2. チュートリアル

この章では、ダウンローダ管理ツールを用いて、Webサーバにクライアントアプリケーションをアップロードし、ダウンローダを用いて、アップロードされたクライアントアプリケーションをダウンロードするまでの一連の基本操作を説明します。

2.1. クライアントアプリケーションのアップロード

この節では、システム管理者が、クライアントアプリケーションの実行に必要なファイルを収集し、クライアントユーザがアプリケーションを利用できる形にアップロードするまでの手順を説明します。

2.1.1. ダウンローダ管理ツールの起動

スタートボタンの[プログラム]-[WebOTX]をポイントし、[ダウンローダ管理ツール]をクリックします。

ダウンローダ管理ツール
図2-1 ダウンローダ管理ツール

2.1.2. クライアントアプリケーションファイルの登録

クライアントアプリケーションが動作するのに必要なファイルを登録します。

エクスプローラ等から、配布したいクライアントアプリケーションファイルを、ファイルリスト内にドラッグ&ドロップして(あるいは、[ファイル]メニューの[ファイル追加]をクリックしてファイル選択ダイアログボックスを開き、配布したいクライアントアプリケーションファイルを選択して)、表示項目に加えます。

ダウンローダ管理ツール
図2-2 ダウンローダ管理ツール

2.1.3. アップロード先の設定

クライアントアプリケーションのアップロード先となるWebサーバを設定します。

[設定]メニューから[Webサーバの設定]、またはWebサーバの設定ツールボタンをクリックします。

Webサーバ設定
図2-3 Webサーバ設定

<追加>ボタンをクリックし、[Webサーバ設定]ダイアログボックスを開きます。

Web サーバの設定を行うダイアログボックスが表示されます。

このダイアログボックスは次のような環境の設定例です。

Webサーバのホスト名
または、IPアドレス
apserver
クライアントアプリケーションの
配置先ディレクトリ
<Document Root>/home
アップロード時のユーザ名
(パスワードは非表示)
ftpuser

転送先サーバ設定
図2-4 転送先サーバ設定

必要なサーバ情報を設定し、<OK>ボタンをクリックします(詳細については[ 3. ダウンローダ管理ツールによる運用 > 3.3. メニューについて > 3.3.3. [設定]メニュー ]内の、「[Webサーバ設定]-[転送]タブ」を参照してください)。

Webサーバ設定
図2-5 Webサーバ設定

上のように、設定がサーバリストに加えられたのを確認し、<OK>ボタンをクリックします。

名前をつけて保存
図2-6 名前をつけて保存

[ファイル]メニューの[名前をつけて保存]、またはツールバーの保存ボタンをクリックし、任意の名称※1で保存します。

※1:
wtdファイルの名称には、Shift-JIS範囲内の文字を使用してください。

2.1.4. タイプライブラリの取得

クライアントアプリケーションがCORBAゲートウェイ経由でサーバと通信する場合、以下の手順でサーバコンポーネントのインタフェース情報を取得します。
ここでは例として、アプリケーションサーバからCORBAゲートウェイと通信するサーバコンポーネントのインタフェース情報(IFファイル)を取得し、配布ファイルに反映する手順を示します。

サーバコンポーネントのインタフェース情報を取得するには、WebOTX サーバ側の[ダウンローダ管理ツールの接続を受け付ける]設定をオンにする必要があります。 設定詳細手順は、[ サーバコンポーネントの設定 ]を参照してください。

[設定]メニューの[サーバコンポーネント選択]、またはツールバーのサーバコンポーネント設定ツールボタンをクリックし、次の[サーバコンポーネントの設定]ダイアログボックスを開きます。

サーバコンポーネントの設定@
図2-7 サーバコンポーネントの設定@

上のように、アプリケーションサーバ:ポート番号コンボボックスに、サーバコンポーネントの登録してあるサーバのホスト名とポート番号を指定し、<接続>ボタンをクリックします。

サーバコンポーネントの設定A
図2-8 サーバコンポーネントの設定A

サーバコンポーネントリストから、クライアントアプリケーションが利用するサーバコンポーネント名を選択して<追加>ボタンをクリックします。

サーバコンポーネントの設定B
図2-9 サーバコンポーネントの設定B

選択したサーバコンポーネント名が、右側の[継承関係リスト]に移動したのを確認し、<OK>ボタンをクリックします。

ダウンローダ管理ツール
図2-10 ダウンローダ管理ツール

追加したサーバコンポーネントファイルに基づいて生成されたファイルが、表示項目に追加されたことを確認します。

2.1.5. ダウンロード後実行モジュールの設定

クライアントでファイルのダウンロード後にプログラムを起動する場合は、[設定]メニューの[ダウンロード後実行モジュールの設定]ダイアログを開き、実行モジュールなどを設定します。

ダウンロード後実行モジュールの設定
図2-11 ダウンロード後実行モジュールの設定

実行モジュール情報を入力します(詳細については、[ 3. ダウンローダ管理ツールによる運用 > 3.3. メニューについて > 3.3.3. [設定]メニュー ]内の、[設定]-[ダウンロード後実行モジュールの設定]を参照してください)。
上の例は、次のような環境を想定したものです。

実行したいモジュール名NetLoopBack.exe
実行モジュールへの引数(引数なし)
実行時のカレントディレクトリ%{tpcomclient}\NetLoopBack※1
※1:
%{tpcomclient}の値については、参照先で説明しています。

2.1.6. クライアントアプリケーションのアップロード

クライアントアプリケーションのモジュール一式を、Webサーバにアップロードします。

[ファイル]メニューの[ファイル転送]、またはファイル転送ツールボタンをクリックします。

ダウンローダ管理ツール
図2-12 ダウンローダ管理ツール

Webサーバへのアップロードは完了すると、転送完了のメッセージボックスが表示されます。
ファイル転送およびバージョンチェック時には、wtdファイルを含めたクライアントモジュール一式を格納するのに十分な空き容量がWebサーバ上にあることを確保してください。

2.2. クライアントアプリケーションのダウンロード

この節では、クライアントがアップロードされたクライアントアプリケーションをダウンロードして利用するまでの手順を説明します。

2.2.1. ダウンローダの実行

Webサーバにアップロードされクライアントアプリケーションをダウンロードします。

Webブラウザからの起動

ダウンローダを実行するには、Webブラウザからwtdファイルへのリンクをクリックします。(下の例では、「プログラムを実行します。」がwtdファイルへのリンクとなっています。)
クリックと同時にダウンローダが起動し、ファイルのダウンロードから、クライアントアプリケーションの起動(オプション)に至る一連の処理を実行します。

ダウンローダの実行画面
図2-13 ダウンローダの実行画面
コマンドラインによる実行

Webブラウザを経由せず、コマンドラインやスクリプトなどを使用してダウンローダを実行する場合は、以下のようにダウンローダ実行モジュール名に続けて、wtdファイルのパスを引数として渡します。
コマンドとして実行する際には、適宜ダウンローダのインストール先ディレクトリを付加してください。

> <olfdload.exe の格納パス>¥olfdload.exe http://apserver/home/CorbaTest.wtd

Caution
InfoCage等のセキュリティソフトを使用している場合、ダウンローダを巡回対象外に設定してください。
ダウンローダがカプセル化され、ファイル名称が変更された場合、ダウンロードを正常に行うことができません。

2.3. クライアントアプリケーションの再アップロード

クライアントアプリケーションのバージョンアップなどにより配布ファイルに更新があった場合の※1、配布について説明します。

  1. ダウンローダ情報ファイル(以下「wtdファイル」とします)の読み込み
    • [ファイル]-[開く]コマンドで、更新したいクライアントアプリケーションのwtdファイルを読み込みます。

  2. バージョンチェックとwtdファイルの更新
    • [ファイル]-[バージョンチェック]でダウンローダ情報ファイルを更新します。
    • この操作により、wtdファイル内の配布ファイル情報が、最新の状態になります。

  3. [ファイル]-[ファイル転送]コマンドでWebサーバへのファイルのアップロードを実行します。
※1:
クライアントアプリケーションを実行するのに必要なDLLやOCXに変更があった場合、クライアントファイル一式を最新の状態にしてください。