WebOTX Manual V10.2 (第4版) 目次を表示 |
WebOTX Application Serverはエディションによって提供する機能が異なるため、それに応じて使用するポートの数が異なってきます。WebOTX利用者はこの節で示されるポート番号一覧を考慮しながらポートを必要とする他のソフトウェアと衝突しないようにシステム設計しなければなりません。
WebOTX Application Serverは大きく3つのサービスが存在します。それは、アプリケーションが動作するユーザドメイン、ユーザドメイン群の起動・停止の管理を担う管理ドメイン、そしてStandardエディションに備わるTPモニタです。
以降からは、これら3つのカテゴリに沿って使用するポート番号の一覧を示しながら各々のポートについて説明していきます。
なお、表の中で示すポート番号は既定値です。またプロパティ名とは、ドメインを作成する時に必要となるドメイン定義プロパティ・ファイルの中で用います。このファイルはWebOTXのインストール・ルートディレクトリに「<ドメイン名>.properties
」ファイルとして配置されます。既存のドメイン定義プロパティ・ファイルを参照しながら確認してください。
管理ドメインは「admin」という名前でセットアップされます。このドメインにはアプリケーションを配備することはできません。単にユーザドメインの死活監視や起動・停止の実行を仲介するだけです。そのため、運用管理コマンドのような管理クライアント・モジュールからの運用操作を受け付けるポートのみを必要とします。
ポート番号 | トランスポート プロトコル |
説明 | dotted-name(CLINAME) |
---|---|---|---|
6202 | tcp | 運用管理エージェントによるJRMPを用いた運用制御 | server.admin-service.jmx-connector.system.port |
6702 | tcp | 運用管理エージェントにおける下位互換用のJMXMPを使った運用制御 | server.admin-service.jmx-connector.system-option.port |
ユーザドメインでは、アプリケーションを動作させるための運用と実行の基盤を提供します。ユーザドメインはエディション共通で適用されます。
このドメインの既定値の名称は「domain1」です。下の表はdomain1ドメインで使用する既定値のポート番号について説明します。
ポート番号 | トランスポート プロトコル |
説明 | dotted-name(CLINAME) |
---|---|---|---|
6212 | tcp | 運用管理エージェントによるJRMPを用いた運用制御 | server.admin-service.jmx-connector.system.port |
6712 | tcp | 運用管理エージェントにおける下位互換用のJMXMPを使った運用制御 | server.admin-service.jmx-connector.system-option.port |
5858 | tcp | 運用管理コンソールと運用管理エージェントとの間で運用操作に用いるHTTPプロトコル | server.network-config.network-listeners.network-listener.admin-listener.port |
20101 | tcp | 運用管理RESTを有効化した際に使用するHTTPプロトコル | server.network-config.network-listeners.network-listener.adminrest-listener.port |
80 | tcp | Webサーバが利用するプロトコル。(HTTP) Webサーバの確認方法は以下を参照してください。 [MOで設定可能な項目一覧 > server.http-service.virtual-server.<Virtual Server名> > network-listeners] |
server.network-config.network-listeners.network-listener.http-listener-1.port |
443 | tcp | WebサーバによってWebクライアントとの間でSSLやTLSで暗号化されて通信するためのプロトコル。(HTTPS) Webサーバの確認方法は以下を参照してください。 [MOで設定可能な項目一覧 > server.http-service.virtual-server.<Virtual Server名> > network-listeners] |
server.network-config.network-listeners.network-listener.http-listener-2.port |
8099 | tcp | 外部のWebサーバとWebコンテナを連携させる際に双方の通信で使うプロトコル(アプリケーションをエージェントプロセスに配備した場合に利用されます)。(AJP: Apache Jserv Protocol) ユーザドメインに内蔵されたWebコンテナをHTTPサーバとして使用する場合は、このポートは使われません。 Webサーバの確認方法は以下を参照してください。 [MOで設定可能な項目一覧 > server.http-service.virtual-server.<Virtual Server名> > network-listeners] |
server.network-config.network-listeners.network-listener.agent-ajp-listener.port |
8199 | tcp | 外部のWebサーバとWebコンテナを連携させる際に双方の通信で使うプロトコル(アプリケーションをプロセスグループに配備した場合に利用されます)。(AJP: Apache Jserv Protocol) ユーザドメインに内蔵されたWebコンテナをHTTPサーバとして使用する場合は、このポートは使われません。 Webサーバの確認方法は以下を参照してください。 [MOで設定可能な項目一覧 > server.http-service.virtual-server.<Virtual Server名> > network-listeners] |
server.network-config.network-listeners.network-listener.tpsystem-ajp-listener.port |
7780 | tcp | 運用管理エージェント上で動作するIIOPリスナ(組み込みIIOPサービス) これは、全エディションにおけるJNDIサーバの通信リスナ、およびExpressにおけるEJBの通信リスナとなります。 |
server.embedded-iiop-service.port |
9700 | tcp | JMSプロバイダ | server.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port |
9701 | tcp | JMSプロバイダの一般用コネクションサービス JMSプロバイダに対する、一般用の接続要求が一般用コネクションサービスに振り分けられます。 |
server.jms-service.connectionServicePortJms |
9702 | tcp | JMSプロバイダの管理用コネクションサービス JMSプロバイダに対する、管理用の接続要求が管理用コネクションサービスに振り分けられます。 |
server.jms-service.connectionServicePortAdmin |
9703 | tcp | JMSプロバイダの一般用SSLコネクションサービス JMSプロバイダに対する、一般用のSSL接続要求が一般用SSLコネクションサービスに振り分けられます。 |
server.jms-service.connectionServicePortSsljms |
9704 | tcp | JMSプロバイダの管理用SSLコネクションサービス JMSプロバイダに対する、管理用のSSL接続要求が管理用SSLコネクションサービスに振り分けられます。 |
server.jms-service.connectionServicePortSsladmin |
9705 | tcp | JMSサーバクラスタのコネクションサービス | server.jms-service.clusterPort |
2809 | tcp | 名前サーバ (namesv) | server.corba-service.namesv.NameServicePort |
9825 | tcp | oad | server.corba-service.oad.OadPort |
9826 | tcp | oadj | server.corba-service.oadj.Port |
5965 | tcp | トランザクション・サービスの中で構成される、C++版のRCS(Recovery Coordination Server) STD | server.transactionservice.rcs-cpp-port |
5202 | tcp | ダウンローダ管理サービス STD | tpsystem.downloaderManagerService.portNumber |
ユーザドメインはサーバ上に複数作成することが可能です。その際はそれぞれのドメインが上記設定のすべてのポートを使用します。[ドメインの作成・削除]を参照してください。
TPモニタ機能は、WebOTX Application ServerのStandard エディションで提供されます。この高信頼性基盤では、ユーザドメインに加えて接続要求待ちをする固有の機能を備えます。
ポート番号 | トランスポート プロトコル |
説明 | プロパティ名 |
---|---|---|---|
5151 | tcp | IIOPリスナ (平文ポート) | tpsystem.IIOPListener.listenerPortNumber |
20102 | tcp | AJPリスナ インストール時およびドメイン作成時に、[WebコンテナとWebサーバの連携モード]で[AJPプロトコル]を選択した場合に動作します。 |
tpsystem.AJPListener.listenerPortNumber |
指定なし | tcp | IIOPリスナ (SSLクライアント認証なしポート) IIOPリスナに関する運用パラメータにおいて「SSLクライアント認証なし」を指定した場合に、それと関連付けて指定したポートで接続要求を待ちます。 |
tpsystem.IIOPListener.sslPortNumberNoCert |
指定なし | tcp | IIOPリスナ (SSLクライアント認証ありポート) 「SSLクライアント認証あり」を指定した場合に、それと関連付けて指定したポートで接続要求を待ちます。 |
tpsystem.IIOPListener.sslPortNumberCert |
一時的な通信のために利用できるポートがあります。このポートはエフェメラル(Ephemeral)ポートと呼ばれたリ、短命ポートと呼ばれます。
OSは空いているエフェメラルポートの中から自動的に割り当てて払い出しますが、そのポート番号の範囲はOSの種類によって異なります。
OS | 一時ポートの割り当て範囲 |
---|---|
Windows Server | 49152 〜 65535 |
Red Hat Enterprise Linux | 32768 〜 61000 |
WebOTXで使用するポート番号が一時ポートの割り当て範囲内にあると、WebOTX Application Serverが起動する前にOSが別のプログラムにWebOTXで必要とするポート番号を一時ポートとして割り当てるケースがあります。このような状況では、WebOTXの起動が失敗するなどの問題を引き起こします。
Windows Serverをご利用の場合、一時ポート番号の範囲を、WebOTXが利用するポート番号と重複しないように変更してください。
具体的な変更方法については[インストールガイド(Windows) > インストール > 環境構築後の作業 > WebOTX が使用するポート番号を一時ポート対象範囲から除外する ]の手順をご参照ください。