5.3.1. 概要

ONVIF対応カメラ連携用ノードを使用することで、ICE CoreとONVIF(Open Network Video Interface Forum)対応カメラデバイスとの連携が可能になります。

ONVIF対応カメラ連携用ノードをフローに組み込むことで、カメラの自動的な発見・管理や PTZ(パン、チルト、ズーム)制御、カメラの設定変更等を行うことができます。

5.3.2. 機能一覧

主な機能を以下に列挙します。

  • ONVIF対応カメラ発見・管理 ネットワークに接続されているONVIF対応カメラを自動的に発見し、IDを払い出して管理する機能です。
  • ONVIFメッセージ送信 ONVIF対応カメラに対して任意のONVIFメッセージを送信する機能です。

5.3.3. 提供ノード一覧

Node-REDエディタから利用可能な2つのノードを提供しています。 これらを総称してONVIF対応カメラ連携用ノードと呼びます。

  • ice onvif discovery 自動発見されたカメラの情報をNode-REDフローに出力し、他のノードで利用するためのノード
  • ice onvif pipe カメラに対して情報取得や操作指示等の任意のONVIFメッセージを送信するためのノード

5.3.4. 機能概要

ONVIF対応カメラ連携用ノードを使用して実行できる機能について以下で説明します。

5.3.4.1. ONVIF対応カメラ発見・管理機能

ONVIF対応カメラ連携用ノードの共通設定である自動発見に関する設定(自動発見設定)を利用して、 エッジサーバと同じネットワークセグメント上にあるカメラを自動的に発見することができます。 また、発見されたカメラに対して一意にID(Object ID)を割り当て、 カメラから取得できるCapabilityやProfileの情報とともに管理することができます。

これによりONVIF対応カメラに対して情報取得や操作指示を行う場合に、 連携している自動発見設定により管理されているObject IDを用いてカメラを指定することができます。

Node-REDは設定された自動発見設定を使用して、 エッジサーバと同じネットワークセグメント上にあるカメラを自動的に発見します。 カメラが発見されると、自動発見設定に設定されているユーザ名、パスワードを使用して認証を試みます。 認証が通ったカメラにはObject IDが割り振られ、取得したカメラの情報とともに管理されます。

自動発見設定と連携してONVIF対応カメラに対して情報取得や操作指示を行うノードとして以下が用意されています。

自動発見設定はice-onvif-discovery-configノードで定義されています。 自動発見設定として設定できる項目についてはONVIF対応用ノードの共通設定をご覧ください。

注釈

ONVIF対応カメラ連携用ノードを利用する場合には、事前にカメラに対してユーザ名、パスワードの設定をお願いします。

5.3.4.1.1. カメラの自動発見動作

一つの自動発見設定につき、 エッジサーバと同じネットワークセグメント内にあるカメラを発見します。 同じネットワークセグメントに接続するカメラは最大8台までサポートします。

Node-REDにノードを配置し、デプロイすると、 ノードは自動発見設定のDeviceで指定したネットワークインタフェースが接続されているサブネットワーク上にカメラ発見メッセージを送信し、、Discovery Timeoutで指定されている時間、カメラからの応答を待ちます。

応答があったカメラに対して、自動発見設定で設定したUsernamePasswordを用いて認証を行い、 認証が通ったカメラに対してObject IDを払い出します。

払い出されたObject ID及びカメラの情報はデバイスとしてバックエンドに登録されます。 また自動発見設定(ice-onvif-discovery-configノード)は発見されたカメラのリスト情報とともに デバイスアダプタとしてバックエンドに登録されます。

カメラの発見はノードが削除されるまで繰り返し行われます。 接続先情報のIntervalで指定された時間が経過すると、再度上記の処理が実施されます。

5.3.4.1.2. 発見したカメラ情報の利用

Node-REDフロー上で払い出されたObject IDを知り、他のノードで利用したい場合はice onvif discoveryノードをご利用ください。 ice onvif discoveryノードはDiscoveryプロパティで設定した自動発見設定により新しいカメラが発見された際に、 発見されたカメラのObject IDとカメラの情報を出力します。

ICE Backendで発見されたカメラ情報を知りたい場合にはBackend APIを利用して デバイスおよびデバイスアダプタの情報を取得してください。

5.3.4.2. ONVIFメッセージ送信機能

ice onvif pipeノードにSOAPメッセージのテンプレートとなるXMLファイルのパスを設定し、 カメラを識別するObject IDと適切なパラメータを入力することで、対応するカメラに対して ONVIFに規定されている操作を行うことができます。可能な操作には例として以下のようなものがあります。

  • カメラのエンコーディング設定取得・変更
  • カメラのネットワーク設定取得・変更
  • カメラの機器固有情報の取得
  • カメラのPTZ(Pan, Tilt, Zoom)制御
  • カメラのホームポジションやプリセットポジションの設定

このノードは入力として任意のノードから出力されるメッセージを受け付けます。 受け付けられるメッセージの形式など、詳細についてはONVIF対応用ノードをご覧ください。

dataflow_camera_config_pipe