1.4. ドメインの起動・停止

WebOTXのドメインを起動および停止する方法について説明します。

Windows Server 2008ではドメインの起動・停止は特権昇格したコマンドプロンプトから実行する必要があります。詳しくは [ ドメインの運用操作の前に ] を参照してください。

1.4.1. ドメインの自動起動設定

WebOTXサービス起動時にドメインを自動起動させるかどうかの設定について説明します。なおデフォルトでは作成したドメインは自動起動します。

ドメインの自動起動を行わないよう設定するには管理ドメインに対して以下のコマンドを実行します。

1.4.1.1. domain1の自動起動を無効に設定

※この操作は、対象となるドメイン(ここではdomain1)が停止している状態で行ってください。

# otxadmin
otxadmin> login --user admin -password **** --port 6202
otxadmin> invoke domain.disable domain1
otxadmin> exit

再度、自動起動を有効にするには管理ドメインに対して以下のコマンドを実行します。

1.4.1.2. domain1の自動起動を有効に設定

※この操作は、対象となるドメイン(ここではdomain1)が停止している状態で行ってください。

# otxadmin
otxadmin> login --user admin -password **** --port 6202
otxadmin> invoke domain.enable domain1
otxadmin> exit

1.4.2. 管理ドメインの起動/停止

管理ドメインはWebOTXサービスと連動して起動、停止を行います。管理ドメインを起動/停止するにはWebOTXサービスを起動 /停止させてください。サービスを起動/停止する方法は [ サービスの起動停止 > サービスの起動・停止方法 ] を参照してください。

なおサービスを停止すると全てのドメインは停止されます。

1.4.3. 一般ドメインの起動/停止

特定のドメインを起動・停止させるには次のコマンドを実行してください。

Caution
コマンドの実行は必ずWebOTX運用ユーザで行なってください。
1.4.3.1. ローカルモードで一般ドメインを起動/停止
ローカルマシン上で、一般ドメインの起動/停止を行います。
1.4.3.2. リモートモードで一般ドメインを起動/停止
リモートマシンから、一般ドメインの起動/停止を行います。
1.4.3.3. 一般ドメインの起動順序設定

WebOTXサービスを起動/停止すると、管理ドメインと一般ドメインの起動/停止が行われます。

起動では、最初に管理ドメインが起動され、管理ドメインの起動処理内で一般ドメインが起動されます。 一般ドメインが複数存在する場合は、指定された起動順序の値が小さい順に起動されます。

停止も起動と同様に、最初に管理ドメインが停止され、管理ドメインの停止処理内で一般ドメインが停止されます。 一般ドメインが複数存在する場合は、起動とは逆に起動順序の値が大きい順に停止されます。

起動順序は、ドメイン作成時に、他の一般ドメインと重複しない値のうち最も小さい値が自動的に割り当てられます。

起動順序を変更する場合は、set-start-orderコマンドを使用します。

otxadmin> login --user admin --password **** --host remotehost --port 6202
otxadmin> stop-domain --remote=true <domainname>
otxadmin> set-start-order --domainname <domainname> <起動順序>

set-start-orderコマンドは、管理ドメインにログインして実行してください。 また、起動順序を変更する一般ドメインは停止する必要があります。

現在の起動順序の一覧を確認するには、list-start-ordersコマンドを実行します。

otxadmin> login --user admin --password **** --host remotehost --port 6202
otxadmin> list-start-orders
1.4.3.4. 一般ドメインの並列起動/停止

WebOTXサービス起動/停止時に複数の一般ドメインが存在する場合、一般ドメインは指定された起動順序で起動され、逆の順序で停止されます。

複数の一般ドメインを並列に起動/停止したい場合は、同じ起動順序を指定してください。 同じ起動順序が指定された一般ドメインは並列に起動/停止されます。 例えば、domain1とdomain2の起動順序を同じ「1」と設定することでdomain1とdomain2は並列に起動/停止されます。

起動順序の指定方法は、前節の[ 一般ドメインの起動順序設定 ] を参照してください。

1.4.4. サービスでの運用とコマンドでの運用の違い

本節は Windows OS で運用している場合限定の内容であり、UNIX OS で運用している場合は対象外です。

start-domain、stop-domainコマンドによるドメイン運用はあくまで開発・評価時に対象となるドメインの起動・停止操作を速やかに行えることを第一の目的として提供しているコマンドです。

サービスからの運用方法との違いはプロセスを起動するユーザの違いに現れます。サービスから運用した場合、WebOTXの各種プロセスはシステムユーザとして起動されます。対して、運用管理コマンドから起動した場合は、運用ユーザのプロセスとして起動します。そのため、起動ユーザの環境設定に依存してしまい、運用時の思わぬトラブルの原因となってしまう場合があります。

そのため、本番環境での運用時にstart-domain、stop-domain コマンドによるドメイン制御は行わないようご注意ください(本番時はWebOTXサービスとして [ サービスの起動停止 > サービスの起動・停止方法 ] で記載した方法で各ドメインの起動・停止処理を行う運用となります)。

なお、 [ 一般ドメインの起動/停止 ] のリモートモードでの起動/停止で説明している方法でユーザドメインを起動することで、管理ドメインと同一のユーザプロセスとして起動することが可能です。既に管理ドメインをサービスとして起動していて、システムユーザとしてユーザドメインを運用したい場合にご利用ください。

例えば、Windows 2008 serverではサービスから運用する方法、または、運用管理コマンドでドメイン運用サブコマンドに対しリモートオプション指定(※1)することにより、UACに起因する運用トラブルを未然に避けることができます。

Memo
(※1) WebOTX AS Ver 8.2からはドメイン運用サブコマンド(start-domain,stop-domain,list-domains)に対しリモートオプションを指定することができるようになりました。これにより管理ドメイン経由でユーザドメインを起動することで、プロセスの起動ユーザをサービスの場合と同じユーザとしてドメインを運用することができます。


1.5. 運用管理ユーザの設定

WebOTXでは運用管理ユーザの管理方法として、Fileレルムを用いる方法を提供しています。設定方法については、[ ユーザ管理 > Fileレルムを利用したユーザ管理 ]を参照してください。

1.6. ドメイン上で動作するサービスの起動・停止

ドメイン上で動作している各サービスを起動、停止する方法について説明します。

1.6.1. 各サービスの起動・停止方法

サービスを起動・停止するotxadminコマンドは、以下の表の通りです。

サービスを起動・停止するotxadminコマンド一覧
サービス名 起動コマンド 停止コマンド
JMSサービス invoke server.jms-service.start
または、
start-jms
invoke server.jms-service.stop
または、
stop-jms
CORBAサービス invoke server.corba-service.start invoke server.corba-service.stop
Transactionサービス invoke server.transactionservice.start
または、
start-transaction-service
invoke server.transactionservice.stop
または、
stop-transaction-service
Webコンテナ invoke server.internal-lifecycle-module.WebContainerService.start invoke server.internal-lifecycle-module.WebContainerService.stop
Webサーバ* invoke server.WebServer.start invoke server.WebServer.stop
TPモニタ start-system stop-system

*: WebOTX Webサーバインストール時のみ

1.6.2. 自動起動

ドメインの起動時にサービスを自動起動させるかどうかの設定方法について説明します。

自動起動の確認

現在の設定を確認するには次のコマンドを実行します。

otxadmin> get server.internal-lifecycle-module.<サービス名>.enabled

trueの場合は自動起動をする、falseの場合は自動を起動しない設定です。

<サービス名>は以下の表に従ってください。

サービス一覧
サービス名 説明
JMSProvider JMSサービス
CORBAService CORBAサービス
TransactionService Transactionサービス
WebContainerService Webコンテナ
WebServerService HTTPサーバ(ApacheベースWebOTX Webサーバ)
TPMonitorManagerService TPモニタ・マネージャサービス
例) CORBAサービスの自動起動設定を確認
otxadmin> get server.internal-lifecycle-module.CORBAService.enabled
server.internal-lifecycle-module.CORBAService.enabled = true
自動起動の設定

自動起動の設定を変更するには次のコマンドを実行します。

otxadmin> set server.internal-lifecycle-module.<サービス名>.enabled={ true | false }

<サービス名>は上記表を参照してください。trueの場合は自動起動設定、falseの場合は自動起動しないに変更します。

Caution
表にないサービスの自動起動設定は変更しないでください。正常にドメインが起動しなくなります。
例: CORBAサービスが自動起動しないように設定する。
otxadmin> set server.internal-lifecycle-module.CORBAService.enabled=false