1.9. 統計情報の取得

統計情報の採取および取得方法について説明します。なお詳細は [ モニタリング ] を参考にしてください。

1.9.1. 統計情報の出力レベル設定

まず統計方法の出力レベルを設定します。otxadminのsetコマンドを利用してレベルを設定します。なおモジュールにより設定できる出力レベルが異なります。

otxadmin> set server.monitoring-service.module-monitoring-levels.<モジュール名>=<レベル>
指定できるレベル
設定可能な統計情報
設定可能な統計情報
モジュール 説明 設定できる値 既定値
connector-connection-pool コネクションプールに関する統計情報 OFF, ON OFF
connector-service コネクタサービスに関する統計情報 OFF, ON OFF
ejb-container EJBコンテナに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
http-service WebコンテナのHTTPサービスに関する統計情報 OFF, ON OFF
jdbc-datasource JDBCデータソースに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
jms-service JMSサービスに関する統計情報 OFF, ON OFF
jvm JavaVMに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
thread-pool スレッドプールに関する統計情報 OFF, ON OFF
transaction-service トランザクションサービスに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
web-container Webコンテナに関する統計情報
Webアプリケーションの統計情報を採取するには、運用管理コンソールの「統計情報」-「Web Applicationの統計情報」画面で統計情報の収集を開始(収集開始ボタンを押下)しておく必要があります。
OFF, ON OFF
web-server WebOTX Webサーバに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
例: jvmモジュールのレベルをHIGHに設定します
otxadmin> set server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jvm=HIGH

1.9.2. 統計情報の出力レベル確認

現在の統計情報の出力レベルを確認するにはotxadminのgetコマンドを利用します。

例: 全てのモジュールのレベルを確認
otxadmin> get server.monitoring-service.module-monitoring-levels.*
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.connector-connection-pool = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.connector-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.ejb-container = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.http-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jdbc-datasource = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jms-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jvm = HIGH
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.thread-pool = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.transaction-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.web-container = OFF

1.9.3. 統計情報の取得

統計情報の出力レベルをON,LOW,HIGHに設定すると、統計情報採取用のWebOTX統計MBeanが登録されますので、その属性をotxadminコマンドで取得することができます。

例: モジュールjvmの現在登録されている統計情報
otxadmin> get --monitor=true server.jvm.*
server.jvm.HeapFreeSize-Current = 34199456
server.jvm.HeapFreeSize-HighWaterMark = 34199456
server.jvm.HeapFreeSize-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapFreeSize-LowerBound = 0
server.jvm.HeapFreeSize-UpperBound = 518979584
server.jvm.HeapSize-Current = 73805824
server.jvm.HeapSize-HighWaterMark = 73805824
server.jvm.HeapSize-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapSize-LowerBound = 0
server.jvm.HeapSize-UpperBound = 518979584
server.jvm.HeapUsedRate-Current = 53
server.jvm.HeapUsedRate-HighWaterMark = 60
server.jvm.HeapUsedRate-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapUsedRate-LowerBound = 0
server.jvm.HeapUsedRate-UpperBound = 100
server.jvm.HeapUsedSize-Current = 39716224
server.jvm.HeapUsedSize-HighWaterMark = 39802144
server.jvm.HeapUsedSize-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapUsedSize-LowerBound = 0
server.jvm.HeapUsedSize-UpperBound = 518979584
server.jvm.UpTime-Count = 2507712

また、レベル設定後、otxadmin コマンド上でこれらの統計情報を定期的に取得するための [ monitor ] コマンドを用意しています。一定期間情報を取り続け、そのデータから分析を行う場合に有効です。

1.9.4. Transactionサービス(JTA)統計情報の取得

Transactionサービス(JTA)に関する統計情報の採取および取得方法について説明します。

1.9.4.1. パフォーマンスデータの取得方法
統合運用管理ツールを利用する場合

次の手順で実施します。

  1. 統合運用管理ツールよりドメインと接続します。
  2. ツリービューより「<ドメイン名>」-「統計情報」-[domain] -「アプリケーションサーバ」-「Transactionサービス」を選択すると右側に表示されます。ただしこのツリーは、モニタリングレベルがOFF以外に設定されている必要がありますのでご注意ください。設定方法については [ モニタリング > モニタリングについて ] を参照してください。

Transactionサービス

コマンドを利用する場合

次のコマンドで取得します。ただし統合運用管理ツールの場合同様に、モニタリングレベルがOFFに設定されている場合失敗します。

otxadmin> get --monitor=true server.transaction-service.*
server.transaction-service.ActiveCount-Count = 0
server.transaction-service.ActiveIds-Current = No Transactions exists.
server.transaction-service.ApplicationRolledbackCount-Count = 1
server.transaction-service.AverageTAT-Count = 26975
server.transaction-service.Committed2PCCount-Count = 2
server.transaction-service.CommittedCount-Count = 5
server.transaction-service.CompletedCount-Count = 7
server.transaction-service.DeletedCount-Count = 0
server.transaction-service.ForgottenCount-Count = 0
server.transaction-service.HeuristicCount-Count = 0
server.transaction-service.ResourceRolledbackCount-Count = 1
server.transaction-service.RolledbackCount-Count = 2
server.transaction-service.SystemRolledbackCount-Count = 0
server.transaction-service.TimedOutCount-Count = 0
server.transaction-service.TransferedCount-Count = 1
1.9.4.2. トランザクション一覧の取得、および操作方法

モニタリングレベルをLOW、あるいはHIGHに設定した場合には、統合運用管理ツール、およびotxadminコマンドを使用して実行中のトランザクション情報も取得することができます。また表示したトランザクションに対する操作も可能です。

なお、モニタリングレベルがOFFの場合はotxadminコマンドでは表示されません。

次にotxadminコマンドを使用したトランザクション一覧の取得、および操作について説明します。

トランザクション一覧の表示

otxadminコマンドを使用する場合、属性名を次のように指定します。

otxadmin> get --monitor=true server.transaction-service.ActiveIds-Current

これにより実行中トランザクションの一覧が確認できます。実行中のものが存在しない場合、

server.transaction-service.ActiveIds-Current = No Transaction Exists.

と表示されます。存在する場合は

server.transaction-service.ActiveIds-Current =
Transaction ID Status A/R Start Time
----------------+--------------------+-------+-------------------
0277689751350000 StatusCommitting     Active  2008/6/8 14:39:53
0384489751290000 StatusCommitting     Active  2008/6/8 14:39:54
0255289751170000 StatusPrepared       Active  2008/6/8 14:39:57
0277689749150001 StatusUnknown        Recover 2008/6/8 14:40:49
0384489749070001 StatusUnknown        Active  2008/6/8 14:40:51

のように表示されます。統合運用管理ツールでは前述の方法で実施すると右側ペインに上記のように表示されます。

次にそれぞれの項目について説明します。詳細については [ 設定 ] をご参照ください。

統合運用管理ツール表示項目
項目 説明
TransactionID トランザクション識別子です。これを利用してトランザクションの操作を実施します。
Status トランザクションの状態です。
A/R RCSにトランザクションが移管されているかどうかを表します。
「Active」の場合は移管されておらず、「Recover」の場合は移管されていることを示します。
Start Time トランザクションが開始された日時です。
1.9.4.3. トランザクションの操作

トランザクションの操作は次のように実施します。

統合運用管理ツールを利用する場合
  1. 統合運用管理ツールよりドメインと接続します。
  2. ツリービューより「<ドメイン名>」-「統計情報」-[domain]-「アプリケーションサーバ」-「Transactionサービス」を選択します。
  3. 右側に表示されるTransaction IDをコピーし、「Transactionサービス」ツリーを右クリックして上図のようなメニューを出します。
  4. 実施するコマンドを指定してください。なお、トランザクションの状態によって実行可能なコマンドが制限されます。詳細は [ トランザクションの状態一覧 ]をご参照ください。
  5. 次のような画面が出ますのでparam1のところに3.でコピーしたTransaction IDを貼り付けて「実行」を押して処理を開始してください。

トランザクションの操作

コマンドを利用する場合
  1. otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインします。
    otxadmin> login
    
  2. それぞれ次のように、トランザクション識別子を指定してコマンドを実施します。ただしモニタリングレベルがOFFに設定されている場合失敗します。なお、この処理によってデータベースの状態が不安定になる可能性がありますので実行には十分注意が必要です。

    トランザクションの操作については、Transactionサービス(統合運用管理ツールの「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「Transactionサービス」ツリー)からも実施可能です。詳細については [ 構築・運用 > ドメインの拡張機能 > Transactionサービス] をご参照ください。