番号が優先されます。次の値を設定することができます。

0 - GIOP1.0を使用
1 - GIOP1.1を使用
2 - GIOP1.2を使用
2 - GIOP1.2を使用

jp.co.nec.orb.IIOPCompatible
説明 既定値
IIOPに準拠した通信を行うかどうかを指定します。 次の値を設定することができます。

true - IIOPに準拠した通信を行う
false - IIOPに準拠した通信を行わず、拡張プロトコルによる通信を行う
false

jp.co.nec.orb.IIOPMinorNumber (jp.co.nec.orb.IIOPMinorVersion)
説明 既定値
サーバがIORのIIOPプロファイルに格納するIIOPバージョンのマイナー番号を指定します。次の値を設定することができます。

0 - IIOP1.0を使用
1 - IIOP1.1を使用
2 - IIOP1.2を使用
2 - IIOP1.2を使用

jp.co.nec.orb.ImplementationName
説明 既定値
自動起動サーバのインプリメンテーション名を設定します。 自動起動サーバのオブジェクトリファレンスを生成する場合に使用します。「インプリメンテーションの登録」オペレーション(instimpl)による自動起動サーバの登録時に指定するインプリメンテーション名と同じ名前を指定してください。 指定しない

jp.co.nec.orb.InitialBufferPoolSize
説明 既定値
ストリームが使用するバッファの初期プール数を設定します。ストリームが使用するバッファは再利用されます。 InitialBufferPoolSizeで指定された数だけ、ORB起動時にバッファが確保されます。 4

jp.co.nec.orb.InitialBufferSize
説明 既定値
ストリームが使用するバッファの初期サイズを設定します。バッファサイズの指定は性能の改善に有効です。 既定値(65536バイト)より大きなデータの送受信が頻繁におこるような場合、そのデータサイズより大きいバッファを設定しておけば、バッファの拡張/破棄等の無駄な処理を避けることができます。 65536

jp.co.nec.orb.InterfaceRepositoryHost
説明 既定値
インタフェースリポジトリが動作するホスト名を指定することができます。このプロパティが設定されているとき、この設定はORBInitialHostより優先されます。 インタフェースリポジトリについて複数の設定が同時に行われた場合、優先されるプロパティの順番を下記に示します。
1. jp.co.nec.orb.InterfaceRepositoryIOR
2. jp.co.nec.orb.InterfaceRepositoryHost
3. org.omg.CORBA.ORBInitialHost

InterfaceRepositoryHostは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
指定しない

jp.co.nec.orb.InterfaceRepositoryIOR
説明 既定値
インタフェースリポジトリを表す文字列形式のオブジェクトリファレンスを指定することができます。指定するオブジェクトリファレンスは下記のような文字列です。
IOR:010000000d0....
InterfaceRepositoryIORは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
指定しない

jp.co.nec.orb.ListenBackLog
説明 既定値
TCPのバックログ(接続要求の待ち行列の最大長)を指定するときに使用します。 Java VMの実装依存

jp.co.nec.orb.LogFileName (jp.co.nec.orb.LoggingOutput)
説明 既定値
診断メッセージや通信データの出力先ファイル名を、フルパス指定、または相対パス指定で設定することができます。既に指定ファイルが存在している場合は、append出力します。 指定ファイルに書き込めない場合は、BAD_PARAM例外が返ります。 指定しない

jp.co.nec.orb.LogFileSize (jp.co.nec.orb.LogLimit)
説明 既定値
LogFileNameで指定したファイルのサイズ上限値を単位:キロバイトで設定することができます。 -1(既定値)指定時は無制限となります。 ファイルのサイズが指定値を越えたら、カレントファイルを"ファイル名.bak"として保存します。 LogFileNameを指定した場合にのみ有効です。 指定サイズが不正な場合は、BAD_PARAM例外が返ります。 無制限

jp.co.nec.orb.LogLevel (jp.co.nec.orb.LoggingLevel)
説明 既定値
Object Broker Javaは、動作中に診断メッセージを出力することができます。診断メッセージを出力すると、アプリケーションのデバッグなどに便利なこともあります。診断メッセージは設定されているLogLevelに基づいて出力する情報が変わります。次の値を設定することができます。

NO - 診断メッセージを出力しません
ERROR - 通信エラーなど、エラーが起ったときに診断メッセージを出力します
WARN - 警告的な意味を持つ状況が起ったときに診断メッセージを出力します
INFO - アプリケーションプログラムの動作情報を出力します
DEBUG - 詳細な診断情報を出力します

LogLevelは上記のリストの下の方を指定するほど、出力される情報は多くなります。
NO(出力しない)

jp.co.nec.orb.MaxAcceptNumber
説明 既定値
サーバにおける同時に接続可能なクライアントの数を指定します。MaxAcceptNumberで指定された数以上の接続要求はコネクション切断となります。 システムの設定値によっては、プロセスあたりで使用できるファイル数の制限のためにacceptに失敗し以降の要求を受け付けない現象が発生します。このような場合にその数に到達しない範囲で指定すると有効です。未指定時は無制限となります。 無制限

jp.co.nec.orb.MaxBufferPoolSize
説明 既定値
ストリームが使用するバッファの最大プール数を設定します。ストリームが使用するバッファは再利用されます。 MaxBufferPoolSizeで指定された数以上のバッファはプールされません。 20

jp.co.nec.orb.MaxConnectionNumber (jp.co.nec.orb.MaxConnection)
説明 既定値
コネクションの最大接続数(0以上の整数)を設定します。この設定がないとき、および、0を設定したときは上限を設定しません。 0(上限なし)

jp.co.nec.orb.MessageDumpLevel (jp.co.nec.orb.MessageBodyLog)
説明 既定値
Object Broker Javaは、動作中に通信データを採取することができます。通信データを採取すると、障害解析などに便利なこともあります。 採取データは設定されているMessageDumpLevelに基づいて出力する情報が変わります。次の値を設定することができます。

NO - 通信データを採取しません
HEAD - 通信データのヘッダのみ採取します
ALL - 通信データ全てを採取します
NO

jp.co.nec.orb.MessageDumpSize
説明 既定値
通信データ採取サイズの上限値を単位:バイトで設定することができます。 -1(既定値)指定時は無制限となります。採取する通信データに対して、指定上限値を越えるデータは出力しません。 指定サイズが不正な場合は、BAD_PARAM例外が返ります。 無制限

jp.co.nec.orb.NameServiceHost (jp.co.nec.orb.NameServiceHostName)
説明 既定値
名前サーバが動作するホスト名を指定することができます。このプロパティが設定されているとき、この設定はORBInitialHostより優先されます。 名前サーバについて複数の設定が同時に行われた場合、優先されるプロパティの順番を下記に示します。
1. jp.co.nec.orb.NameServiceIOR
2. jp.co.nec.orb.NameServiceHost
3. org.omg.CORBA.ORBInitialHost

NameServiceHostは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
指定しない

jp.co.nec.orb.NameServiceIOR
説明 既定値
名前サービスのルートコンテキストを表す文字列形式のオブジェクトリファレンスを指定することができます。指定するオブジェクトリファレンスは下記のような文字列です。
IOR:010000000d0....
NameServiceIORは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
指定しない

jp.co.nec.orb.ORBDefaultInitRef
説明 既定値
初期サービスのオブジェクトを以下の形式で指定します。
-ORBInitRef <ObjectID>=<ObjectURL>

プログラムがorg.omg.CORBA.ORB.resolve_initial_referencesメソッドを使用して初期サービスのオブジェクトリファレンスを取得する場合に有効です。この指定が行われると、org.omg.CORBA.ORB.resolve_initial_referencesメソッドは、ObjectIDが渡されたときにObjectURLが表わすオブジェクトリファレンスを返します。 ORBInitRefは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
指定しない

jp.co.nec.orb.ORBSubNetMask
説明 既定値
org.omg.CORBA.ORB.resolve_initial_referencesが呼び出されたとき、Object Broker Javaはサービスを提供しているホストを調べます。このとき、サービスを提供しているホストが指定されていなければ、ブロードキャストを行ってホストを探し出そうとします。ブロードキャストを行うと、要求されているサービスが存在しているホストのOADが返事を返します。このときのブロードキャストするためのサブネットマスクをORBSubNetMaskに指定します。ORBSubNetMaskの設定値は、必ず自分のネットワークのサブネットマスクに合わせる必要があります。 255.255.255.255

jp.co.nec.orb.PooledThreadNumber
説明 既定値
サーバ処理のスレッドポリシーとしてPooledThreadを選択した場合(jp.co.nec.orb.ThreadPolicy=PooledThread時)、クライアントからの要求をパラレル処理するプールスレッド数(1以上)を指定します。 0以下の値、もしくは指定しない場合は既定値(10)で動作します。 10

jp.co.nec.orb.PropertyFile
説明 既定値
プロパティ定義を記述したプロパティ定義ファイル名を指定します。自動起動などの環境によっては絶対パス名での指定が必要になる場合があります。プロパティ定義ファイルへの記述は下記のようになります。
プロパティ名=プロパティ値

プロパティ定義ファイルではコメントの記述も可能です。'#'を行の先頭または途中に記述することでコメントとみなされます。ただし行の途中でのコメントの記述では、'#'の前に必ず空白またはタブを挿入してください。 PropertyFileは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。
指定しない

jp.co.nec.orb.ServerAddr
説明 既定値
複数のネットワークと接続しているサーバホストについて、クライアントからの要求を受け付けるアドレスを特定するために指定します。サーバホストのアドレスは、「host.nec.co.jp」のようなホスト名か、「10.8.45.84」のようなIPアドレスの文字列表現で指定します。後述のUseHostNameプロパティでyesが指定されていない場合は、ServerAddrをホスト名で指定していてもIPアドレス形式に変換されます。 指定しない

jp.co.nec.orb.ServerCertAlias
説明 既定値
JSSEで使用するサーバ証明書の鍵の別名を設定します。証明書ファイルがJKS形式の場合のみ必要です。 指定しない

jp.co.nec.orb.ServerCertAliasPassPhrase
説明 既定値
JSSEで使用するサーバ証明書の鍵の別名のパスワードを設定します。証明書ファイルが JKS 形式の場合のみ必要です。 指定しない

jp.co.nec.orb.ServerCertKey
説明 既定値
JSSEで使用するサーバ証明書のファイル名を設定します。SSL通信を使用する場合、必ず設定してください。 指定しない

jp.co.nec.orb.ServerCertKeyFileType
説明 既定値
JSSEで使用するサーバ証明書のファイルの形式を設定します。PKCS12 もしくは JKS を指定することができます。 PKCS12

jp.co.nec.orb.ServerCertKeyPassPhrase
説明 既定値
JSSEで使用するサーバ証明書のファイルのパスワードを設定します。 指定しない

jp.co.nec.orb.ServerCertKeyType
説明 既定値
JSSEで使用するサーバ証明書の鍵の形式を設定します。このプロパティを指定しない場合は DSA が既定値として選択されます。 DSA

jp.co.nec.orb.ServerPort
説明 既定値
クライアントからの接続を固定のポート番号で待ち合わせる場合に指定します。

(注)WebOTXシステムでは、誤動作を招く恐れがあるため、このプロパティは設定しないでください。
システムによって自動で設定される

jp.co.nec.orb.SoKeepAlive (KEEPALIVE)
説明 既定値
SO_KEEPALIVEソケットオプションを指定します。 次の値を設定することができます。

true - 有効
false - 無効

このプロパティは、プロセス(VM)内で、また、クライアント側、サーバ側で共通の設定となります。
true

jp.co.nec.orb.SoLinger
説明 既定値
SO_LINGERソケットオプション(linger-on-close タイムアウト値(秒))を指定します。 このプロパティは、プロセス(VM)内で、また、クライアント側、サーバ側で共通の設定となります。 -1

jp.co.nec.orb.SoRcvBuf
説明 既定値
SO_RCVBUFソケットオプション(着信ネットワーク入出力用としてプラットフォームで使われるバッファのサイズ(バイト))を指定します。 このプロパティは、プロセス(VM)内で、また、クライアント側、サーバ側で共通の設定となります。 65536

jp.co.nec.orb.SoReuseAddr
説明 既定値
SO_REUSEADDRソケットオプションを指定します。 このプロパティは、プロセス(VM)内で、また、クライアント側、サーバ側で共通の設定となります。 true

jp.co.nec.orb.SoSndBuf
説明 既定値
SO_SNDBUFソケットオプション(送信ネットワーク入出力用としてプラットフォームで使われるバッファのサイズ(バイト))を指定します。 このプロパティは、プロセス(VM)内で、また、クライアント側、サーバ側で共通の設定となります。 65536

jp.co.nec.orb.SoTimeout
説明 既定値
SO_TIMEOUTソケットオプション(単位:ミリ秒)を指定します。このプロパティは、プロセス(VM)内で、また、クライアント側、サーバ側で共通の設定となります。 0

jp.co.nec.orb.SSLCipherSuites
説明 既定値
SSLで利用するCipherSuitesの種類を指定します。使用する各CipherSuitesを":"で区切って指定します。指定可能なCipherSuitesについてはORACLEのJSSEリファレンスガイドを参照ください。 JSSE を使用し、このプロパティを指定しない場合は JSSE の既定値にしたがいます。

jp.co.nec.orb.SSLPort
説明 既定値
SSLを用いた通信で使用するポート番号を指定します。 サーバ側で有効です。
0以上の値を指定した場合はSSLを使用して通信します。0を指定した場合はポート番号をシステムが自動で割り当てます。 ospprxyを利用してapplet上でサーバを作成する場合は0を指定してください。 1以上を指定した場合は、ポート番号に指定された値が使用されます。指定しない場合はSSLによる通信を行いません。
指定しない

jp.co.nec.orb.SSLProvider
説明 既定値
SSL通信で使用する製品を指定します。次の値を設定することができます。

SSL-J
JSSE
JSSE

jp.co.nec.orb.TcpNoDelay (jp.co.nec.orb.TCPNODELAY)
説明 既定値
TCP_NODELAYソケットオプションを指定します。 次の値を設定することができます。

true - 有効
false - 無効

TCP_NODELAYソケットオプションが無効な場合、TCPプロトコルのアルゴリズムにより、送信データがある一定量溜まるまで送出が遅延することがあります。 既定値trueのままであれば、送出が遅延することはありません。
このプロパティは、プロセス(VM)内で、また、クライアント側、サーバ側で共通の設定となります。
true

jp.co.nec.orb.ThreadPolicy
説明 既定値
サーバ処理のスレッドポリシーを選択します。 次の値を設定することができます。

PerClientThread - クライアント単位にスレッドを生成し、そのスレッド上でクライアントからの要求をシリアルに処理します
PooledThread - クライアントからの要求をあらかじめプールされた複数のスレッドに配分してパラレルに処理します

PerClientThreadの場合、クライアントが異なれば、スレッドも異なるため、それらの要求はパラレルに処理します。
PooledThreadの場合、プールスレッドは、クライアント単位ではなく、クライアント全体で共通のものです。また、その数は既定値(10)ですが、プロパティPooledThreadNumberによって変えることができます。
ThreadPolicyを指定しない場合、既定値(PerClientThread)で動作します。
PerClientThread

jp.co.nec.orb.TrustedCACerts
説明 既定値
JSSEで使用する信頼するCA証明書のファイル名を設定します。 指定しない

jp.co.nec.orb.TrustedCACertsFileType
説明 既定値
JSSEで使用する信頼するCA証明書のファイルの形式を設定します。DER もしくは JKS を指定することができます。PEM 形式の場合は DER と指定してください。 DER

jp.co.nec.orb.TrustedCACertsPassPhrase
説明 既定値
JSSEで使用する信頼するCA証明書のファイルのパスワードを設定します。証明書ファイルが JKS 形式の場合のみ必要です。 指定しない

jp.co.nec.orb.UseCodeBase
説明 既定値
コードベースダウンロード機能を使用するかどうかを指定します。使用する場合は true、使用しない場合は false を指定してください。 false

jp.co.nec.orb.UseCSI
説明 既定値
CSIv2 機能を使用するかどうかを指定します。使用する場合は true を指定します。使用しない場合は false を指定します。 false

jp.co.nec.orb.UseDynamicStub
説明 既定値
RMI-IIOP のダイナミック・プロキシによる通信モードを有効にするかどうかを指定します。falseの場合は、Stub/Tieを事前に生成する必要があります。

true(既定値) - RMI-IIOP のダイナミック・プロキシによる通信モードを有効にします
false - RMI-IIOP のダイナミック・プロキシによる通信モードを無効にします
true

jp.co.nec.orb.UseFragment
説明 既定値
メッセージをフラグメントに分割して送信するかどうかを設定します。

true - フラグメントに分割して送信する
false - フラグメントに分割しないで一括して送信する

trueを指定した場合、ストリームが持つバッファのサイズ以上のデータを送信する時には一つのメッセージをバッファサイズ分に分割して送信します。
falseを指定した場合、ストリームが持つバッファのサイズ以上のデータを送信する時にはバッファを拡張してデータを書き込みます。
false

jp.co.nec.orb.UseHostName
説明 既定値
オブジェクトリファレンスのホスト名に、デフォルトホスト名を無変換で設定するか否かを指定します。 ServerAddrプロパティでIPアドレス形式のホスト名が指定されている場合は、本プロパティの指定内容に関わらず、常にIPアドレス形式のホスト名がオブジェクトリファレンスに設定されます。 次の値を設定することができます。

yes - デフォルトホスト名を無変換で設定する
no - デフォルトホスト名をIPアドレス形式に変換して設定する
no

jp.co.nec.orb.VersionCompatible
説明 既定値
ライブラリの互換バージョンを指定します。R6.x およびそれ以前のバージョンの Object Broker (ObjectSpinner) Java™ と相互に接続する場合は、6 を指定してください。R7.10 の Object Broker Java™ と相互に接続する場合は、710 を指定してください。R7.20 の Object Broker Java™ と相互に接続する場合は、7 を指定してください。 8

jp.co.nec.orb.UseMultiConnection (jp.co.nec.orb.MultiConnection)
説明 既定値
オブジェクトリファレンスが多重化されている場合に、クライアント側でコネクションの多重化を行うかどうかを指定します。 多重化を行う場合は true を指定します。多重化を行わない場合は false を指定します。 true

jp.co.nec.orb.UseProfileBodyComponents
説明 既定値
通常、Object Broker Javaでは、IIOP1.1/1.2時のIORコンポーネント情報 (コードセット等)をTAG_MULTIPLE_COMPONENTに格納します。 本プロパティでは、コンポーネント情報をTAG_INTERNET_IOPに含まれるProfileBodyの中に格納するか否かを指定します。この指定はサーバ側でのみ有効となります。 通常は指定する必要はありませんが、他社ORB製品との接続において、 TAG_MULTIPLE_COMPONENTSの情報を認識できないような場合に有効です。次の値を設定することができます。

true - TAG_INTERNET_IOPに格納する
false - TAG_MULTIPLE_COMPONENTに格納する
false

jp.co.nec.orb.UseSSL
説明 既定値
SSLと非SSLの通信を受け付けるサーバにリクエストを発行する際、SSL通信を使用するかどうかを指定します。次の値を設定することができます。

true - SSLを使用した通信を行います
false - SSLを使用しない通信を行います

(注)他社のORBを使用して構築されたサーバと接続する場合は、この設定を使用しないでください。
JSSEがインストールされていればSSLで通信する

jp.co.nec.orb.PoolMarshalClasses
説明 既定値
Value(Javaクラスのインスタンス)をマーシャル・アンマーシャルする際に使用する内部クラスをキャッシュするかどうかを指定します。 キャッシュされた情報は、EJBの配備解除時にクリアされます。CORBAアプリケーションはキャッシュの対象外です。
true - 内部クラスをキャッシュします
false - 内部クラスをキャッシュしません

true

jp.co.nec.orb.PoolMarshalFields
説明 既定値
Value(Javaクラスのインスタンス)のフィールド情報をマーシャル・アンマーシャルする際に使用する内部クラスをキャッシュするかどうかを指定します。 キャッシュされた情報は、EJBの配備解除時にクリアされます。CORBAアプリケーションはキャッシュの対象外です。
true - 内部クラスをキャッシュします
false - 内部クラスをキャッシュしません

true

jp.co.nec.orb.PoolClasses
説明 既定値
通信時に使用するクラスをキャッシュするかどうかを指定します。 キャッシュされた情報は、EJBの配備解除時にクリアされます。 CORBAアプリケーションはキャッシュの対象外です。
true - ロードしたクラスをキャッシュします
false - ロードしたクラスをキャッシュしません

false

org.omg.CORBA.ORBClass
説明 既定値
Object Broker Javaを使用するために必要な設定です。jp.co.nec.orb.OSPORBを指定してください。

(注)WebOTXシステムでは、誤動作を招く恐れがあるため、このプロパティは設定しないでください。
指定なし

org.omg.CORBA.ORBInitialHost
説明 既定値
CORBAサービスが動作しているホスト名を設定します。Object Brokerサービスが同じマシン内で動作する場合は、このプロパティを設定する必要はありません。 ORBInitialHostは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。 localhost

org.omg.CORBA.ORBInitialPort (jp.co.nec.orb.OadPort)
説明 既定値
OADのポート番号を設定します。Object Brokerサービスのポート番号が初期値設定のままの場合は、このプロパティを設定する必要はありません。 ORBInitialPortは、ORB.init()を呼び出す時のプロパティ値を変更することで、ORBインスタンス毎に異なる設定をすることができます。 9825

org.omg.CORBA.ORBSingletonClass
説明 既定値
Object Broker Javaを使用するために必要な設定です。jp.co.nec.orb.OSPORBSingletonを指定してください。

(注)WebOTXシステムでは、誤動作を招く恐れがあるため、このプロパティは設定しないでください。
指定なし

com.nec.webotx.instanceRoot
説明 既定値
クライアントアプリケーションからドメインごとの設定を参照する場合に、動作するドメインのルートディレクトリ(例:C:\WebOTX\domains\domain1)を設定してください。

(注)WebOTXシステムでは、誤動作を招く恐れがあるため、このプロパティは設定しないでください。
指定なし

10.3. Object Broker C++における環境設定

この章ではWebOTX Object Broker C++の環境設定について説明します。

10.3.1. 項目の設定方法

次の設定ファイルを編集し、設定値を指定します。

設定ファイル:
${INSTANCE_ROOT}/config/ObjectBroker/orbconf

設定ファイルでは以下の形式で指定します。
<設定名>=<設定値>

例)
ListenBackLog=20

WebOTX Object Broker C++における環境設定項目の一覧を、以下に示します。

名前サーバに関する設定項目:

設定名 説明 既定値
NameServiceCheckAlive oadによる名前サーバの定期的な生死確認を行なうかどうかをon / offで指定します。デフォルトはoffです。静止確認時に名前サーバからの応答がない場合は、oadから、名前サーバの情報を削除します。ネットワーク負荷の大きなシステムでは、誤削除を避けるためoffを指定して下さい。 off
NameServiceManagementNDF 壊れているNDFファイルは、別名のファイルに退避されますが、何世代まで退避しておくかを指定します。退避されたNDFファイルは、${OrbRoot}/conf配下に格納されます。
${OrbRoot}については [ Object Broker共通の設定項目一覧 ] を参照してください。
2
NameServiceExternalRootContext この設定にtrueを指定したホスト上で動作する名前サーバのルートコンテキストのオブジェクトリファレンスであれば、名前サーバは、どのホスト上で動作する名前サーバのルートコンテキストのオブジェクトリファレンスでの呼び出しでも受け付けます。
falseが指定されている場合、別ホスト上で動作する名前サーバのオブジェクトリファレンスで呼び出されると、名前サーバはCORBA::OBJECT_NOT_EXIST例外を返します。
false

名前サーバを起動するサーバで、NameServiceHostNameにリモートのホスト名を設定する必要がある場合は、名前サーバが起動できるようNameServiceExportHostNameに自ホスト名を設定してください。


共通の設定項目:

設定名 説明 既定値
LogIdsInHex trueを設定すると通信ログでのプロセスID、スレッドIDを16進表示します。 false
MaxPathMark LocationForwardプロトコル処理で使われるIORのキャッシュエントリ数を指定します。 5
UseConnectionRetry trueを指定すると、サーバとのコネクションが無効になった場合にリトライを行います。既定値はfalseで、その際はリトライを行いません。 false
RetryForConnectionRoundRobin trueを指定すると、コネクションラウンドロビン利用時に、サーバとのコネクションが無効になった場合にリトライを行います。既定値はfalseで、その際はリトライを行いません。 false
ConnectTimeout コネクション確立のタイマ値(秒)を指定します。既定値は3です。 3
MaxConnectRetry コネクション確立失敗時のリトライ回数を指定します。既定値は10です。 10
MaxMessageSize 受信可能なメッセージの最大サイズを指定します。既定値は、8,388,608バイト(8M)です。 8,388,608

※全体のタイムアウト時間は、(ConnectTimeout × MaxConnectRetry) 秒になります。
ただし、RequestTimeoutの設定がこれより短い場合にはRequestTimeoutの値が使用されます。全体のタイムアウト時間を過ぎるか、コネクトのリトライをMaxConnectRetry回行う間にコネクトができなければ、例外がスローされます。

インプリメンテーション単位のオプション設定:
1サーバプロセスで扱うことのできるインプリメンテーションは通常1つなので、関数での設定ではインプリメンテーション名をCORBA::ORB::__implementation_name関数で1度だけ指定します。各設定関数では指定しません。

これに対し、設定名を使った設定では、どのインプリメンテーションに対しての設定であるかを区別させるためにインプリメンテーション名の後ろに設定する内容を示すキーワードをつなげた設定名を使います。たとえば、サーバパス名の設定時には、

"インプリメンテーション名"PathName

とします。

例)
インプリメンテーション名 : SampleImpl
サーバパス名 : /XXX/YYY/ZZZ

のとき、サーバパス名の設定は

SampleImplPathName=/XXX/YYY/ZZZ

となります。

次の表にある設定はインプリメンテーション単位の設定です。

設定内容 設定名/関数 値の種類または範囲 既定値
インプリメンテーション名 設定 なし 任意の文字列 "noname"
関数 __implementation_name (*1)
サーバパス名 設定 "ImplName"PathName サーバパスを表す文字列 ""
関数 __server_path_name (*1)
サーバポート番号 設定 "ImplName"Port 0以上の整数(unsigned short値) 0 (*2)
関数 __server_port (*1)
サーバの活性化方針 設定 "ImplName"ActPolicy "corba_sharedserver"(共有サーバ)
"corba_unsharedserver"
(非共有サーバ)
"corba_persistentserver"
(永続サーバ)
"corba_serverpermethod"
(メソッドごとのサーバ)
共有サーバ
関数 __server_activation_policy (*1) Obi::SharedServer
(共有サーバ)
Obi::UnsharedServer
(非共有サーバ)
Obi::PersistentServer
(永続サーバ)
Obi::ServerPerMethod
(メソッドごとのサーバ)
サーバホスト名 設定 "ImplName"HostName サーバが動作するホスト名 hostnameで返される名前
関数 __server_hostname (*1)
サーバプロセス自動起動引数 設定 なし ORB用引数のみ ORB用引数のみ
関数 __server_argument (*1)
自動起動引数でORBが利用する位置指定 設定 なし 0以上の整数(unsigned long値) 0
関数 __server_argument_index (*1)
サーバプロセスでのスレッド処理方針 設定 "ImplName"ThreadPolicy 指定なし
(サーバはシングルスレッドで実行される)
"permethod"
(サーバはメソッドごとにスレッドを作成して実行される)
"pool"
(サーバはあらかじめ作成されたスレッドで実行される)
サーバはシングルスレッドで実行される
関数 __server_thread_policy (*1) Ob_thr_permethod
(サーバはメソッドごとにスレッドを作成して実行される)

Ob_thr_pool
(サーバはあらかじめ作成されたスレッドで実行される)
Ob_thr_default
(サーバはシングルスレッドで実行される)

※ "ImplName"はインプリメンテーション名を表します。
(*1) クラスCORBA::ORBのメンバ関数
(*2) 0を指定すると実行時にOSが空いているポート番号を割り当てます。0を指定したときだけ自動起動が可能です。0以外を指定するとそのポートが使われます。また、0以外を指定したときは自動起動されません。
(*3) SSLを使用したサーバの自動起動はサポートしていません。

oadでのサーバプロセス自動起動に関するオプション設定:
Object Brokerの既定値の設定ではサーバプロセスが立ち上がっていないときにクライアントがオブジェクトを呼び出すと、oadがサーバプロセスを自動的に立ち上げます。この自動起動に関して、 設定ファイルとは別のファイルを使った設定項目として、以下の2点があります。

クライアントホスト名またはIPアドレスにより当該ホストからの自動起動を許す(許さない)ことを指定できます。
${INSTANCE_ROOT}/config/ObjectBroker配下の次のファイルで記述します。
actallow: 自動起動を許すホストのリスト
actdeny: 自動起動を許さないホストのリスト
これらのファイルはどちらか一方だけでも両方を置いてもかまいません。また、両方置かないことも可能です。ファイルの組み合わせの意味は次のとおりとなります。

組み合わせ 意味
actallow、actdenyとも存在しない すべてのホストからの自動起動を許す。
actdenyだけ存在する actdenyに記述されていないホストからの自動起動を許す。
actallowだけ存在する actallowに記述されていないホストからの自動起動は許さない。
両方存在する actdenyに記述されていなくてかつactallowに記述されているホストからの自動起動だけを許す。actallow、actdeny双方に記述されているホストからの自動起動は許さない。どちらにも記述されていないホストからの自動起動は許さない。

2. 自動起動を許す(許さない)ファイルのパス名を指定できます。
${INSTANCE_ROOT}/config/ObjectBroker配下の次のファイルで記述します。
exeallow: 自動起動を許すファイルパス名のリスト
exedeny: 自動起動を許さないファイルパス名のリスト
ホストでの制限同様これらのファイルはどちらか一方だけでも両方を置いてもかまいません。また、両方置かないことも可能です。ファイルの組み合わせの意味は次のとおりとなります。

組み合わせ 意味
exeallow、exedenyとも存在しない すべてのファイルの自動起動を許す。
exedenyだけ存在する exedenyに記述されていないファイルの自動起動を許す。
exeallowだけ存在する exeallowに記述されていないファイルの自動起動は許さない。
両方存在する exedenyに記述されていなくてかつexeallowに記述されているファイルの自動起動だけを許す。exeallow、exedeny双方に記述されているファイルの自動起動は許さない。どちらにも記述されていないファイルの自動起動は許さない。

形式)
1行につき1ファイルパス名を記述します。このとき余分な空白を書いてはいけません。
例: /usr/local/bin/adminserverの自動起動を許す場合
exeallowファイル:
/usr/local/bin/adminserver
Object Brokerではオブジェクトリファレンス中にサーバプログラムのファイル名および引数が含まれていますので、安全のためサーバ側での自動起動可能ホスト管理、自動起動可能ファイルパスの管理をしっかり行うことをおすすめします。

なお、ファイル名の同一性判定は単純な文字列としての同一性で判定しています。それゆえ、//bin/rm、/bin/rm、/bin/./rmはそれぞれ別ファイルとして扱われますのでご注意ください。

Object Broker C++では下記のコードセットを利用することができます。

設定内容 設定名/引数/関数 値の種類または範囲 既定値
string型のネイティブコードセットの指定 設定名 NativeCodeSet ISO8859-1
(ISO 8859-1:1987; Latin Alphabet No. 1)
JIS_eucJP
(JIS eucJP:1993; Japanese EUC)
OSF_SJIS1
(OSF Japanese SJIS-1)
ISO646
(1991 IRV (International Reference Version))
UTF8
(X/Open UTF-8; UCS Transformation Format 8 (UTF-8))
OSF_SJIS1
(Windows)

JIS_eucJP
(HP-UX, Solaris, Linux)
引数名 -ORBOSPINativeCodeSet
関数 CORBA::ORB::__native_code_set
wchar/wstring型のネイティブコードセットの指定 設定名 NativeCodeSetW UCS2_LEVEL1
(ISO/IEC 10646-1:1993; UCS2, Level 1)
UCS2_LEVEL1
引数名 -ORBOSPINativeCodeSetW
関数 CORBA::ORB::__native_code_set_w
string型のコンバージョンコードセットの指定 設定名 ConversionCodeSets ISO8859-1
(ISO 8859-1:1987; Latin Alphabet No. 1)
JIS_eucJP
(JIS eucJP:1993; Japanese EUC)
OSF_SJIS1
(OSF Japanese SJIS-1)
ISO646
(1991 IRV (International Reference Version))
UTF8
(X/Open UTF-8; UCS Transformation Format 8 (UTF-8))
から重複しない任意の組み合わせ
JIS_eucJP,ISO8859-1,ISO646
(Windows)
OSF_SJIS1,ISO8859-1,ISO646
(HP-UX, Solaris, Linux)
引数名 -ORBOSPIConversionCodeSets
関数 CORBA::ORB::__conversion_code_sets
wchar/wstring型のコンバージョンコードセットの指定 設定名 ConversionCodeSetsW UTF16
(ISO/IEC 10646-1:1993; UTF-16, UCS Transformation Format 16-bit form)
UTF16
引数名 -ORBOSPIConversionCodeSetsW
関数 CORBA::ORB::__conversion_code_sets_w
OSF_SJIS1(シフトJIS)とUTF8のコード変換の指定 設定名 UnicodeEncoding SJIS
(Shift-JIS(SJIS))
CP932
(Windows-31J(CP932))
SJIS

設定方法

[設定]
初期設定はインストーラによって行われます。

[引数]
プログラム起動時の引数で設定する例を以下に示します。キーワードが複数記述されていたときは、最後のものを有効とします。

-ORBOSPINativeCodeSet OSF_SJIS1
-ORBOSPINativeCodeSetW UCS2_LEVEL1
-ORBOSPIConversionCodeSets JIS_eucJP,ISO8859-1,ISO646
-ORBOSPIConversionCodeSetsW UTF16

[関数]
関数で設定する例を以下に示します。設定はCORBA::ORB_init関数呼び出し直後に行います。途中で変更した場合の動作は不定です。コードセットの設定はプロセス単位で行われます。スレッド毎にコードセットを変更することはできません。

CORBA::ORB_ptr orbobj = CORBA::ORB_init(...);
orbobj->__native_code_set("OSF_SJIS1");
orbobj->__native_code_set_w("UCS2_LEVEL1");
Ob_StringSeq conv_cdsets;
conv_cdsets.length(3);
conv_cdsets[0] = CORBA_string_dup("JIS_eucJP");
conv_cdsets[1] = CORBA_string_dup("ISO8859-1");
conv_cdsets[2] = CORBA_string_dup("ISO646");
orbobj->__conversion_code_sets(conv_cdsets);
Ob_StringSeq conv_cdsets_w;
conv_cdsets_w.length(1);
conv_cdsets_w[0] = CORBA_string_dup("UTF16");
orbobj->__conversion_code_sets_w(conv_cdsets_w);

注意:
コードセットを使用するためには、GIOPおよびIIOPのバージョンを1.1以上に設定する必要があります。


GIOP/IIOPに関するオプション設定:
GIOP/IIOPに関する以下の設定項目は、設定ファイルまたは起動時引数(この引数はCORBA::ORB_init関数にそのまま渡します)で指定できます。
引数での指定例)
MyApp -ORBGIOPMinorVersion 1
引数で指定した場合、設定ファイルでの指定より優先されます。

設定名/引数 意味 既定値
GIOPMinorVersion GIOPのマイナーバージョンを指定します。GIOP1.0を使用して通信を行うためには、0を指定します。指定可能な値は,0、1、2および3です。 3
-ORBGIOPMinorVersion
IIOPMinorVersion IIOPのマイナーバージョンを指定します。IIOP1.0を使用して通信を行うためには、0を指定します。
ただし、GIOPMinorVersionの設定よりも大きい数字を指定したときは、GIOPMinorVersionと同じ設定になります。 指定可能な値は,0、1、2および3です。
3
-ORBIIOPMinorVersion
UseFragment trueを指定した場合、メッセージ送信時にフラグメント分割します。 false
-ORBUseFragment
AddWcharWidthOctet trueを指定した場合、wcharの直前に長さを示すオクテットを追加します。 true
-ORBAddWcharWidthOctet
AddWstringWidthOctet trueを指定した場合、wstringの各文字の直前に長さを示すオクテットを追加します。 false
-ORBAddWstringWidthOctet
PrepareWcharBOM trueを指定した場合、UTF-16のwchar、wstringのデータをアンマーシャルするときにBOMが付加されたデータとして処理します。 false
-ORBPrepareWcharBOM
PriorToBOMForMultiOctets UTF-16のwchar、wstringのデータをアンマーシャルするときにBOMが付加されていない場合に従うバイトオーダをBOM仕様のバイトオーダとするかメッセージヘッダに指定されているバイトオーダに従うかどうかを指定します。

trueの場合はBOM仕様に従います。
falseの場合はメッセージヘッダに従います。
false
-ORBPriorToBOMForMultiOctets
AllowNullString trueを指定した場合、wstringのデータをマーシャルするときにNULL文字を許します。 false
-ORBAllowNullString
TargetAddress リクエスト送信時に使用するアドレスモードを指定します。
KeyAddr:
ObjectKeyを使用します。
ProfileAddr:
IORを使用します。
ReferenceAddr:
参照アドレス使用します。
KeyAddr
-ORBTargetAddress
LocateReplyAlign8 trueを指定した場合、LocateReplyのとき、ヘッダの後ろで8byteアラインを行います。 true
-ORBLocateReplyAlign8
PrepareWcharBOMAtMarshaling UTF16のwcharおよびwstringのエンコードでBOMを付加するかどうかを指定します。
trueを指定した場合、BOMを付加します。
false
WcharMarshalWithMessageByteorder UTF16のwcharおよびwstringをエンコードするときのバイトオーダを指定します。
trueを指定すると、メッセージのバイトオーダでエンコードします。
falseを指定すると、BigEndian(CORBA仕様)でエンコードします。
true

OpenSSL関連のオプション設定:
C++では、OpenSSL関連の設定は、以下の設定(レジストリ)、またはCORBA::ORB_init()の引数のどちらかで行ないます。
C++のサーバの場合、ServerCertFileとSSLPortの設定が最低限必要です。証明書ファイルにprivate keyが含まれていない場合、private keyも指定する必要があります。Private keyの指定は、以下の設定(レジストリ)または引数で行います。

設定名 意味 既定値
ServerCertFile サーバ証明書を格納したファイルを指定する。 なし
ClientCertFile クライアント証明書を格納したファイルを指定する。 なし
ServerCertKeyPassPhrase サーバ証明書のパスフレーズを指定する。 なし
ClientCertKeyPassPhrase クライアント証明書のパスフレーズを指定する。 なし
TrustedCACertsPassPhrase 信頼できるCAの証明書のパスフレーズを指定する。 なし
ServerPrivateKeyFile サーバのprivate keyを格納したファイルを指定する。 なし
ClientPrivateKeyFile クライアントのprivate keyを格納したファイルを指定する。 なし

[引数]
上記設定名に"-ORB"を付加した引数を以下の形式で指定します。
-ORB<設定名> <設定値>
例)
-ORBServerCertFile <証明書を格納したファイル名>

SSLPortとCertRequestについては以下の設定を参照してください。

設定内容 設定名/関数 値の種類または範囲 既定値
サーバポート番号(SSL) 設定 "ImplName"SSLPort 1以上の整数(unsigned short値)
0
(SSLを使用しない) (*3)
0
関数 __use_ssl (*1)
クライアントの証明書を要求 設定 "ImplName"CertRequest true/false false

サポートしている証明書のファイルの形式は、PEM形式のみです。SSLPortとCertRequestについては、レジストリで指定する場合は、設定名は、<インプリメンテーション名>を先頭に付加した名前になります。
例)
MyImplSSLPort

IPv6関連のオプション設定:
C++では、IPv6関連の設定は、以下の設定(レジストリ)、またはCORBA::ORB_init()の引数のどちらかで行ないます。

設定名 説明 既定値
PreferIPv6Addresses IPv4とIPv6の両方が利用可能な環境で、IPv6のアドレスを優先するかどうかを指定します。trueを指定すると、IPv6アドレスを優先して利用します。falseを指定するとIPv6アドレスを優先します。
注意:ドメインのdomain.ipv6-enable属性の値を変更した場合、本設定値は、domain.ipv6-enable属性の値で上書きされます。Object Brokerのプロセスのみをドメインと異なる動作をさせたい場合には、ドメインのdomain.ipv6-enable属性の値変更後に本設定の値を変更する必要があります。
false
PreferIPv4Stack IPv4のみを利用可能にするかどうかを指定します。trueを指定すると、IPv4のみ利用可能となります(IPv6が利用できる環境でも、IPv6が利用されません)。falseを指定した場合は、IPv4とIPv6の両方が利用可能になります。 false

[引数]
上記設定名に"-ORB"を付加した引数を以下の形式で指定します。
-ORB<設定名> <設定値>
例)
-ORBPreferIPv4Stack true

このほか、Object Broker C++を利用するアプリケーションからドメインごとの設定を参照する場合には、起動時引数(この起動時引数はCORBA::ORB_init()にそのまま渡します)に次の引数を追加してください。

-WOdomain <動作するドメインのルートディレクトリ>
例)
myapp -WOdomain "C:\WebOTX\domains\domain1"