| 3. WebOTX WebAP JSP Developer |
「WebOTX WebAP JSP Developer」は、Webブラウザから実行するWebアプリケーションを作成し、「WebOTX WebAP JSP」に転送します。
サーバAPのインターフェース定義情報は、「WebOTX WebAP JSP Developer」が使用する「WebOTX Object Broker」のバージョンにより、IDLファイル(インタフェース定義言語ファイル)またはIFファイル(インターフェースリポジトリ定義ファイル)から取得します。
IDL(IF)ファイルと、ユーザが作成したHTMLファイルまたはJSPファイルを読み込み、サーバAPのメソッドのパラメータとHTML(JSP)ファイルのフィールドのマッピング定義などを行った後、Webアプリケーションを自動生成します。
また、HTML(JSP)ファイルを元に、Webアプリケーションの実行結果出力用のJSPファイルを、さらにJSPファイルからServletファイルを自動生成します。
その後、Webアプリケーションと実行結果出力用のServletファイルをZIPファイルにまとめて、「WebOTX WebAP JSP」に転送します。
| 3.1. JSP開発ツール |
「WebOTX WebAP JSP Developer」は、Webアプリケーションの定義および生成をGUIで行うためのJSP開発ツールを提供しています。JSP開発ツールは、スタートメニューから起動します。
| 3.2. プロジェクト、トランザクション、フェーズ |
Webアプリケーションを作成するには、プロジェクト、トランザクション、フェーズを定義する必要があります。「WebOTX WebAP JSP」では、プロジェクト、トランザクション、フェーズという用語を以下の意味で使用しています。
トランザクションとは、業務開始からその業務を完了するまでの一連の処理です。
プロジェクトとは、関連するトランザクションの集まりです。
フェーズとは、トランザクション中の一回の結果出力の単位です。実際にはWebブラウザからの要求により、サーバAPの1つのメソッドを呼び出し、結果をWebブラウザに表示するまでを指します。各フェーズについて、サーバAPのどのメソッドを行うのか、その結果を出力するJSPファイルは何を使用するのかなどを設定します。
プロジェクト、トランザクション、フェーズ、JSPファイルの関係を図に示します。

図1 プロジェクト、トランザクション、フェーズ、JSPファイルの関係
| 3.3. 先頭フェーズ |
トランザクションの最初に実行できるフェーズを先頭フェーズといいます。
一つのトランザクションには少なくとも一つの先頭フェーズが必要です。
先頭フェーズでないフェーズを最初に指定してトランザクションを実行することはできません。
「3.2. プロジェクト、トランザクション、フェーズ」の図1のトランザクション1、トランザクション2では、フェーズ1が先頭フェーズになります。
| 3.4. 遷移情報 |
一つのフェーズの処理はサーバAPのメソッド実行(複数メソッド実行可)と、一つのJSPファイルへの結果出力でなりたっています。JSPファイル自体は、複数のフェーズの入力、出力画面となることが可能です。
「3.2. プロジェクト、トランザクション、フェーズ」の図1のトランザクション1では、各JSPファイルは特定のフェーズの入力画面、出力画面となっています。トランザクション2では、「結果JSP1」のForm1の情報がフェーズ2の入力情報、Form2の情報がフェーズ3の入力情報となっています。また、「結果JSP2」はフェーズ2、フェーズ3の出力画面になっています。
トランザクション1の場合、トランザクションの流れは一通りですが、トランザクション2の場合、フェーズ2を実行する場合と、フェーズ3を実行する場合の二通りの流れがあります。フェーズ遷移の設定により、これらのトランザクションの流れを定義できます。
フェーズとJSPファイルの対応の設定時に、以下の情報設定も可能です。
各情報の設定によるフェーズの流れを、図2に示します。
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図2の例では、フェーズ1の実行結果がXの場合「結果JSP1」を、実行結果がYの場合「結果JSP2」を、表示します。
「結果JSP1」からはフェーズ2を実行し、その結果を「結果JSP3」に表示後、サーバAPを解放します。遷移情報を保存するため、「結果JSP3」の後、再度フェーズ2を実行することはできません。
「結果JSP2」からはフェーズ3を実行し、その結果を「結果JSP4」に表示します。「結果JSP4」のフェーズ遷移情報は保存しないため、その後、Webブラウザの「戻る」ボタンで「結果JSP2」に戻り、「結果JSP2」から再度フェーズ3を実行することができます。
| 3.5. セッション |
トランザクションの状態を保持するオブジェクトの単位をセッションと呼びます。
複数のクライアントがトランザクションを実行する場合、クライアントごと(Webブラウザごと)にセッションが割り当てられます。「WebOTX WebAP JSP 実行環境」は、Webブラウザから、現在実行中でないトランザクションの実行要求を受け付けたとき、セッションを作成します。
トランザクションのセッションが解放される契機は、以下のとおりです。
| セッション解放契機 | 説明 |
| タイムアウト時 | 「WebOTX WebAP JSP」の「環境設定」ページの「コンフィグレーション」の「サーバAPのリリース時間」で指定した時間(デフォルトでは10分)、Webブラウザからのフェーズ実行要求がなかったとき |
| 業務閉塞時 | 「WebOTX WebAP JSP」の「運用管理」ページまたはHTTPアクセスコマンドから、セッション解放処理を行ったとき |
| AP置換時 | 実行中のトランザクションを置換するために、Webアプリケーションのファイルを「WebOTX WebAP JSP Developer」から「WebOTX WebAP JSP」へ転送したとき |
| トランザクション切り替え時 | トランザクション実行中のWebブラウザから、別のトランザクションを実行しようとしたとき。 実行中のトランザクションのセッションが解放され、次に実行するトランザクションに対して新しくセッションが割り当てられます。 |
| 3.6. タイムアウトフェーズ |
「WebOTX WebAP JSP」では、タイムアウトフェーズ(セッション解放時に実行するフェーズ)を指定できます。
| 3.7. MFDL移行 |
ETOS対応業務のWeb環境への移行(以下、MFDL移行)に対応したWebアプリケーションを作成する場合は、「WebOTX Connector Developer(VISコネクタ)」が生成したコネクタ連携ファイルと、ユーザが作成した移行定義ファイル(MFDL移行時に必要な情報を定義したファイル)を読み込んで、作成を行います。MFDL移行の場合は、コネクタ連携ファイルに情報が記述されているので、IDLファイル、HTMLファイルは必要としません。
以下の図に、WebOTX Connector Developer(VISコネクタ)から「WebOTX WebAP JSP Developer」への、MFDL移行時の処理の流れを示します。
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| 3.8. プロジェクト管理サーバ |
「WebOTX WebAP JSP Developer」が提供するプロジェクト管理サーバを使用すると、複数の開発担当者が一つのプロジェクトを共同で開発できるように、プロジェクト内の各定義情報を排他制御することができます。
| 3.9. 印刷 |
「WebOTX WebAP JSP Developer」で作成したプロジェクトの定義情報を印刷できます。