WebOTX 運用編(ドメインの運用)

1 はじめに

本書はWebOTX実行環境を運用するための運用操作法について概要や具体的な設定項目や設定方法について記載しています。

1.1 対象読者

このマニュアルはWebOTX Application Server Web Edition、Standard-J Edition、Standard Edition、Enterprise Editionを使って運用環境を構築するシステムエンジニア、日々の運用を行うオペレータを対象としています。

1.2 表記について

1.2.1 パス名表記

本書ではパス名の表記については特にOSを限定しない限りセパレータはスラッシュ’/’で統一しています。Windows環境においては’\’に置き換えてください。

1.2.2 環境変数表記

インストールディレクトリやドメインルートディレクトリなど環境によって値の異なるものについては環境変数を用いて表します。

${env} または $(env)で表しています。

${AS_INSTALL} : インストールディレクトリ
${INSTANCE_ROOT}: ドメインルートディレクトリ

1.2.3 コマンド操作について

本書中では運用操作に用いるコマンドの詳細についての説明は省略しています。

コマンドの詳細は「運用管理コマンド」、「運用管理コマンドリファレンス」を参照してください。

2 サービスの起動・停止

システムを構築、運用するための手順について説明します。

2.1 WebOTXのサービスについて

WebOTXのサービスについて説明します。

2.1.1 Windows

Windowsのサービスとして以下のサービスがあります。

2.1.2 HP-UX

HP-UXではマシン起動時にサービスが起動できるよう以下の起動スクリプトを提供しています。ただしObjectSpinner、WebOTX_TSに関してはWindowsと同様マシン起動時には起動しません。

2.1.3 Solaris

Solarisではマシン起動時にサービスが起動できるよう以下の起動スクリプトを提供しています。ただしObjectSpinner、WebOTX_TS に関してはWindowsと同様マシン起動時には起動しません。

2.1.4 Linux

Linuxではマシン起動時にサービスが起動できるよう以下の起動スクリプトを提供しています。ただしObjectSpinner、WebOTX_TSに関してはWindowsと同様マシン起動時には起動しません。

[WebOTX SIP Application Server V8.13の場合]

2.2 サービスの起動・停止方法

WebOTXのサービス全体を起動および停止する方法について説明します。デフォルトの設定ではマシン起動時にサービスが起動するようになっています。ObjectSpinner、WebOTX_TSのサービスはWebOTXとしては利用しませんが、下記と同様の方法で起動・停止することができます。

注意:UNIXでの起動停止の操作はrootユーザで実行してください。

2.2.1 Windows

「WebOTX AS Agent Service」サービスを起動・停止します。サービスコントロールマネージャもしくはnet start、net stopコマンドより実行できます。

例) サービスの起動
net start "WebOTX AS Agent Service"
例) サービスの停止
net stop "WebOTX AS Agent Service"

サービス起動コマンド実行直後はまだ起動処理が行われています。サービスの起動完了は「ドメインの起動完了確認」より、ドメインの起動処理完了をもって確認してください。

サービス停止時、WebOTXドメインの停止処理時間が定められたタイムアウト値を超過すると、サービス制御マネージャによって「ローカルコンピュータのWebOTX Agent Service サービスを停止できません。」と出力されることがあります。しかしながら、このメッセージが出力されても、実際には停止処理は引き続き行われています。よって、プロセスのストールなどの異常が発生していなければ最終的には停止することになります。

2.2.2 HP-UX

/sbin/init.d/WOAgentSvc に起動・停止スクリプトがあります。スクリプトを実行することによりサービスの起動、停止が行えます。

例) サービスの起動
/sbin/init.d/WOAgentSvc start 
例) サービスの停止
/sbin/init.d/WOAgentSvc stop 

2.2.3 Solaris

/etc/init.d/WOAgentSvc に起動・停止スクリプトがあります。スクリプトを実行することによりサービスの起動、停止が行えます。

例) サービスの起動
/etc/init.d/WOAgentSvc start 
例) サービスの停止
/etc/init.d/WOAgentSvc stop 

2.2.4 Linux

/etc/init.d/WOAgentSvc に起動・停止スクリプトがあります。スクリプトを実行することによりサービスの起動、停止が行えます。

WebOTX SIP Application Server V8.13の場合、systemctlコマンドを実行することによりサービスの起動、停止が行えます。

例) サービスの起動
/etc/init.d/WOAgentSvc start 

WebOTX SIP Application Server V8.13の場合:

systemctl start WOAgentSvc
例) サービスの停止
/etc/init.d/WOAgentSvc stop 

WebOTX SIP Application Server V8.13の場合:

systemctl stop WOAgentSvc

2.3 サービスの設定

Windows版のサービスは、プロパティファイルを持っています。ここに記述されたコマンドを実行してドメイン起動を行っています。

${AS_INSTALL}\config\woasinfo.properties

この設定を変更することにより、コマンド実行待ち時間を変更することが可能です。

項目 説明 既定値
startcmd ドメイン起動コマンドを記述します。記述がない、不正記述などの場合はサービス起動に失敗します。既定の状態では、startcmdに記述された起動コマンドが実行されると、管理ドメインの起動が行われます。 "${AS_INSTALL}\bin\WOAgentSvc.bat" start-domain
stopcmd ドメイン停止コマンドを記述します。記述がない、不正記述などの場合はサービス停止に失敗します。既定の状態では、stopcmdに記述された停止コマンドが実行されると、管理ドメインの停止が行われます。 "${AS_INSTALL}\bin\WOAgentSvc.bat" stop-domain
woascmdtimeout stopcmdで指定したコマンド実行時のタイムアウト設定を秒単位で指定します。0を設定すると非同期実行となり、コマンド終了を待ち合わせません。 600

3 システムに関する設定

システムに関する設定項目について説明します。

3.1 システム環境変数

WebOTXでは動作環境についての情報を環境変数やJavaシステムプロパティとして保持しています。

WebOTXドメイン共通の環境変数は、以下の設定ファイルで定義されます。

3.1.1 Windows版のドメイン共通環境変数設定ファイル

${INSTALL_ROOT}\config\asenv.bat

3.1.2 UNIX・Linux版のドメイン共通環境変数設定ファイル

${INSTALL_ROOT}/config/asenv.conf

以下にその一覧を示します。

3.1.3 ドメイン共通の環境変数

変数名 説明 既定値
AS_INSTALL WebOTXインストールディレクトリ インストール時に指定する。
  • Windows版
    (システムドライブ):\WebOTX
  • UNIX・Linux版
    /opt/WebOTX
AS_ANT ANTディレクトリ ${AS_INSTALL}/lib/ant
AS_ANT_LIB ANTライブラリディレクトリ ${AS_ANT}/lib
AS_WEBSERVICES_LIB WEBサービスライブラリディレクトリ ${AS_INSTALL}/lib
AS_IMQ_LIB JMSライブラリディレクトリ ${AS_INSTALL}/wojms/lib
AS_IMQ_BIN JMS実行ディレクトリ ${AS_INSTALL}/wojms/bin
AS_CONFIG コンフィグディレクトリ ${AS_INSTALL}/config
AS_JAVA JAVAインストールディレクトリ ${JAVA_HOME}
AS_ACC_CONFIG アプリケーションクライアントが使用するXMLファイル ${AS_INSTALL}/lib/appclient/nec-acc.xml
AS_ICU_LIB WebOTX実行時に必要なネイティブライブラリディレクトリ ${AS_INSTALL}/lib
AS_OSPI_LIB Object Brokerライブラリパス ${AS_INSTALL}/ObjectBroker/lib
AS_DEF_DOMAINS_PATH domainsディレクトリ ${AS_INSTALL}/domains
AS_DERBY_INSTALL Derbyインストールディレクトリ ${AS_INSTALL}/javadb/
AS_OSPI_HOME Object Broker(またはObjectSpiner)spiインストールディレクトリ
  • Windows版
    ${AS_INSTALL}/ObjectBroker
  • UNIX・Linux版
    ${AS_INSTALL}/ObjectSpiner

AS_BOOT_DOMAIN サーバ起動時に自動起動されるドメイン名
  • マルチドメイン時:WebOTXAdmin
  • シングルドメイン時:domain1

3.1.4 ドメイン固有の環境変数

これらはドメイン作成時に決定されるか、もしくは固定の値を持ちます。ドメイン作成後に変更することはできません。

変数名 説明 既定値
DOMAIN_NAME ドメイン名 (ドメイン作成時に指定) domain1(WebOTXインストール時自動作成されるドメイン)
SERVER_NAME サーバ名("server"で固定) server
INSTANCE_ROOT ドメインのルートディレクトリ ${AS_INSTALL}/domains/${DOMAIN_NAME}

任意の環境変数を設定する場合、または、システムで定義される環境変数をWebOTXのみ変更する必要がある場合には、以下のように設定ファイルの最後に環境変数の定義を追記します。Unix・Linuxの場合、設定した環境変数をドメイン環境で利用する場合はexportを行う必要がありますので注意してください。

3.1.5 Windows版での環境変数設定方法

set 環境変数名=値

3.1.6 Unix・Linux版での環境変数設定方法

環境変数名=値
export 環境変数名

3.2 使用するポート番号

3.2.1 管理ドメインで使用するポート番号

管理ドメインで使用するポート番号について以下に説明します。

ドメイン作成時のプロパティ名 既定値 説明
admdomain.admin.port 6202 エージェントが利用するJRMPのポート番号

3.2.2 TPモニタ運用管理プロセスで使用するポート番号

Standard Edition/Enterprise Editionでは、TPモニタ管理プロセスが以下のポートを使用します。このポート番号はローカルマシン内での通信のみに使用されます。

サービス名 既定値 説明
w-tpadm 8899 TPモニタ管理プロセスで使用するポート番号

UNIX・Linux版の場合、/etc/servicesにTPモニタ管理プロセスのサービス名とポート番号の対応を記述する必要があります。WebOTXインストール後に手動で設定してください。詳しくは「インストール後の作業」を参照してください。Windowsの場合はこの手順は必要ありません。

3.2.3 一般ドメインで使用するポート番号

一般ドメインで使用するポート番号について説明します。既定値はインストール時に作成される、domain1のものです。

     
ドメイン作成時のプロパティ名 domain1での既定値 説明
domain.admin.port 6212 エージェントが利用するJRMPのポート番号
domain.admin.jmxmp.port 6712 下位互換としてエージェントが利用するJMXMPのポート番号
server.embedded-iiop-service.port 7780 エージェントプロセス上で動作するIIOPリスナ。JNDIサーバとSandard-J EditionにおけるEJBの通信リスナとなります。
server.http-service.http-listener.http-listener-1.port 80 HTTPサーバが利用する HTTP ポートの番号。HTTPサーバを起動した場合利用します。
server.http-service.http-listener.http-listener-2.port 443 SSLで保護されたHTTPSポートの番号。HTTPサーバを起動した場合利用します。
server.http-service.http-listener.admin-listener.port 5858 エージェントが利用する管理用ポートの番号。Web管理コンソールとの通信に利用します。
server.http-service.http-listener.ajp-listener-1.port 8099 外部のHTTPサーバとWebコンテナがAJPによって連携を行う際ポートの番号。HTTPサーバ、Webコンテナを起動した場合利用します。
server.objectbrokerservice.oad.OadPort 9825 oadが使用するポート番号。Object Brokerサービスを起動した場合利用します。
server.objectbrokerservice.oadj.Port 9826 oadjが使用するポート番号。Object Brokerサービスを起動した場合利用します。
server.objectbrokerservice.corbaloc.CorbalocServerPort 9827 corbalocサーバが使用するポート番号。Object Brokerサービスを起動した場合利用します。
server.objectbrokerservice.namesv.NameServicePort 2809 名前サーバが使用するポート番号。Object Brokerサービスを起動した場合利用します。
server.objectbrokerservice.irsv.InterfaceRepositoryPort 9830 インタフェースリポジトリが使用するポート番号。Object Brokerサービスを起動した場合利用します。
server.objectbrokerservice.cnamesv.CacheNameServicePort 9829 キャッシュ名前サーバが使用するポート番号。Object Brokerサービスを起動した場合利用します。(キャッシュ名前サーバは、Enterprise EditionでWebOTXインストール時に選択した場合のみインストールされます)
server.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port 9700 JMSが使用するポート番号。JMSを起動した場合利用します。
server.transactionservice.rcs-cpp-port 5965 C++版のRCSが使用するポート番号(Web Edition/Standard-J Editionでは使用されません)。
tpsystem.IIOPListener.listenerPortNumber 5151 IIOPリスナが使用するポート番号(平文ポート)。Standard Edition/Enterprise Editionで平文ポートを利用する場合利用します。
tpsystem.IIOPListener.sslPortNumberCert 5751 IIOPリスナが使用するポート番号(SSLクライアント認証ありポート)。Standard Edition/Enterprise EditionでSSLクライアント認証ありを選択した場合利用します。
tpsystem.IIOPListener.sslPortNumberNoCert 5751 IIOPリスナが使用するポート番号(SSLクライアント認証なしポート)。Standard Edition/Enterprise EditionでSSLクライアント認証なしを選択した場合利用します。
tpsystem.OLFTPListener.listenerPortNumber 5251 OLF/TPリスナが使用するポート番号。Standard Edition/Enterprise Editionの場合利用します。
tpsystem.admListener.portNumber 5202 Admリスナが使用するポート番号。Standard Edition/Enterprise Editionの場合利用します。
server.http-service.sip-listener.sip-listener-1.port 5060 SIPリスナが使用するポート番号。SIP Application Serverの場合利用します。
server.http-service.sip-listener.sip-listener-2.port 5060 SIPリスナが使用するポート番号。SIP Application Serverの場合利用します。
server.http-service.sip-listener.sip-listener-3.port 5061 SIP TLSリスナが使用するポート番号。SIP Application Server の場合利用します。

一般ドメインはサーバ上に複数作成することが可能です。その際はそれぞれのドメインが上記設定のすべてのポートを使用します。「ドメインの作成」を参照してください。

3.2.4 自動的で割り当てられる一時ポート(エフェメラルポート)番号に関する注意制限事項

OSの種類によって、以下の表で示される範囲のポート番号が、OSで自動的に割り当てる一時ポート番号として規定されています。

OS 一時ポートの割り当て範囲
Windows(2000/2003) 1024から5000
Windows(2008) 49152から65535
HP-UX 49152から65535
Linux 32768から61000
Solaris 32768から65535

WebOTXが使用するポート番号が一時ポートの割り当て範囲と重複していた場合、別のアプリケーションが同じポート番号を一時ポートとして使用しWebOTXの起動が失敗するなどの問題を引き起こすことがあります。

例えばWindows 2000 Server/Windows Server 2003では、一時ポート番号は1024〜5000の範囲となります。これはWebOTXのdomain1の名前サーバ(2809)のポート番号を含んでいるため、まれに起動失敗などの問題を引き起こす可能性があります。

一時ポートとの重複を回避する方法

WebOTXが利用するポート番号をOSの一時ポートの対象外であると登録することによって回避してください。WebOTX付属の設定用コマンドを用いる方法と、レジストリエディタによる方法があります。

設定用コマンドによる登録

コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行します。

> ${INSTANCE_ROOT}\bin\ReservPorts.bat install
Microsoft (R) Windows Script Host Version 5.6
Copyright (C) Microsoft Corporation 1996-2001. All rights reserved.
Add ReservPorts :[2809-2809 ]
ReservPorts registerd Succeed! Please reboot the machine.

一時ポート範囲から除外されたポート番号が、Add ReservPorts:[開始ポート番号-終了ポート番号 ・・・]として表示されます。設定変更後はマシンの再起動が必要です。

ReservedPort.bat コマンド: ${INSTANCE_ROOT}\bin\ReservPorts.bat [ list | install | uninstall ]

表示項目 説明
Reserved Ports :[ ポート番号 …] 予約として一時ポート割り当てされないポート番号(現在のレジストリ値)
WebOTX Ports :[ ポート番号 …] WebOTXが利用する1024から5000までのポート番号
Add Ports :[ ポート番号 …] ReservPortコマンドにより登録された割り当て対象外のポート番号
レジストリエディタによる登録方法

レジストリエディタを起動します。

レジストリキー[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters]を検索し、配下に以下の項目を追加します。

名前 種類
ReservedPorts REG_MULTI_SZ 2809-2809

3.2.5 ファイアーウォールの設定に関して

クライアントマシンからの接続には、以下のポート番号に対しファイアーウォールのブロックを解除する必要があります。

「Edition別提供サービス」の表記については以下を参照してください。

「○」・・・既定で有効

「△」・・・既定で有効でない

「-」・・・未提供のサービス

用途 既定のポート番号 Edition別提供サービス
Web STD-J
http通信 80
443
CORBA LOCサーバ 2809 -
名前サーバポート ユーザ設定値 -
oadポート 9825 -
ダウンローダ 80(httpポート番号)
統合運用管理ツール JRMP
  • 管理ドメイン 6202
  • ユーザドメイン 6212
JMXMP
  • 管理ドメイン 6702
  • ユーザドメイン 6712
Web版統合運用管理コンソール 5858

3.3 動作プロセスについて

3.3.1 サービスプロセス

プロセス名 説明
WOAgentSvc.exe (Windows) サービス管理用のプロセスです。「WebOTX Agent Service」を起動すると動作し、停止すると終了します。
tpadmd.exe (Windows)
tpadmd (UNIX)
Standard Edition/Enterprise EditionにおけるTPモニタ運用管理用のサービスプロセスです。
「WebOTX TPBASEadm」を起動すると動作し、停止すると終了します。
UNIX版では${AS_INSTALL}/Trnsvに配置されています。

3.3.2 管理ドメインで動作するプロセス

プロセス名 説明
javaw.exe(Windows)
java(UNIX)
エージェントプロセスのJavaVMです。
異常終了した場合、管理ドメインへのアクセスができなくなりますが、一般ドメインは利用できます。復旧はWebOTX サービス再起動を行う必要があります。
再起動方法については「サービスの起動・停止方法」を参照ください。
引数に「-Dwebotx.funcid=agent -Ddomain.name=WebOTXAdmin」という文字列が指定されているのでそれが目印になります。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/configです。

3.3.3 一般ドメインで動作するプロセス

ドメインを起動すると以下のプロセスが起動します。複数ドメインを起動した場合は、同一名のプロセスが複数起動します。

プロセス名 説明
javaw.exe(Windows)
java(UNIX)
エージェントプロセスのJavaVMです。
異常終了した場合、該当ドメインへのアクセスができなくなります。速やかにドメイン再起動を行う必要があります。
再起動方法については「ドメインの起動・停止」を参照ください。
引数に「-Dwebotx.funcid=agent -Ddomain.name=${DOMAIN_NAME}」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/configです。
apache.exe(Windows)
httpd(UNIX)
HTTPサーバのデーモンプロセス。
インストール時に「WebOTX Webサーバ」を選択した場合に有効です。Webサーバを起動すると動作します。常時親プロセス(監視プロセス)と子プロセス(HTTPサービスデーモン)で構成されており、子プロセスが異常終了した場合、親プロセスは子プロセスを再起動します。異常終了時はHTTPサーバの再起動が必要です。
再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/です。
wojmsbrokersvc.exe(Windows)
wojmsbrokerd (UNIX)
JMS管理プロセス。
JMSを起動すると動作します。異常終了時はJMSの再起動が必要です。再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
java.exe (Windows)
java (UNIX)
JMSデーモンプロセス。
JMSを起動すると動作します。異常終了時はJMSの再起動が必要です。
再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
引数に「-Dwebotx.funcid=jms -Ddomain.name=${DOMAIN_NAME}」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/configです。
oad.exe (Windows)
oad (UNIX)
CORBAオブジェクト活性化デーモンプロセス。
Object Brokerを起動すると動作します。異常終了時は新たなIIOP通信(RMI/IIOP)が行えなくなります。異常終了時はObject Brokerの再起動が必要です。
再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/configです。
Standard-J Edition/Standard Edition/Enterprise Editionで動作します
namesv.exe (Windows)
namesv (UNIX)
CORBA名前サーバデーモンプロセス。
Object Brokerを起動すると動作します。
異常終了時はオブジェクトの取得が行えなくなりIIOP通信ができなくなります。 異常終了時はObject Brokerの再起動が必要です。
再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/configです。 Standard-J Edition/Standard Edition/Enterprise Editionで動作します
irsv.exe (Windows)
irsv (UNIX)
CORBAインターフェースリポジトリデーモンプロセス。
Object Brokerを起動すると動作します。異常終了時はオブジェクトのインタフェース情報の取得が行えなくなりますがWebOTXではirsvを利用していないため影響はありません。 異常終了時はObject Brokerの再起動が必要です。
再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
Standard-J Edition/Standard Edition/Enterprise Editionで動作します
corbaloc.exe (Windows)
corbaloc (UNIX)
CORBALOCサーバデーモンプロセス。
Object Brokerを起動すると動作します。異常終了時はCORBALOCサーバとして利用している場合、新たなIIOP通信(RMI/IIOP)が行えなくなります。 異常終了時はObject Brokerの再起動が必要です。
再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
Standard-J Edition/Standard Edition/Enterprise Editionで動作します
java.exe (Windows)
java (UNIX)
CORBA Java自動起動デーモンプロセス。
Object Brokerを起動すると動作します。異常終了時はJavaアプリケーションの自動起動ができなくなります。また、ライセンスの取得もできなくなるため、IIOP通信のコネクション数に制限が発生します。
異常終了時はObject Brokerの再起動が必要です。再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
引数に「-Dwebotx.funcid=oadj -Ddomain.name=${DOMAIN_NAME}」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/configです。
Standard-J Edition/Standard Edition/Enterprise Editionで動作します
rcssv.exe(Windows)
rcssv(UNIX
Transactionサービスで提供するC++アプリケーション用のリカバリプロセス(RCS) (Web Edition、およびStandard-J Editionでは使用しません)
Transactionサービスを起動すると動作します。異常終了時はトランザクションの開始が行えなくなります。
異常終了時はTransactionサービスの再起動が必要です。再起動方法については「各サービスの起動・停止」を参照ください。
引数に「rcsid=XXX」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${INSTANCE_ROOT}/logs/TSです。
tpmMain.exe(Windows)
tpmMain(UNIX)
TPモニタ子プロセスです。
Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。
異常終了した場合TPモニタの機能が利用できなくなりますが、親プロセスが監視を行なっているのでプロセスの監視は親プロセス(tpminitor)の方を監視してください。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${AS_INSTALL}/Trnsv です。
tpmonitor.exe(Windows)
tpmonitor(UNIX)
TPモニタプロセスです。
Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。
異常終了した場合、TPモニタの機能が利用できなくなるため、プロセス監視を行なう場合は、監視対象にしてください。 異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。それでも復旧しない場合はマシン再起動を行なってください。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${AS_INSTALL}/Trnsv です。
tpadmdMain.exe(Windows)
tpadmd(UNIX)
TPモニタ運用管理プロセスです。
Standard/Enterprise Editionで動作します。 異常終了した場合、一時的にStandard/Enterprise Editionの一部運用操作がエラーとなりますが、自動的にプロセスが再起動され復旧します。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${AS_INSTALL}/Trnsv です。
tpssendtpp.exe(Windows)
tpssendtpp(UNIX)
TPモニタtpsendプロセスです。
Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。 異常終了した場合、統合運用管理ツールからクライアントへメッセージ送信や動的ログレベル変更などが不可となります。異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。
systpp.exe(Windows)
systpp(UNIX)
TPモニタsystppプロセスです。
Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。 異常終了した場合、一部運用操作(起動、停止など)が不可となります。異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。
jnlwrt.exe(Windows)
jnlwrt(UNIX)
TPモニタジャーナルライタプロセスです。
Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。 異常終了した場合、異常終了した場合、ジャーナルの採取が不可となります。異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。
olftplsn.exe(Windows)
olftplsn(UNIX)
TPモニタOLF/TPリスナプロセスです。 Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。 異常終了時はOLFリスナとの通信が不可となります。WebOTX Print Kitなどを利用した場合影響があります。異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。
iioplsn.exe(Windows)
iioplsn(UNIX)
TPモニタIIOPリスナプロセスです。 Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。 異常終了時はIIOPリスナとの通信が不可となります。全てのクライアントからのアクセスができなくなります。異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${AS_INSTALL}/Trnsv /logsです。
TIMMSGSND.exe(Windows)
TIMMSGSND(UNIX)
TPモニタタイマデーモンプロセスです。
Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。 異常終了時はクライアントへメッセージ送信や動的ログレベル変更などが不可となります。異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。
wosystpp.exe(Windows)
wosystpp(UNIX)
TPモニタWebOTXシステムTPPです。
Standard Edition/Enterprise Editionで動作します。 異常終了時はクライアント情報の取得が不可となります。異常終了時はTPシステムの再起動が必要です。
THTPPCTL.exe
THTPPCTL_N.exe
THTPPCTL_N2003.exe
THTPPCTL_2005.exe
(Windows)
THTPPCTL6
THTPPCTL7
THTPPCTL8
THTPPJAVA2
THTPPOTS6
THTPPOTS7
THTPPOTS8
THTPPDB6
THTPPDB7
THTPPDB8
(UNIX)
サーバAPのTPPです。
Standard/Enterprise Editionで動作します。 言語や利用機能によりモジュール名が変わります。
モジュール名 言語、利用機能 バージョン
Windows
THTPPCTL.exe Java 全バージョン
C++(VC6.0) V5以下
THTPPCTL_N.exe C++(VC .net 2002) V5
THTPPCTL_N2003.exe C++(VC .net 2003) V5以上
THTPPCTL_2005.exe C++(VC 2005) V6以上
UNIX
THTPPCTL6 C++ V4
THTPPCTL7 C++ V5
THTPPCTL8 C++ V6
THTPPJAVA2 J2SE 全バージョン
THTPPOTS6 C++(TS連携あり) V4
THTPPOTS7 C++(TS連携あり) V5
THTPPOTS8 C++(TS連携あり) V6
THTPPDB6 C++(DB連携あり) V4
THTPPDB7 C++(DB連携あり) V5
THTPPDB8 C++(DB連携あり) V6
異常終了時はそのプロセスグループが機能しなくなります。ただし、マルチプロセス構成や再起動設定により、自動的に復旧されます。異常終了時はプロセスグループの再起動が必要です。
UNIXにおけるカレントディレクトリは${AS_INSTALL}/Trnsvです。

3.3.4 単体で動作するプロセス

ツールなど単独で動作可能なプロセスです。複数起動した場合は、同一名のプロセスが複数起動します。

プロセス名 説明
java.exe(Windows)
java(UNIX)
運用管理コマンド(otxadmin)のプロセスです。
引数に「-Dwebotx.funcid=otxadmin」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。
javaw.exe(Windows)
javaw(UNIX)
統合運用管理ツール(otxadmingui)のプロセスです。
引数に「-Dwebotx.funcid=otxadmingui」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。
javaw.exe(Windows)
javaw(UNIX)
配備ツール(deploytool)のプロセスです。
引数に「-Dwebotx.funcid=deploytool」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。
javaw.exe(Windows)
javaw(UNIX)
JNDI管理ツール(jndiadm)のプロセスです。
引数に「-Dwebotx.funcid=jndiadm」という文字列が指定されますのでそれが目印になります。

3.3.5 プロセス構成図

WebOTX Application Server のサービス(またはスクリプト)と各プロセスの関係図を以下に記します。

3.4 ディレクトリ構成

3.4.1 インストールディレクトリのディレクトリ構成

WebOTXをインストールしたディレクトリ(${AS_INSTALL})のディレクトリ構成について説明します。

以下にそれぞれのディレクトリについて説明します。

ディレクトリ名 説明
bin WebOTXエージェントのバイナリファイル、コマンド、バッチファイルを格納します。
config WebOTX全体に関係する構成情報ファイルを格納します。
domains ドメインのルートディレクトリの親ディレクトリです。ドメインを新規に作成するとこの下にドメインルートが作成されます。
UNIXの場合は/var/opt/WebOTX/domainsへのシンボリックリンクファイルです。
downloader(*1) Downloaderのモジュールに関するファイルを格納しています。
javadb(*4) Apache Derbyに関するファイルを格納しています。
jbi(*3) Enterprise Service Bus に関するモジュールを格納しています。
lib WebOTXエージェントが利用するライブラリやツール、各ドメイン作成時に利用するテンプレートファイルを格納しています。
ObjectBroker Object Brokerのモジュールに関するファイルを格納しています。
ProcessConductor(*3) Process Conductor のモジュールに関するファイルを格納しています。
samples(*1) サンプルアプリケーションを格納しています。
share(*2) ライセンスチェックのモジュールに関するファイルを格納しています。
template(*1) 画面テンプレートのモジュールに関するファイルを格納しています。
Trnsv WebOTX実行環境のモジュールに関するファイルを格納しています。
TS Transactionサービスのモジュールに関するファイルを格納しています。
uddi(*3) UDDI Registryのモジュールに関するファイルを格納しています。
WebCont5.0 Webコンテナのモジュールに関するファイルを格納しています。
WebServer(*1) WebServer(apache1.3)に関するモジュールを格納しています。
WebServer2(*1) WebServer(apache2.0)に関するモジュールを格納しています。
wojms JMSのモジュールに関するファイルを格納しています。
wowdc(*3) Working Domain Coordinatorに関するモジュールを格納しています。
WOWS(*1) WatchServerに関するモジュールを格納しています。

3.4.2 ドメインルートのディレクトリ構成

ドメインのルートディレクトリ(${INSTANCE_ROOT})のディレクトリ構成について説明します。

以下にそれぞれのディレクトリについて説明します。

ディレクトリ名 説明
addons ドメイン内にシステムが追加するオプション製品等のリソースを格納します。
applications ドメインに配備されたアプリケーションを格納します。
autodeploy ドメインのオートデプロイディレクトリ
backup 構成情報(configディレクトリ)のバックアップを格納します。
bin ドメイン固有のバッチファイルを格納します。
config ドメインの設定情報ファイルを格納します。
diagnostic-reports サーバ診断処理にて生成される診断レポートファイルを格納します。
(診断処理が実行されるまでディレクトリは存在しません。)
docroot HTTPサーバのドキュメントルート
generated 配備のときにコンテナで生成したファイルを格納します。
java-web-start アプリケーションを配備した際に作成されますが、現在は使用しません。
jbi 当該ドメインで動作するESBに関するファイルを格納します。
lib ドメイン固有のライブラリを格納します。
logs ドメインのログディレクトリ
session-store Passivateされたstateful session beanの情報を格納します。
stats ドメインの統計情報を格納します。
wojms 当該ドメインで動作するJMSに関するファイルを格納します。

3.5 設定ファイル一覧

3.5.1 WebOTX全体に関係する構成情報ファイル

WebOTX全体に関係する各種設定ファイル(${INSTALL_ROOT}/config以下)について説明します。

ディレクトリ名 説明
admingui 統合運用管理ツールに対する設定ファイルを格納します。
※統合運用管理ツールをインストールしなければ作成されません。
eds EnterpriseDirectoryServerとの連携用設定ファイルを格納します。
jaxws JAX-WSライブラリを使用する際に必要な設定ファイルを格納します。
profiler WebOTXプロファイラに対する設定ファイルを格納します。

ファイル名 説明
asenv.bat(UNIXではasenv.conf) WebOTXドメイン共通の環境変数設定ファイル
cacerts.jks 運用管理コマンドで使用する認証用ファイル
woasinfo.properties(Windowsのみ) WebOTX AS Agent Service(WOAgentSvc)の実行に関するプロパティ設定用ファイル
woasinfo.properties.template(Windowsのみ) woasinfo.propertiesのテンプレート(オリジナル)ファイル

3.5.2 ドメインの設定ファイル

ドメインの各種設定ファイル(${INSTANCE_ROOT}/config以下)について説明します。

ディレクトリ名 説明
cert 公開鍵証明書検証用の証明書ファイルを格納します。
crl CRL(Certificate Revocation List)ファイルを格納します。
default-value-mbean 実行中に生成されるMBean(Managed Bean)用デフォルト値定義ファイルを格納します。
iPXda ACOS Access Toolkitが使用する定義ファイルを格納します。
jndisp JNDIサーバが使用する設定ファイルを格納します。
keystore キーストアファイル(認証用の鍵と証明書を含む)を格納します。
ObjectBroker Object Brokerが使用する設定ファイルを格納します。
persistent-mbean 実行中に生成するMBean(Managed Bean)用永続値定義ファイルを格納します。
tpsystem TPモニタが使用する設定ファイルを格納します。
Web、Standard-J Editionでは使用されません。
TS Transactionサービスが使用する設定ファイルを格納します。
WebCont Webコンテナが使用する設定ファイルを格納します。
WebServer Webサーバが使用する設定ファイルを格納します。

ファイル名 説明
.domain-registry.system ドメイン自身の構成情報を格納するファイルです。
※本バージョンでは使用されません。
admin-keyfile 運用管理ユーザに関する情報を格納するファイルです。
admcn ドメインの状態管理の際に使用するRMI用スタブファイルです。
admsn ドメインの状態管理の際に使用するデータファイルです。
cacerts.jks 公開鍵証明書検証用の証明書ファイルです。
cli_restriction setコマンドにおいて"*(ワイルドカード)"を使用する場合に誤操作を防ぐ目的で使用するファイルです。 "*"を使用する場合はこのファイルに"*"の使用を許可するコマンドラインを定義する必要があります。 また、このファイルを削除すると"*"機能に対する全制限が解除されます。
default-sip.xml SIPコンテナに対するデフォルト設定値を含む定義ファイルです。
※WebOTX Sip Application Serverをインストールした場合に使用されます。
default-web.xml Webコンテナに対するデフォルト設定値を含む定義ファイルです。
domain.xml ドメインに対する設定情報を含む定義ファイルです。
domains-config.xml 管理ドメインが管理するユーザドメインの設定情報を保持しています。
※このファイルは管理ドメイン(WebOTXAdmin)のみに定義されます。
domain-passwords 運用ユーザのパスワード情報を統合的に管理するためのファイルです。
domain-registry ドメイン自身の構成情報を格納するファイルです。
※本バージョンでは使用されません。
encrypted 重要データ等の暗号化対象データの管理情報を含むファイルです。
keyfile ユーザAPの認証にFileレルムを使用する場合にユーザ情報を格納するファイルです。
keystore.jks キーストア情報を含むファイルです。
log4otx.xml WebOTXの各システムサービスのログ出力設定ファイルです。
logging.properties JDK Logger(java.util.Logger)に対する設定情報を含む定義ファイルです。
login.conf ログイン認証に対する設定情報を含む定義ファイルです。
secure.seed HTTPS および IIOP/SSL 通信処理におけるセキュリティ確保のためのデータを含むファイルです。
server.policy ドメインに対するセキュリティポリシを定義するファイルです。

3.6 Java Developer Kitの設定

WebOTXはインストール時に指定したJava Developer Kit(JDK)を使用して起動されます。

3.6.1 JDKの更新・変更

リビジョンアップ、バージョンアップなどによりインストール時とは別のJDKを用いるときは、以下の手順でWebOTXが使用するJDKを変更します。

Windows版
  1. 環境変数設定ファイルの変更
  2. ${INSTALL_ROOT}\config\asenv.bat に記述されている AS_JAVAの設定をJDKの環境に合わせて変更します。

    set AS_JAVA=C:\jdk1.5.0_15
  3. JMS環境設定ファイルの変更(Standard-J Edition 以上)
  4. ${INSTALL_ROOT}\wojms\var\jdk-env.bat に記述されている WOJMS_JAVAHOMEの設定をJDKの環境に合わせて変更します。

    set WOJMS_JAVAHOME=C:\jdk1.5.0_15\jre
HP-UX,Solaris,Linux版
  1. 環境変数設定ファイルの変更
  2. ${INSTALL_ROOT}/config/asenv.conf に記述されている AS_JAVAの設定をJDKの環境に合わせて変更します。

    AS_JAVA="/opt/java1.5"
  3. JMS環境設定ファイルの変更(Standard-J Edition以上)
  4. ${INSTALL_ROOT}/wojms/var/jdk.env に記述されている WOJMS_JAVAHOMEの設定をJDKの環境に合わせて変更します。

    /opt/java1.5/jre

3.6.2 Java SE 6へのバージョンアップ設定

J2SE 5.0でインストールを行ったWebOTX環境をJava SE 6へバージョンアップする際、WebOTXの設定を変更する必要があります。

3.6.3 Java SE6から J2SE 5.0 のダウングレード

Java SE 6でインストールを行ったWebOTX環境を、J2SE 5.0へダウングレードする場合、以下の手順でWebOTXの設定を変更する必要があります。

  1. アプリケーションの配備解除
  2. 業務アプリケーションを一端配備解除します

  3. Javaシステムプロパティ-Dsun.lang.ClassLoader.allowArraySyntaxの削除
  4. J2SE 5.0で不要なJavaシステムプロパティを削除します。システムプロパティが設定されていない場合、この作業は不要です。

    otxadmin> delete-jvm-options -Dsun.lang.ClassLoader.allowArraySyntax=true
  5. 環境変数設定ファイルの変更
  6. 3.6.1に記載されている、環境変数ファイルを使用するJDKの環境に合わせて編集してください。

  7. アプリケーションの配備
  8. ドメインを再起動した後、業務アプリケーションを配備解除してください。業務アプリケーションがJDK1.6でコンパイルされていた場合、JDK1.5で再度コンパイルし直した後、配備を行ってください。

3.7 管理ユーザ設定(HP-UX,Solaris,Linux)

3.7.1 WebOTX管理ユーザ(運用ユーザ)の設定

UNIX系のOSでは、WebOTXのインストール時にシステム管理者権限をもつrootユーザとは別に、WebOTXの起動ユーザを指定してインストールが可能であり、推奨しています。WebOTX管理ユーザ(運用ユーザ)を設定することで、不用意なシステム権限領域へのアクセスを制御し、より強固なセキュリティの確保とOSのもつユーザ制限機能を利用することができます。

運用ユーザを変更するスクリプトを提供していますので、インストール後でも運用ユーザに変更することが可能です。

ただし、WebOTX管理ユーザを利用する場合には、OSの制限により、1024以下のポート番号を利用することができなくなります。HTTP/HTTPS用のポート番号を1024以下で設定している場合には、ポート番号の再設定等が必要になるため、注意が必要です。

なお、UNIX系OSにおける運用ユーザのパスワード変更によるWebOTXへの影響はありません。Windows OSの場合は「Windowsサービスアカウントの変更」を参照してください。

インストール後の運用ユーザ変更手順
  1. rootユーザでログインします。
  2. WebOTXを停止します。
  3. # otxadmin stop-domain WebOTXAdmin
  4. WebOTXのWebOTX運用ユーザのユーザ、および、グループアカウントを作成します。
  5. ここでは説明の為に、ユーザ名を「admin」、 グループ名を「webotx」と設定します。アカウントの作成はシステム管理者に依頼するか、各OSの運用マニュアルを参照して登録を行ってください。

  6. 新しく作成したアカウントがtelnetなどで正しくログインできることを確認してください。
  7. rootユーザで以下のコマンドを実行します。
  8. # cd /opt/WebOTX/bin
    # ./otxown.sh
    ## Executing WebOTX Operation User Change script.
    Would you like to change as WebOTX Operation User? [y, n](default n)
    y
    Please input WebOTX Operation User name.
    admin
    Please input WebOTX Operation User group name.
    webotx
    **********************************************************
    * Change of WebOTX Operation User. To continue, input y. *
    * Input q to exit the installation. [y, q](default y)    *
    **********************************************************
  9. 設定がおわりましたら、/opt/WebOTX配下のファイルオーナが運用ユーザに設定されていることを確認します。
  10. サーバを再起動してください。

3.7.2 複数のドメインを異なるユーザで運用

UNIX系のOSでは、複数のドメインを異なるユーザで運用する機能をサポートしています。ここではそのための手順を説明します。

ドメインごとに運用ユーザを変えたい時はこちらの設定をご検討ください。

設定の際の注意点

設定の際は、以下の点に注意してください。

  1. 各ドメインに設定するユーザは、すべてのドメイン間で同じグループに属している必要があります。
  2. 管理ドメイン「WebOTXAdmin」は、rootでなければなりません。
  3. Standard Edition/Enterprise EditionではWebOTX内部のソケット通信用ポートは、w-tpadm(既定値: 8899)で設定したものを使用します。別ユーザで運用する場合は、各ドメイン用にシステムIDを加えたポートも設定する必要があります。サーバマシン内で使用されていないポート番号となるようにシステムIDを設定してください。 システムIDはドメイン間で一意である必要があります。
  4. ファイルの直接編集やディレクトリ等のオーナ・権限等の変更は、WebOTXが停止した状態で行ってください。
  5. ファイルを直接編集する際は、必ずバックアップを取ってください。
設定の手順

以下の環境を例にして設定方法を説明します。

ドメイン種別 名前
管理ドメイン WebOTXAdmin -
一般ドメイン domain1 システムID
(Standard Edition/Enterprise Editionの場合のみ)
0
運用ユーザ オーナ otxadm
グループ otxadmin
一般ドメイン domain2 システムID
(Standard Edition/Enterprise Editionの場合のみ)
2
運用ユーザ オーナ otxadm2
グループ otxadmin
OS設定上の変更

ここでは、OSに対してポートの設定やサービス登録を行います。

  1. /etc/services への設定追加
  2. (Standard Edition/Enterprise Editionのみ)

    サービス名とポートの追加を行います。ポート番号には、「w-tpadm(既定値: 8899)+システムID」の数値を設定します。

    w-tpadm  8899/tcp # WebOTX TPBASEadm(SV)
    w-tpadm2 8901/tcp # WebOTX TPBASEadm(SV)

    ここでは、今まで設定されていたw-tpadmの他に、domain2用としてw-tpadmにシステムID 2を追加した値を設定しています。サービス名とポート番号は、他と重複しないように設定してください。

  3. inetd へのサービス登録
  4. (Standard Edition/Enterprise Editionのみ)

    ドメインごとにinetdの設定を行います。ここで指定したドメインのオーナとグループがドメイン起動時のプロセスに反映されます。OSごとにサービス登録手順が違います。

    HP-UXの場合

    /etc/inetd.confファイルにエディタ等で以下の2行を追加して下さい。それぞれ改行をいれず、1行で記述してください。

    w-tpadm stream tcp6 nowait root /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm.sh w-tpadmd /opt/WebOTX/domains/domain1
    w-tpadm2 stream tcp6 nowait root /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm.sh w-tpadmd /opt/WebOTX/domains/domain2

    第1フィールドには、/etc/servicesに設定したサービス名をinetdに追加します。さらに、サーバ・プログラム引数フィールドは、ドメインのディレクトリを与えます。

    編集後は設定を再読み込みさせてください。

    # /usr/sbin/inetd -c
    Solarisの場合

    /etc/inet/inetd.confファイルにエディタ等で以下の2行を追加して下さ。それぞれ改行をいれず、1行記述してください。

    w-tpadm stream tcp nowait root /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm.sh w-tpadmd /opt/WebOTX/domains/domain1
    w-tpadm2 stream tcp nowait root /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm.sh w-tpadmd /opt/WebOTX/domains/domain2

    第1フィールドには、/etc/servicesに設定したサービス名でinetdに追加します。さらに、サーバ・プログラム引数フィールドは、ドメインのディレクトリを与えます。

    編集後は設定を再読み込みさせてください。

    # kill -HUP <inetdのプロセスID>
    Linuxの場合

    インストール時にxinetdへのサービスを一つ登録しています。そのサービスに対して引数を設定します。また、新規にサービスを追加します。

    /etc/xinetd.d/webotxファイルをエディタ等で以下のように修正して下さい。

    service w-tpadm
    {
    socket_type = stream
    protocol = tcp
    wait = no
    user = root
    server = /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm.sh
    server_args = /opt/WebOTX/domains/domain1
    }
    service w-tpadm2
    {
    socket_type = stream
    protocol = tcp
    wait = no
    user = root
    server = /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm.sh
    server_args = /opt/WebOTX/domains/domain2
    }

    インストール時に設定されているサービスw-tpadmにserver_argsを追加し、ドメインのディレクトリを設定します。また、/etc/servicesに新たに設定したサービスとその設定をinetdに追加します。

    編集後は設定を再読み込みさせてください。

     # kill -USR2 <xinetdのプロセスID>
WebOTX制御ファイルの変更

ここでは、WebOTXの制御ファイルに関して、値の変更や権限の変更を行います。

  1. /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm.shの変更
  2. (Standard Edition/Enterprise Editionのみ)

    tpadm.sh内の記述において、「wosh」に引数を追加するため「 $1」を書き加えます。$1の前に半角スペースが必要です。

    /opt/WebOTX/Trnsv/bin/wosh /opt/WebOTX/Trnsv/bin/tpadm2.sh start $1

    Linuxのパッチを適用する際、tpadm.shが上書きされる可能性があります。適用前にtpadm.shのバックアップをとってパッチ適用後に復元するか、パッチ適用後に再度「 $1」を加えてください。

  3. asenv.confの変更
  4. /opt/WebOTX/config/asenv.confに以下の一行を追加してください。

    AS_MULTIUSER=TRUE
  5. ディレクトリ権限変更
  6. すべての関連するディレクトリとファイルのオーナ・グループ・権限を再設定します。/opt/WebOTX/bin/otxown.sh を用いて、WebOTX配下のオーナとグループをrootに戻してください。

    次に、各ドメインの<INSTANCE_ROOT>配下のディレクトリ・ファイルのオーナとグループを各運用ユーザにそれぞれ変更してください。

    ディレクトリ ファイルオーナ グループ
    /opt/WebOTX/domains/domain1 とその配下 otxadm otxadmin
    /opt/WebOTX/domains/domain2 とその配下 otxadm2 otxadmin

    また、以下のディレクトリとファイルは、各運用ユーザすべてが読み込み・書き込みできる必要があります。それらに対して、運用ユーザのオーナ/グループで書き込みができるようにファイル権限設定してください。(/opt/WebOTX/Trnsv/multitpm に設定するグループは、各運用ユーザと同一にしておく必要があります。)

    ・ファイル権限を775に設定するもの

             /opt/WebOTX/domains
             /opt/WebOTX/Trnsv/conf/CommAPIとその配下
             /opt/WebOTX/Trnsvmultitpmとその配下("."で始まるファイルも)
             /opt/WebOTX/Trnsv/logs
             /opt/WebOTX/Trnsv

    ・ファイル権限を750に設定するもの

           /opt/WebOTX/domains/config
           /opt/WebOTX/domains/config/tpsystem


設定についての補足

設定について、以下の補足事項があります。

  1. システムIDの変更
  2. (Standard Edition/Enterprise Editionのみ)

    /etc/services にサービス名とポート番号を指定するとき、「w-tpadm+システムID」の値を指定する必要があります。もしその値が使用できない場合は、既存のシステムIDを変更して、新たな「w-tpadm+システムID」を付与してください。

    そのままの値を使用できるのであれば (例えば、w-tpadmが8899、システムIDが2で、8901が使用できるなら)、既存のシステムを変更せずに使用できます。変更する場合は、以下の手順で行ってください。

    パッチモジュールの適用前にドメインを起動して、統合運用管理ツールから変更を行います。

    [ドメイン名] - [TPシステム] - [システム情報]タグ

    [システム情報]画面内の「システムID」値を更新します。

    運用管理コマンドによる設定も可能です。

    # cd <INSTALLDIR>
    # bin/otxadmin
    otxadmin> login --user <ユーザ名> --password <パスワード> --host <ホスト名> --port <管理ポート番号>
    otxadmin> set tpsystem.systemID=<システムID>
    
  3. Webサーバ設定の変更
  4. WebOTX運用管理ユーザをroot以外に設定した場合、OSの制約上1024番以下のポート番号は使用できません。もし、ポート番号1024番以下で内蔵型Webサーバを使用中のドメインがあれば、そのドメインに対して、1025番以降の現在のシステムで利用可能な番号に変更してください。

    下に示したdomain.xmlファイルを編集して、ポート番号を変更してください。

    編集する箇所は、<http-service>要素の以下のサブ要素です。idが"http-listener-1"、"http-listener-2"となっているhttpリスナのポートを変更してください。

    <http-listener accept-count="10" address="0.0.0.0"
    buffer-size="2048" connection-timeout="60000" default-virtual-server="server"
    enable-lookups="false"enabled="true" id="http-listener-1" limit-processors="15"
    max-processors="20" min-processors="5" port="80"
    protocol="HTTP/1.1" security-enabled="false" server-name="" xpowered-by="true">
    </http-listener>
    <http-listener accept-count="10" address="0.0.0.0"
    buffer-size="2048" connection-timeout="60000" default-virtual-server="server"
    enable-lookups="false"enabled="true"id="http-listener-2" limit-processors="15"
    max-processors="20" min-processors="5" port="443"
    protocol="HTTP/1.1" security-enabled="true" server-name="" xpowered-by="true">
    </http-listener>

    この設定は、パッチモジュールを適用する前にドメインが起動した状態から、以下のように統合運用管理ツールを用いて変更することもできます。

    [一般]画面内のポート番号を変更します。

    運用管理コマンドによる設定も可能です。

    # cd <INSTALLDIR>
    # bin/otxadmin
    otxadmin> start-domain <ドメイン名>
    otxadmin> login --user <ユーザ名> --password <パスワード> --host <ホスト名> --port <管理ポート番号>
    otxadmin> set server.http-service.http-listener.http-listener-1.port=<ポート番号>
    otxadmin> set server.http-service.http-listener.http-listener-2.port=<ポート番号>
    otxadmin> stop-domain <ドメイン名>

3.8 ホスト名の変更

WebOTXインストール後にマシンのホスト名を変更するための手順について説明します。

ホスト名の変更のために必要な手順は、インストールしたエディションと使用しているコンポーネントの種類によって違います。以下の表にしたがってください。

手順 Web Edition Standard-J Edition Standard Edition Enterprise Edition
ドメインのホスト名変更
TPシステムの設定変更 -
Webコンテナの仮想サーバ機能の設定変更
JDBCデータソースの設定変更
Object Brokerの設定変更
JMSの設定変更
JNDIクライアントの設定変更
トランザクションの強制終了
ドメインの停止
namesv.ndfファイルの削除
domain.xmlの修正
ドメインの起動
凡例
必須の手順
使用しているなら必要な手順
- 必要ない手順

それぞれ必要な手順を運用管理コマンドで行ってください。ここでは新たに設定するホスト名は<hostname>としています。

ドメインのホスト名変更

ドメインのホスト名に既定値である"localhost"が指定されているならこの手順は不要です。 現在のドメインのホスト名はget domain.hostnameコマンドで確認できます。

otxadmin> set domain.hostname=<hostname>
TPシステムの設定変更

・接続サーバ名の変更

otxadmin> set tpsystem.serverName=<hostname>

・名前サービスホスト名の変更

otxadmin> set tpsystem.nameSvHostName=<hostname>

・マルチサーバサーバ名の変更

マルチサーバ設定をしている場合は、サーバ名に変更があるものに対して実行してください。

otxadmin> set tpsystem.multiServers.<system group name>.<server set name>.serverName=<hostname>
Webコンテナの仮想サーバ機能の設定変更

仮想サーバ機能を使用しているときに必要な作業になります。

otxadmin> set server.http-service.virtual-server.<仮想サーバID>.hosts=<hostname>


JDBCデータソースの設定変更

・dataSourceNameの接続文字列(JDBC URL)の見直し

dataSourceTypeがJDBCEX_OracleやJDBCの場合は、dataSourceNameで指定している接続文字列中のホスト名を変更してください。
otxadmin> set server.resources.jdbc-datasource.hostname.dataSourceName=jdbc:oracle:thin:@<hostname>:1521:orcl

・serverNameのTCPホスト名の見直し

dataSourceTypeがJDBCEX_MSSqlServerやJDBCEX_Sybase、JDBCEX_DB2など、serverNameを指定している場合は、TCPホスト名を変更してください。
otxadmin> set server.resources.jdbc-datasource.hostname.serverName=<hostname>
そのほか、Oracle OCIドライバを利用している場合は、tnsnames.oraを変更してください。詳細はOracleのマニュアルをご覧ください。


Object Brokerの設定変更

Object Brokerでは、デフォルトでホスト名やIPアドレスが設定される項目はありませんが、次のような目的でホスト名を明示的に指定している場合には設定変更が必要です。

【Object Brokerサービスの名前サーバに関する設定変更】

server.objectbrokerservice.namesv.NameServiceHostName(名前サーバが動作しているホスト名)

otxadmin> set server.objectbrokerservice.namesv.NameServiceHostName=<hostname>

server.objectbrokerservice.namesv.NameServiceExportHostName(名前サーバのIOR中に含まれるホスト情報)

otxadmin> set server.objectbrokerservice.namesv.NameServiceExportHostName=<hostname>

server.objectbrokerconfig.NameServiceHostName(名前サービスが動作しているホスト名)

otxadmin> set server.objectbrokerservice.namesv.NameServiceHostName=<hostname>

【Object Brokerサービスのインタフェースリポジトリに関する設定変更】

server.objectbrokerservice.irsv.InterfaceRepositoryHost(インタフェースリポジトリが動作するホスト名)

otxadmin> set server.objectbrokerservice.irsv.InterfaceRepositoryHost=<hostname>

server.objectbrokerconfig.InterfaceRepositoryHost(インタフェースリポジトリが動作するホスト名)

otxadmin> set server.objectbrokerconfig.InterfaceRepositoryHost=<hostname>

【Object Brokerサービスのキャッシュ名前サーバに関する設定変更】

server.objectbrokerservice.cnamesv.nmsvlist(キャッシュ元となる名前サーバのリスト)

otxadmin> set server.objectbrokerservice.cnamesv.nmsvlist=host1,…,<hostname>,…,hostN

【IIOP通信を行う、Object Brokerサービス、CORBAアプリケーション、JNDIサービスなどに関する共通な設定変更】

server.objectbrokerconfig.ExternalHostName(クライアント端末に公開するサーバのホスト名)

otxadmin> set server.objectbrokerconfig.ExternalHostName=<hostname>

server.objectbrokerconfig.AlternativeHostName(リファレンス生成時に格納するホスト名)

otxadmin> set server.objectbrokerconfig.AlternativeHostName=<hostname>

server.objectbrokerconfig.AlternativeHostNames(自ホストとみなすホスト名の一覧)

otxadmin> set server.objectbrokerconfig.AlternativeHostNames=host1:…:<hostname>:…:hostN

これらの設定で、明示的に指定しているホスト名を変更してください。
その他のホスト名は、server.objectbrokerconfig.ExternalHostNameで一括指定することができます。


この他、Object Broker JavaのプロパティでORBInitialHostもしくはNameServiceHost(またはNameServiceHostName)を指定していれば、その変更も必要です。クライアントとサーバが同一マシンであれば、既定値は自ホスト(localhost)なので、設定不要です。

WebOTX Object Broker JavaにおけるORB のプロパティ定義」を参照してください。



JMSの設定変更

・JMSサーバのホスト名の変更

otxadmin> set server.jms-service.jms-host.default_JMS_host.host=<hostname>

・JMSリソース(コネクションファクトリ)の接続先ホスト名の変更

otxadmin> set server.resources.jms-resource.jms-connection-factory.<CF name for JNDI>.wojmsBrokerHostName=<hostname>
JDBCの接続先のホスト名の変更

ドメインごとのconfig.propertiesに記述してある、JDBCのURLに含まれるホスト名を変更してください。

${AS_INSTALL}/domains/${DOMAIN_NAME}/wojms/instances/wojmsbroker/props/config.properties

JavaAP用のJMS管理対象オブジェクト(コネクションファクトリ)の接続先ホスト名の変更
${AS_INSTALL}/wojms/bin/wojmsobjmgr update -t qf -l <CF name for JNDI> -j wojmsBrokerHostName=<hostname>


JNDIクライアントの設定変更

クライアントアプリケーションでjava.naming.provider.urlシステムプロパティを用い、JNDIサーバのURLとして ホスト名を指定している場合は変更が必要です。

Cos名前サーバを経由しない場合(デフォルト動作)

-Djava.naming.provider.url=rmiiiop://<hostname>

Cos名前サーバを経由する場合

-Djava.naming.provider.url=corbaname://<hostname>

トランザクションの強制終了

以下の手順で、完了していないトランザクションを終了させる必要があります。

  1. モニタリングレベルの変更
  2. otxadmin> set server.monitoring-service.module-monitoring-levels.transaction-service=LOW
  3. トランザクション一覧取得
  4. otxadmin> get --monitor=true server.transaction-service.ActiveIds-Current

    上記コマンドを実行すると、残っているトランザクションが表示されます。トランザクションが残っている場合、以下のコマンドでトランザクションをすべて終了させてください。

  5. モニタリングレベルを戻す
  6. otxadmin> set server.monitoring-service.module-monitoring-levels.transaction-service=OFF
ドメインの停止

ドメインの再起動のために停止を行います。

otxadmin > stop-domain --remote ${DOMAIN_NAME}
namesv.ndfファイルの削除

以下のパスにあるバイナリファイル内に古いホスト名情報がキャッシュとして残っています。 ドメイン停止状態で削除してください。 このファイルは、ドメイン起動時に存在していなければ再作成されます。

${AS_INSTALL}/domains/${DOMAIN_NAME}/config/ObjectBroker/namesv.ndf

(注意) このファイルの削除を行わないと、名前サーバ(namesv)の起動が失敗します。名前サーバに依存関係のあるJNDIサーバの起動も失敗します。 この削除手順を忘れることが非常に多いので、注意してください。

domain.xmlの修正

ドメイン構成ファイル(domain.xml)に次のシステムプロパティが設定されている場合は、ホスト名の部分を新しいホスト名に修正してください。

ドメインの起動

ドメインの再起動を完了させます。

3.9 Windowsサービスアカウントの変更

Windows版 Standard EditionあるいはEnterprise Editionをインストールしたときに [ユーザアカウントの入力] 画面で指定したユーザアカウントは、Windowsサービス「WebOTX TPBASEadm」のログオンアカウントとして設定されます。

TPBASEadmプロセスは、このアカウントの環境変数を引き継ぐことになります。

このアカウント、パスワードを変更する場合は以下のように行ってください。

  1. Windowsのコントロールパネルから、[管理ツール]-[サービス]を実行する
  2. WebOTX TPBASEadmを選択し、右クリックでプロパティを開き、[ログオン]タブを表示する
  3. 指定されているアカウントとパスワードを指定する

指定するアカウントはAdministrators権限が必要です。また、 "サービスとしてログオン" の権限を持っている必要があります。

4 ドメインの運用操作

システムを構築、運用するための手順について説明します。

4.1 ドメインの運用操作の前に

4.1.1 Windows Server 2008

Windows Server 2008ではUAC(User Account Control)によりビルトインアカウントを除くユーザに対し特権の制限がかかります。 WebOTX ASではドメインの運用操作にはOSの管理者特権を必要とするため、特権昇格したコマンドプロンプトからドメインの運用操作を実行する必要があります。

ただし、WebOTX ASで管理者特権のチェックを行わせたくない場合はOSの環境変数に「AS_NO_UAC_CHECK=YES」を設定することでWebOTX ASで行う全てのUACに対する特権チェックを回避することが出来ます。

特権昇格したコマンドプロンプトを起動するにはコマンドプロンプトのショートカットの右クリックメニューから「管理者として実行」を選択して起動する方法などがあります。

4.2 ドメインの作成・削除

WebOTXのドメインを作成および削除する方法について説明します。作成・削除時はWebOTXサービスが起動している必要があります。

Windows Server 2008ではドメインの作成・削除は特権昇格したコマンドプロンプトから実行する必要があります。詳しくは「ドメインの運用操作の前に」を参照してください。

4.2.1 ドメインの作成

asant create-domainコマンドで生成します。その際、新規ドメインの設定を記述した<ドメイン名>.propertiesファイルが必要になります。asantコマンドは${AS_INSTALL}/binにあります。

新規にdomain2を作成する場合の手順を以下に示します。

  1. UNIXの場合、WebOTX運用ユーザでログインします。
  2. WebOTXインストールディレクトリ(${AS_INSTALL})に移動します。
  3. WebOTXインストールディレクトリに新規ドメイン用の<ドメイン名>.propertiesファイルを準備します。 domain2用のdomain2.propertiesはWebOTXインストールディレクトリにすでに配置されています。 domain2以外のドメインを新規作成する際は既存のdomain1.propertiesファイルあるいは domain2.propertiesファイルをコピーし、<ドメイン名>.propertiesにリネームしてください。
  4. <ドメイン名>.propertiesファイルの設定をエディタで編集してください。 propertiesファイルを参考に編集してください。 その際、使用するポート番号や識別名の設定が既存のドメインの設定と重複した場合、 同時にドメイン起動ができなくなるので注意してください。 (domain1.propertiesとdomain2.propertiesの設定は排他的になっています。変更を行わなければ 既定値で共存が可能です。)
  5. WebOTXサービスが起動していることを確認してください。(起動していない場合は、「サービスの起動・停止方法」の手順で起動します)
  6. 以下のコマンドを実行し、ドメインを作成します。
    bin/asant -buildfile setup.xml -Dfile=<ドメイン名>.properties create-domain
    ※ 管理ドメインの運用ユーザパスワードを変更した場合は、上記コマンドの引数に「-Dadmdomain.admin.password=<管理ドメインの運用ユーザパスワード>」を追加してください。
  7. 正常にドメイン作成を行えたならば、以下のコマンドで新規作成したドメインを起動します。
    bin/otxadmin start-domain <ドメイン名>
  8. (対象: Linuxを利用している場合)
    サーバOSとしてLinuxを利用している場合、次の設定がされている環境ではRMI通信によるリモート接続が行えないため、 運用管理ツールからドメインに接続できないという問題が発生します。

    上記の条件に当てはまる場合、作成したドメインに対して次の手順でJavaシステムプロパティを設定してください。

    1. 作成したドメインにログインします。
      otxadmin> login --user <管理ユーザ名> --password <管理ユーザパスワード> --port <管理ポート番号>
    2. Javaシステムプロパティを設定します。
      otxadmin> create-jvm-options -Djava.rmi.server.hostname=<ホスト名> 
    3. ドメインを再起動します。

  9. (対象: 複数のネットワークカードを利用している場合)
    WebOTXが動作するサーバが複数のネットワークカードを利用している場合、運用管理ツールからドメインへの接続が失敗することがあります。該当する環境を利用している場合、作成したドメインに対して次の手順でJavaシステムプロパティを設定してください。

    1. 作成したドメインにログインします。
      otxadmin> login --user <管理ユーザ名> --password <管理ユーザパスワード> --port <管理ポート番号>
    2. Javaシステムプロパティを設定します。
      otxadmin> create-jvm-options -Djava.rmi.server.hostname=<ホスト名、または、IPアドレス>
    3. ドメインを再起動します。

    ※ 設定内容は手順 8 と同じです。手順 8 を実施済みの場合、上記の手順を再度実施する必要はありません。
    ※ 本問題の詳細につきましては、セットアップガイド「2.3.7 複数のネットワークカードを利用している場合の設定」を参照してください。
propertiesファイル

<ドメイン名>.propertiesファイルで設定する各プロパティについて説明します。

実際に<ドメイン名>.propertiesに記述されるのはプレフィックスを含めた完全プロパティ名です。

たとえばドメイン設定項目のhostnameの完全プロパティ名はdomain.hostnameになります。

プロパティ名 説明 domain1の既定値
ドメイン設定項目(プレフィックス: domain.)
hostname ホスト名
※ホスト名に使える文字については、RFC 1034(DNS)として標準化されている、A-zのアルファベットと"." "-"の組み合わせになります。"_"(アンダースコアが含まれる場合や、数字から始まるホスト名は指定できません。
localhost
name ドメイン名
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください
domain1
admin.user 管理ドメインに対して定義されている管理ユーザ admin
admin.password 管理ユーザのパスワード adminadmin
admin.port エージェントが利用するJRMPのポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
6212
domain.admin.jmxmp.port エージェントが利用するJMXMPのポート番号
※下位互換用
必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
6712
instance.port HTTPサーバインスタンスが利用する HTTPの ポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
80
https.port SSLで保護されたHTTPポートの番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
443
http.admin.port Webコンテナが利用する管理コンソール用HTTPポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
5858
http.ajp.port mod_jk2を使用したHTTPサーバ-Webコンテナ連携ポートの番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
8099
jms.port JMS管理サーバが利用するポート番号
Web Editionの場合は無効です
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
9700
ipv6-enable IPv6優先
※ドメインのJavaシステムプロパティjava.net.preferIPv6Addressesの値に影響します
false
サーバライフサイクルモジュール設定(プレフィックス: server.internal-lifecycle-module.)
ObjectBrokerService.enabled Object Brokerサービス起動フラグ true
JNDIService.enabled JNDIサービス起動フラグ true
J2EEServer.enabled J2EEサーバ起動フラグ true
JMSProvider.enabled JMSサービス起動フラグ
Web Editionの場合は無視されます
true
WebContainerService.enabled Webコンテナサービス起動フラグ true
TransactionService.enabled Transactionサービス起動フラグ true
WebServerService.enabled Webサーバ(Apacheベース)サービス起動フラグ true
TPMonitorManagerService.
enabled
TPモニタ・マネージャサービス起動フラグ
Web Edition/Standard-J Editionの場合は無視されます。
true
SecurityService.enabled セキュリティサービス起動フラグ true
WSMgmtService.enabled Webサービス管理サービス起動フラグ true
Javaデバッグオプション設定(プレフィックス: server.java-config.)
debug-options Javaデバッグオプション -Xdebug -Xrunjdwp:transport=dt_socket,
server=y,suspend=n,address=4004
debug-enabled デバッグモードフラグ false
WebコンテナとWebサーバ連携設定(プレフィックス: domain.)
path ドメインのルートパス ${INSTALL_ROOT}/domains/ドメイン名
webserver.type WebServerの種別
インストール時に指定した以下のサーバタイプのいずれかを指定します。
  • WebOTX WebServer : (指定なし)
  • Apache HTTP Server 1.3: WebServer
  • Apache HTTP Server 2.0: WebServer2
  • Web/Standard-J Edition:(指定なし)
  • Std/Enterprise Edtion: WebServer2
webserver.path WebServerのインストールパス
  • Web/Standard-J Edition: (指定なし)
  • Std/Enterprise Edtion: ${INSTALL_ROOT}/WebServer2
webserver.name WebServer名 (指定なし)
webserver.plugin.querymode Webアプリケーションのコンテキスト名動的反映 on
Object Broker サービス設定(プレフィックス: server.objectbrokerservice.*)
oadj.Port oadjが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
9826
corbaloc.CorbalocDefaultPort URLでポート番号を指定しなかったときの値
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
2809
corbaloc.CorbalocServerPort corbalocサーバが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
9827
namesv.NameServicePort 名前サーバが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
2809
namesv.
NameServiceRoundRobin
名前サーバのラウンドロビン拡張機能 true
irsv. InterfaceRepositoryPort インタフェースリポジトリが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
9830
oad.OadPort 接続先のoadが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
9825
cnamesv.
CacheNameServicePort
キャッシュ名前サーバが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。 ※キャッシュ名前サーバはEnterprise Editionでのみインストールされます。
9829
Webコンテナサービス設定(プレフィックス: server.web-container.)
processMultiplicity Webコンテナ 動作モード
  • マルチプロセスモード:true
  • シングルプロセスモード:false
  • Web/Standard-J Edition: false
  • Standard/Enterprise Edition: true
TPモニタマネージャサービス設定(プレフィックス: tpsystem.)
systemNameW ドメインで動作するTPシステム名 8文字以内の英数字で指定
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
MySystem
systemID TPシステムを一意に識別するID
0〜255の間で指定
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
0
admListener.portNumber WebOTX Admリスナが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
5202
IIOPListener.
listenerPortNumber
WebOTX IIOPリスナが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
5151
OLFTPListener.
listenerPortNumber
WebOTX OLFリスナが使用するポート番号
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
5251
Transactionサービス設定(プレフィックス: server.transactionservice.*)
rcs-cpp-port C++版のRCSが使用するポート番号(Web Edition、およびStandard-J Editionでは使用されません)。
※必ずドメイン間で重複しないよう一意に設定してください。
5965

4.2.2 ドメインの削除

asant delete-domainコマンドで削除します。削除するドメイン名は-Ddomain.name=<ドメイン名>引数で指定して削除します。asantコマンドは${AS_INSTALL}/binにあります。

domain2を削除する場合の手順を以下に示します。

  1. UNIXの場合WebOTX運用ユーザでログインします。
  2. WebOTXインストールディレクトリに移動します。
  3. WebOTXサービスが起動していることを確認します(起動していない場合は、「サービスの起動・停止方法」の手順で起動します)
  4. Transactionサービスを利用したトランザクション管理を行っている場合は、Transactionサービスで提供するwotstxコマンドを使用して、全てのトランザクションが存在しないことを確認してください。トランザクションが残っている場合は全てのトランザクションを終了させてください。
  5. ドメインが起動している場合は停止します
  6. otxadmin> stop-domain domain2
  7. 以下のコマンドを実行します
  8. bin/asant -buildfile setup.xml -Ddomain.name=domain2 delete-domain

    ※ 管理ドメインの運用ユーザパスワードを変更した場合は、上記コマンドの引数に「-Dadmdomain.admin.password=<管理ドメインの運用ユーザパスワード>」を追加してください。

4.3 ドメインの確認

ドメインの状態を確認する方法について説明します。

4.3.1 ドメインの一覧確認

ドメインの一覧を確認するにはotxadmin list-domainsコマンドを実行してください。そのマシン上で動作するドメインの一覧とそれぞれの状態が表示されます。

注意:このコマンドはローカルマシンからしか実行できません。

otxadmin> list-domains
List of domains:
domain1 running
WebOTXAdmin running

各ドメイン名の表示につづけて以下のいずれかの状態が表示されます。

<ドメイン名> not running     (停止中)
<ドメイン名> starting        (起動処理中)
<ドメイン名> running         (稼働中)

補足 : WebOTXAdminは管理ドメインです。

4.3.2 ドメインの起動完了確認

ドメインの起動が完了し、サービスの要求を受け付けられる状態になっているか確認する方法について説明します。

イベントログによる確認

以下のメッセージがドメインの起動・停止完了時にイベントログへ通知されます。

OTX01205135: アプリケーションサーバ[domain1:server] の起動に成功しました。 (com.nec.webotx.enterprise.system.core)
ログファイルの出力による確認

以下のメッセージがドメインの起動・停止完了時に各ドメインのログファイル(webotx_agent.log)に出力されます。

9999-99-99 00:00:00,000 SLOGINFO com.nec.webotx.enterprise.system.core - OTX01205135: アプリケーションサーバ [domain1:server] の起動に成功しました。 [main] 

4.3.3 コマンドの実行ステータスによるサービスの状態確認

otxadminコマンドのgetコマンドを利用しWebOTXの各サービスの状態を確認します。

get コマンドの --exitstatusオプションを利用することでotxadminコマンドの終了コードに状態コードを反映させることができます。状態によってバッチ処理を行いたいような場合に利用することができます。

例: Webコンテナの起動状態を確認する(Windows)
otxadmin get --exitstatus=true --exiterrornum=-1 server.internal-lifecycle-module.WebContainerService.state
if %errorlevel%==1 echo WebContainer running!

状態コードは以下のように対応しています。

状態 状態表示(コード)
開始処理中(starting) 0
実行中(running) 1
停止処理中(stopping) 2
停止中(stopped) 3
起動・停止失敗(failed) 4
(APG)クライアント接続中(client connecting) 10
(PG)オペレーション実行中(process executing) 11
(PG)リカバリ処理中(recovery executing) 12

以下のサービスは状態表示をサポートしています。

サービス dottedmane
管理サービス server.internal-lifecycle-module.AdminService.state
アプリケーションサービス server.internal-lifecycle-module.ApplicationService.state
J2EEサーバ server.internal-lifecycle-module.J2EEServer.state
JMSプロバイダ server.internal-lifecycle-module.JMSProvider.state
JNDIサービス server.internal-lifecycle-module.JNDIService.state
ライブサイクルモジュールサービス server.internal-lifecycle-module.LifecycleModuleService.state
ObjectBrokerサービス server.internal-lifecycle-module.ObjectBrokerService.state
永続マネージャサービス server.internal-lifecycle-module.PersistenceManagerService.state
リモートJMXコネクタサービス server.internal-lifecycle-module.RemoteJmxConnector.state
WSRMサービス(※WSRM利用時のみ) server.internal-lifecycle-module.RmServiceLifecycle.state
セキュリティサービス server.internal-lifecycle-module.SecurityService.state
システムアプリケーションサービス server.internal-lifecycle-module.SystemApplicationService.state
トランザクションサービス server.internal-lifecycle-module.TransactionService.state
Webサービス管理 server.internal-lifecycle-module.WSMgmtService.state
Webコンテナサービス server.internal-lifecycle-module.WebContainerService.state
Webサーバ(※WebOTX Webサーバ利用時のみ) server.WebServer.state

4.4 ドメインの起動・停止

WebOTXのドメインを起動および停止する方法について説明します。

Windows Server 2008ではドメインの起動・停止は特権昇格したコマンドプロンプトから実行する必要があります。詳しくは「ドメインの運用操作の前に」を参照してください。

4.4.1 ドメインの自動起動設定

WebOTXサービス起動時にドメインを自動起動させるかどうかの設定について説明します。なおデフォルトでは作成したドメインは自動起動します。

ドメインの自動起動を行わないよう設定するには管理ドメインに対して以下のコマンドを実行します。

domain1の自動起動を無効に設定

※この操作は、対象となるドメイン(ここではdomain1)が停止している状態で行ってください。

# otxadmin
otxadmin> login --user admin -password **** --port 6202
otxadmin> invoke domain.disable domain1
otxadmin> exit

再度、自動起動を有効にするには管理ドメインに対して以下のコマンドを実行します。

domain1の自動起動を有効に設定

※この操作は、対象となるドメイン(ここではdomain1)が停止している状態で行ってください。

# otxadmin
otxadmin> login --user admin -password **** --port 6202
otxadmin> invoke domain.enable domain1
otxadmin> exit

4.4.2 管理ドメインの起動/停止

管理ドメインはWebOTXサービスと連動して起動、停止を行います。管理ドメインを起動・停止するにはWebOTXサービスを起動・停止させてください。なおサービスを停止すると全てのドメインは停止されます。

4.4.3 一般ドメインの起動/停止

特定のドメインを起動・停止させるには次のコマンドを実行してください。なおこのコマンドはローカルマシン上でのみ実行可能です。なおコマンドの実行は必ずWebOTX運用ユーザで行なってください。

起動
# otxadmin start-domain <domainname>
停止
# otxadmin stop-domain <domainname>

4.4.4 サービスでの運用とコマンドでの運用の違い

本節は Windows OS で運用している場合限定の内容であり、UNIX OS で運用している場合は対象外です。

start-domain、stop-domainコマンドによるドメイン運用はあくまで開発・評価時に対象となるドメインの起動・停止操作を速やかに行えることを第一の目的として提供しているコマンドです。

サービスからの運用方法との違いはプロセスを起動するユーザの違いに現れます。サービスから運用した場合、WebOTXの各種プロセスはシステムユーザとして起動されます。対して、運用管理コマンドから起動した場合は、運用ユーザのプロセスとして起動します。そのため、起動ユーザの環境設定に依存してしまい、運用時の思わぬトラブルの原因となってしまう場合があります。

そのため、本番環境での運用時にstart-domain、stop-domain コマンドによるドメイン制御は行わないようご注意ください(本番時はWebOTXサービスとして各ドメインの起動・停止処理を行う運用となります)。

なお、ユーザドメインに対して次のコマンドを実行することで、管理ドメインと同一のユーザプロセスとして起動することが可能です。既に管理ドメインをサービスとして起動していて、システムユーザとしてユーザドメインを運用したい場合にご利用ください。

otxadmin> login --user admin --password xxxx --port 6202
otxadmin> invoke domain.startDomain <domainname>

併せて、ドメイン停止時は管理ドメインに対して次のコマンドを実行してください。

otxadmin> login --user admin --password xxxx --port 6202
otxadmin> invoke domain.stopDomain <domainname>

4.5 運用ユーザの設定

WebOTX運用ユーザの設定は、otxadmin create-file-userおよび、otxadmin delete-file-userコマンドを用いて行います。

4.5.1 運用ユーザの作成

以下に、サーバhost1にあるdomain1(ポート番号6212)に対して、ユーザ名admin1、 パスワードadminadmin1の運用ユーザを作成する例を示します。

otxadmin> create-file-user --userpassword adminadmin1 --groups otxadmin --authrealmname admin-realm admin1

4.5.2 運用ユーザの削除

運用ユーザの削除は、delete-file-userコマンドで行います。コマンドを実行する際のオプションとして--authrealmnameでadmin-realmを指定してください。

otxadmin> delete-file-user --authrealmname admin-realm admin1

4.4.3 運用ユーザの注意事項

4.6 サービスの起動・停止

ドメイン上で動作している各サービスを起動、停止する方法について説明します。

4.6.1 各サービスの起動・停止方法

サービスを起動・停止するotxadminコマンドは、以下の表の通りです。

サービス名 起動コマンド 停止コマンド
JMSサービス invoke server.jms-service.start
または、
start-jms
invoke server.jms-service.stop
または、
stop-jms
JNDIサービス invoke server.jndi-service.start invoke server.jndi-service.stop
Object Brokerサービス invoke server.objectbrokerservice.start invoke server.objectbrokerservice.stop
Transactionサービス invoke server.transactionservice.start
または、
start-transaction-service
invoke server.transactionservice.stop
または、
stop-transaction-service
Webコンテナ invoke server.internal-lifecycle-module.WebContainerService.start invoke server.internal-lifecycle-module.WebContainerService.stop
Webサーバ* invoke server.WebServer.start invoke server.WebServer.stop
TPモニタ start-system stop-system

*: WebOTX Webサーバインストール時のみ

4.6.2 自動起動

ドメインの起動時にサービスを自動起動させるかどうかの設定方法について説明します。

自動起動の確認

現在の設定を確認するには次のコマンドを実行します。

otxadmin> get server.internal-lifecycle-module.<サービス名>.enabled

trueの場合は自動起動をする、falseの場合は自動を起動しない設定です。

<サービス名>は以下の表に従ってください。

サービス名 説明
JMSProvider JMSサービス
JNDIService JNDIサービス
ObjectBrokerService Object Brokerサービス
TransactionService Transactionサービス
WebContainerService Webコンテナ
WebServerService HTTPサーバ(ApacheベースWebOTX Webサーバ)
TPMonitorManagerService TPモニタ・マネージャサービス
例) Object Brokerサービスの自動起動設定を確認
otxadmin> get server.internal-lifecycle-module.ObjectBrokerService.enabled
server.internal-lifecycle-module.ObjectBrokerService.enabled = true
自動起動の設定

自動起動の設定を変更するには次のコマンドを実行します。

otxadmin> set server.internal-lifecycle-module.<サービス名>.enabled={ true | false }

<サービス名>は上記表を参照してください。trueの場合は自動起動設定、falseの場合は自動起動しないに変更します。

注意:表になりサービスの自動起動設定は変更しないでください。正常にドメインが起動しなくなります。

例: Object Brokerサービスが自動起動しないように設定する。
otxadmin> set server.internal-lifecycle-module.ObjectBrokerService.enabled=false

4.7 ポリシーファイルの設定

WebOTXはセキュリティポリシーによりアクセス権が明示的に設定されています。

WebOTXの各サービスが動作するために必要なセキュリティポリシーはデフォルトで以下のファイルに記述されています。

${INSTANCE_ROOT}/config/server.policy

アプレット (またはセキュリティマネージャの下で動作しているアプリケーション) が、ファイルの読み書きなど、セキュリティ保護された操作を行うためには、その操作を行うためにアクセス権を付与する必要があります。必要に応じてserver.policyファイルに必要な権限を設定するようにしてください。

WebOTXでは、各サービスの基本的動作に必要な権限に加え、統合運用管理ツールなどリモートからの運用操作に必要なアクセス権限をデフォルトで定義しています。リモート接続時に必要な権限は、プリンシパル javax.management.remote.JMXPrincipal "otxadmin"によって定義されています。

セキュリティポリシー、ポリシーファイルの記述に関する詳細は、Java SDK の 「セキュリティ」 に関する情報を参照してください。

http://java.sun.com/j2se/1.5.0/ja/docs/ja/guide/security/

4.7.1 新たなポリシーの付与

ドメイン停止状態でポリシーファイルを編集することによって、ポリシーを追加することが可能です。

例: ポリシーの追加
// Grant everyone the following permission:
grant {
    permission java.io.FilePermission "/tmp/*", "read,write";
};

この例では、/tmpディレクトリのすべてのファイルに対する、読み込みと書き込み権を全てのJavaクラスに与えます。

4.7.2 ポリシーファイル編集の際の注意点

4.8 Java VMの設定

WebOTX AS で既定としているJava VM オプションの変更方法とユーザ定義の独自のJava VM オプションの追加方法について説明します。

4.8.1 WebOTX AS で既定のJava VM オプションの設定方法


4.8.2 ユーザ独自のJava VMオプションの追加方法

ドメイン起動のJava VMに独自のオプションを設定する方法について説明します。

コマンドによる設定

運用管理コマンド(otxadmin)を利用することにより、任意の場所にあるライブラリをクラスパスに追加したり、Java VMの動作を調整するためのオプションを指定したりすることができます。なお運用管理コマンド「create-jvm-options」、「delete-jvm-options」については「運用管理コマンドリファレンスマニュアル」を参照してください。

注意:VMオプション削除時はプロパティ名だけでなく現在設定されているプロパティの値も指定してください。また、現在設定していいるプロパティを変更するにはいったん削除して作成しなおしてください。

以下のコマンドを実行します。

確認
otxadmin> get server.java-config.jvm-options
設定
otxadmin> create-jvm-options <オプション名>=<値>
削除
otxadmin> delete-jvm-options <オプション名>
例: -Dmy-debug-option=trueを追加
otxadmin> create-jvm-options -Dmy-debug-option=true

なお、「<オプション名>=<値>」の形式にならないオプションを設定、削除する場合は明示的にオプションの終了を示す':'(コロン)を最後に付け加えてください。

例) オプション -Xss(スレッドのネイティブスタックサイズ) の値を1024kとして追加

otxadmin> create-jvm-options -Xss1024k:

オペランドの前に'--'を記述することでも実行可能です。

otxadmin> create-jvm-options -- -Xss1024k

また、予めシステム側で設定しているオプションを参照したり、それらの値に変更を加える場合には、次のように指定してください。

確認
otxadmin> get server.java-config.system-jvm-options
設定
otxadmin> create-jvm-options --system <オプション名>=<値>
削除
otxadmin> delete-jvm-options --system <オプション名>
例) システム側で定義済みのシステムプロパティ java.ext.dirs(インストール型拡張機能の位置をオーバーライド)を変更
otxadmin> delete-jvm-options --system -Djava.ext.dirs=<現在のプロパティ値>
otxadmin> create-jvm-options --system -Djava.ext.dirs=<新規のプロパティ値>

注意:これらのオプション変更は慎重に行って下さい。誤ってオプションを削除したり、不正なオプションを指定すると、ドメインが起動しなくなる恐れがあります。

4.9 統計情報の取得

統計情報の採取および取得方法について説明します。なお詳細は「WebOTX運用編(モニタリング)」を参考にしてください。

4.9.1 統計情報の出力レベル設定

まず統計方法の出力レベルを設定します。otxadminのsetコマンドを利用してレベルを設定します。なおモジュールにより設定できる出力レベルが異なります。

otxadmin> set server.monitoring-service.module-monitoring-levels.<モジュール名>=<レベル>
指定できるレベル
設定可能な統計情報
モジュール 説明 設定できる値 既定値
connector-connection-pool コネクションプールに関する統計情報 OFF, ON OFF
connector-service コネクタサービスに関する統計情報 OFF, ON OFF
ejb-container EJBコンテナに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
http-service WebコンテナのHTTPサービスに関する統計情報 OFF, ON OFF
jdbc-datasource JDBCデータソースに関する統計情報 OFF, ON OFF
jms-service JMSサービスに関する統計情報 OFF, ON OFF
jvm JavaVMに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
thread-pool スレッドプールに関する統計情報 OFF, ON OFF
transaction-service トランザクションサービスに関する統計情報 OFF, LOW, HIGH OFF
web-container Webコンテナに関する統計情報
Webアプリケーションの統計情報を採取するには、運用管理コンソールの「統計情報」-「Web Applicationの統計情報」画面で統計情報の収集を開始(収集開始ボタンを押下)しておく必要があります。
OFF, ON OFF
例: jvmモジュールのレベルをHIGHに設定します
otxadmin> set server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jvm=HIGH

4.9.2 統計情報の出力レベル確認

現在の統計情報の出力レベルを確認するにはotxadminのgetコマンドを利用します。

例: 全てのモジュールのレベルを確認
otxadmin> get server.monitoring-service.module-monitoring-levels.*
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.connector-connection-pool = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.connector-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.ejb-container = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.http-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jdbc-datasource = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jms-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.jvm = HIGH
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.thread-pool = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.transaction-service = OFF
server.monitoring-service.module-monitoring-levels.web-container = OFF

4.9.3 統計情報の取得

統計情報の出力レベルをON,LOW,HIGHに設定すると、統計情報採取用のWebOTX統計MBeanが登録されますので、その属性をotxadminコマンドで取得することができます。

例: モジュールjvmの現在登録されている統計情報
otxadmin> get --monitor=true server.jvm.*
server.jvm.HeapFreeSize-Current = 34199456
server.jvm.HeapFreeSize-HighWaterMark = 34199456
server.jvm.HeapFreeSize-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapFreeSize-LowerBound = 0
server.jvm.HeapFreeSize-UpperBound = 518979584
server.jvm.HeapSize-Current = 73805824
server.jvm.HeapSize-HighWaterMark = 73805824
server.jvm.HeapSize-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapSize-LowerBound = 0
server.jvm.HeapSize-UpperBound = 518979584
server.jvm.HeapUsedRate-Current = 53
server.jvm.HeapUsedRate-HighWaterMark = 60
server.jvm.HeapUsedRate-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapUsedRate-LowerBound = 0
server.jvm.HeapUsedRate-UpperBound = 100
server.jvm.HeapUsedSize-Current = 39716224
server.jvm.HeapUsedSize-HighWaterMark = 39802144
server.jvm.HeapUsedSize-LowWaterMark = 0
server.jvm.HeapUsedSize-LowerBound = 0
server.jvm.HeapUsedSize-UpperBound = 518979584
server.jvm.UpTime-Count = 2507712

また、レベル設定後、otxadmin コマンド上でこれらの統計情報を定期的に取得するための monitor コマンドを用意しています。一定期間情報を取り続け、そのデータから分析を行う場合に有効です。

4.9.4 Transactionサービス(JTA)統計情報の取得

Transactionサービス(JTA)に関する統計情報の採取および取得方法について説明します。

パフォーマンスデータの取得方法
統合運用管理ツールを利用する場合

次の手順で実施します。

  1. 統合運用管理ツールよりドメインと接続します。
  2. ツリービューより「<ドメイン名>」-「統計情報」-[domain] -「アプリケーションサーバ」-「Transactionサービス」を選択すると右側に表示されます。ただしこのツリーは、モニタリングレベルがOFF以外に設定されている必要がありますのでご注意ください。設定方法については「モニタリングについて」を参照してください。

admingui

コマンドを利用する場合

次のコマンドで取得します。ただし統合運用管理ツールの場合同様に、モニタリングレベルがOFFに設定されている場合失敗します。

otxadmin> get --monitor=true server.transaction-service.*
server.transaction-service.ActiveCount-Count = 0
server.transaction-service.ActiveIds-Current = No Transactions exists.
server.transaction-service.ApplicationRolledbackCount-Count = 1
server.transaction-service.AverageTAT-Count = 26975
server.transaction-service.Committed2PCCount-Count = 2
server.transaction-service.CommittedCount-Count = 5
server.transaction-service.CompletedCount-Count = 7
server.transaction-service.DeletedCount-Count = 0
server.transaction-service.ForgottenCount-Count = 0
server.transaction-service.HeuristicCount-Count = 0
server.transaction-service.ResourceRolledbackCount-Count = 1
server.transaction-service.RolledbackCount-Count = 2
server.transaction-service.SystemRolledbackCount-Count = 0
server.transaction-service.TimedOutCount-Count = 0
server.transaction-service.TransferedCount-Count = 1
トランザクション一覧の取得、および操作方法

モニタリングレベルをLOW、あるいはHIGHに設定した場合には、統合運用管理ツール、およびotxadminコマンドを使用して実行中のトランザクション情報も取得することができます。また表示したトランザクションに対する操作も可能です。

なお、モニタリングレベルがOFFの場合はotxadminコマンドでは表示されません。

次にotxadminコマンドを使用したトランザクション一覧の取得、および操作について説明します。

トランザクション一覧の表示

otxadminコマンドを使用する場合、属性名を次のように指定します。

otxadmin> get --monitor=true server.transaction-service.ActiveIds-Current

これにより実行中トランザクションの一覧が確認できます。実行中のものが存在しない場合、

server.transaction-service.ActiveIds-Current = No Transaction Exists.

と表示されます。存在する場合は

server.transaction-service.ActiveIds-Current =
Transaction ID Status A/R Start Time
----------------+--------------------+-------+-------------------
0277689751350000 StatusCommitting     Active  2008/6/8 14:39:53
0384489751290000 StatusCommitting     Active  2008/6/8 14:39:54
0255289751170000 StatusPrepared       Active  2008/6/8 14:39:57
0277689749150001 StatusUnknown        Recover 2008/6/8 14:40:49
0384489749070001 StatusUnknown        Active  2008/6/8 14:40:51

のように表示されます。統合運用管理ツールでは前述の方法で実施すると右側ペインに上記のように表示されます。

次にそれぞれの項目について説明します。詳細については「コンフィグレーション」をご参照ください。

項目 説明
TransactionID トランザクション識別子です。これを利用してトランザクションの操作を実施します。
Status トランザクションの状態です。
A/R RCSにトランザクションが移管されているかどうかを表します。
「Active」の場合は移管されておらず、「Recover」の場合は移管されていることを示します。
Start Time トランザクションが開始された日時です。
トランザクションの操作

トランザクションの操作は次のように実施します。

統合運用管理ツールを利用する場合
  1. 統合運用管理ツールよりドメインと接続します。
  2. ツリービューより「<ドメイン名>」-「統計情報」-[domain]-「アプリケーションサーバ」-「Transactionサービス」を選択します。
  3. 右側に表示されるTransaction IDをコピーし、「Transactionサービス」ツリーを右クリックして上図のようなメニューを出します。
  4. 実施するコマンドを指定してください。なお、トランザクションの状態によって実行可能なコマンドが制限されます。詳細は「トランザクションの状態一覧」をご参照ください。
  5. 次のような画面が出ますのでparam1のところに3.でコピーしたTransaction IDを貼り付けて「実行」を押して処理を開始してください。

Transaction

コマンドを利用する場合
  1. otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインします。
  2. otxadmin> login
  3. それぞれ次のように、トランザクション識別子を指定してコマンドを実施します。ただしモニタリングレベルがOFFに設定されている場合失敗します。なお、この処理によってデータベースの状態が不安定になる可能性がありますので実行には十分注意が必要です。
  4. トランザクションの操作については、Transactionサービス(統合運用管理ツールの「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「Transactionサービス」ツリー)からも実施可能です。詳細については「Transactionサービスの運用操作」をご参照ください。

4.10 コード変換について

コード変換について説明します。

4.10.1 CORBA通信におけるコード変換

CORBA通信でのコード変換について説明します。

C++アプリケーションとJavaアプリケーション間のCORBA通信で、日本語データを送受信する場合には、文字化けが発生しないように、適切なコードセットの設定を行う必要があります。C++アプリケーションとJavaアプリケーション間ではそのコードセットの設定情報を交換して、どのようにコード変換を行うかを決定しています。個々の文字列の内容をチェックしている訳ではありません。そのため、実際にC++アプリケーションがどのような文字列を送受信するかによって、正しいNativeコードセットの設定を行っておく必要があります。例えば、C++アプリケーションでSJISの文字列をデータベースやファイルから読み込んで送受信するのであれば、NativeコードセットもSJISに設定する必要があります。

詳細については、次を参照してください。

Object Broker C++では、運用編「コンフィグレーション」の「WebOTX Object Broker C++における環境設定」 の「コードセットに関するオプション設定」を参照してください

を参照してください。

Object Broker Javaでは、

WebOTX アプリケーション開発ガイド- 第4部 7.2.Object Broker - Object Broker Java の機能 - 文字コードセットを参照してください。

4.10.2 Webアプリケーションの文字エンコーディングの設定について

Webアプリケーションでは、リクエストやレスポンスの文字エンコーディングをさまざまなところで指定することができます。以下に、場所に応じた文字エンコーディングの指定方法を説明します。

Servletの場合
リクエストパラメータ

Webブラウザから POSTメソッドで送付されるリクエストパラメータは、javax.servlet.ServletRequest.getParameter() を使って取得しますが、このパラメータを取得する際の文字エンコーディングは次のメソッドで指定します。

javax.servlet.ServletRequest.setCharacterEncoding()

このメソッドは、getParameter() の前に呼び出す必要があります。

レスポンス

Servlet からクライアントに出力するレスポンスの文字エンコーディングは次のメソッドで指定します。

javax.servlet.ServletResponse.setContentType()

引数として、"text/html; charset=Shift_JIS" のように指定します。このメソッドは、PrintWriterを取得する前に呼び出す必要があります。

JSPの場合
リクエストパラメータ

Servlet の場合と同様です。

レスポンス

JSP からクライアントに出力するレスポンスの文字エンコーディングは次のように pageディレクティブで指定します。

<%@ page contentType="text/html; charset=Shift_JIS" %>

また、JSPファイル自体がどの文字エンコーディングで保存されているかを指定する要素として次のものがあります。

<%@ page pageEncoding="Shift_JIS" %>

もし、上記の指定をしていない場合、デフォルトの "ISO-8859-1" となりますが、このデフォルト値を変更する事も可能です。

変更するには、次のように otxadmin コマンドを使って default-encoding プロパティで指定します。ドメインを起動したあと、次のようにコマンドを実行してください。

otxadmin> set server.web-container.property.default-encoding=Shift_JIS

また、JSP を事前コンパイルする場合のデフォルト文字エンコーディングは nec-web.xml で次のように指定します。

<jsp-config>
    <property name="precompileDefaultEncoding" value="Shift_JIS"/>
</jsp-config>

なお、デフォルト文字エンコーディングの指定は JSP をコンパイルする時に決定します。事前コンパイルした場合は nec-web.xml の指定が、そうでない場合は default-encoding プロパティ指定が有効になります。事前コンパイルでない場合、指定を変更するには Webアプリケーションを再配備し、JSP を再コンパイルする必要があります。

4.11 Javaプロセスの監視・管理

ドメイン内で起動するJavaプロセス(JVM)を監視・管理する方法について説明します。
方法は幾つかあり、それぞれ対象となるJavaプロセスやその表示形式が異なりますので、目的に応じて使い分けて下さい。

4.11.1 運用管理ツールによる監視・管理

WebOTXが提供する各種運用管理ツールを使用してJavaプロセスの監視・管理を行います。
この方法では、次のJavaプロセスが監視・管理の対象となります。

統合運用管理ツール

ドメインに接続後、「<ドメイン名>」-「統計情報」-「domain」-「アプリケーションサーバ」-「JVM」を選択すると、画面右側に監視情報が表示されます。

admingui

運用管理コマンド

ドメインにログイン後、JVMの統計情報に対するコマンド表記名(server.jvm)を使用して、次のコマンドを実行します。

otxadmin> get --monitor=true server.jvm.*

デフォルトの状態では、ヒープの消費状況や実行時間についての情報を参照することができます。

より詳細な情報を参照するためには、JVMに対するモニタリングレベルを変更します。モニタリングレベルに応じて、次のような情報を参照することができます。

監視対象 説明 モニタリングレベル 統合運用管理ツール
「<ドメイン名>」-「統計情報」-「domain」-「アプリケーションサーバ」-「JVM」を基準
運用管理コマンド
コマンド表記名(CLIName)
"get --monitor=true <CLIName>.*"を実行
クラスローディングシステム JVM内で使用されるクラスのロードに関する情報を監視します。 LOW,HIGH 「JVM」配下 server.jvm.class-loading-system
コンパイルシステム JVM内で実行されるコンパイル処理に関する情報を監視します。 LOW,HIGH 「JVM」配下 server.jvm.compilation-system
ガベージコレクタ JVM内で実行されるGC処理に関する情報を監視します。 LOW,HIGH 「JVM」-「メモリシステム」-「<ガベージコレクタ名>」配下 server.jvm.garbage-collectors.<ガベージコレクタ名>
メモリシステム JVM内でのメモリの消費状況や、メモリプールに関する情報を監視します。 概要:LOW,HIGH
プール単位:HIGH
概要:「JVM」配下
プール単位:「JVM」-「メモリシステム」-「<メモリプール名>」
概要:server.jvm.memory
スレッド単位:server.jvm.memory.<メモリプール名>
オペレーティングシステム JVMが動作するOSに関する情報を監視します。 LOW,HIGH 「JVM」配下 server.jvm.operating-system
実行時システム JVMの実行に関する情報を監視します。 LOW,HIGH 「JVM」配下 server.jvm.runtime
スレッドシステム JVM内で生成されるスレッドに関する情報を監視します。 概要:LOW,HIGH
スレッド単位:HIGH
概要:「JVM」配下
スレッド単位:「JVM」-「スレッドシステム」-「<スレッド名>」
概要:server.jvm.thread-system
スレッド単位:server.jvm.thread-system.<スレッド名>

なお、各監視対象で参照可能な監視項目の詳細については、運用編(モニタリング)を参照してください。

統合運用管理ツール

「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「モニタリングサービス」-「モジュールモニタリングレベル」を選択し、画面右側に表示される設定項目「JVM」の値を LOW もしくは HIGH に変更し、「更新」ボタンを押します。

admingui

運用管理コマンド

次のコマンドを実行します。

※監視を終了する場合は、モニタリングレベルを OFF に戻して設定を更新してください。

また、統合運用管理ツールでは、定期的な情報採取によりこれまでに取り上げた監視項目をグラフ化表示したり、監視項目が一定条件を満たした際にその旨を通知画面に出力したりすることができます。一方で、運用管理コマンドではJVMヒープ情報に関して、定期的な情報採取により監視項目をプロンプト画面に出力することができます。詳しくは、運用管理ツール「統計情報」を参照してください。

4.11.2 jconsoleによる監視・管理

JDK 5.0およびJDK6.0に付属のJMX(Java Management Extensions)仕様に準拠した監視ツールjconsoleを利用して、Javaプロセスの監視・管理を行います。
この方法では、次のJavaプロセスが監視・管理の対象となります。

また、jconsoleに関する詳しい説明は、使用するバージョンに応じてSunの公式サイトを参考にして下さい。

但し、jconsoleをWebOTXと同じマシン(ローカル)で動作させるか、異なるマシン(リモート)で動作させるかによってパラメータ指定画面が異なります。以下に接続例を示します。

jconsoleをWebOTXと同じマシン(ローカル)で動作させている場合

JDK5.0JDK5.0付属jconsole画面

JDK6JDK6付属jconsole画面

「ローカル」タブ(JDK5.0版)/「ローカルプロセス」(JDK6版)をクリックし、接続候補リストの中から「クラスと引数」(JDK5.0版)/「名前」(JDK6版)列に“com.nec.webotx.enterprise.server.WOLaunch start”(JMXエージェントへの接続)が表示されている行を選択し、「接続」ボタンを押します。

※上記以外のJavaプロセスを監視する場合には、「3.3 動作プロセスについて」で記載されている引数情報を参考に対象のプロセスを選択してください。

jconsoleをWebOTXと異なるマシン(リモート)で動作させている場合

JDK5.0JDK5.0付属jconsole画面

JDK6JDK6付属jconsole画面

「リモート」タブ(JDK5.0版)/「リモートプロセス」(JDK6版)をクリックし、「ホストまたはIP」列に接続先のホスト名またはIPアドレスを、「ポート」にはドメインの管理ポート番号を入力します(JDK5.0版)。あるいは、入力フィールドに<ホスト名>:<ポート>の形式で入力します(JDK6版)。「ユーザ名」と「パスワード」には、ドメインに対して設定されている運用ユーザ名とパスワードを入力します。

パラメータ指定後、「接続」ボタンを押します。

接続に成功すると、以下のような画面が表示されます。

JDK5.0JDK5.0付属jconsole画面

JDK6JDK6付属jconsole画面

初期表示画面では「概要」タブが選択されており、監視対象のJVMに関するパフォーマンス情報とリソース消費情報、およびOSに関するリソース情報が表示されます。

この他の画面では、カテゴリ毎に情報が細分化され、それらの監視項目がグラフィカルに表示されます。以下に、各表示項目について簡潔に説明します。

gaiyo

(※)WebOTXでは、高機能化の実現にあたり、独自にJMX仕様を拡張させたMBeanを使用しています。そのため、そのMBeanを示すツリーノードは画面左側に表示されますが、ノードをクリックした場合、jconsoleでは対応しきれず以下のエラーメッセージが表示されます。

JMXError

これらのMBeanは通常システム内部でのみ使用するため、ユーザが参照する必要はありません。これらのMBeanは、システム内部および「統合運用管理ツール」や「運用管理コマンド」などから参照されます。

4.11.3 統計レポート出力

運用管理コマンドを使用して、Javaプロセスに対する様々な監視項目をレポート形式で出力します。
この方法では、次のJavaプロセスが監視・管理の対象となります。

指定したドメインにログイン後、以下に示すコマンドを入力することで、ドメイン内のJavaプロセスに対して対象となる監視項目を画面に表示することができます。

otxadmin> generate-jvm-report --type <統計情報のタイプ名> <サーバ名>

<統計情報のタイプ名>には、summary、memory、class、thread のいずれかを指定します。<サーバ名>には、情報取得の対象となるサーバ(Javaプロセス)の名前を指定します。サーバ名は次のようになります。

なお、--type オプションが省略された場合は<統計情報のタイプ名>に "summary" が、<サーバ名>が省略された場合は "server" がデフォルトとして指定されます。

プロンプトの設定状況によっては記述の途中で改行されたり、最初の方の出力結果が表示されない場合があります。一方で、出力結果をファイルに保存したい場合があります。その際は、コマンドの実行結果を任意のファイルにリダイレクトする等の方法が有効です。

otxadmin generate-jvm-report --user <ユーザ名> --password <パスワード> --host <ホスト名> --port <ポート番号> --type thread server > <出力先ファイルパス>

4.11.4 GCログ出力

JavaプロセスにおけるGC処理の様子をファイルへ出力します。
この方法では、次のJavaプロセスが監視・管理の対象となります。

統合運用管理ツール

ドメインに接続後、「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「JVM構成」を選択し、画面右側に表示される「GC」タブ内の設定項目-「GC情報の出力」にチェックを入れます。この状態では、標準出力用のログファイルであるserver.log(${INSTANCE_ROOT}/logs配下)に出力されますので、任意のファイルにGCログ情報を出力するためには、さらに同タブ内の項目「GC情報の出力先」にて、ファイル出力先のフルパスを指定して下さい。
設定後、「更新」ボタンを押します。設定は、ドメインの再起動後に反映されます。

admingui

運用管理コマンド

ドメインにログイン後、次のコマンドを実行します。

otxadmin> set server.java-config.verbose-gc-enabled=true

※GCログの採取を終了する場合は、設定を元の状態に戻します(運用管理コマンドの場合は値をfalseに設定)。

なお、ドメイン再起動の度に過去のGCログファイルは上書きされますので、ログを残す場合にはドメイン起動の前にファイルを別の場所に退避するか、リネームするなどの処置を行ってください。

出力結果例
3.886: [GC 16446K->3056K(62848K), 0.0165272 secs]
9.617: [GC 19504K->4723K(62848K), 0.0174459 secs]
16.169: [GC 21171K->7358K(62848K), 0.0296354 secs]
17.911: [GC 11882K->7984K(62848K), 0.0125603 secs]
17.924: [Full GC 7984K->7787K(62848K), 0.1311320 secs]
        :

上記出力例の場合、1行目のログは、JVMが起動してから3.886秒後に、GCによってJavaヒープ領域内のオブジェクトの合計サイズが16,446K(≒16M)バイトから3,056K(≒3M)バイトに減少したことを示します。すなわち、このGCにより13,390K(≒13M)バイトの領域が解放されたことになります。また、カッコ内の数値は、現在のJavaヒープ全体のサイズが62,848K(≒62M)バイトであることを示します。最後の数値は、このGCに要した時間で、0.0165272(≒17ミリ)秒となります。
なお、ログ中の "GC" は、Scavenge GC、"Full GC" は、フルGC が発生したことを示します。

GC

より詳細なGC情報を参照するためには、JVMオプションを追加します。オプションに応じて、次のような情報を参照することができます。

オプション 説明
-XX:+PrintGCDetails GCに関する詳細情報を表示します。
-XX:+PrintGCTimeStamps GCの詳細情報にタイムスタンプを追加します。
-XX:+PrintHeapAtGC GC前後のヒープの使用状況を表示します。
-XX:+PrintTenuringDistribution オブジェクトの生存回数や殿堂入りに関する情報を表示します。
統合運用管理ツール

「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「JVM構成」を選択し、画面右側に表示される「JVMオプション」タブ内の設定項目-「JVMオプション」に上述のオプションを追加し、「更新」ボタンを押します。

運用管理コマンド

次のコマンドを実行します(上述のオプションを全て指定する場合)。

otxadmin> create-jvm-options -- "-XX\:+PrintGCTimeStamps"
otxadmin> create-jvm-options -- "-XX\:+PrintGCDetails"
otxadmin> create-jvm-options -- "-XX\:+PrintHeapAtGC"
otxadmin> create-jvm-options -- "-XX\:+PrintTenuringDistribution"

GCログの採取を終了する場合は、オプションを削除します(運用管理コマンドの場合は delete-jvm-options コマンドにて各オプションを指定し削除)。

上述のオプションを全て指定した場合の出力結果例
3.970: [GC {Heap before gc invocations=0:
 def new generation   total 19648K, used 17472K [0x10010000, 0x11560000, 0x1aab0000)
  eden space 17472K, 100% used [0x10010000, 0x11120000, 0x11120000)
  from space 2176K,   0% used [0x11120000, 0x11120000, 0x11340000)
  to   space 2176K,   0% used [0x11340000, 0x11340000, 0x11560000)
 tenured generation   total 43712K, used 0K [0x1aab0000, 0x1d560000, 0x30010000)
   the space 43712K,   0% used [0x1aab0000, 0x1aab0000, 0x1aab0200, 0x1d560000)
 compacting perm gen  total 65536K, used 7519K [0x30010000, 0x34010000, 0x38010000)
   the space 65536K,  11% used [0x30010000, 0x30767e60, 0x30768000, 0x34010000)
No shared spaces configured.
3.971: [DefNew
Desired survivor size 1114112 bytes, new threshold 1 (max 15)
- age   1:    2228224 bytes,    2228224 total
: 17472K->2176K(19648K), 0.0265893 secs] 17472K->3213K(63360K)Heap after gc invocations=1:
 def new generation   total 19648K, used 2176K [0x10010000, 0x11560000, 0x1aab0000)
  eden space 17472K,   0% used [0x10010000, 0x10010000, 0x11120000)
  from space 2176K, 100% used [0x11340000, 0x11560000, 0x11560000)
  to   space 2176K,   0% used [0x11120000, 0x11120000, 0x11340000)
 tenured generation   total 43712K, used 1037K [0x1aab0000, 0x1d560000, 0x30010000)
   the space 43712K,   2% used [0x1aab0000, 0x1abb3790, 0x1abb3800, 0x1d560000)
 compacting perm gen  total 65536K, used 7519K [0x30010000, 0x34010000, 0x38010000)
   the space 65536K,  11% used [0x30010000, 0x30767e60, 0x30768000, 0x34010000)
No shared spaces configured.
}
, 0.0268294 secs]
        :

この場合のログは、ヒープ内の各メモリ領域ごとに非常に詳細なGC情報が出力されますが、JVMのベンダーによってその出力形式が異なるため、解析の際には各ベンダーが提供する専用のツールなどをご利用ください。

4.12 接続プロトコルの変更

クライアントからドメインに接続を行う際に使用するプロトコルはデフォルトではJRMPとなっています。WebOTXではJRMP以外にも 下位互換用のプロトコルとしてJMXMPを提供しています。また、SSLを利用した接続もサポートしています。

4.12.1 JMXMPを利用する手順

下位互換用のプロトコルJMXMPを利用する手順について説明します。

4.12.2 SSLを利用する手順

SSLを利用してクライアントからドメインに接続する手順について説明します。SSLはJMXMP利用時は使用することはできません。JRMP利用時のみ可能です。

  • ドメインの設定

    SSLを有効にするために、以下のコマンドを実行し、ドメインを再起動してください。

    otxadmin> set server.admin-service.jmx-connector.system.security-enabled=true
  • クライアント

    SSLを利用してドメインに接続するにはコマンドに--secureオプションでtrueを指定してください。loginコマンドの実行例を以下に示します。

    otxadmin> login --user admin --password adminadmin --port 6212 --secure=true

    5 リソースの追加・削除

    リソースの追加・削除は統合運用管理ツールもしくは運用管理コマンド(otxadmin)で行うことができます。

    5.1 提供リソース一覧

    WebOTXで提供するリソースの一覧を以下に示します。なお個々のリソースについての詳細は運用編「MO定義リファレンス」を参照してください。

    リソース 説明 ドット区切りの名前
    admin-object-resource アドミンオブジェクトリソース server.resources.admin-object-resource.<リソース名>
    connector-connection-pool コネクションプール server.resources.connector-connection-pool.<リソース名>
    connector-resource コネクタリソース server.resources.connector-resource.<リソース名>
    custom-resource カスタムリソース server.resources.custom-resource.<リソース名>
    external-jndi-resource JNDIリソース server.resources.external-jndi-resource.<リソース名>
    jdbc-datasource JDBCデータソース server.resources.jdbc-datasource.<リソース名>
    jms-connection-factory JMSコネクションファクトリリソース server.resources.jms-resource.jms-connection-factory.<リソース名>
    jms-logical-destination JMS送信先リソース server.resources.jms-resource.jms-logical-destination.<リソース名>
    jms-resource JMSリソース server.resources.jms-resource
    persistence-manager-factory-resource 永続化リソース server.resources.persistence-manager-factory-resource.<リソース名>
    resource-adapter-config リソースアダプタ server.resources.resource-adapter-config.<リソース名>
    resources リソースの親MO server.resources

    5.1.1 統合運用管理ツールから設定

    1. 統合運用管理ツールよりドメインと接続します。
    2. ツリービューより「リソース」を選択します。
    3. さらに追加もしくは削除したいリソースの種別を選択します。
    4. 右クリックを行い追加する場合「XXXXの登録」を、削除する場合「XXXXの削除」を実行してください。
    5. 登録の場合、表示された画面に登録するのに必要な情報を設定して「実行」ボタンをクリックしてください。削除の場合削除するリソースを選択し「実行」ボタンをクリックしてください。

    Resource

    5.1.2 コマンドから設定

    コマンドでリソースを追加したり、削除したりすることが出来ます。なお各コマンドの詳細については運用編「運用管理コマンドリファレンスマニュアル」を参照してください。

    コマンド 説明
    add-resources 指定されたXMLファイルへリソースを登録
    create-connector-resource 指定されたJNDI名でのリソースの登録
    create-custom-resource カスタムリソースの登録
    create-javamail-resource JavaMailリソースの登録
    create-jdbc-datasource JDBCデータソースの登録
    create-jms-resource JMSリソースの登録
    create-jndi-resource JNDIリソースの登録
    create-persistence-resource 永続化リソースの登録
    delete-connector-resource 指定のコネクタリソースの削除
    delete-custom-resource カスタムリソースの削除
    delete-javamail-resource JavaMailリソースの削除
    delete-jdbc-datasource JDBCデータソースの削除
    delete-jms-resource JMSリソースの削除
    delete-jndi-resource JNDIリソースの削除
    delete-persistence-resource 永続化リソースの削除

    6 バックアップ/リストア

    作成したドメインの環境をバックアップ、リストアする手順について説明します。

    6.1 ドメイン環境の自動バックアップ

    WebOTXでは、ファイル書き込み中の電源障害による設定ファイルの破損や、設定変更のミスによりドメインが正常に起動できなくなった場合に備え、前回正常起動した時の状態を自動でバックアップしています。バックアップからファイルを復元することで前回正常起動した状態まで環境を元に戻すことができます。

    6.1.1 自動バックアップの注意事項

    6.1.2 自動バックアップの設定変更

    ドメイン環境の自動バックアップでは、各ドメイン毎の${INSTANCE_ROOT}配下のファイルを以下のディレクトリに自動でバックアップしています。(デフォルトでは、前回3回分の正常起動時のファイルがfiles1〜files3のディレクトリ名で保存されています。)

    ${INSTANCE_ROOT}/backup/files1〜files3

    バックアップ世代数の変更を変更する場合は、以下の手順を行ってください。世代数は0から3の間で設定できます。以下の例は世代数を1に変更する場合です。1の部分を設定する世代数にあわせて変更してください。

    otxadmin> set domain.num-config-backup-generations=1

    ドメイン環境の自動バックアップされるディレクトリを指定することができます。domain.backup-optionに値を設定することで、バックアップ対象を指定することができます。設定できる値はall、またはconfigsとなります。(デフォルトではallが指定されています。)

    以下のように設定を行います。

    otxadmin > set domain.backup-option=all

    または、

    otxadmin > set domain.backup-option=configs

    バックアップされるディレクトリの一覧は以下のようになります。

    バックアップされるディレクトリ domain.backup-option=allの場合 domain.backup-option=configsの場合
    applications ×
    autodeploy ×
    backup × ×
    bin ×
    config
    diagnostic-reports × ×
    docroot ×
    generated ×
    java-web-start ×
    jbi(Enterprise Service Busを利用の場合)
    lib ×
    logs × ×
    session-store ×
    stats ×
    wojms ×

    6.1.3 自動バックアップからの復元

    以下では、前回正常起動時の状態にドメイン環境を戻す方法について説明します。

    (作業の前には、次章のバックアップ手順を参照してバックアップをとってください。)

    1. ドメインを停止します。
    2. bin/otxadmin stop-domain WebOTXAdmin
    3. 前回正常起動時のドメイン環境に復元します。
    4. bin/otxrecovery <ドメイン名>

      この操作により、上記で指定したドメインの環境(=${INSTANCE_ROOT}配下)が前回正常起動時の状態に復元されます。復元前の(ドメインの起動に失敗した環境の)各種ファイルは、デフォルトでは${INSTANCE_ROOT}配下に作成される一時保管領域であるfailedディレクトリ内に移動されます。

      なお、クラスタ環境構築などにより、ドメイン環境が<WebOTXインストールディレクトリ>\domains配下に存在しない場合や、ディスク容量不足などの理由で、バックアップ領域や一時保管領域を別のディスク領域に変更する場合は、以下のように指定してくください。

      bin/otxrecovery <${INSTANCE_ROOT}の値> <バックアップ格納場所> <一時保管場所>
      例:
      bin/otxrecovery D:\domains\domain1 D:\domains\domain1\backup D:\domains\domain1\failed

    6.1.4 復元時の注意事項

    6.2 環境の退避

    環境の退避は、バージョンアップ前の環境を保存したり、環境の移行の際の移行前の環境を保存するといった際に利用します。バージョンアップの際には、旧バージョンのWebOTXをアンインストールする前に行ってください。

    以下は、各々のOSについての環境の退避する必要のあるファイルの一覧です。

    環境の退避はWebOTXを停止した状態で行ってください。

    6.2.1 Windows

    6.2.2 HP-UX, Solaris, Linux

    6.3 同一環境にリストアする手順

    バックアップした環境からWebOTXの環境をリストア(復元)します。

    以下では、各々のOSについての環境のリストアする手順について説明します。

    ただし、同一環境にリストアする場合でも、ドメインの構成に変更がある環境やアンインストール後のリストアの場合は、「異なる環境にリストアする手順」で示した手順を用いてOSのサービス登録情報などを復元する必要があります。

    6.3.1 Windows

    バックアップした次のファイルを元の場所にコピーしてください。

    6.3.2 HP-UX, Solaris, Linux

    バックアップした次のファイルを元の場所にコピーしてください。

    6.4 異なる環境にリストアする手順

    WebOTXの環境を別のマシンに移行する場合の手順は以下のとおりです。ただし、移行前のマシンと移行後のマシンで別々のWebOTXのライセンスを利用する場合は、移行前のマシンのWebOTXを削除する必要はありません。

    1. 移行前のマシンの環境の退避
    2. バックアップ手順 を参照してください。

    3. 移行前のマシンの環境の削除
    4. 移行前のマシンのWebOTXをアンインストールしてください。UNIX版の場合は、設定したライセンスも削除してください。

    5. 移行後のマシンへのWebOTXのインストール
    6. 移行するマシンにWebOTXをインストールしてください。

    7. 設定ファイルの復元
    8. 移行前にバックアップした以下の設定ファイルを移行後のマシンに復元します。(domains配下のファイルについては、ここではリストアしないでください。)

    9. 移行後の環境設定
    10. 移行後のマシンのWebOTXインストールフォルダが異なる場合は以下のファイルを修正します。

    11. ドメインの作成
    12. ドメインを作成します。ドメインを作成することでOSのサービス登録情報などを復元します。

      WebOTXインストールディレクトリ配下に先ほど復元した、ドメイン設定ファイル(xxx.properties)ファイルを使ってドメインを作成します。以下のコマンドを実行してください。ドメインが複数ある場合はすべてのドメインについてcreate-domainコマンドを実行します。また、インストール時にデフォルトで作成されるdomain1 を利用しない場合は delete-domainコマンドにて削除します。

      .\bin\otxadmin start-domain WebOTXAdmin
      .\bin\otxadmin stop-domain domain1 (※domain1を利用しない場合)
      .\bin\asant -buildfile setup.xml -Ddomain.name=domain1 delete-domain (※domain1を利用しない場合)
      .\bin\asant -buildfile setup.xml -Dfile=xxx.properties create-domain
      …
      .\bin\otxadmin stop-domain WebOTXAdmin
    13. ドメイン環境を復元
    14. 移行前にバックアップしたdomains配下のファイルを移行後のマシンに上書きして復元します。

    6.5 ドメイン構成ファイル(domain.xmlとdomains-config.xml)の自動復旧機能

    WebOTXでは、これまでに紹介したバックアップ機能を更に強化し、特にドメインの起動を妨げるような状況に陥るのをできるだけ回避するよう、ドメインの構成情報を格納する2つの重要なファイル(domain.xml、およびdomains-config.xml)については、更新時にリアルタイムにバックアップを取るようにしています。そして、ファイル破損等の万一の障害の際には自動でバックアップファイルから復旧するよう強化しています。これにより、障害の影響でドメインが正常に起動しなくなったといったような問題が大幅に解決されます。

    自動復旧機能の対象となるファイルは以下の場所に格納されています。

    ${INSTANCE_ROOT}/config/domain.xml

    ${INSTANCE_ROOT}/config/domains-config.xml (管理ドメインのみ)

    これらのファイルに対して本機能が正常に実行された場合は、webotx_agent.log に以下のようなメッセージが出力されます。

    (例) ドメイン構成ファイル domain.xml が不正なため読み込みに失敗しましたが、バックアップファイルによってリカバリされ、正常に読み込まれました。

    なお、これらのバックアップファイルは同じディレクトリ内に“.backup”という拡張子で必要時に作成されますので、以下の事項にご注意願います。

    6.5.1 注意事項