VMwareが提供するvSAN機能の利用について、説明します。
vSAN環境の構成例については、「4.1.13. VMware vSAN環境(3ノードクラスタ)におけるシステム構成の例」と「4.1.14. VMware vSAN環境(2ノードクラスタ)におけるシステム構成の例」を参照してください。
vSAN環境の監視については、「2.8.4. vSAN環境の監視」を参照してください。
vSAN機能は、VMware vSphereで提供される機能で、複数の仮想マシンサーバのローカルディスクを仮想化し、1つの共有ディスクとして扱えるようにする機能です。
SigmaSystemCenterでは、vSAN機能により仮想化された共有ディスクのデータストアを通常のデータストアと同様に扱うことができます。
ただし、SigmaSystemCenterからvSAN機能のデータストアの作成・削除を行うことはできないため、作成・削除についてvSphereを使用して行う必要があります。詳細については、VMwareのマニュアル「Administering VMware Virtual SAN」などを参照してください。
また、仮想マシンの作成や編集の際、vCenter Serverに登録されているストレージポリシーを指定して、仮想マシンに適用することができます。ただし、ストレージポリシーの適用は、指定の作成先データストアがストレージポリシーの要件を満たしている/満たしていないに関わらず行われますので、注意してください。
「4.3.11. 仮想化基盤別の固有設定(構成パラメータ設定)」の「(2)設定項目(VMware)」のvm:storage-policyの項目の説明を参照してください。
vSANの要件として、vSANを構成する仮想マシンサーバは3台以上必要です。
また、次の図のように、vSAN用のネットワークが必要となります。図のように、通常は、vSAN用と管理用のネットワークを共通で利用するようにしてください。
vSAN用と管理用のネットワークを別にする場合、vSANのネットワークを監視のためにvCenter Serverの死活監視を利用することができません。
対処方法としては、SystemProvisioningの死活監視を利用する方法がありますが、後述の図のように、SystemMonintor性能監視の利用はできなくなりますので注意してください。SystemProvisioningの死活監視については、「2.5.4. SystemProvisioningの死活監視」を参照してください。SystemMonitor性能監視については、「2.7.3. SystemMonitor性能監視の概要 - 性能履歴情報の収集、蓄積、閲覧、閾値監視」を参照してください。
なお、vSANを構成する仮想マシンサーバの障害などにより、vSAN上のファイルの可用性が確保できない状態になったときは、SigmaSystemCenterからの処理に影響が出る場合があります。
たとえば、次の図のような3台構成で1台のマシンがダウンしている場合、マシン診断のポリシーアクション における仮想マシンサーバのディスクチェックは、通常のSAN構成の場合はダウンしているマシンのディスクチェックで1台しかエラーにならないのに対して、VirtualSAN構成の場合は正常に動作しているマシンでのチェックもエラーになります。
次の図のように、vSANを構成する仮想マシンサーバに対してシャットダウンや再起動を伴う操作は、vCenter Serverのメンテナンスモードの設定をせずに実行しないように注意してください。
vSAN環境では、仮想マシンサーバのシャットダウンの操作はvSANを構成するディスクをオフラインにする操作に該当するため、ストレージを使用して構成する環境に比べて操作の影響が大きいです。
次の図のように、必ずvCenter Server側のメンテナンスモードの設定が行われるように操作を行うようにしてください。
メンテナンスモードの設定は、SigmaSystemCenterのWebコンソールからのシャットダウン操作時のオプション指定や、ssc power-control machine Operationコマンドのオプション-maintenanceで指定することが可能です。
シャットダウンが伴う操作の前に、明示的にメンテナンスモードの設定の操作で行うことでも可能です。
なお、複数の仮想マシンサーバに対して同時にシャットダウンを実行した場合、対象がvSANクラスタ、および、SigmaSystemCenterの管理サーバVMが含まれる場合は、メンテナンスモードが自動設定されます。「1.8.9. VMware環境での管理サーバVMを含む仮想マネージャ/データセンタ単位の一括停止と起動について」を参照してください。
また、障害時における仮想マシンサーバに対するシャットダウンや再起動についても、同様の考慮が必要となります。「2.8.4. vSAN環境の監視」を参照してください。