2. VISコネクタAPの開発

本編では、VISコネクタを使ったコネクタAPの開発手順の詳細について説明します。

2.1. VISコネクタAPの開発手順

コネクタAP の作成は以下の手順に沿って行います。

2.1.1. ホスト側トランザクション処理プログラムの作成
2.1.2. コネクタAP情報の定義
2.1.3. コネクタAPの生成
2.1.4. 実行環境へのコピー
2.1.5. IDLコンパイル/ビルド
2.1.6. 実行環境の作成
2.1.7. WebOTXへの登録

以下に、Java版のコネクタAP作成の流れの概要を示します。

Java版
コネクタAP作成の流れ(Java版)

2.1.1. ホスト側トランザクション処理プログラムの作成

ホスト側トランザクション処理プログラムを作成します。

  1. ホスト側トランザクション処理プログラムは、新規作成、または既存のプログラムを使用して作成します。
  2. ホスト側トランザクション処理プログラムがCOBOLで作成されている場合、COPY句をコネクタAP開発時の生成情報として使用することができます。この場合、COPY句をCOPY原文ファイルとして、コネクタAPの開発マシン(「WebOTX Connector Depeloper」をインストールしたマシン)に転送します。また、MFDL定義ファイルをコネクタAP開発時の生成情報として使用することもできます。
  3. OLF/TPを利用するために端末の定義を行います。

詳細については、「VIS利用の手引き」、「OLF/TP利用の手引き」を参照してください。

2.1.2. コネクタAP情報の定義

この作業を行うには、あらかじめ作業マシン上に「Connector Developer」をインストールしておく必要があります。

  1. サーバAPデザイナを使用して作成したいコネクタAPの情報を定義します。
    定義方法については、アプリケーションの開発を参照してください。
    COPY句のインポートによりサーバAPデザイナのメソッド定義以下を自動生成
    MFDL定義情報の読み込みによりサーバAPデザイナのメソッド定義以下を自動生成
    することが可能です。

2.1.3. コネクタAPの生成

コネクタAPのソースを生成します。

2.1.3.1. Java版

  1. サーバAPデザイナでコネクタAPの生成を実行すると、 の4種類からなる6つのファイルが生成されます。

  2. クライアント用MFDL定義情報ファイルはMFDL読み込みを行った場合にのみ画面分生成されます。


2.1.4. 実行環境へのコピー

2.1.4.1. Java版

サーバAPデザイナで生成したIDL定義ファイル、およびJavaソースファイルをコンパイル作業用ディレクトリに転送します。

2.1.5. IDLコンパイル/ビルド

生成プラットフォームについて

現在、WebOTX Connector Developer(サーバAPデザイナ)が生成可能なプラットフォーム(ターゲットOS)は以下の通りです。各プラットフォームの対応するバージョン情報などは、セットアップカードまたはリリースメモを参照してください。

Windows

VISコネクタAPの作成形式

標準ではVISコネクタAPの作成は、「R4形式」で行います。「R5形式」でVISコネクタAPを作成するには、VISコネクタのconfigファイル(VISConEd.cfgファイル)に以下の定義を追加してWebOTX Connector Depeloperを起動し、ソース生成を行います。

----- VISConEd.cfg -----
[GENERATE]
SourceType=R5
------------------------
(WebOTX バージョン4.2までのアプリケーション作成方法を「R4形式」、バージョン5.1以降のアプリケーション作成方法を「R5形式」と呼びます。詳しくは、WebOTX のマニュアルを参照してください。)

2.1.5.1. Java版

この作業を行うには、あらかじめ作業マシン上に「WebOTX Connector Depeloper」、「WebOTX Depeloper」をインストールしておく必要があります。

  1. WebOTX IDLコンパイラ(woi2jコマンド)を使用して、IDL定義ファイルからインタフェース定義ファイル(以下、ifファイルと呼びます)およびサーバスケルトンを作成します。
    詳しくは「WebOTX」のマニュアルを参照してください。
  2. IDLコンパイラが生成したサーバスケルトンおよび「WebOTX Connector Depeloper」で生成したJavaソースファイルをJavaコンパイルします。
    詳しくは「WebOTX」のマニュアルを参照してください。
  3. 1で生成したファイルから、jarファイルを作成します。
    詳しくは「WebOTX」のマニュアルを参照してください。
  4. 1で生成したifファイルと、jarファイルからcpkファイルを作成します。
    詳しくは「WebOTX」のマニュアルを参照してください。
  5. cpkファイルが、コネクタAP実行時に必要となるファイルです。これらのファイルは「WebOTX統合運用管理ツール」を使用して、実行環境に登録します。

2.1.6. 実行環境の作成

<コネクタAPの生成>で生成したコネクタ定義ファイルは、「WebOTX統合運用管理ツール」の管理範囲外のファイルです。あらかじめ、実行環境上のコネクタAPソース作成時に指定した格納ディレクトリに転送しておく必要があります。

以下の記述は、Java版をご使用の場合で、通信モデルが開放型OLF/TP、ステートレスで生成している場合のみ関連します。

<コネクタ定義ファイルについて>

コネクタ定義ファイルの指定の方法には以下の2通りの方法があります。

・デフォルトコネクタ定義ファイル(VISCon.vsg)を使用する。
・WebOTX統合運用管理ツールで指定する。
デフォルトコネクタ定義ファイル

コネクタAP はWebOTX のインストールディレクトリ配下の TrnsvディレクトリにVISCon.vsg(Java版)のファイルが存在した場合、コネクタ定義ファイルと見なして起動時に読み込みます。
VISCon.vsgのサンプルは、WebOTX VIS Connectorインストールディレクトリの/VISCon/Jars配下にあります。デフォルトコネクタ定義ファイルを使用する場合、予めホスト名、ホストポート等の設定を行っておく必要があります。また、WebOTXインストールディレクトリのTrnsvディレクトリ配下にデフォルトコネクタ定義ファイルを置く必要があります。


2.1.7. WebOTXへの登録

WebOTXへのアプリケーション登録に必要な手順を記述します。

2.1.7.2. Java版

この作業を行うには、あらかじめ登録用マシン上に「WebOTX Administrator」をインストールしておく必要があります。

  1. <IDLコンパイル/ビルド>で作成した開発環境上のifファイルおよびjarファイルをcpkアーカイブして、「WebOTX統合運用管理ツール」を使用して、コネクタAP実行環境上へ登録します。

    (各ファイルは、「WebOTX統合運用管理ツール」により、必要に応じて実行環境上へ複写転送されます)。

  2. コネクタAPの方式に応じてプロセスグループのプロパティ指定に以下の設定を行います。

    <ステートレスとして生成した場合>


  3. <ステートフルとして生成した場合>

詳しくは「WebOTX」のマニュアルを参照してください。