SigmaSystemCenter におけるリソースプールとは、CPUやメモリ、ディスクなど仮想マシンを構成するリソースを管理しやすいようにまとめたものです。リソースプールによりクラウド環境のリソースの管理が簡易かつ効率よく実施できるようになります。
SigmaSystemCenter のリソースプールは次の特長があります。
大規模な環境のリソース管理が容易
リソースプールでは、仮想的なCPUやメモリなど仮想マシンを構成する仮想リソースの情報でリソースを管理することができます。これまでは、マシンやストレージなどの仮想マシンとは直接関係しない物理リソースの情報でリソースの管理を行う必要があったため、管理する台数が多くなると管理が難しいという問題がありましたが、リソースプールによりリソースの管理が実施しやすくなります。
また、リソースプールの使用状況は、リソースの種類別に、全体のリソース量や使用済みのリソース量などの情報で確認することができます。容量が足りなくなったリソースは、画面上で赤色や黄色で表示されます。また、リソースの使用量が閾値に達した場合はイベントを通報することも可能です。
テナント別のリソース管理が可能
リソースプールから、一部のリソースをサブリソースプールとして切り出して、任意のテナントに割り当てることができます。1つのリソースプールから複数のサブリソースプールを切り出すことができるため、リソースプールは複数のテナントで共有して利用することができます。各テナントは、割り当てられたサブリソースプール中のリソースを他のテナントの影響を受けずに利用、管理することができます。逆に、マシン障害発生時の障害復旧機能など全テナント共通で必要な機能は、サブリソースプールの割り当て内容に関係なくすべてのテナントで共通利用することができます。
後述の図のリソースプールの使用例について、説明します。
最初に、リソースプールを作成するために、リソースプールで管理するリソースを提供する仮想マシンサーバを、マシン、ネットワーク装置、ストレージの物理リソースやVMwareなどの仮想化基盤製品から構築します。構築した仮想マシンサーバはマスタマシン登録により、SigmaSystemCenter の運用グループ上のホストに割り当てます。
すべての仮想マシンサーバの運用グループのホストへの割り当てが完了した後、運用グループからリソースプールを作成します。リソースプールの容量は、運用グループを構成する全仮想マシンサーバのスペックをベースに算出されます。
次に、リソースプールで管理されるリソースを使用する側の設定を行います。
まず、テナント運用で仮想マシンを管理するためにテナントを作成します。テナント運用とは、複数の組織やグループの間でお互いの仮想リソースや設定を共有しないようにする運用方法のことです。ロール機能との組み合わせにより実現することができます。
作成したテナントはリソースプールから作成するサブリソースプールの割り当て対象として使用します。
この後、リソースプールからサブリソースプールを作成し、テナントに割り当てます。各テナントで作成された仮想マシンに割り当てられた分のリソースは、そのテナントが割り当てられたサブリソースプール中の使用済みのリソースとして扱われます。テナントに割り当てたサブリソースプールからさらに小さなサブリソースプールを作成し、テナント下のカテゴリ/グループ/モデルに割り当てることもできます。テナント下のカテゴリ/グループ/モデルにおいて複数のサブリソースプールが利用可能である場合は、それぞれどのリソースプールを使用するかを指定することができます。
リソースプールでは、次の種類のリソースを管理することができます。
VM数
CPU
vCPU
メモリ
データストア
LUN
ポートグループ
論理ネットワーク