WebOTX Manual V10.4 (第4版) 目次を表示 |
4. WebOTX V8.1の変更点 |
WebOTX V8.1の変更点について、その概要について説明します。
| アプリケーション実行環境 | 運用管理・運用ツール | 開発環境 | 旧バージョンでの変更点 |
4.1. アプリケーション実行環境 |
4.1.1. Webサーバ |
Apache HTTP Server 1.3.41/2.0.63 をバンドル
Apache HTTP Server の最新バージョンである
Apache HTTP Server 1.3.39/2.0.61 をバンドルしています。
詳細については、次を参照してください。
Apache HTTP Server
mod_ssl 2.8.31/2.0.63 をバンドル
上記 Apache HTTP Server に対応したバージョンである mod_ssl 2.8.31 (Apache 1.3.41用)/2.0.63(Apache 2.0.63用) をバンドルしています。
OpenSSL 0.9.8h をバンドル
OpenSSL ライブラリの最新バージョンである OpenSSL 0.9.8h をバンドルしています。
4.1.2. Transactionサービス |
採取可能な統計情報の項目を追加
トランザクション処理状況をさらに詳細に確認できるように次の項目を追加しました。
名称 |
概要 |
Committed2PCCount |
実行された2フェーズコミット処理数 |
ApplicationRolledbackCount |
アプリケーションプログラムで発生したエラーが原因でロールバックされたトランザクション数 |
ResourceRolledbackCount |
リソースによる処理中に発生したエラーが原因でロールバックされたトランザクション数 |
SystemRolledbackCount |
Transactionサービスの内部エラーが原因でロールバックされたトランザクション数 |
4.1.3. Webサービス |
4.1.3.1. V8.11での変更点 |
JAX-WS 2.1仕様に対応
WebOTX JAX-WSの対応仕様のバージョンを、最新のJAX-WS 2.1にアップデートしました。
4.1.3.2. V8.1での変更点 |
JAX-WSのインストール方式の変更
JAX-WSがWebOTXに標準でインストールされるようになりました。
そのため、これまで必要だったJAX-WSの追加インストールやアンインストールが不要になります。
4.1.4. Webコンテナ |
ベースの Tomcat をバージョンアップ
Webコンテナのベースとなる Tomcat を 6.0.16 にバージョンアップしました。
リクエスト処理の拡張
より高速なリクエスト処理を可能とする New I/O や、Comet(HTTPを使用して疑似的にプッシュ型の通信を実現する技術)をサポートしました。
4.1.5. JMS |
4.1.5.1. V8.11での変更点 |
コネクタコネクションプールのプールオブジェクトの変更
JMSリソースアダプタで利用するコネクタコネクションプールの対象を、セッションからコネクションに変更しました。
この変更により、JMSリソースアダプタを使用してコネクションを取得した場合、クライアントがコネクションのクローズメソッドを呼び出しても、JMSサーバとの物理的なコネクションは切断されずに保持されます。
4.2. 運用管理・運用ツール |
4.2.1. JMX運用基盤 |
運用管理用デフォルトプロトコルの変更
V7.1までは運用管理コマンド(運用管理ツール)からドメインへの接続にJMXMP(JMX Messaging Protocol )を使用していましたが、V8.1からはJRMP(Java Remote Method Protocol)に変更になりました。ただし、下位互換としてJMXMPでの接続も行うことができます。
log4j、commons-loggingの削除
V7.1までは、WebOTXのライブラリ内にlog4j,commons-loggingを含んでいましたが、 ユーザアプリケーションでlog4j,commons-loggingを使用する際にライブラリ の競合が発生し、アプリケーションのログ出力の手順が複雑になる問題がありました。 その問題を解決するために、V8.1ではWebOTXのライブラリからlog4j,commons-logging を取り除きました。
ログレベル、ログサイズ、世代数の変更
WebOTXの各種ログレベルの表示が一部変更となりました。V7.1までの表記との対応は以下のようになります。
V7.1 | V8.1 |
---|---|
OFF | OFF |
SEVERE | ERROR |
WARNING | WARN |
SLOGINFO | SLOGINFO |
INFO | INFO |
CONFIG | CONFIG |
FINE | DEBUG |
FINER | DETAIL |
FINEST | TRACE |
モニタリングレベルの変更
WebOTXのモニタリングレベルの有効値が一部変更となりました。V7.1までの表記との対応は以下のようになります。
変更対象 : JDBCデータソース、スレッドプール、コネクタコネクションプール
V7.1 | V8.1 |
---|---|
OFF、ON | OFF、LOW、HIGH |
運用アクセスログ強化
ログレベルを設定することで、運用アクセスログをより詳細に取得することができるようになりました。
ユーザAPと運用ユーザが使用するレルムの分離
WebOTXの運用ユーザの認証に使用するレルムを独立させ、ユーザAPが使用する レルムへの影響がなくなりました。
起動プロセスの変更
エージェントプロセスの起動までに必要とするプロセス数を削減することで起動時の性能改善を行いました。
server.log、server_err.logの変更
従来のバージョンでは標準出力・標準エラー出力ともにserver.logへ出力していましたが、V8.1では既定では標準出力はserver.logへ、標準エラー出力はserve_err.logへ出力しています。
ドメインの強制停止
従来のバージョンのドメイン強制停止機能ではエージェントプロセスを強制停止することはできませんでしたが、V8.1ではエージェントプロセスを含む全関連プロセスを強制停止することができるようになりました。
server.policyの変更
セキュリティ強化のためserver.policyの定義を見直しました。そのため、前バージョンまでで動作していたAPで権限が不足する場合があります。その場合は [ 構築・運用 > ドメインの構築 > ドメイン起動停止・作成削除 > ポリシーファイルの設定 ] を参照しserver.policyに権限を追加してください。
JVMオプション設定方法の一部変更
動作中のJVM(Java Virtual Machine)に対するオプション設定方法を一部変更し、より設定しやすくなるよう改良しました。対象となるオプションと設定方法の変更点は次の通りです。
オプション名 | オプションの役割 | 統合運用管理ツール/ Web版統合運用管理コンソール |
運用管理コマンド |
---|---|---|---|
-Xms | 初期Javaヒープサイズ | 従来は全てのJVMオプションをまとめた設定項目欄にて設定を行っていましたが、本バージョンからは専用の設定項目欄にて設定を行います。 | 従来は create-jvm-options コマンドによって設定を行っていましたが、本バージョンからは set コマンドによって、専用の設定項目にて設定を行います。 |
-Xmx | 最大Javaヒープサイズ | ||
-XX:PermSize | 初期Javaパーマネントサイズ | ||
-XX:MaxPermSize | 最大Javaパーマネントサイズ | ||
-verbose:gc | GCログ採取(標準出力) | ||
-Xloggc | GCログ採取(指定ファイルへの出力) | ||
-Djava.library.path | ネイティブライブラリパス |
また、製品で定義済みのJVMオプションとユーザ定義によるJVMオプションとの混同を避けるために、それぞれの設定項目を分離しました。それにより、製品で定義済みのJVMオプションを変更する場合には、従来と比べて若干の作業変更が伴ないます。
スレッドダンプ取得の追加サポート
予め設定の必要なしにJVMのスレッドダンプ情報を取得する機能を提供しています。従来の取得方法とは異なりますので、詳細については [ トラブルシューティングガイド > 対処方法と情報採取 > 情報採取 > Java VMのスレッドダンプ取得 ] を参照してください。
マルチ運用ユーザ対応
V7.1までで提供していた複数のドメインを異なるユーザで運用する機能をV8.1でも使用可能としました。
運用管理コマンドのWindows Server 2008対応
Windows Server 2008では、UAC(User Account Control)により、ビルトインアカウントを除くユーザに対し特権の制限が掛かります。 WebOTX Application Serverでは、ドメインの運用操作にはOSの管理者特権を必要とするため、特権昇格したコマンドプロンプトからドメインの運用操作を実行する必要があります。
ドメイン起動時に実行されるドライブの空き容量チェック機能を強化
ドメイン起動時の、ドライブの空き容量チェック機能において、V7.1では空き容量が全体容量の1%以下となった場合に起動エラーとしていましたが、空き容量が10MB以下の場合に起動エラーとなるように変更しました。
また、以下のシステムプロパティを設定することで閾値の変更、チェック機能のスキップが可能となりました。
4.3. 開発環境 |
4.3.1. Developer's Studio |
XMLマッピングツールの強化
データ構造ファイルとしてXML Schemaファイル、DTDファイル、XMLファイルに加えてWSDLファイルを新たにサポートしました。
データのマッピングだけでなく、関数編集ダイアログにより複雑なデータ操作(部分文字列の取り出し/文字列比較/四則演算など)や独自関数の追加が容易に行えるようになりました。
4.A. 旧バージョンでの変更点 |
旧バージョンに関するものは、以下を参照してください。