ゲストOSのインストール先となるシステムディスクの設定を行い、システムディスクの作成、変更を行うことができます。
システムディスクについては、SigmaSystemCenterが行う処理内容は操作ごとに異なります。
各操作について、SigmaSystemCenterがシステムディスクに対して行う処理内容は、以下の表のとおりです。再構成の操作は、Reconstruct、Revert、マシンプロファイル適用のオプションの選択により動作が異なります。
操作 | 処理内容 |
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新規リソース割り当て、 [ポータル]ビューのVM作成、 スケールアウト | マシンプロファイルで指定のシステムディスクが仮想マシンに割り当てられます。仮想マシンに割り当てるシステムディスクは、新規作成を行うか作成済みの既存ディスクを使用するかを選択することができます。 作成済みの既存ディスクを使用する場合は、使用する既存ディスクは他の仮想マシンに割り当てられていない未使用の状態である必要があります。 ディスクの内容は、新規作成か既存ディスクを使用するかの選択や仮想マシンのインポートの指定により次のように異なります。
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リソース割り当て | 仮想マシンに割り当てられている既存のディスクに対して指定のホストプロファイルから固有情報反映のみが実行されます。イメージのコピーは実行されないため、固有情報以外のデータは維持されます。 サイズ、タイプ、モードの設定変更がある場合は、これらの変更も行われます。 |
再構成(Reconstruct) | 仮想マシンに割り当てられている既存のディスクに対して、指定のテンプレートのイメージをベースにホストプロファイルなどの固有情報が反映されたイメージが作成されます。ディスクは初期状態に戻るため、操作実行前のデータは維持されません。 サイズ、タイプ、モードの設定変更については、テンプレートがDisk Cloneの場合、変更の反映が行われます。テンプレートがDiff Cloneの場合は変更は反映されません。 |
再構成(Revert) | 仮想マシンに割り当てられている既存のディスクに対して、指定のテンプレートの元のイメージからホストプロファイルなどの固有情報が反映されたイメージが再作成されます。ディスクが初期状態に戻るため、操作実行前のデータは維持されません。 サイズ、タイプ、モードの設定変更は反映されません。 |
再構成(マシンプロファイル適用) | 指定に従って、システムディスクのサイズ、タイプ、モードが変更されます。ディスク上のデータに対する変更は行われないため、操作実行前のデータは維持されます。 |
VM編集 | 指定に従って、システムディスクのサイズ、タイプ、モードが変更されます。ディスク上のデータに対する変更は行われないため、操作実行前のデータは維持されます。 |
マスタマシン登録 | マシンプロファイルの指定は無視され、システムディスクに対する変更は行われません。操作実行前のデータは維持されます。 |
VM作成(テンプレート指定なし、既存ディスク指定あり) | 指定の既存ディスクがシステムディスクとして、新規作成された仮想マシンに割り当てられます。操作実行前のデータは維持されます。 |
VM作成(テンプレート指定なし、既存ディスク指定なし) | サイズ、タイプ、モードの指定に従って空のシステムディスクが作成され、新規作成された仮想マシンに割り当てられます。 |
VMインポート | インポートするファイルのイメージをベースに、サイズ、タイプ、モードの指定に従ったシステムディスクが作成され、新規作成された仮想マシンに割り当てられます。インポートするファイルのディスク上のデータに対する変更は行われません。 |
システムディスクの設定項目について、以下に説明します。
タイプ
ディスクの実容量の可変/固定を指定します。Thick/Thinのどちらかを選択します。Differential Cloneで作成可能なタイプはXenServerのSAN、ローカルディスク環境を除きThinのみです。システムディスクでは、RDM(物理)/RDM(仮想)を指定できません。
Thick : 作成時に指定したサイズのディスクを作成します。
VMwareのvSphere5環境では、Thickタイプのディスクは次の2種類があります。SigmaSystemCenterの画面上ではThickと表示されます。Thickタイプのディスクを作成するとき、SigmaSystemCenterはLazy Zeroedのディスクを作成します。
Lazy Zeroed :
ディスク作成時にデータ初期化が行われません。ディスクにアクセスが行われるときにアクセスがある領域に対してデータ初期化が行われます。
Eager Zeroed :
ディスク作成時にすべての領域のデータ初期化が行われます。VM編集でThinからThickに変更した場合、Eager Zeroedのディスクとして設定されます。
Thin : ディスク利用時に必要に応じて必要な分のサイズのディスクが動的に割り当てられます。指定サイズは動的に割り当て可能なサイズの上限として使用されます。
モード
スナップショット作成時の変更保存方法を指定します。通常 / 独立型通常 / 独立型読み取り専用のどれかを選択します。VMware環境のみ設定可能です。他の仮想化基盤では通常モードのみです。また、独立型読み取り専用の設定は、VM編集でのみ利用可能です。
通常 :
通常のディスクとして動作します。
独立型通常 :
通常のディスクと同様に動作しますが、独立型通常のディスクはスナップショットの対象外となります。スナップショットを作成したときに該当ディスクの情報は保存されません。そのため、仮想マシンを作成済のスナップショットに戻した場合、独立型で通常モードのディスクはスナップショットを作成した時点の状態に戻りません。
独立型読み取り専用 :
仮想マシン起動中は通常のディスクと同様に動作しますが、仮想マシンを電源Offした場合や作成済のスナップショットに戻した場合、ディスクの内容は元の状態に戻ります。仮想マシン起動中に実行された変更内容はすべて破棄され、独立型読み取り専用に設定を変更した時点の状態に戻ります。
サイズ
テンプレートを指定せずに新規に仮想マシンを作成する場合、新規に作成するシステムディスクのサイズを指定します。既存のシステムディスクに対する変更やテンプレートを使用して仮想マシンを作成する場合は、作成済みのシステムディスクに対する容量の変更が可能です。この場合、増加のみが可能です。
システムディスクのサイズはMB単位で指定します。新規に仮想マシンを作成する場合、テンプレートの設定が既定値として設定されます。テンプレートから情報が取得できない場合は、既定値は表示されません。
ディスクI/Oリソースの割り当て調整の設定
仮想マシンに割り当てるディスクI/Oリソースの帯域の調整を行う設定です。
本設定により特定の仮想マシンにディスクI/Oが偏らないように制限したり、特定の仮想マシンに優先的にディスクI/Oリソースを割り振るようにしたりすることが可能となります。
ディスクI/Oリソースの割り当て調整の設定はWebコンソールで行うことはできません。ssc create profileコマンドやssc vm createコマンドなどのsystemdiskオプションを使用して設定してください。
なお、本設定はRDMやVVolのディスクには有効ではありません。指定は無視されます。
以下の設定項目があります。
シェア値(share)
ディスクI/Oリソースの配分のための目安を設定します。
仮想マシンサーバ上で動作している仮想マシン間の相対的な値として使用してください。
Hyper-V、KVMでは指定は無視されます。
予約値(reservation)
ディスクのIOPS の下限を設定します。
仮想化基盤製品によりディスクI/Oリソースの配分が少なくなりすぎないように、最低限の割当量を確保しておきたいときに設定します。
VMware、KVMでは指定は無視されます。
リミット値(limit)
ディスクのIOPS の上限を設定します。
仮想化基盤製品によりディスクI/Oリソースの配分が必要以上に多くなりすぎないようにするために設定します。
(作成先)データストア
ディスクのデータ置き場所であるデータストアを指定します。
新規にディスクを作成する場合は、作成先のデータストアとなります。また、指定は省略可能です。
マシンプロファイルの指定を省略し、仮想マシン作成時の指定もない場合、作成先データストアは仮想マシン作成時に自動的に選択されます。
マシンプロファイルの指定と仮想マシン作成時の指定の両方がある場合、システムディスクについては、仮想マシン作成時の指定が優先されます。
タグで指定した場合、指定のタグと同じタグが設定されているデータストアが作成先の候補となります。タグ指定はマシンプロファイルでのみ利用可能です。また、タグに構成パラメータが設定されている場合は、システムディスクに構成パラメータが適用されます。
既存ディスクを使用する場合は、使用するファイルの指定のためにデータストアの指定は必須です。また、仮想マシン作成時における作成先のデータストアの指定は無視されます。
ディスクファイル
システムディスクの実体となるデータストア上のファイルです。使用する操作により、設定や表示内容が異なります。マシンプロファイルや[仮想]ビューのVM作成の場合、仮想マシンに新規追加するシステムディスクを設定する画面が表示されます。VM編集で作成済みの仮想マシンの編集を行うときは、割り当て済みのシステムディスクの詳細情報が表示されます。
仮想マシンに新規追加するディスクの場合
新規追加するシステムディスクについて、新規にディスクを作成して仮想マシンに割り当てるか、既に作成済みの既存ディスクを仮想マシンに割り当てるかを指定します。
新規に作成する
作成先データストア配下に仮想マシン名のディレクトリが作成され、システムディスクのファイルが作成されます。Hyper-Vで作成データストアにVM作成先ディレクトリの設定がある場合、作成先データストア配下に指定のVM作成先ディレクトリが作成され、その下に仮想マシン名のディレクトリとシステムディスクのファイルが作成されます。KVMの場合、作成先データストア直下にファイルが作成されます。
既存のディスクを使用する
使用する既存ディスクのデータストア上のファイルパスを指定する必要があります。既に他の仮想マシンで使用中のディスクを共有して割り当てることはできません。
仮想マシンに既に割り当て済みのシステムディスクの場合
割り当て済みのディスクに該当するデータストア上のファイルの情報が表示されます。VM編集でのみ表示されます。以下のとおり仮想化基盤製品ごとに表示される情報が異なります。
VMware
ディスクに対応するファイルのパス情報が表示されます。
Hyper-V
仮想ハードディスクファイルのパス情報が表示されます。
KVM
ディスクに対応するファイルのパス情報が表示されます。
XenServer
ディスクのUUIDが表示されます。UUIDの情報から、xeコマンドで詳細な情報を確認することができます。
上記説明のシステムディスクの詳細機能の仮想化基盤別の利用可否や対応内容については、以下の表のとおりです。
機能 | VMware | Hyper-V | XenServer | KVM |
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システムディスクのタイプの指定 | 利用可能 (DiffClone の場合はThinのみ) | 利用可能 (DiffClone の場合はThinのみ) | 指定不可 (使用するディスクの種類により次の設定となる) ・SAN or ローカル: Thick(DiffClone の場合も) ・NFS: Thin 既存ディスクは指定不可 | 利用可能 (DiffClone の場合はThinのみ) |
システムディスクのタイプの変更 (DiffClone 以外の場合) | ThinからThickへの変更のみ | 利用可能(スナップショットがある場合利用不可) | 利用不可 | 利用不可 |
システムディスクのタイプの変更 (DiffClone の場合) | 利用不可 | 利用不可 | 利用不可 | 利用不可 |
システムディスクのモードの指定・変更 | 利用可能 | 指定不可(通常モードのみ) | 指定不可(通常モードのみ) | 指定不可(通常モードのみ) |
システムディスクのサイズの表示 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
システムディスクのサイズの指定 (DiffClone 以外の場合) | 利用可能 (テンプレートの指定がある場合増加のみ可) | 利用可能 (テンプレートを利用している場合増加のみ可) | 利用不可 | 利用可能 (テンプレートを利用している場合増加のみ可) |
システムディスクのサイズの変更 (DiffClone 以外の場合) | 増加のみ利用可能 | 増加のみ利用可能 (スナップショットがある場合利用不可) | 利用不可 | 増加のみ利用可能 |
システムディスクのサイズの指定・変更 (DiffClone の場合) | 利用不可 | 利用不可 | 利用不可 | 利用不可 |
ディスクI/Oリソース(シェア値/予約値/リミット値)の設定の指定/変更/削除 | 利用可能 (シェア値とリミット値のみ) (Enterprise Plusのみ) | 利用可能 (予約値とリミット値のみ) (Windows Server 2012R2以降) | 利用不可 | 利用可能 (リミット値のみ) |
システムディスクの作成先データストアの指定 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |