WebOTX Manual V10.4 (第4版) 目次を表示 |
3. WebOTX V6.5の新機能 |
ここでは、WebOTX V6.5のリリースで新しく追加された機能を説明します。
3.1. Process Conductor |
Process Conductorは、ビジネスプロセスを実行・管理するビジネスプロセス管理基盤です。 標準化団体OASISで策定されているビジネスプロセス定義言語の標準仕様であるWS-BPEL 2.0をサポートし、 さまざまなケースに対応した業務プロセスを実現することができます。
Process Conductorの機能
Process Conductorの主な機能を次に示します。
OASISで策定中のWS-BPEL 2.0最新仕様(Rev01.161 2006.06.23)をフルサポートしたビジネスプロセス実行エンジンを提供します。
プロセスの基本動作である「逐次処理」、「繰り返し処理」、「条件分岐」、をはじめ、「並列実行」、「タイマー処理」 、「選択受信(接続先のパートナー、オペレーションにより受信処理を設定 )」、「エラーや例外発生の捕捉処理」、「キャンセル処理」、「例外のスロー」などの高度なビジネスプロセス制御および、外部サービスとの「同期接続」、「非同期接続」などの記述が可能です。これにより、複雑かつ高度な制御を容易に行うことが可能です。
Webによるビジネスプロセス運用環境を提供します。 リモートでのビジネスプロセスの登録や、ログ参照によるプロセス実行状況の確認が可能となります。
BPEL定義やWSDL定義の開発機能を提供します。上流モデリングツールとの連携により、業務分析からビジネスプロセスの実装まで一貫した開発が可能となります。
3.2. Gateway Builder |
Gateway Builder は、柔軟なシステム間連携の構築を目的としたアプリケーションの開発支援ツールです。 Developer's Studio のプラグインとして、ACOS-4 のオンライン業務の画面定義情報(MFDLソース)からWebアプリケーションを自動生成する機能を提供します。
Gateway Builderが自動生成するWebアプリケーションは、デザイン(JSP, servlet)とロジック(EJB)が分離された構造となっているため、 ブラウザ表示の目的に応じたカスタマイズ、業務ロジックのEJB部品化と呼び出し、OLF/TPアダプタのJCA技術を用いたACOS-4連携(流量制御、モニタリング、統計情報)など ACOS-4業務の高信頼性、運用性と調和したシステム間連携を柔軟に実現することができます。
Gateway Builderの機能
Gateway Builderの主な機能を次に示します。ACOSオンライン業務の画面定義(MFDLソース)から連携Webアプリケーションを自動生成します。 カスタマイズ可能な JavaEE準拠のソース(JSP, servlet, EJB)を APサーバへの配備記述子を含めて生成します。
MFDLナビゲータは、ACOS-4上の MFDLソースを FTPアクセス機能に加え、LMFD(論理定義)とPSFD(物理定義)のペアを自動抽出する機能を提供します。 煩雑なソース管理を避けた ACOS-4の資産活用を支援します。 ETOS画面プレビューは、MFDLソースからETOS画面を再現する機能です。画面デザインの視覚化として、COBOL名標で示されたデータが画面上のどこに配置されるかを示します。 MFDLソースアクセス時や開発時に参照することで、より視認性に優れた開発環境を提供します。
Gateway Builder の上記機能は、WebOTX Developer's Studio に統合されており、 柔軟なシステム間連携アプリケーション開発環境としてご利用いただけます。
3.3. Webコンテナ |
Webアプリケーションの信頼性・可用性向上
WebOTX V6.5 Standard Edition/Enterprise Edition では、Webアプリケーションを動作させるWebコンテナをTPモニタ上でマルチプロセス動作する機能を提供します。
これにより、Webアプリケーションについても、高信頼基盤であるTPモニタ上での動作が可能となり、信頼性・可用性が向上し、ミッションクリティカル性の向上を実現します。
3.4. Java実行基盤 |
OutOfMemoryError発生時のヒープ情報採取
WebOTX V6.5 の全Editionにおいて、JavaVM内でOutOfMemoryErrorが発生した時にそのときのヒープダンプを採取する機能を提供します。
これにより、OutOfMemoryErrorの原因となるオブジェクトを特定することが容易になり原因究明に役立てることが出来ます。
3.5. TPモニタ |
プロセス優先度のサポート
WebOTX V6.5 Standard Edition/Enterprise Edition において、Windows以外でもプロセスグループ単位にプロセス優先度が設定できるようになりました。
これにより、処理の特性に応じた優先度設定が行え、高プライオリティのプロセスについては他のプロセスが処理実行中であっても、優先的に処理を行わせることが可能となります。
3.6. 運用管理 |
ユーザの一元管理
WebOTX V6.5の各Edition、Enterprise Service Bus、UDDI Registoryにおいて、ユーザ管理にLDAP(Lightweight Directory Access Protocl)サーバを利用できるようになりました。
これにより、APサーバごとに個別に設定されていた運用ユーザや、アプリケーション利用者を一元的に管理することが可能となります。
ユーザドメインに対するアライブチェック実行要否項目の追加
管理ドメインから、ユーザドメインに対するアライブチェックの実行要否のための設定項目を追加しました。デフォルトでは、前バージョンと同様にアライブチェックを実行します。
ドメインに接続中の運用管理クライアント情報の管理
ドメインに接続中の運用管理クライアントに対する情報が、統合運用管理ツールや運用管理コマンド(otxadmin)などから確認できるようになりました。
運用ユーザに対するアクセスログの採取
統合運用管理ツールや運用管理コマンド(otxadmin)などの運用管理クライアントからドメインに対して実施された運用操作情報を、専用のログ(${INSTANCE_ROOT}/logs/agent_access.log)に出力することが可能になりました。
これにより、ドメインへのログイン情報や配備操作、設定変更操作などの操作履歴をログから確認できるようになります。
ドメイン構成ファイルの自動復旧
ドメイン構成に関する主要な定義情報を含むファイル(${INSTANCE_ROOT}/config/domain.xmlおよび${DOMAINS_ROOT}/WebOTXAdmin/config/domains-config.xml)に対して、ファイル更新時にバックアップを自動で作成するようになりました。また、これらのファイルの読み込みエラーなどの際には、バックアップを用いて自動的に復旧し、起動処理を継続するようになりました。
これにより、システム障害などでこれらのファイルデータが破損した場合にも、ドメインの起動エラーに陥る状況を極力回避することができるようになります。
3.7. 開発環境 |
XMLデータ変換
データ構造の異なるサービスを連携する際のデータ変換定義機能を提供します。
変換定義はエディタ上でデータフィールド同士を線で結ぶだけで簡単に作成することができます。
作成したデータ変換定義はWebOTX ESBやWebOTX Process Conductorで利用可能なXSLファイルとしてエクスポートします。
これにより、サービスの連携がよりスピーディに実現可能となります。
Visual Editor 1.1のサポート
Swing、SWTのGUIを開発するためEclipseのプラグインをサポートします。
画面部品の貼り付けとプロパティ設定を中心とした開発スタイルによりGUIアプリケーションが効率的に開発可能となります。
さらに、日付処理や入力チェックなどの機能を追加した拡張部品の提供により複雑な機能も簡単に定義することができます。
3.A. 旧バージョンでの変更点 |
旧バージョンに関するものは、以下を参照してください。