6.9. インメモリデータグリッド連携

WebOTX Application Server の Standard エディションは、インメモリデータグリッド製品の Infinispan V9.4.16 と連携しています。 これにより、分散キャッシュを活用した以下の機能を利用することができます。

また、Infinispan は JCache 仕様に準拠しているため、 JCache を使用したスケーラブルなアプリケーションを WebOTX に配備して使うことができます。

6.9.1. 事前準備

インストール初期状態では Infinispan との連携機能は無効化されています。 機能を有効にするには、${INSTALL_ROOT}/features/full-profile-feature.xml に以下の行を追加してください。

変更前

<modules>
     <module location="lib/datagrid/cache-api.ja" />
     ...
</modules>

変更後

<modules>
     <module location="lib/datagrid/infinispan-embedded.jar" />
     <module location="lib/datagrid/cache-api.ja" />
     ...
</modules>

ファイルの編集が完了したら、設定反映のためにドメインを再起動してください。

6.9.2. データグリッド設定

データグリッド連携のネットワーク通信に関する設定を行います。

クラスタ名の設定

Infinispan はクラスタごとにユニークなクラスタ名を設定することで、 同じネットワーク内に複数の Infinispan クラスタを共存させることができます。 WebOTX は既定で "webotx-infinispan-cluster1" という Infinispan のクラスタ名を使用します。 同一ネットワーク内でのクラスタ名の重複を避ける目的で、この値を変更したい場合は以下のコマンドを実行してください。

otxadmin> set server.data-grids.infinispan-cluster-name=<Infinispanクラスタ名>
JGroupsの設定

Infinispan はクラスタ通信基盤ライブラリとして JGroups を使用しています。 WebOTX の Infinispan 連携では、 JGroups の設定ファイルを ${INSTANCE_ROOT}/config/datagrid/infinispan ディレクトリに格納しており、 設定ファイル名は以下のコマンドで指定します(既定値: jgroups.xml)。

otxadmin> set server.data-grids.infinispan-jgroups-file=<JGroups設定ファイル名>

JGroups設定ファイルについては、Infinispan 9.4 User Guide の「2.1.4. Clustered Configuration」を参照してください。

IPv4通信の設定

Infinispan 連携ではクラスタ同士の通信を IPv4 で行うため、 IPv4 通信を優先する システムプロパティ -Djava.net.preferIPv4Stack=true を設定する必要があります。 以下のコマンドでシステムプロパティを設定し、そのドメインあるいはプロセスグループを再起動してください。

エージェントプロセスの場合)

otxadmin> create-jvm-options -Djava.net.preferIPv4Stack=true

プロセスグループの場合)

otxadmin> add-pg-javasystem-property --apgroup <アプリケーショングループ名> --javasystemprop java.net.preferIPv4Stack --value true <プロセスグループ名>

6.9.3. データグリッド個別設定

データグリッドの設定は、データグリッド連携を利用するモジュールごとに個別に定義することが可能です。 WebOTX インストール時には以下の 2 つの個別設定が用意しており、利用モジュール側の設定で個別設定の名前を指定します。

データグリッド名 用途
__default_http_session Web アプリケーションのセッションレプリケーション
__dafault_jpa JPA のインメモリキャッシュ

利用モジュール側の設定については、 [インメモリデータグリッド連携部品]を参照してください。

なお、個別設定は既定では無効化されています。 実際に使用する際には、以下のコマンドでタイプを infinispan に変更する必要があります。

otxadmin> set server.data-grids.data-grid.<データグリッド名>.type=infinispan

6.9.4. その他の設定

その他のインメモリデータグリッド連携の設定については、 [ リファレンス > 設定 > インメモリデータグリッド連携 ] を参照してください。