各仮想化基盤製品では、仮想マシンがサポートする機能を、仮想マシンのバージョンによって管理しています。
仮想マシンのバージョンにより、BIOSやUEFI、使用可能な仮想PCIスロット、最大CPU数、最大メモリ構成などの仮想マシンの仮想ハードウェアの特性や仮想マシンサーバの物理ハードウェアのサポートなどが異なります。
各仮想化基盤製品の最新バージョンでは、基本的に、従来から最新までの仮想マシンのバージョンを利用できるように下位互換がサポートされているため、ほとんどの利用局面では、仮想マシンのバージョンを意識する必要はありません。
以下の状況の場合、仮想マシンのバージョンの影響により、機能が使用できない場合があります。
新しいバージョンでサポートされた仮想ハードウェアの機能の利用が必要な場合
異なるバージョンの仮想マシンサーバ間でVM移動を行う場合
仮想化基盤製品の各バージョンにおける仮想マシンのバージョンのサポートや仮想マシンのバージョンの変更方法については、各仮想化基盤製品のマニュアルを参照してください。
SigmaSystemCenterにおける仮想マシンのバージョンの扱いについては、以下のとおりです。仮想マシンのバージョンは、Webコンソールの[リソース]ビューにて、マシンの詳細情報の基本情報に表示されるモデル名で確認することができます。
SigmaSystemCenterから仮想マシンを作成するとき、作成される仮想マシンのバージョンは以下の2通りのパターンがあります。
空の仮想マシンなどテンプレートを使用せずに仮想マシンを作成する場合、作成に使用するESXiのバージョンの既定バージョンの仮想マシンが作成されます。既存ディスクを指定して、仮想マシンを作成する場合も本項目に該当します。
テンプレートを指定して仮想マシンを作成する場合、テンプレートに使用したマスタVMのバージョンが引き継がれます。VMインポートやVMクローンにより仮想マシンを作成する場合も、元の仮想マシンのバージョンが引き継がれます。
VMwareの場合、マシンの詳細情報のモデル名に表示される仮想マシンのバージョンは、下記のとおりです。後半部分の数値でバージョンを確認することができます。
VMware Virtual Machine 9
VMware Virtual Machine 10
Hyper-Vでは、Generation1とGeneration2の2つのバージョンがあります。Generation2は、Windows Server 2012 R2以降で利用できます。
SigmaSystemCenterから仮想マシンを作成するとき、作成される仮想マシンのバージョンは以下の2通りのパターンがあります。
空の仮想マシンなどテンプレートを使用せずに仮想マシンを作成する場合、デフォルトではGeneration1の仮想マシンが作成されます。構成パラメータ設定で「vm.hw.firmware」で世代を指定することも可能です。既存ディスクを指定したり、VMインポートの指定により、仮想マシンを作成する場合も本項目に該当します。
テンプレートを指定して仮想マシンを作成する場合、テンプレートに使用したマスタVMのバージョンが引き継がれます。VMクローンにより仮想マシンを作成する場合も、元の仮想マシンのバージョンが引き継がれます。
Hyper-Vの場合、マシンの詳細情報のモデル名に表示される仮想マシンのバージョンは、下記のとおりです。G2は、Generation2です。
Hyper-V Virtual Machine
Hyper-V Virtual Machine G2
HW Profile Cloneで仮想マシンを作成する場合や仮想マシンに対してDeployementManagerのバックアップリストアを行う場合は、以下の注意が必要です。
Generation1の仮想マシンの場合、仮想NICの種類をPXE 機能が使用可能なレガシ ネットワーク アダプターにする必要があります。ただし、レガシ ネットワーク アダプターは低速なため、業務に影響が出る可能性があります。業務に影響が出る場合は通常のネットワークアダプタを使用する仮想NICを別途追加するなどの対応が必要となります。
Generation2の仮想マシンをHW Profile Cloneで作成した場合、または、Generation2の仮想マシンに対してDeploymentManagerでリストアを実行した場合、実行後に、仮想マシン上のブート順位の設定が変更され、PXEブートが無効になる場合があります。
PXEブートが無効になるとDeploymentManagerのバックアップリストアの機能を利用することができなくなりますので、以下のいずれかの対処を実施してください。
DeploymentManagerにBuilt-in として登録されている System_WindowsChgBootOrder あるいは System_LinuxChgBootOrder を実行してブート順位を変更してください。
ブート順位の変更結果は、管理対象マシン上に保存されるログで確認できます。詳細は、「1.4.15. ブート順位変更シナリオ」を確認してください。
Hyper-Vマネージャを使用して当該仮想マシンのブート順の設定を変更し、PXEブートを行うNICのブート順位を先頭に設定しなおしてください。