SystemMonitor性能監視は、管理対象に関する性能データを定期的に自動収集を行うことができます。収集した性能データは、閾値監視、閲覧、レポート機能のために使用します。
性能データの収集対象として、マシン、iStorage上の論理ディスク、SigmaSystemCenter(SystemProvisioning)自身(リソースプールや管理中の構成の統計情報を収集)が利用可能です。
収集性能データはデータベースに保存されますが、SystemMonitor性能監視では、収集した性能データをより長い間隔で集約した集計テーブル上にデータを圧縮し、蓄積量が急速に増大しないようにデータを蓄積することができます。
閾値監視では、収集した性能データを使用して、監視対象マシンの負荷状態の異常を検出し、イベントをSystemProvisioningに通報することができます。
データベースに保存されたデータは、WebコンソールやSystemMonitor性能監視の管理コンソールでグラフ表示したり、CSVファイルに出力したり、レポート機能で作成されるレポートのデータとして使用したりすることができます。レポート機能については、「7. レポート機能について」を参照してください。
性能データ収集の対象や収集する性能情報、閾値監視の設定は、SigmaSystemCenterのWebコンソール上で、性能データ収集を行う管理対象に対して性能データ収集の有効化を行い、収集する性能情報や閾値監視の設定が定義された監視プロファイルを指定することで行います。
Webコンソールで行われた設定は、SystemMonitor性能監視側で定期的に行われる[SystemProvisioning構成反映]のタイミングでSystemMonitor性能監視に反映されます。
その他、使用するSystemMonitor性能監視の管理サーバや管理対象へアクセスするためのIPアドレスやアカウントの設定などが必要となります。
管理対象
次のとおり、管理対象の種類別に利用方法が異なります。
詳細は、「1.2.17. SystemMonitor性能監視への登録の反映」を参照してください。
マシン
[性能データ収集設定]がオンの稼動中のマシンに対して、指定の監視プロファイルの定義に従った性能データ収集が行われます。
性能データ収集の設定は、[運用]ビューのグループプロパティ、モデルプロパティ、ホスト設定の[性能監視]タブとホスト設定の[ネットワーク]タブの管理用IPアドレスで設定を行う必要があります。
VMware ESXiとHyper-V Clusterのホストの場合、VMware vCenter ServerとHyper-V Clusterのサブシステムの設定において、[マシンを運用グループへ自動登録する]と[マシンの性能監視を有効にする]のチェックをオンにすると、性能データ収集の設定が自動的に行われます。自動設定の詳細は、「1.2.20. [運用]ビューへの管理対象マシンの自動登録機能について」を参照してください。
リソースプール
SigmaSystemCenterで管理されているリソースプールが対象となります。リソースプールのリソースプール総数の情報を収集し、蓄積します。
SigmaSystemCenterに登録されたすべてのリソースプールに対して、監視プロファイル"[Builtin]ResourcePool Monitoring Profile"の設定で収集するように、初期設定で有効になっています。基本的には、設定を変更をする必要はありません。
なお、リソースプールについては、SystemMonitor性能監視の閾値監視の機能は利用できません。リソースプールの監視については、「2.8.3. リソースプール監視」を参照してください。
SigmaSystemCenter管理オブジェクト
SigmaSystemCenterのWebコンソールの[運用]ビュー上に登録されているテナント/カテゴリ/グループ別、および全体の下記の統計情報を収集し、蓄積します。
マシン数
マシン種類別のマシン数
ステータス別のマシン数
障害マシンの数
監視プロファイル"[Builtin]SSC Managed Object Monitoring Profile"の設定で収集するように、初期設定で有効になっています。基本的には、設定を変更をする必要はありません。
なお、本情報については、SystemMonitor性能監視の閾値監視の機能は利用できません。
iStorageディスクアレイ装置上の論理ディスク(ディスクボリューム、LUN)
SigmaSystemCenterで管理されているディスクボリュームが対象となります。
iStorageManager/PerforMate経由でディスクボリュームの性能データを収集し、蓄積します。
初期設定では無効になっているため、性能データ収集を有効化する必要があります。利用方法は、「SystemMonitor性能監視 ユーザーズガイド」の「9. iStorage上のLUNの性能データ収集」を参照してください。
なお、iStorageのディスクボリュームについては、SystemMonitor性能監視の閾値監視の機能は利用できません。
SigmaSystemCenterのストレージ管理の機能については、「6. ストレージの管理機能について」を参照してください。iStorage管理の基本的なシステム構成や設定については、「6.2.1. iStorage利用時のシステム構成」、「6.2.2. iStorage(SMI-S)利用時のシステム構成」、「6.2.3. iStorage制御のために必要な事前の設定について」を参照してください。
監視プロファイル
管理対象から収集する性能情報や閾値監視の設定を定義するプロファイルです。
監視プロファイルは、管理対象の種類や用途別に定義された監視プロファイルが、SigmaSystemCenterインストール時に初期登録されます。初期登録される監視プロファイルの詳細は、後述の表を参照してください。
初期登録の監視プロファイルは、それぞれの目的に沿った最小限の性能情報で構成され、閾値監視の設定はありません。必要に応じて設定を追加してください。性能情報や閾値監視の設定追加が必要な場合、後述の「2.7.5. 監視プロファイルのカスタマイズ(性能情報や閾値監視の設定変更)」を参照してください。
レポート機能を使用する場合は、後述の表に記載の「(For Report)」の名前が付いたレポート機能用の監視プロファイルを使用してください。「7.2.3. レポート機能の利用例」を参照してください。
レポート定義ファイルとレポートテンプレートファイルを独自にカスタマイズして使用する場合、カスタマイズしたレポート定義ファイルで使用する性能情報が登録された監視プロファイルを作成する必要があります。ssc monitoringprofile createコマンドの-reportオプションで、レポート定義ファイルを指定して作成すると、使用するレポート定義ファイルに対応する性能情報が登録された監視プロファイルを簡易に作成することができます。
SystemMonitor性能監視の性能情報別の性能データ収集の動作については、「2.7.7. SystemMonitor性能監視の性能データ収集の動作」や「SystemMonitor性能監視 ユーザーズガイド」の「1.3. 収集データ」を参照してください。
性能データの収集がエラーになる場合の対処方法については、「SystemMonitor性能監視 ユーザーズガイド」の「10. トラブルシューティング」を参照してください。
監視プロファイル | 説明 |
---|---|
[Builtin](For Report)Physical Machine Monitoring Profile | 物理マシン、物理マシングループのレポート作成のためのプロファイルです。 SigmaSystemCenterのインストール時に登録される物理マシン用のレポート定義ファイルと、レポートテンプレートファイルで使用される性能情報が、プロファイルに登録されています。 作成されるレポートの詳細については、「7.2.1. 作成可能なレポートの種類」を参照してください。
収集間隔は、5分のプロファイルのみです。
次の性能情報を収集します。
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[Builtin](For Report)VMServer Monitoring Profile | 仮想マシンサーバ、仮想マシンサーバグループのレポート作成のためのプロファイルです。 SigmaSystemCenterのインストール時に登録される仮想マシンサーバ用のレポート定義ファイルとレポートテンプレートファイルで使用される性能情報が、プロファイルに登録されています。 作成されるレポートの詳細については、「7.2.1. 作成可能なレポートの種類」を参照してください。
収集間隔は、5分のプロファイルのみです。
次の性能情報を収集します。
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[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[Hypervisor] | 仮想マシン、仮想マシングループのレポート作成のための監視プロファイル(仮想化基盤経由版)です。 本監視プロファイルの性能情報は、仮想化基盤製品経由で収集する性能情報のみで構成されています。仮想マシンのゲストOSにアクセスして収集する性能情報を利用する場合は、後述の[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[VM OS]を利用してください。 Hyper-Vの場合は、一部取得できない性能情報があるため、[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[VM OS]を利用する必要がありますので注意してください。
作成されるレポートの詳細については、「7.2.1. 作成可能なレポートの種類」を参照してください。
収集間隔は、5分のプロファイルのみです。
次の性能情報を収集します。
※1 仮想化基盤がKVMの場合、性能データは取得されません。 ※2 仮想化基盤がHyper-Vの場合、性能データは取得されません。 |
[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[VM OS] | 仮想マシン、仮想マシングループのレポート作成のための監視プロファイル(ゲストOS経由版)です。 本監視プロファイルの性能情報は、ゲストOSにアクセスして収集する性能情報のみで構成されています。仮想化基盤製品経由で収集する性能情報を利用する場合は、前述の[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[Hypervisor]を利用してください。
作成されるレポートの詳細については、「7.2.1. 作成可能なレポートの種類」を参照してください。
収集間隔は、5分のプロファイルのみです。
次の性能情報を収集します。
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[Builtin]Standard Monitoring Profile | 仮想マシンサーバや物理マシンの性能情報を収集するためのプロファイルです。CPU、メモリ、ディスクの性能情報を取得できます。収集間隔は、1分/5分/30分の中から選択します。 システムに負担なく性能データを収集できるように、監視対象の最低限の性能情報のみが登録されたプロファイルです。 次の性能情報を収集します。
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[Builtin]VM Standard Monitoring Profile | 仮想マシンの性能情報を収集するためのプロファイルです。名前が"Host~"の性能情報は、対象の仮想マシンのために使用されている仮想マシンサーバのリソース使用量を示す情報です。名前が"Guest~"の性能情報は、割り当てられたリソースの中で対象の仮想マシンが実際に使用している量を示す情報です。 VM Monitoring Profileとは、ゲストOS観点の性能情報も仮想マシンサーバからのみ収集する点に違いがあります。性能データの収集経路を仮想マシンサーバのみにすることができるため、通常はVM Standard Monitoring Profileの利用を推奨します。
次の性能情報を収集します。
※1 仮想化基盤がKVMの場合、性能データは取得されません。 ※2 仮想化基盤がHyper-Vの場合、性能データは取得されません。 |
[Builtin]VM Monitoring Profile | 仮想マシンの性能情報を収集するためのプロファイルです。名前が"Host~"の性能情報は、対象の仮想マシンのために使用されている仮想マシンサーバのリソース使用量を示す情報です。それ以外の性能情報は、割り当てられたリソースの中で対象の仮想マシンが実際に使用している量を示す情報です。収集間隔は、5分/30分の中から選択します。 VM Standard Monitoring Profileとは、ゲストOS観点の性能情報をゲストOSから収集する点に違いがあります。性能データを収集するためには、管理サーバから仮想マシンサーバと仮想マシンの両方に接続できるようにする必要があります。 次の性能情報を収集します。
※1 仮想化基盤がKVMの場合、性能データは取得されません。 |
[Builtin]Physical Machine Monitoring Profile | 仮想マシンサーバや物理マシンの性能情報を収集するためのプロファイルです。CPU、メモリ、ディスクの性能情報だけでなく、電力情報も取得できます。電力情報は管理対象マシンのBMCから取得するため、OOB管理の設定を行う必要があります。収集間隔は、1分/5分/30分の中から選択します。ただし、電力情報は30分間隔でしか収集できません。 次の性能情報を収集します。
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[Builtin]LUN Monitoring Profile | iStorageディスクアレイ装置上の論理ディスクの性能情報を収集するためのプロファイルです。 以下のとおり、他のプロファイルとは、準備方法や設定方法が異なります。詳細は、「SystemMonitor性能監視 ユーザーズガイド」の「9. iStorage上のLUNの性能データ収集」を参照してください。
次の性能情報を収集します。
なお、本プロファイルでは、性能データの収集のみがサポートされています。閾値監視の機能は利用できません。 また、収集の間隔は、iStorageManager/PerforMateでの収集の間隔より長くする必要があります。 |
[Builtin]ResourcePool Monitoring Profile | リソースプールの情報を履歴として保存するための性能情報で構成されたプロファイルです。 収集の対象がリソースプールのため、本プロファイルの指定は、運用グループ/モデル/ホストの設定で行うことはできません。 レジストリキー:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\NEC\PVM\SysmonPerf\ResourcePoolで行います。 本プロファイルの性能情報は、比較的長期の利用状況の閲覧を目的とするため、収集間隔は30分のプロファイルのみです。
次の性能情報を収集します。
※1 対象リソースプールがサブリソースプールの場合は、収集されません。
なお、本プロファイルの性能情報については、性能データの収集のみがサポートされています。閾値監視の機能は利用できません。 リソースプールの監視機能については、「2.8.3. リソースプール監視」を参照してください。
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[Builtin]SSC Managed Object Monitoring Profile | SigmaSystemCenterのWebコンソールの[運用]ビュー上に登録されているテナント/カテゴリ/グループ別、および全体の稼動マシンに関する統計情報を収集するためのプロファイルです。 本プロファイルの指定は、運用グループ/モデル/ホストの設定で行うことはできません。 レジストリキー:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\NEC\PVM\SysmonPerf\SSCManagedObjectで行います。 本プロファイルの性能情報は、比較的長期の状況の閲覧を目的とするため、収集間隔は1時間のプロファイルのみです。
次の性能情報を収集します。
なお、本プロファイルの性能情報については、性能データの収集のみがサポートされています。閾値監視の機能は利用できません。 |
収集した性能データは、次の操作で、グラフ表示して閲覧することができます。
Webコンソール->[運用]ビュー->管理対象マシン->[マシン性能サマリ]
指定マシンの各性能情報のグラフが一覧形式で表示されます。
iStorageのディスクボリュームの性能データの収集が行われている場合、マシンに接続されているディスクボリュームの性能情報のグラフも表示されます。
Webコンソール->[運用]ビュー->管理対象マシン->[マシン性能比較]
複数マシン間で特定の性能情報を比較するためのグラフが表示されます。比較対象のマシンを複数チェックした後に実行します。
Webコンソール->[運用]ビュー->管理対象マシン->[性能情報比較]
指定マシンで収集中の全性能情報のグラフが表示されます。
Webコンソール->[運用]ビュー->グループ->[性能サマリ]
指定のグループに直属するマシン、またはモデルに所属するマシンの性能データが統計計算されて、グラフが表示されます。指定のグループ、またはモデルで収集中の各性能情報のグラフが、一覧形式で表示されます。
任意の性能情報のグラフに対して性能ドリルダウン分析のアイコンをクリックすると、その性能情報について、配下のマシンの比較グラフが表示され、マシン別の分析を行うことができます。
Webコンソール->[運用]ビュー->グループ->[性能状況]
指定のグループに直属するマシン、またはモデルに所属するマシンの性能データが統計計算されて、グラフが表示されます。任意の性能情報について、グループ直下とモデルの比較グラフが表示されます。
Webコンソール->[運用]ビュー->グループ->[リソースプール]タブ->[リソースプールサマリ]
指定のリソースプールの各性能情報のグラフが一覧形式で表示されます。
SystemMonitor性能監視の管理コンソール->管理対象ノード->[グラフ表示]
SystemMonitor性能監視の管理コンソールから表示する場合の操作です。
また、ssc-perf show performancedataコマンド、Webコンソールの性能データファイル出力、SystemMonitor性能監視の管理コンソールのファイル出力の機能を利用して、外部ファイルにCSV形式でデータを出力することもできます。