4. その他機能

本章では、WebOTX にて提供している運用ツール及びサポートツールについて設定方法、使用方法を解説します。

4.1. adminutilツール

adminutilツールはotxadminコマンドに機能が統合されました。adminutilツールで提供していた機能については、[ 移行: > エクスポート/インポート] を確認してください。

4.2. staticclassgen

staticclassgenは、EJB 3.0のビジネスインタフェースから、Homeインタフェース、Remoteインタフェースおよび、Wrapperクラスを生成するツールです。 これらインタフェースおよびクラスは既定ではEJBクライアントからのビジネスインタフェース名での初回lookup時に動的に生成されます。 アプリケーションクライアントや、単体EJBクライアントからの初回のlookupが遅いときは、これらクラスを生成していることが原因の可能性があります。 これが問題になる場合、staticclassgenを用いて静的にこれらクラスを生成し、EJBクライアントのクラスパスに追加してください。

4.2.1. 使用方法

コマンド引数 説明
-jar 生成されたクラスをパッケージングするJarファイルの名前を指定します。省略時はパッケージングされず、classファイルが出力されます。
-classpath クラスパスを指定します。少なくともビジネスインタフェースはクラスパスに含まれている必要があります。ビジネスインタフェースが他のライブラリを参照している場合、それも必要です。
-d Jarファイルあるいはclassファイルの出力先ディレクトリを指定します。無指定の場合はカレントディレクトリに出力されます。
businessInterface ビジネスインタフェースを完全修飾クラス名で指定します。複数列挙することにより、同時に複数のビジネスインタフェースを対象にできます。
4.2.1.1. 使用例

Hello.jar内のsample.Helloというビジネスインタフェースに対応するHomeとRemoteインタフェースとWrapperクラスを生成し、/tmp/Hello-additional.jarというファイルにパッケージングする場合の例です。

4.3. アプリケーション検証ツールコマンド

アプリケーション検証ツールコマンドは、コマンドオプションで指定されたプロジェクトソースディレクトリやアプリケーションアーカイブなどのアプリケーション を展開し、変更が必要な領域を強調するHTMLレポートを生成するコマンドです。
アプリケーション検証ツールコマンドは、Windows環境においてWebOTX Developerをインストールすることで、<WebOTXインストールディレクトリ>\Developer\migration_Toolkit にインストールされます。(以降、インストールディレクトリを {TOOL_DIR} と記述します。)
Linux環境においてもコマンドで使用することが可能ですが、 {TOOL_DIR} 配下をアーカイブし、Linux環境にファイル転送して、展開する必要があります。 詳細は、[Linux環境へのインストール方法]を確認してください。

4.3.1. 使用方法

コマンド引数 説明
--input 検証対象のディレクトリパスまたは、ファイルを指定します。(複数指定不可)
ear, war等のアーカイブファイルを指定した場合、対象ファイル内に含まれるjar等のアーカイブファイルも検証対象となります。
ソースファイルが含まれるディレクトリを指定した場合、--sourcemode オプションを指定してください。
このオプションは、必須です。
--output レポート出力先のディレクトリパスを指定します。(複数指定不可)
このオプションは、必須です。
--source 移行元ターゲットを指定します。(複数指定不可)
このオプションは、省略可能です。
オプションパラメータとして指定可能なターゲットは以下の通りです。
・webotx:旧バージョンのwebotxからの移行検証を行います。(デフォルト値)
・weblogic:weblogicからの移行検証を行います。
--target 移行先ターゲットを指定します。
オプションパラメータとして指定可能なターゲットは以下の通りです。
・java-ee:JavaEE向け検証を行います。
・jdk5:JDK5非互換検証を行います。
・jdk6:JDK6非互換検証を行います。
・jdk7:JDK7非互換検証を行います。
・jdk8:JDK8非互換検証を行います。
・jdk11:JDK11非互換検証を行います。
・jdk17:JDK17非互換検証を行います。
・webotx:フルプロファイル向け検証を行います。(V10.4までのwo-fpから変更)
・webotx-mp:マイクロプロファイル向け検証を行います。(V10.4までのwo-mpから変更)
このオプションは、必須です。
--sourcemode --inputで指定したディレクトリにソースファイルが含まれる時に指定します。
このオプションは、省略可能です。
オプション省略時、ソースファイルなしと判断して検証します。
--userignorepath 検証除外設定ファイルを配置したディレクトリパスを指定します。
除外設定ファイルは、[任意文字]windup-ignore.txtの形式で作成する必要があります。
作成フォーマットについては、[検証除外ファイル作成方法]を確認してください。
このオプションは、省略可能です。
--overwrite --outputで指定された、既存の出力ディレクトリに上書き出力する場合に指定します。
このオプションは、省略可能です。
オプション省略時、--outputで指定されたディレクトリが存在する場合、実行プロントで[上書きの選択]を求められます。
--exportcsv CSV形式のレポートを出力する場合に指定します。
このオプションは、省略可能です。
--version バージョン情報を表示します。
他のオプションとの併用時、他のオプションは無視します。
--help usageとしてコマンドの書式を一覧を表示します。
他のオプションとの併用時、他のオプションは無視します。
4.3.1.1. 使用例

Caution
JavaDoc構文が存在する検証アプリケーションソースコードを --sourcemode 指定で検証した場合、ソースレポート内で指摘される行数がずれる事があります。
JavaDoc構文が存在する場合のソースレポートについては、[JavaDoc構文が存在する場合のSource Report (移行課題があるソースの詳細)]を参照してください。

4.3.2. 検証除外ファイル作成方法

レポート生成中に、含まれているライブラリや依存関係などの特定のファイルを除外できます。
無視されるファイルは、[任意文字]windup-ignore.txtファイル内で定義します。

このファイルには、除外する名前の詳細を示す正規表現文字列が含まれ、1行に1つ定義します。
たとえば、ant.jarで終わるライブラリと、ファイル名にExampleを含むJavaソースファイルを除外するには、以下のように定義します。

.*ant\.jar
.*Example.*\.java

4.3.3. 上書きの選択

--outputで指定されたディレクトリが存在する場合、次のプロンプトが表示されます(デフォルトはN)。

Overwrite all contents of "OUTPUT_REPORT_DIRECTORY_PATH" (anything already in the directory will be deleted)? [y,N]

yを指定すると、コンテナ向けアプリケーション検証ツールコマンドはディレクトリの削除と再作成を続行します。

Nを指定すると、コンテナ向けアプリケーション検証ツールコマンドは検証を中断します。

4.3.4. Linux環境へのインストール方法

Windows環境にインストールされているWebOTX Developerに同梱されているコンテナ向けアプリケーション検証ツールコマンドをLinux環境へインストールする方法を説明します。
コンテナ向けアプリケーション検証ツールコマンドがインストールされているディレクトリ(<WebOTXインストールディレクトリ>\Developer\migration_Toolkit)を {TOOL_DIR} として、以降記述します。

  1. {TOOL_DIR} のフォルダをzip形式でアーカイブします。
  2. アーカイブしたファイルをファイル転送ツールやコマンドを使用して、対象となるLinux環境の任意のフォルダに転送します。
  3. Linux環境のコンソールを起動します。
  4. ファイル転送を行った任意のフォルダにCDコマンドで移動します。
  5. unzipコマンドで転送したアーカイブファイルを解凍します。
  6. CDコマンドで<任意フォルダ>/migration_Toolkit に移動します。
  7. amt-cli.shにchmodコマンドで実行権限を付与します。