WebOTX Manual V10.2 (第4版) 目次を表示 |
WebOTXのドメインを作成および削除する方法について説明します。 作成・削除時はWebOTXサービスが起動している必要があります。
Windows Server 2008以降ではドメインの作成・削除は特権昇格したコマンドプロンプトから実行する必要があります。 詳しくは[ ドメインの運用操作の前に ] を参照してください。
otxadmin create-domainコマンドで生成します。その際、新規ドメインの設定を記述した<ドメイン名>.propertiesファイルが必要になります。
新規にsampleドメインを作成する場合の手順を以下に示します。
otxadminコマンドを実行しドメインを作成します。このとき管理ドメインに接続する必要があります。 管理ドメインの起動方法は[ドメインの起動・停止 > 管理ドメインの起動/停止 ] を確認してください。
otxadmin > login --user <管理ドメインのユーザ名> ---password <管理ドメインのパスワード> --port <管理ドメインのポート番号> otxadmin > create-domain --file="C:\WebOTX\sample.properties" sample ドメインの作成を開始します。この処理に数分以上かかる場合がありますが、処理が完了するまでしばらくそのままお待ちください。 コマンド create-domain は正常に実行されました。
なお、管理ドメインの既定値は以下の通りです。
パラメータ | 既定値 |
---|---|
管理ドメインのユーザ | admin |
管理ドメインのパスワード | adminadmin |
管理ドメインのポート | 6202 |
ドメインディレクトリの作成先を${AS_INSTALL}/domains 以外にする場合、create-domainコマンドを実行時 --domaindir オプションを指定します。
otxadmin > login --user <管理ドメインのユーザ名> ---password <管理ドメインのパスワード> --port <管理ドメインのポート番号> otxadmin > create-domain --file=<ドメイン名>.properties --domaindir=<作成先ディレクトリ名> sample ドメインの作成を開始します。この処理に数分以上かかる場合がありますが、処理が完了するまでしばらくそのままお待ちください。 コマンド create-domain は正常に実行されました。
otxadmin > login --user <管理ドメインのユーザ名> ---password <管理ドメインのパスワード> --port <管理ドメインのポート番号> otxadmin > start-domain --remote <ドメイン名>
統合運用管理ツールでドメインを作成する場合、既に起動している管理ドメインに接続する必要があります。統合運用管理ツールの起動等の操作は[ 統合運用管理ツール(WebOTX Administrator) ] を確認してください
ドメインの作成時に指定する<ドメイン名>.propertiesファイルの設定をエディタで編集してください。
なお、設定可能な項目は、コメントアウトされています。チューニング機能を利用する場合は [ ドメインの作成・削除 > ドメインの作成 > propertiesファイル ] を参考に編集してください。
: : ## Tuning ### # If you want to use the tuning feature, set following parameters. # tuning-attributes.enabled=false # tuning-attributes.webApplication=true # tuning-attributes.ejbApplication=false # tuning-attributes.corbaApplication=false # tuning-attributes.clients= # tuning-attributes.servers=1 # tuning-attributes.connectionsPerClient=1 # tuning-attributes.connectTime= # tuning-attributes.transactionsPerSecond= # tuning-attributes.requestsPerTransaction=1 # tuning-attributes.requestProcessingTime=0 # tuning-attributes.highLoadPolicy=1
ドメイン作成時に表示されるウィンドウの[チューニング]タブを選択し、必要なパラメータを入力してください
ドメインディレクトリの作成先を${AS_INSTALL}/domains 以外にする場合、${AS_INSTALL}/domains/admin/configのserver.policyファイルをエディタで編集します。「Basicset of required permissions granted to all remainingcode」ブロックの「java.io.FilePermission」の定義に「execute」を追記します。
これは管理ドメインから${AS_INSTALL}/domains以外に配置されたファイルを実行するためです。
//
// Copyright (C) 1998 ・・・
//
・
・
・
// Basic set of required permissions granted to all remaining code
grant {
permission java.lang.RuntimePermission "loadLibrary.*";
permission java.lang.RuntimePermission "queuePrintJob";
permission java.net.SocketPermission "*", "connect";
permission java.io.FilePermission "<<ALL FILES>>", "read,write,execute";
・
・
・
編集が終わったらファイルを保存し、設定を反映させるためにWebOTXサービスを再起動します。サービスの起動・停止方法については [ Windowsサービスとrcスクリプト > サービスの起動・停止方法 ] を参照してください。
サーバOSとしてLinuxを利用している場合、次の設定がされている環境ではRMI通信によるリモート接続が行えないため、 運用管理ツールからドメインに接続できないという問題が発生します。
上記の条件に当てはまる場合、作成したドメインに対して次の手順でJavaシステムプロパティを設定してください。
otxadmin> login --user <ユーザ名> --password <ユーザパスワード> --port <ポート番号>
otxadmin> create-jvm-options -Djava.rmi.server.hostname=<ホスト名>
WebOTXが動作するサーバが複数のネットワークカードを利用している場合、運用管理ツールからドメインへの接続が失敗することがあります。該当する環境を利用している場合、作成したドメインに対して次の手順でJavaシステムプロパティを設定してください。
otxadmin> login --user <ユーザ名> --password <ユーザパスワード> --port <ポート番号>
otxadmin> create-jvm-options -Djava.rmi.server.hostname=<ホスト名、または、IPアドレス>
<ドメイン名>.propertiesファイルで設定する各プロパティについて説明します。
実際に<ドメイン名>.propertiesに記述されるのはプレフィックスを含めた完全プロパティ名です。
たとえばドメイン設定項目のhostnameの完全プロパティ名はdomain.hostnameになります。
プロパティ名 | 説明 | domain1の既定値 |
---|---|---|
ドメイン設定項目(プレフィックス: domain.) | ||
hostname | ホスト名 ※ホスト名に使える文字は、0-9の数字、A-zのアルファベット、"." "-" "_"(アンダースコア)になります。 |
localhost |
name | ドメイン名 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 ※次に示す単語はWebOTXの予約語のため、ドメイン名に用いることはできません。 admin、cluster、proxy |
domain1 |
admin.user | 管理ドメインに対して定義されている管理ユーザ | admin |
admin.password | 管理ユーザのパスワード ※8文字以上に設定してください。 |
adminadmin |
admin.port | 運用管理エージェントが利用するJRMPのポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
6212 |
admin.jmxmp.port | 運用管理エージェントが利用するJMXMPのポート番号 ※下位互換用 必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
6712 |
http.port | HTTPサーバインスタンスが利用する HTTPの ポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
80 |
https.port | SSLで保護されたHTTPポートの番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
443 |
http.admin.port | Webコンテナが利用する管理コンソール用HTTPポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
5858 |
http.adminrest.port | 運用管理RESTが利用する管理コンソール用HTTPポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
20101 |
http.ajp.port | mod_jk2を使用したHTTPサーバ-Webコンテナ連携ポートの番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
8099 |
jms.port | JMS管理サーバが利用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
9700 |
java.debugger.port | Javaデバッグで利用するポート番号。Javaデバッグを有効化した場合に利用します。 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。debug-optionsを指定した場合、そちらの内容が優先されます |
9010 |
ipv6-enable | IPv6優先 ※ドメインのJavaシステムプロパティjava.net.preferIPv6Addressesの値に影響します |
false |
embedded-iiop-service.port | 組み込みIIOPサービスが使用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
7780 |
サーバライフサイクルモジュール設定(プレフィックス: server.internal-lifecycle-module.) | ||
DBControllerService.enabled | データベースコントローラサービス起動フラグ | true |
CORBAService.enabled | CORBAサービス起動フラグ | true |
TransactionService.enabled | Transactionサービス起動フラグ | true |
JavaEEUtilityLifecycle.enabled | JavaEEUtilityLifecycle起動フラグ | true |
JMSProvider.enabled | JMSサービス起動フラグ | true |
WebContainerService.enabled | Webコンテナサービス起動フラグ | true |
WebServerService.enabled | Webサーバ(Apacheベース)サービス起動フラグ | true |
TPMonitorManagerService. enabled |
TPモニタ・マネージャサービス起動フラグ Expressの場合は無視されます。 |
true |
Javaデバッグオプション設定(プレフィックス: server.java-config.) | ||
debug-options | Javaデバッグオプション | -Xdebug -Xrunjdwp:transport=dt_socket, server=y,suspend=n,address=4004 |
debug-enabled | デバッグモードフラグ | false |
CORBA サービス設定(プレフィックス: server.corba-service.*) | ||
oadj.Port | oadjが使用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
9826 |
namesv.NameServicePort | 名前サーバが使用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
2809 |
namesv. NameServiceRoundRobin |
名前サーバのラウンドロビン拡張機能 | true |
oad.OadPort | 接続先のoadが使用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
9825 |
Webサーバ連携用設定 | ||
domain.webserver.type | Webサーバの種別を入力します。値を省略し、かつWebOTX Webサーバがインストールされている場合においては、WebOTX Webサーバが指定されます。
指定可能な値は次の通りです。
|
なし |
domain.webserver.path | Webサーバのインストールパスを指定します。指定したパスには以下のファイルが存在する必要があります。Webサーバの種別において、Apache24を指定した場合に必要です。
${Webサーバのインストールパス}/conf/httpd.conf |
なし |
web-plugin.topology | 作成するドメインのWebサーバとアプリケーションサーバの構成(トポロジー)を指定します。省略した場合、co-locatedが選択されます。
|
なし |
web-plugin.dest.host | アプリケーションサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。 web-plugin.topologyにco-locatedを指定した場合は、入力不要です。 | なし |
web-plugin.dest.ajp.port | web-plugin.topologyにseparate-webを指定した場合に使用するプロパティです。接続先AJPリスナのポート番号(エージェントプロセス)を入力する必要があります。 | 8099 |
web-plugin.dest.tp-ajp.port | web-plugin.topologyにseparate-webを指定した場合に使用するプロパティです。接続先AJPリスナのポート番号(TPシステム)を入力する必要があります。 | 20102 |
web-plugin.iis.site.display-name | domain.webserver.typeにIISを指定した場合に必須となるプロパティです。使用するIISのサイト名を指定します。 | なし |
TPモニタマネージャサービス設定(プレフィックス: tpsystem.) | ||
IIOPListener. listenerPortNumber |
WebOTX IIOPリスナが使用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
5151 |
OLFTPListener. listenerPortNumber |
WebOTX OLFリスナが使用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
5251 |
AJPListener. listenerPortNumber |
WebOTX AJPリスナが使用するポート番号 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
20102 |
Transactionサービス設定(プレフィックス: server.transactionservice.*) | ||
rcs-cpp-port | C++版のRCSが使用するポート番号(Expressでは使用されません)。 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
5965 |
JMSサービス設定(プレフィックス: domain.jms.*) | ||
port | JMSサーバが利用するポート番号。 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
9700 |
user.port | JMSサーバのコネクションサービス用ポート番号。 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
9701 |
admin.port | JMSサーバの管理コネクションサービス用ポート番号。 ※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 |
9702 |
下記の表では<ドメイン名>.propertiesに記載するプロパティのうち、チューニング機能向けに提供しているプロパティについて記載します。
プロパティ名 | 説明 | domain1の既定値 |
---|---|---|
tuning-attributes.enabled | 自動チューニングを実行する trueが設定された場合、ドメイン作成後、自動的に設定のチューニングを実行します。 |
false |
tuning-attributes.webApplication | Webアプリケーションを使用する 作成したドメイン上でWebアプリケーションを動作させる場合、trueを設定してください。 |
false |
tuning-attributes.ejbApplication | EJBアプリケーションを使用する 作成したドメイン上でEJBアプリケーションを動作させる場合、trueを設定してください。 |
false |
tuning-attributes.corbaApplication | CORBAアプリケーションを使用する 作成したドメイン上でCORBAアプリケーションを動作させる場合、trueを設定してください。 |
false |
tuning-attributes.clients | クライアント数 クライアントの数を指定します。 |
なし |
tuning-attributes.servers | 縮退時のサーバ台数 縮退時のサーバの台数を指定します。 |
1 |
tuning-attributes.connectionsPerClient | 端末ごとの接続数 1つのクライアント端末から、Webサーバに同時に接続する数を指定します。ブラウザによって値が変わります。例えば、IEの場合IE7以下なら2、IE8以上は6になります |
1 |
tuning-attributes.connectTime | 接続時間 1トランザクションの開始から完了までにかかる時間 。 (単位 : 秒) |
なし |
tuning-attributes.transactionsPerSecond | 1クライアントの1秒当たりのトランザクション数(Tr/秒) 1クライアントで1秒間に発生するトランザクションの数。トランザクションが発生する間隔(秒)から算出できる。 (単位 : Tr/秒) |
なし |
tuning-attributes.requestsPerTransaction | 1トランザクションあたりのリクエスト数 1トランザクション(1回の操作)あたりに発生するリクエストの数を指定します。1画面中に複数の画像やCSSなどが含まれている場合、それらの数を追加した値となります。 |
1 |
tuning-attributes.requestProcessingTime | 1リクエストの平均処理時間 | 0 |
tuning-attributes.highLoadPolicy | 高負荷時の方針 |
0 |