VMwareが提供するvSAN機能の利用について、説明します。
vSAN機能は、VMware vSphereで提供される機能で、複数の仮想マシンサーバのローカルディスクを仮想化し1つの共有ディスクとして扱えるようにする機能です。
SigmaSystemCenterでは、vSAN機能により仮想化された共有ディスクのデータストアを通常のデータストアと同様に扱うことができます。
ただし、SigmaSystemCenterからvSAN機能のデータストアの作成・削除を行うことはできないため、作成・削除についてvSphereを使用して行う必要があります。詳細については、VMwareのマニュアル「Administering VMware Virtual SAN」などを参照してください。
また、SigmaSystemCenterからvShpereのストレージポリシーを扱うことはできないため、仮想マシンの作成や編集の際、任意のストレージポリシーの定義にしたがって、仮想ディスクを作成することはできません。仮想マシンには既定のストレージポリシーが適用されます。
vSANの要件として、vSANを構成する仮想マシンサーバは3台以上必要です。
また、次の図のように、vSAN用のネットワークが必要となります。図のように、通常は、vSAN用と管理用のネットワークを共通で利用するようにしてください。
vSAN用と管理用のネットワークを別にする場合、vSANのネットワークを監視のためにvCenter Serverの死活監視を利用することができません。
対処方法としては、SystemProvisioningの死活監視を利用する方法がありますが、後述の図のように、SystemMonintor性能監視の利用はできなくなりますので注意してください。SystemProvisioningの死活監視については、「2.5.4. SystemProvisioningの死活監視」を参照してください。SystemMonitor性能監視については、「2.7.3. SystemMonitor性能監視の概要 - 性能履歴情報の収集、蓄積、閲覧、閾値監視」を参照してください。
なお、vSANを構成する仮想マシンサーバの障害などにより、vSAN上のファイルの可用性が確保できない状態になった時は、SigmaSystemCenterからの処理に影響が出る場合があります。
例えば、次の図のような3台構成で、1台のマシンがダウンしている場合、マシン診断のポリシーアクション における仮想マシンサーバのディスクチェックは、通常のSAN構成の場合はダウンしているマシンのディスクチェックで1台しかエラーにならないのに対して、VirtualSAN構成の場合は正常に動作しているマシンでのチェックもエラーになります。
次の図のように、vSANを構成する仮想マシンサーバに対して、シャットダウンや再起動を伴う操作は前準備なしで実行しないように注意してください。
vSAN環境では、仮想マシンサーバのシャットダウンの操作はvSANを構成するディスクをオフラインにする操作に該当するため、ストレージを使用して構成する環境に比べて、操作の影響が大きいです。
次の図のように、必ず、vCenter Server側のメンテナンスモードを設定してから、操作を行うようにしてください。
vCenter Server側のメンテナンスモードは、SigmaSystemCenterのWebコンソールやssc set-machine-statusコマンドから設定することが可能です。
また、障害時における仮想マシンサーバに対する仮想マシンサーバに対して、シャットダウンや再起動については同様の考慮が必要となります。「2.8.4. vSAN環境の監視」を参照してください。