3.5. レルム

レルムとは、ユーザおよびグループの情報を格納しているレポジトリを意味しています。WebOTXではこのレルムを利用し、ユーザの認証を行います。

WebOTXで使用できるレルムについて説明します。

WebOTXでは、次の3つのレルムをサポートしています。ドメイン作成直後のデフォルトでFileレルムを使用する設定になっています。

3.5.1. レルムの設定

3.5.1.1. Fileレルム

Fileレルムの設定方法について説明します。Fileレルムの設定は、運用管理コマンド、または統合運用管理ツールから行います。

運用管理コマンドから設定

本節では運用管理コマンド(otxadminコマンド)を利用してFileレルムの設定を行う方法について説明します。以下の例では設定するドメイン名をdomain1、運用ユーザのIDをadmin、 パスワードをxxxxxxとします。適宜環境に合わせて読み替えてください。

設定手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合は起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. Fileレルムの設定

create-auth-realmコマンドを利用し、Fileレルムの設定を行います。以下にコマンド例を記載します。create-auth-realmコマンドの詳しい使い方は [create-auth-realm] を参照してください。

otxadmin > login --user admin --password xxxxxx --port 6212
otxadmin > create-auth-realm --classname com.sun.enterprise.security.auth.realm.file.FileRealm
    --property "file=${INSTANCE_ROOT}/config/keyfile:jaas-context=fileRealm" filesample

なお、propertyオプションで指定する項目は [Fileレルムで設定可能なオプション一覧] を参照してください。

3. 使用するレルムの指定

以下のコマンドを実行して、アプリケーションユーザの認証を行うレルムを変更します。

otxadmin > set server.security-service.default-realm=filesample
Caution WebOTX運用管理ユーザの認証に使用するレルムはadmin-realmから変更することはできません。
4. ドメインの再起動

ドメインを再起動することにより、設定が反映されます。

otxadmin > exit

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
削除手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合は起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. 使用するレルムの変更

削除するレルムをdefault-realmに設定していると削除を行うことができません。そのため、使用するレルムを変更する必要があります。 以下にレルム名filesampleを削除するために、レルム名がldapというレルムを使用する例を記載します。適宜環境に合わせて変更してください。

otxadmin > login --user admin --password xxxxxx --port 6212
otxadmin > set server.security-service.default-realm=ldap
3.Fileレルムの設定を削除(必要がある場合)

delete-auth-realmコマンドを利用して、Fileレルムの設定を削除します。以下にコマンド例を記載します。ただし2の手順を行うだけで、使用するレルムを変更することができるので必須ではありません。delete-auth-realmコマンドの詳しい使い方は、[delete-auth-realm] を参照してください。

otxadmin > delete-auth-realm filesample
Caution ドメイン作成時に設定されるデフォルトのFileレルムである、レルム名admin-realm、fileは削除しないでください。
4.ドメイン再起動

ドメインを再起動することにより、設定が反映されます。

otxadmin > exit

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
統合運用管理ツールから設定

本節では統合運用管理ツールを利用してFileレルムの設定を行う方法について説明します。以下の例では設定するドメイン名をdomain1、運用ユーザのIDをadmin、パスワードをxxxxxxとします。適宜環境に合わせて読み替えてください。

設定手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合はコマンドから起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. Fileレルムの設定

統合運用管理ツールをdomain1に接続します。統合運用管理ツールの[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]を右クリックします。表示されたメニューから[認証レルムの作成]を選択します。


一般タブを選択し、レルム名に任意の名前を入力します。レルム名は任意に設定できます(本例ではfileとします)。また、クラス名にはcom.sun.enterprise.security.auth.realm.file.FileRealmを入力してください。


次にプロパティの設定を行います。[プロパティ]タブを選択します。[追加]ボタンを押してプロパティの追加を行います。[プロパティ名の編集]ダイアログが表示されるので、のプロパティは「プロパティ名=値」の形式で入力を行ってください。入力が完了した場合は[OK]ボタンを押します。

設定するプロパティの一覧については [Fileレルムで設定可能なオプション一覧] を参照してください。


プロパティの設定が終わったら[実行]ボタンを押して、レルムの作成を行います。


3. 使用するレルムの変更

アプリケーションユーザの認証に使用するレルムの変更を行います。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]をクリックします。デフォルトレルムの値を2のレルム名で指定した名前(本例ではfilesample)に変更し、[更新]ボタンを押します。


Caution WebOTX運用管理ユーザの認証に使用するレルムはadmin-realmから変更することはできません。
4. ドメイン再起動

2、3の変更を反映させるため、ドメインを再起動してください。以下のコマンドから行います。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
削除手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合はドメインを起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. 使用するレルムの変更

削除を行うレルムをデフォルトレルムに設定していると、削除を行うことができません。まず、使用するレルムを変更します。

レルムの変更を行います。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]をクリックします。デフォルトレルムの値を作成手順の2でレルム名で指定した名前以外(本例ではldapに変更)に変更し、[更新]ボタンを押します。


3. レルムの削除(必要がある場合)

2の設定を行うことで使用するレルムを変更することができます。レルムの設定を完全に削除する場合は次の手順を行ってください。 [domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]を右クリックし、[認証レルムの削除]を選択してください。レルム名 に削除するレルムの名前(本例ではfilesample)を入力し、[実行]ボタンをおしてください。


4. ドメイン再起動

設定を反映するためにドメインを再起動してください。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
Fileレルムで設定可能なオプション一覧

create-auth-realmコマンドのpropertyオプションで指定するプロパティについて説明します。Fileレルムでは以下のオプションを必ず設定してください。

必須オプション

Fileレルムの設定では以下のプロパティが必須となります。

Fileレルム設定プロパティ一覧
プロパティ名 説明
file ユーザ情報が格納されているkeyfileの完全パスおよびkeyfileの名前 ${INSTANCE_ROOT}/config/keyfile
(keyfileの配置箇所、名前を変更した場合は適宜上記の値を変更してください。)
jaas-context このレルムに使用するログインモジュールタイプ fileRealm
3.5.1.2. LDAPレルム

LDAPレルムの設定方法について説明します。LDAPレルムの設定は、運用管理コマンド、または統合運用管理ツールから行います。

運用管理コマンドから設定

本節では運用管理コマンド(otxadminコマンド)を利用してLDAPレルムの設定を行う方法について説明します。以下の例では設定するドメイン名をdomain1、運用ユーザのIDをadmin、パスワードをxxxxxxとします。適宜環境に合わせて読み替えてください。

設定手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合は起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. LDAPレルムの設定

create-auth-realmコマンドを利用し、LDAPレルムの設定を行います。以下にコマンド例を記載します。create-auth-realmコマンドの詳しい使い方は、[create-auth-realm] を参照してください。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin
otxadmin > login --user admin --password xxxxxx --port 6212
otxadmin > create-auth-realm --classname com.sun.enterprise.security.auth.realm.ldap.LDAPRealm
--property "directory=ldap\://localhost\:389:base-dn=c\=JP:jaas-context=ldapRealm" ldap

上記の例の\はUnix/Linux環境ではバックスラッシュに読み替えてください。

なお、propertyオプションで指定する項目は [LDAPレルムで設定可能なオプション一覧] を参照してください。

3. 使用するレルムの指定

以下のコマンドを実行して、アプリケーションユーザの認証を行うレルムを変更します。

otxadmin > set server.security-service.default-realm=ldap
Caution WebOTX運用管理ユーザの認証に使用するレルムはadmin-realmから変更することはできません。
4. ドメインの再起動

ドメインを再起動することにより、設定が反映されます。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
削除手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動してない場合は起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. 使用するレルムの変更

削除するレルムをauth-realm-name、default-realmに設定していると削除を行うことができません。そのため、使用するレルムを変更する必要があります。以下にレルム名がfileというレルムを使用する例を記載します。適宜環境に合わせて変更してください。

{AS_INSTALL}/bin/otxadmin
otxadmin > login --user admin --password xxxxxx
otxadmin > set server.security-service.default-realm=file
3. LDAPレルムの設定を削除(必要がある場合)

delete-auth-realmコマンドを利用して、LDAPレルムの設定を削除します。以下にコマンド例を記載します。ただし2の手順を行うだけで、使用するレルムを変更することがでるので必須ではありません。delete-auth-realmコマンドの詳しい使い方は、[delete-auth-realm] を参照してください。

otxadmin > delete-auth-realm ldap
4. ドメイン再起動

ドメインを再起動することにより、設定が反映されます。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
統合運用管理ツールから設定

本節では統合運用管理ツールを利用してLDAPレルムの設定を行う方法について説明します。以下の例では設定するドメイン名をdomain1、運用ユーザのIDをadmin、パスワードをxxxxxxとします。適宜環境に合わせて読み替えてください。

設定手順
1.ドメイン起動

ドメインが起動していない場合はコマンドから起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2.LDAPレルムの設定

統合運用管理ツールをdomain1に接続します。統合運用管理ツールの[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]を右クリックします。表示されたメニューから認証レルムの作成を選択します。


一般タブを選択し、レルム名に任意の名前を入力します。レルム名は任意に設定できます。また、クラス名にはcom.sun.enterprise.security.auth.realm.ldap.LDAPRealmを入力してください。


追加ボタンを押してプロパティの追加を行います。[プロパティ名の編集]ダイアログが表示されるので、のプロパティは「プロパティ名=値」の形式で入力を行ってください。入力が完了した場合はOKボタンを押します。 プロパティの設定一覧は、[LDAPレルムで設定可能なオプション一覧] に記載してあります。必須オプションは必ず指定してください。


プロパティの設定が終わったら[実行]ボタンを押して、レルムの作成を行います。


3.使用するレルムの変更

アプリケーションユーザの認証を行うレルムの変更を行います。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]をクリックします。デフォルトレルムの値を2のレルム名で指定した名前(本例ではldap)に変更し、[更新]ボタンを押します。


Caution WebOTX運用管理ユーザの認証に使用するレルムはadmin-realmから変更することはできません。
4.ドメイン再起動

2,3の変更を反映させるため、ドメインを再起動してください。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
削除手順
1.ドメイン起動

ドメインが起動していない場合はドメインを起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2.使用するレルムの変更

削除を行うレルムを使用する設定になっていると、削除を行うことができません。まず、使用するレルムを変更します。

使用するレルムの変更を行います。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]をクリックします。デフォルトレルムの値を2のレルム名で指定した名前(本例ではfile)に変更し、[更新]ボタンを押します。


3. レルムの削除(必要がある場合)

2の設定を行うことで使用するレルムを変更することができます。レルムの設定を完全に削除する場合は次の手順を行ってください。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]を右クリックし、[認証レルムの削除]を選択してください。レルム名に削除する作成手順2で指定したレルムの名前(本例ではldap)を入力し、[実行]ボタンをおしてください。


4. ドメイン再起動

設定を反映するためにドメインを再起動してください。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
LDAPレルムで設定可能なオプション一覧

create-auth-realmコマンドのpropertyオプションで指定するプロパティについて説明します。LDAPレルムの設定では、必須オプションと、任意に設定するオプションがあります。

必須オプション

LDAPレルムの設定では以下のプロパティが必須となります。

LDAPレルム 必須のプロパティ
プロパティ名 説明 指定する値
base-dn ユーザ情報が格納されているエントリをDN形式で指定します。 例:dc=users,dc=domains,
dc=webotx,o=NEC, c=JP
directory LDAPサーバが動作しているホスト名をLDAP URL形式で指定します。 以下のように指定してください。ldap://hostname:port
例:ldap://localhost:389
jaas-context 使用するログインモジュールのタイプです。 ldapRealm
任意オプション

LDAPレルムの設定では以下のプロパティを任意に設定することができます。設定しない場合はデフォルトの値が自動的に設定されます。

LDAPレルム 任意のプロパティ
プロパティ名 説明 既定値
search-filter ユーザ検索に使用されるフィルタ。 uid=%s
(%sはシステム内部で指定したユーザ名に変換されます。)
group-base-dn グループの情報が格納されているエントリをDN形式で指定します。 base-dnと同じです。
group-search-filter グループ検索に使用するフィルタです。 uniquemember=%d
(%dはシステム内部で指定したDNに変換されます。)
group-target グループ名のエントリを含む属性名 CN
search-bind-dn search-filter検索を実行するために必要なオプションDNです。 なし
search-bind-password search-bind-dnで指定したDNのパスワードです。*1 なし
authentification LDAPサーバとの認証方式を指定します。利用できる認証方式は、simple(平文認証)、CRAM-MD5、DIGEST-MD5です。 simple

DN形式、CN等LDAPに関する表現についてはEDSのマニュアルを参照してください。

*1 V6.50.02より、パスワードの暗号化を行うことができるようになりました。暗号化の方法については、マニュアル [コンフィグレーション(設定一覧) > 運用管理エージェント > 運用管理エージェント設定項目一覧 ]を参照してください。

3.5.1.3. JDBCレルム

JDBCレルムの設定方法について説明します。JDBCレルムの設定は、運用管理コマンド、または統合運用管理ツールから行います。

運用管理コマンドから設定

本節では運用管理コマンド(otxadminコマンド)を利用してJDBCレルムの設定を行う方法について説明します。以下の例では設定するドメイン名をdomain1、運用ユーザのIDをadmin、パスワードをxxxxxxとし、データベースにはOracleを使用します。適宜環境に合わせて読み替えてください。

設定手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合は起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. JDBCレルムの設定

create-auth-realmコマンドを利用し、JDBCレルムの設定を行います。以下にコマンド例を記載します。create-auth-realmコマンドの詳しい使い方は、[create-auth-realm] を参照してください。

{AS_INSTALL}/bin/otxadmin
otxadmin > login --user admin --password xxxxxx --port 6212
otxadmin > create-auth-realm --classname com.sun.enterprise.security.auth.realm.jdbc.JDBCRealm
            --property "driverName=oracle.jdbc.driver.OracleDriver:jaas-context=JDBCRealm
            :connectionURL=jdbc\:oracle\:thin\:@ntserver\:1521\:ORCL:connectionName=scott
            :connectionPassword=tiger:userTable=jdbc_user:userNameCol=userid:userCredCol=passwd
            :userRoleTable=jdbc_role:roleNameCol=role" JDBCrealm

なお、propertyオプションで指定する項目は [JDBCレルムで設定可能なオプション] 一覧を参照してください。

3. 使用するレルムの指定

以下のコマンドを実行して、アプリケーションユーザの認証を行うレルムを変更します。

otxadmin > set server.security-service.default-realm=JDBCrealm
Caution WebOTX運用管理ユーザの認証に使用するレルムはadmin-realmから変更することはできません。
4. JDBCドライバの配置

JDBCドライバをディレクトリ ${INSTANCE_ROOT}/lib/ext に置く、もしくは ドメインのクラスパスに追加します。JDBCデータソースを利用する場合は、ドメイン起動後に [ コンフィグレーション(設定一覧) > JDBCデータソース > JDBCデータソース設定項目・設定方法 ] も参照して、設定してください。

5. ドメインの再起動

ドメインを再起動することにより、設定が反映されます。

otxadmin > exit

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
削除手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動してない場合は起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. 使用するレルムの変更

削除するレルムをdefault-realmに設定していると削除を行うことができません。そのため、使用するレルムを変更する必要があります。以下にレルム名がfileというレルムを使用する例を記載します。適宜環境に合わせて変更してください。

{AS_INSTALL}/bin/otxadmin
otxadmin > login --user admin --password xxxxxx
otxadmin > set server.security-service.default-realm=file
3. JDBCレルムの設定を削除(必要がある場合)

delete-auth-realmコマンドを利用して、JDBCレルムの設定を削除します。以下にコマンド例を記載します。ただし2の手順を行うだけで、使用するレルムを変更することがでるので必須ではありません。delete-auth-realmコマンドの詳しい使い方は、[delete-auth-realm] を参照してください。

otxadmin > delete-auth-realm JDBCrealm
4. ドメイン再起動

ドメインを再起動することにより、設定が反映されます。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
統合運用管理ツールから設定

本節では統合運用管理ツールを利用してJDBCレルムの設定を行う方法について説明します。以下の例では設定するドメイン名をdomain1、運用ユーザのIDをadmin、パスワードをxxxxxxとします。適宜環境に合わせて読み替えてください。

設定手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合はコマンドから起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. JDBCレルムの設定

統合運用管理ツールをdomain1に接続します。統合運用管理ツールの[domain1]-[アプリケーションサーバ]を右クリックします。表示されたメニューから認証レルムの作成を選択します。


一般タブを選択し、レルム名に任意の名前を入力します。レルム名は任意に設定できます。また、クラス名にはcom.sun.enterprise.security.auth.realm.jdbc.JDBCRealmを入力してください。


追加ボタンを押してプロパティの追加を行います。[プロパティ名の編集]ダイアログが表示されるので、のプロパティは「プロパティ名=値」の形式で入力を行ってください。入力が完了した場合はOKボタンを押します。プロパティの設定一覧は、4.2.3.3節に記載してあります。必須オプションは必ず指定してください。


プロパティの設定が終わったら[実行]ボタンを押して、レルムの作成を行います。


3. 使用するレルムの変更

使用するレルムの変更を行います。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]をクリックします。デフォルトレルムの値を2のレルム名で指定した名前(本例ではJDBCrealm)に変更し、[更新]ボタンを押します。


Caution WebOTX運用管理ユーザの認証に使用するレルムはadmin-realmから変更することはできません。
4. ドメイン再起動

2,3の変更を反映させるため、ドメインを再起動してください。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
削除手順
1. ドメイン起動

ドメインが起動していない場合はドメインを起動します。

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
2. 使用するレルムの変更

削除を行うレルムを使用する設定になっていると、削除を行うことができません。まず、使用するレルムを変更します。

使用するレルムの変更を行います。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]ををクリックします。デフォルトレルムの値を2のレルム名で指定した名前(本例ではfile)に変更し、[更新]ボタンを押します。


3. レルムの削除(必要がある場合)

2の設定を行うことで使用するレルムを変更することができます。レルムの設定を完全に削除する場合は次の手順を行ってください。[domain1]-[アプリケーションサーバ]-[セキュリティサービス]を右クリックし、[認証レルムの削除]を選択してください。レルム名に削除する作成手順2で指定したレルムの名前(本例ではJDBCrealm)を入力し、[実行]ボタンをおしてください。


4. ドメイン再起動

設定を反映するためにドメインの再起動を行ってください。

(停止)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin stop-domain domain1

(起動)

${AS_INSTALL}/bin/otxadmin start-domain domain1
JDBCレルムで設定可能なオプション一覧

create-auth-realmコマンドのpropertyオプションで指定するプロパティについて説明します。JDBCレルムの設定では、必須オプションと、任意に設定するオプションがあります。

必須オプション

JDBCレルムの設定では以下のプロパティが必須となります。JDBCドライバとJDBCデータソースのどちらを使うかで必須オプションが変わります。また、両方の設定がある場合は、JDBCデータソースの設定が優先されます。

JDBCレルム 必須のオプション

プロパティ名

説明

指定する値

jaas-context 使用するログインモジュールのタイプです。 ・JDBCRealm
・jdbcDigestRealm(※DIGEST認証で使用する場合のみ)
datasource-jndi 使用するJDBCデータソース名を指定します。JDBCドライバを指定する設定より優先して使用します。
JNDI名で指定してください。
user-table ユーザ情報テーブルの名前 例:jdbc_user
user-name-column ユーザ名を格納するフィールドの名前を指定します。 例: userid
password-column パスワードを格納するフィールドの名前を指定します。 例: passwd
group-table グループ情報テーブルの名前を指定します。 例: jdbc_group
group-name-column グループ名を格納するフィールドの名前を指定します。 例: group
任意オプション

JDBCレルムの設定では以下のプロパティを任意に設定することができます。設定しない場合はデフォルトの値が自動的に設定されます。

JDBCレルム 任意のオプション
プロパティ名 説明 既定値
group-table-user-name-column グループ情報テーブルのユーザ名を格納するフィールドの名前を指定します。 user-name-column の値
digest-algorithm データベースに保存するパスワードのダイジェスト方式を指定します。ダイジェスト方式にはMD5、SHA-1、SHA-256、SHA-384、SHA-512のいずれかを指定することができます。 NULL
(平文を使用)

※digest-algorithmプロパティを設定するとDIGEST認証ができなくなります。