ロードバランサは、トラフィックの負荷分散を実現するために、OSI参照モデルにおける次の2つのどちらかの層で処理を行います。
レイヤ4(L4負荷分散)
ロードバランサは、ポート番号などパケット内にあるレイヤ4(トランスポート層)の情報を使用して、パケットを振り分けます。
レイヤ7(L7負荷分散)
ロードバランサは、HTTPなどレイヤ7(アプリケーション層)の情報を使用して、パケットを振り分けます。
SigmaSystemCenterでは、上記について明示的に選択を行う指定方法はなく、セッション維持方式の指定により決まります。
L4負荷分散において、ロードバランサがクライアントから送信されるパケットを扱う方式として、次の2種類があります。ロードバランサによりパケット内の一部分の変換が行われるため、SigmaSystemCenterでは、変換方式と呼びます。L7負荷分散については、下記のNATと同様にすべてのアクセスにおいてロードバランサを経由しますが、実現方式が異なるためNATとは呼称されません。
(1)Network Address Translation(NAT)/Source Network Address Translation(SNAT)
Network Address Translation(以降、NATと記述)、Source Network Address Translation(以降、SNATと記述)は、クライアントからリアルサーバへのアクセスとリアルサーバからクライアントへのレスポンスの両方とも、ロードバランサを経由する方式です。シンプルな構成のため、設計・構築がしやすいことがメリットです。
InterSecVM/LBでは、本方式はオプションのため、標準では利用できません。
(2)Direct Server Return(MAT)
Direct Server Return(以降、DSRと記述)は、リアルサーバからクライアントへのレスポンスについてロードバランサを経由しないようにする方式です。ロードバランサを経由しないため、効率的な負荷分散が可能となります。しかし、この方式を利用するためには、リアルサーバのOSに対して、ループバックアダプタの設定など、特別な設定を手動で行う必要があります。 DSRは、その他にMAT(Mac Address Translation)やダイレクトレスポンスとも呼ばれます。
InterSecVM/LBでは、本方式がデフォルトの方式です。
NetvisorPro経由の物理ロードバランサ制御では、本方式は利用できません。