管理対象マシンの[運用]ビューへの登録は、[運用]ビュー上のホストの定義に対して、マシンリソースとして登録されている[リソース]ビュー上の管理対象マシンを割り当てる操作を実行することで行います。
[運用]ビュー上に管理対象マシンを登録することで、N+1リカバリ、障害時のVM自動Failover、VM最適配置といったSigmaSystemCenterの主要な機能を利用することができるようになります。
VMware(vCenter Server管理)環境、Hyper-Vクラスタ環境の場合は、サブシステムの設定[マシンを運用グループへ自動登録する]のチェックを有効にすると、[運用]ビュー上のグループ、ホストの定義の自動作成や、マスタマシン登録によるマシンリソースのホストへの割り当てを自動で行うことが可能です。「1.2.20. [運用]ビューへの管理対象マシンの自動登録機能について」を参照してください。
通常、[運用]ビューへの登録の前に、リソースの登録、ホストの定義、プールの定義が必要です。
リソースの登録
ホスト定義に割り当てるマシンリソースをはじめとして、管理対象マシンを構成する各種リソースの登録を行います。登録されたリソースは、ホストの定義における運用管理や構築に関する設定に使用されたり、割り当ての操作の対象となったりします。
マシン
管理対象マシンの実体を管理するためのリソースで、[運用]ビューに管理対象マシンを登録するためにホスト定義に割り当てる対象として必要です。管理対象マシンを[リソース]ビューに登録すると、マシンリソースとして管理されます。運用方法や利用環境により、割り当て前に[リソース]ビューに登録が必要な場合と、割り当てるときにマシンの実体が新規に作成されるため事前の登録が必要ない場合があります。管理対象マシンの[リソース]ビューへの登録方法の詳細は、「1.2.1. [リソース]ビューと[仮想]ビューへの登録 - 概要」を参照してください。
仮想リソース
仮想マシンに割り当てる仮想的なリソースとして、後述のリソースプール上で管理されます。SigmaSystemCenterから仮想マシンの作成を行う運用を実施する場合に、管理が必要となるリソースです。仮想リソースは、仮想マシンサーバの運用グループからリソースプールを作成することで登録されます。
ストレージ
FC SANなどリモートのストレージ装置を使用して、管理対象マシンのディスクボリュームを構成する場合に[リソース]ビュー上にストレージリソースの登録が必要です。ストレージの利用に関する詳細説明については、「6. ストレージの管理機能について」を参照してください。
ネットワーク
管理対象マシンのネットワークへの追加・削除や、ロードバランサのトラフィック振り分け先の管理対象マシンの追加と削除の処理が必要な場合、[リソース]ビュー上にネットワークリソースの登録が必要です。ネットワークの利用に関する詳細説明については、「5. ネットワークの管理機能について」を参照してください。
ソフトウェア
管理対象マシンに対して、OSやアプリケーションのインストールやスクリプトの実行やファイル配信が必要な場合、ソフトウェアリソースの登録が必要です。ソフトウェアの利用に関する詳細説明については、「1.3. ソフトウェア配布」を参照してください。
ホストの定義
管理対象マシンの割り当て先となるホストを定義するために、[運用]ビュー上で、テナント、カテゴリ、グループ、モデル、ホストの各階層の設定を行います。これらの設定は、管理対象マシンに対する運用管理や構築に関する設定となります。[運用]ビューの各階層は、テナント/カテゴリ、グループ、モデル、ホストの順で構成され、上位側の階層の設定は所属する下位の階層で共通の設定として扱われます。
テナント/カテゴリ
カテゴリは、主にグループの数が多く分類が必要な場合に利用します。カテゴリの作成は必須ではありません。
テナントは、仮想環境でテナント運用を行う場合のみに作成が必要です。作成時に、テナント運用で必要となるリソース管理IDの設定が必要です。テナント運用を行わない場合は、作成しないでください。
テナント/カテゴリでは、リソースプール(カテゴリのみ)やDPMサーバ、最適起動などの設定を行うことができます。
他の階層と異なり、カテゴリのみ、複数の階層を作成することができます。テナントは最上位の階層のみ作成可能です。テナント配下にカテゴリを作成することは可能です。
グループ
グループは、複数マシンをグループ化するための基本の階層です。複数ホストの共通の設定を行う場合、基本的にグループで設定を行います。グループを作成するときにマシン種別とOS種別の指定が必要です。
マシン種別は、物理, VM, VMサーバの中から選択します。グループ作成後に、稼動中のマシンやモデルの設定がない場合は変更可能です。グループに設定したマシン種別と異なるマシン種別の管理対象マシンを、グループに登録することはできません。
OS種別は、Windows Server, Linux, Windows Clientの中から選択します。グループ作成後に、ホストプロファイルの設定で変更が可能です。グループ配下のモデルやホストのホストプロファイルでは、グループの設定と異なるOS種別の設定が可能です。
グループで設定可能な項目は、全般/ストレージ/ソフトウェア/ネットワーク設定/LB設定/マシンプロファイル/ホストプロファイル/VM最適配置/VM配置制約/データストア設定/死活監視/性能監視があります。管理対象マシンのマシン種別によって、設定可能な項目は異なります。
なお、[運用]ビューへの管理対象マシンの自動登録が有効な場合、定義の自動作成が行われます。
モデル
モデルは、グループ配下でさらに複数のグループ化が必要な場合に使用する階層です。モデルは省略可能です。
モデルで設定可能な項目は、全般/ストレージ/ソフトウェア/VM最適配置/VM配置制約/データストア設定/ネットワーク設定/マシンプロファイル/ホストプロファイル/死活監視/性能監視があります。管理対象マシンのマシン種別によって、設定可能な項目は異なります。
ホスト
ホストは、管理対象マシンの割り当て先となる階層です。基本的に管理対象マシン別に異なる設定が必要な項目については、ホストで定義します。
ホストで設定可能な項目は、全般/ネットワーク/ストレージ/ソフトウェア/マシンプロファイル/ホストプロファイル/データストア設定/死活監視があります。管理対象マシンのマシン種別によって、設定可能な項目は異なります。
なお、マスタマシン登録の操作については、ホストの定義の事前作成は必須ではありません。操作実行時に、定義の自動作成を選択することが可能です。
また、[運用]ビューへの管理対象マシンの自動登録が有効な場合、定義の自動作成が行われます。
プールの定義
[運用] ビュー上のホスト定義に割り当てるリソースの利用範囲を制限したり、使用状況を管理したりするために、プールを使用します。
プールには、主にマシンリソースの割り当ての管理を行うために使用するグループプール/共通プールと、仮想マシンに割り当てる仮想リソースの管理を行うために使用するリソースプールの2種類があります。利用が可能なプールは、管理対象マシンのマシン種別により異なります。
共通プール
割り当て範囲を制限しないマシンリソースは、共通プールに置いて利用します。[リソース]ビュー上に管理対象マシンが登録されると、共通プールのマシンとして扱われるため、共通プールは明示的に定義を行う必要はありません。マシンリソースの管理目的でも使用されるため、グループプールに追加されているマシンも共通プール上のマシンとして管理されます。
グループプール
マシンリソースの使用範囲を任意のグループに限定する必要がある場合、そのグループのグループプールに追加します。グループプールに追加されたマシンは、他グループから割り当て対象として使用できなくなります。グループプールへの管理対象マシンの追加は、運用グループに対して、[プールに追加]の操作で、共通プール上のマシンを追加することで行います。
リソースプール
仮想マシンサーバの運用グループからリソースプールを作成すると、仮想マシンに割り当てる仮想リソースを管理できるようになります。リソースプールは、仮想リソースを使用する仮想マシンが所属するカテゴリやグループに割り当てて使用します。
上記の準備が終わった後、ホストの定義に対する割り当ての操作を行い、管理対象マシンを[運用]ビューに登録します。割り当ての操作は、稼動の操作とも呼びます。
ホストの定義に対する割り当ての操作は、運用目的や利用環境により異なります。
リソース割り当て/マスタマシン登録
[運用]ビュー上のホストの定義に対して、[リソース]ビュー上のマシンリソースとなっている管理対象マシンを割り当てる操作です。
本操作により、管理対象マシンが業務で利用できるように、電源操作、ストレージ・ネットワーク制御、ソフトウェア配布など、さまざまなプロビジョニングの処理が行われます。
リソース割り当てとマスタマシン登録との主な相違点は、ソフトウェア配布が実行されるか、されないかです。マスタマシン登録では、構築済みのマシンの登録を想定しているため、OSのインストール、および固有情報の反映などは実行されません。
また、マスタマシン登録の操作については、ホストの定義の事前作成は必須ではありません。操作実行時に、定義の自動作成を選択することが可能です。
共通プール上の管理対象マシンをリソース割り当てする場合、マシンに対してシャットダウンが行われるので注意してください。既に起動済みのマシンをシャットダウンしたくない場合は、マスタマシン登録の操作を実行してください。
また、ブートコンフィグ運用の場合は、論理マシンを割り当てる場合はマスタマシン登録、物理マシンを割り当てる場合はリソース割り当ての操作を行う必要があります。「1.2.15. ブートコンフィグ(vIO)運用における[運用]ビューへの登録」を参照してください。
なお、仮想マシンの場合、マスタマシン登録のときにインポートの指定を行った場合は、下記の新規リソース割り当てと同様に、新規に仮想マシンの作成が行われます。
新規リソース割り当て
新規リソース割り当ては、仮想マシン専用の操作です。上記の操作と異なり、事前に[リソース]ビュー上に管理対象マシンが登録されている必要はありません。ホスト定義へ割り当てする管理対象マシン(仮想マシン)は、操作実行時に新規に作成され、[リソース]ビューへの登録処理も同時に行われます。
その他、ホストの定義へマシンの割り当てが伴う操作として、以下の操作があります。
スケールアウト
スケールアウトは、グループ内の稼動台数を増やす操作です。基本的にリソース割り当てと同じ処理が実行されます。割り当てられるマシンだけでなく割り当て先のホスト定義も自動的に選択されます。
マシンの置換
マシンの置換は、処理対象のホスト定義に割り当て済みのマシンをプール上の未使用のマシンと割り当てを置き換える操作です。
用途変更
用途変更は、処理対象のホスト定義に割り当て済みのマシンを別グループ上のホスト定義に割り当てを移動する操作です。
また、ホストへ割り当てが行われると、ESMPRO/ServerManagerとSystemMonitor性能監視の監視の設定がある場合は、連動してそれぞれに管理対象マシンの登録が自動で行われます。「1.2.16. ESMPRO/ServerManagerへの登録について」、「1.2.17. SystemMonitor性能監視への登録の反映」を参照してください。