6. ネットワークパーティション解決リソースの詳細¶
本章では、ネットワークパーティション解決リソースの詳細について説明します。
6.1. ネットワークパーティションとは?¶
6.2. ネットワークパーティション解決リソースとは?¶
クラスタ内のサーバは、ハートビートリソースにより他のサーバの死活監視を行います。全てのハートビートリソースが断線した場合、または他サーバがクラスタ以外からシャットダウンされた場合にネットワークパーティション解決リソースを使用してネットワークパーティション解決を行います。ネットワークパーティション解決リソースには以下の種類があります。
ネットワークパーティション解決リソース |
略称 |
機能概要 |
---|---|---|
PING ネットワークパーティション解決リソース (PING 方式) |
pingnp |
[ping] コマンドにより通信可能なサーバを判断しネットワークパーティション解決を行います |
HTTP ネットワークパーティション解決リソース (HTTP方式) |
httpnp |
Web サーバへの HTTP HEAD リクエストにより通信可能なサーバを判断しネットワークパーティション解決を行います。 |
利用可能な LAN が 1 系統しか存在しない構成の場合には、PING ネットワークパーティション解決リソースまたはHTTP ネットワークパーティション解決リソースを設定してください。
6.2.1. クラスタサービス起動時のネットワークパーティション解決について¶
クラスタサービス起動時に、他のサーバとのハートビート経路が全て断線していた場合、ネットワークパーティション解決を行います。このとき、ネットワークパーティションを検出したサーバではクラスタサービスを停止します。ハートビート経路の状態を確認し、手動でクラスタサービスを起動してください。
6.3. PING 方式によるネットワークパーティション解決を理解する¶
6.3.1. PING ネットワークパーティション解決リソースの設定¶
PING ネットワークパーティション解決リソースを使用するためには、以下の設定が必要です。
[ping] コマンドを受信し、応答を返却可能な常時稼動している装置 (以下、「ping 用装置」と省略します) が必要です。
PING ネットワークパーティション解決リソースは、他サーバからのハートビート切れを検出した際に、ping 用装置から [ping] コマンドの応答がある場合には相手サーバのダウンと判断してフェイルオーバを実施し、[ping] コマンドの応答がない場合はネットワークパーティション状態により自身がネットワークから孤立したものと判断してネットワークパーティション発生時の動作を実施します。
他サーバからのハートビート切れを検出し、ping装置に対するping応答が無い場合、サーバをシャットダウンさせます。これによって、両系で同じグループが活性となることを防止します。
6.3.2. PING ネットワークパーティション解決リソースの注意事項¶
PING ネットワークパーティション解決リソースを使用する場合、指定するアドレスは、構成情報に登録したいずれかのインタコネクト LAN 経由で送受信可能なアドレスを指定してください。
ping 用装置の障害などにより、ハートビートが途絶する前に全サーバで [ping] コマンドの応答が返らない状態が続くと、ネットワークパーティションの解決ができなくなりますので、この状態でハートビート切れを検出した場合、全サーバでネットワークパーティション発生時の動作を実施します。
6.4. HTTP 方式によるネットワークパーティション解決を理解する¶
6.4.1. HTTP ネットワークパーティション解決リソースの設定¶
HTTP ネットワークパーティション解決リソースを使用するためには、以下の設定が必要です。
常時稼働している HTTP 通信可能なサーバ (以下、「Web サーバ」とします) が必要です。
HTTP ネットワークパーティション解決リソースは、他サーバからのハートビート切れを検出 した際に、Webサーバからのレスポンスがある場合には相手サーバのダウンと 判断してフェイルオーバを実施し、レスポンスがない場合はネットワークパーティション状態により自身がネットワークから孤立したものと判断してネットワークパーティション発生時の動作を実施します。
他サーバからのハートビート切れを検出し、さらにWebサーバからのレスポンスが無い場合、サーバをシャットダウンさせます。 これによって、両系で同じグループが活性となることを防止します。
6.4.2. HTTP ネットワークパーティション解決リソースの注意事項¶
HTTP ネットワークパーティション解決リソースを使用する場合、指定するアドレスは、構成情報に登録したいずれかのインタコネクト LAN 経由で送受信可能なアドレスを指定してください。
- HTTP の HEAD リクエストに応答する装置を指定してください。HEAD リクエストに対するステータスコード 200 または 301 の応答があった場合は正常と判断します。ターゲットからの応答が得られない場合および、ステータスコード 200 および 301 以外の応答があった場合は異常と判断します。
Web サーバとの通信では、NIC およびソースアドレスは OS の設定に従って選択されます。
6.5. ネットワークパーティション解決しない¶
ネットワークパーティション解決を行わないため、クラスタサーバ間の全ネットワーク通信路に障害が発生した場合には、全サーバがフェイルオーバを実行します。