管理対象マシンが物理マシンでブートコンフィグ運用でない場合は、以下の図のように、DeploymentManagerを利用した登録を行います。登録対象の管理対象マシンが未構築か構築済みかで、DeploymentManagerで利用可能とするための登録方法が異なったり、登録に必要となるマシンの情報が異なったりします。
物理マシンの場合は、登録先は[リソース]ビューのみです。[仮想]ビューは使用しません。
また、[リソース]ビューに登録後に、リソース割り当てやマスタマシン登録で、[運用]ビューへの登録を行う必要があります。「1.2.13. [運用]ビューへの登録」を参照してください。
本利用方法では、DeploymentManagerを利用するため、SigmaSystemCenterの[管理]ビューの[サブシステム]にDeploymentManagerが登録されている必要があります。
登録対象の管理対象マシンは、登録の前に以下のように準備しておく必要があります。構築の状況により、実施すべき内容が異なります。
未構築のマシン
OSはインストールされておらず、DeploymentManager管理サーバからアクセスするためのIPアドレスはまだ割り当てられていない状況のマシンです。
SigmaSystemCenterから、N+1リカバリの切り替え先の予備機や構築対象のマシンとして利用できるように、登録の前に、以下の準備が必要です。
起動の電源制御が実行できるように、管理サーバから管理用LANを経由して物理的には接続された状態になっている。
マシンやHBAのBIOS設定など、ハードウェアの設定は適切に設定されている。
構築済みのマシン
業務で利用できる状態にまで構築されたマシンです。
SigmaSystemCenterに登録を行って、すぐに利用できるように、上記の未構築のマシンの条件に加え、以下が必要となります。
OSがインストールされ、利用できる状態になっている。
DPMクライアントがインストールされている。
管理サーバから管理用LANを経由してアクセスできるIPアドレスがOSに設定されている。
DeploymentManagerに管理対象マシンを登録する主な手段として、PXEブートによる自動登録、手動登録、DPMクライアントによる自動登録の3つがあります。
PXEブートによる自動登録
未登録の管理対象マシンがPXEブートすると、DeploymentManagerは、自動的に新規マシン配下にPXEブートが行われた管理対象マシンの登録を行います。この後、[マシン追加]の操作で、新規マシン下から任意のグループに移動することで、管理対象マシンの登録が完了します。
PXEブートとは、NICのPXE(Preboot eXecution Environment)機能を利用してネットワークブートするブート方法の1つです。PXEブートを行ったNICのMACアドレスは、起動処理(WOL)で使用するMACアドレスとして登録されます。
PXEブートを利用するためには、DHCPサーバの構築と、DeploymentManagerのWebコンソールから[管理]ビュー/[DPMサーバ]/[詳細設定]/[DHCPサーバ]タブの設定で[DHCPサーバを使用する]を有効にする必要があります。
手動登録
[マシン追加]の操作で、任意のグループに管理対象マシンの登録を行います。MACアドレスとUUIDの設定は、SigmaSystemCenterが管理対象マシンを管理するために必要な情報のため、必ず両方とも指定してください。
DPMクライアントによる自動登録
管理対象マシン上でDPMクライアントが起動したとき、管理サーバ側と通信を行い、新規マシン配下に管理対象マシンの情報をDeploymentManagerに自動的に登録します。この後、[マシン追加]の操作で、新規マシン下から任意のグループに移動することで、管理対象マシンの登録が完了します。
未構築のマシンでは、この方法を実施することができません。
上記のいずれかの方法でDeploymentManagerに登録した後、前述の図のように、SigmaSystemCenterのWebコンソールの[リソース]ビュー上の[収集]の操作で管理対象マシンの情報を取り込み、[マシン登録]の操作で管理対象としてSigmaSystemCenterに登録する必要があります。
管理対象マシンの登録では、構築の有無に関わらず、マシン名とUUIDとMACアドレスの設定が必要です。
マシン名
管理対象マシンの名前です。
[マシン追加]実行時、任意の名前を指定することができますが、管理対象マシン上のOSが起動したときに、OSのコンピュータ名が反映されます。OSのコンピュータ名に影響を受けない名前を使用したい場合は、後述の識別名を使用してください。
UUID
UUIDは、管理対象マシンを一意に識別するために使用されます。
管理対象マシンの手動登録を行う場合は、登録前にUUIDの情報を確認しておく必要があります。
管理対象マシンの自動登録を行う場合、管理対象マシンから自動的に取得が行われるために事前の確認は必要ありません。
MACアドレス
マシン登録時に設定するMACアドレスは、起動処理(WOL)で使用されます。そのため、DeploymentManagerからWOLが可能なNICのMACアドレスを確認し、設定する必要があります。
ただし、DPMクライアントによる自動登録を行った場合は、WOLが可能なNIC以外のMACアドレスが設定される可能性があります。その場合は、管理対象マシンを新規マシンから削除し、上述のPXEブートによる自動登録、または手動登録を行ってください。
WOLを行うためのMACアドレスは、プライマリNICのMACアドレスとして登録されます。プライマリNICは、SigmaSystemCenterの[リソース]ビューでは、NIC番号が1のNICとして登録されます。DeploymentManagerでは、プライマリのMACアドレスの表示の横に*が表示され、他のMACアドレスと区別することができます。
DeploymentManagerによるWOLを利用しない場合は、搭載されているNICのMACアドレスであれば、どれを設定しても構いません。SigmaSystemCenterの[リソース]ビュー、DeploymentManagerでは、管理対象マシンに搭載されたNICのMACアドレスの情報を複数登録することが可能です。
また、イメージ展開の機能で、管理対象マシンのNICに対してIPアドレスなどの固有情報を適用する場合、固有情報の適用先NICの識別情報としてMACアドレスの情報が必要となります。
SigmaSystemCenterではIPアドレスなどのNIC設定の割り当て先NICはNIC番号で管理されるため、[リソース]ビュー上で、MACアドレスに対するNIC番号を設定しておく必要があります。NIC設定については、「1.4.2. イメージ展開で適用可能な固有情報について」の「(1)ホストプロファイル以外で行う設定」を参照してください。
その他、識別名、IPアドレス、Deploy-OSの設定の考慮も必要です。
識別名
[マシン追加]の操作では、識別名の指定を行うことを推奨します。識別名は、N+1リカバリの機能を利用した運用を行う際、リソースの識別が容易になります。マシン名のみの場合、N+1リカバリによる切り替え時に名前が自動変更されるため、管理対象マシンの識別が困難になる場合がありますが、識別名を指定している場合は名前は変更されません。
SigmaSystemCenterの[リソース]ビューでは、DeploymentManager側で識別名が設定されている場合、識別名がマシン名として設定されます。識別名が設定されていない場合は、マシン名が設定されます。
IPアドレス
登録対象の管理対象マシンが、構築済みのマシンの場合は、手動登録時にIPアドレスの指定を明示的に行うか、自動登録による登録を行ってください。
DeploymentManagerは、IPアドレスにより、管理対象マシンのOSとpingによる疎通確認が可能になります。管理対象マシンと疎通していることを確認できた場合は、[電源]ステータスがOnになります。
IPアドレスの設定がない場合、管理対象マシンのシャットダウンやシナリオの実行などDeploymentManagerの機能を利用することができません。
管理対象マシンが未構築のマシンの場合は、管理対象マシンの登録のとき、IPアドレスの設定を行う必要はありません。
なお、SigmaSystemCenterの[リソース]ビューにはIPアドレスの設定はないため、DeploymentManager上のIPアドレスの設定は、SigmaSystemCenterには反映されません。
Deploy-OS
バックアップ・リストア・ディスク構成チェックの処理を行う際、管理対象マシンが使用するDeploy-OSを設定します。管理対象マシンの機種に応じて、適切な設定にしておく必要があります。各機種で設定する値については、DeploymentManagerの製品サイトに掲載されている「対応装置一覧」の情報から確認することができます。