WebOTX Manual V10.4 (第4版) 目次を表示 |
3. WebOTX V8.1の新機能 |
ここでは、WebOTX V8.1のリリースで新しく追加された機能を説明します。
| 製品全般 | アプリケーション実行環境 | 運用管理・運用ツール | 開発環境 | 拡張製品 | 旧バージョンでの変更点 |
3.1. 製品全般 |
WebOTX V8.1での製品全体における機能強化項目について説明します。
Java EE 5 対応
Javaを利用した基幹業務システム構築を可能とする「Java EE」の最新仕様「Java EE 5」に国内ベンダとして初めて対応しています。 Java EE 5は「開発の容易性(Ease of Development)」を最大のコンセプトとした仕様です。 これにより、Javaの最新技術を活用した基幹業務システムを効率的に構築することができます。
サポートOS の拡大
WebOTX V7.1 でサポートしていた Windows 2000/2003(R2) に加えて、 Windows Server 2008 (x86) を追加サポートします。
3.2. アプリケーション実行環境 |
3.2.1. JMS |
再配信メッセージの順序保証をサポート
アプリケーション異常など、トランザクションのロールバックによりメッセージが再配信される場合でもメッセージの順序を保証します。
他社JMSプロバイダとのJCA連携をサポート
JCA1.5準拠の汎用的なJMSリソースアダプタを提供します。
これにより、MDBやESB(JMS BC)において、WebSphere MQなどの他社JMSプロバイダとの間でコネクションプール機能やXAトランザクションを利用したシステム連携が可能になります。
3.2.2. Webサービス |
3.2.2.1. V8.11での新規機能 |
WS-Addressing 1.0仕様をサポート
WS-Addressing 1.0に対応したメッセージの送受信が可能になりました。WS-Addressingは、従来プロトコルごとに形式が異なっていた接続先情報を、定型でSOAPヘッダ内に持つことで、プロトコルに依存しないメッセージの伝達を可能にします。本機能はJAX-WSの一機能として提供されます。
3.2.2.2. V8.1での新規機能 |
WS-SecurityのJAX-WS対応
JAX-WSを使用したWebサービスでWS-Securityが使用できるようになりました。WS-SecurityはSOAPメッセージレベルにおけるセキュリティ機能を提供します。
3.2.3. JDBCデータソース |
3.2.3.1. V8.11での新規機能 |
データベースサーバの監視コマンドの追加
データベースサーバの監視コマンドとしてconnectを追加サポートします。
ログインタイムアウトを指定することで、障害検出までの時間を調整することができます。
3.2.3.2. V8.1での新規機能 |
コネクションプールのクラスタ制御機能
データベース接続の可用性を向上するコネクションプールのクラスタ制御機能を提供します。
Oracle RAC(Real Application Cluster)機能と親和性の高い負荷分散型の接続制御では、性能の安定化を図ることができます。
また、スタンバイ型の接続機能では、データベースサーバ障害時における接続復旧を高速化することができます。
データベースのバージョンアップ対応
次のデータベースおよびJDBCドライバのバージョンアップ対応を行いました。
3.3. 運用管理・運用ツール |
3.3.1. Javaプロセス監視 |
JVM監視・管理機能を大幅に強化
実行中のサーバ内で動作するJavaプロセス(JVM:Java Virtual Machine)のメモリやスレッドなどの動作情報を、WebOTXが提供する各種運用管理ツールから容易に監視できるようになりました。これにより、動作中のシステムに殆ど影響を与えることなく、ヒープ領域単位での消費状況やスレッドダンプなどの詳細情報をリアルタイムに参照することが可能です。
また、これらの運用管理ツールや、JMX APIを使用した独自のプログラムを使用することで、動作情報の定期的な監視を行ったり、動作情報が一定の条件を満たした場合にクライアント側に通知したりすることも可能です。
さらに、開発・運用中のJavaプロセスに対して設定変更を行う度合いが高いヒープサイズやパーマネントサイズ、GCログなどのパラメータを管理ツールから設定し易くなるよう改良し、ユーザビリティを高めています。
jconsoleによる接続の容易化
JDKに付属のJVM監視ツールjconsoleとの連携を容易化しています。従来のような接続のための複数のJVMオプションの設定や、設定反映のためのドメイン再起動作業が不要になり、任意のタイミングで接続することが可能です。
3.3.2. 統計情報 |
採取項目の粒度を細分化
従来よりもサーバ内の各コンポーネントに対する監視項目が細分化され、より詳細な実行時状態の情報を採取できるようになりました。代表的なものを以下に示します。
動作確認やチューニング作業時にこれらの情報を参照することで、より最適化されたシステム構築が可能となります。
3.3.3. 診断サービス |
障害解析のための情報収集機能を追加
開発・運用中に障害が起きた場合の運用管理者の作業を簡略化するため、障害解析に必要な情報を自動収集して、ひとつのアーカイブファイルにまとめる診断サービスという機能を追加しました。
このサービスを利用すると、次のような利点があります。
3.3.4. 統合運用管理ツール |
ESBのサービスアセンブリ配備ウィザード
WebOTX ESBのサービスアセンブリ配備ウィザードを新たに追加しました。 サービスリポジトリとの連携のほか、アーカイブされているサービスユニットの設定内容を配備前に一部変更することができます。
3.4. 開発環境 |
3.4.1. Developer's Studio |
サポートOS の拡大
Windows Vista(x86) を追加サポートします。Ultimate, Enterprise, Business Editionに対応しました。
アノテーション編集エディタの提供
WebサービスやEJBがアノテーションの定義により容易に開発可能となります。
バグ検出ツールの提供
バグ検出ツール(FindBugs)を新規に提供しました。これによりJavaプログラムのなかのバグの検出が容易になります。
3.5. 拡張製品 |
3.5.1. SIP Application Server |
WebOTX SIP Call Controlの提供
NGNミドルウェア共通APIに対応したWebOTX SIP Call ControlをWebOTX SIP Application Serverの関連製品としてリリースしました。SIPを意識することなく、Webサービスを通して通話をコントロールすることが可能となります。
3.5.2. Enterprise Service Bus |
3.5.2.1. V8.11での新規機能 |
UserProcessor Service Engineのサポート
独自のメッセージ変換処理を組み込むことができるUserProcessor Service Engineを新規にサポートしました。 WebOTX Interschemaと連携することでXML以外のメッセージ変換も可能となります。
共通ハンドラ機能
JBIコンポーネントで共通インタフェイスを持つ共通ハンドラ機能をサポートしました。メッセージコンバートハンドラではJBIコンポーネントと外部サービス間で送受信するメッセージの内容を変更できます。また、メッセージエクスチェンジハンドラではJBIコンポーネントを通過するノーマライズメッセージに対してメッセージ内容の変更や宛先の変更ができます。
大容量ファイル対応
File BCとFTP BCでは大容量のファイル転送を行うとき、WebOTX上でメッセージ内容をメモリ上に展開することなく送信先へ転送します。また、FTP BC同士でのメッセージ送受信ではWebOTX ESB上には制御情報のみを流しメッセージ本文はFTPサーバ間で直接送信することができるようになりました。これらにより大容量ファイルの転送でメモリ消費量やCPUへの負荷を低減することができます。
運用管理コマンドの統合
運用管理コマンドとして従来jbiadminコマンドを提供してきましたが、 本強化によりWebOTX ASと同じotxadminコマンドを使用してWebOTX ESBの運用管理を行うことができます。
SOAP BCのMTOMおよびSOAP1.2対応
SOAP BCでは新たにMTOMとSOAP1.2に対応しました。
他社JMSプロバイダとのXAトランザクション連携
JMS BCでは、WebOTX JMSの汎用JMSリソースアダプタに対応しました。これにより、他社JMSプロバイダとの連携においてもXAトランザクションによる信頼性の高い非同期通信が可能になります。
JMSヘッダ/プロパティの伝播
JMS BCでは、InboundとOutboundが共にJMSとなる構成において、JMSメッセージの付加情報であるJMSヘッダやプロパティをInboundメッセージからOutboundメッセージに伝播させることが可能になります。
3.5.3. Service Repository |
WebOTX V8.1で新たにサービス管理機能を提供しました。
Service Repository は、サービスとして定義されたソフトウェアを管理し、最適なSOAガバナンスの実現に必要な機能を提供します。
サービス管理
ESB,BPEL,Webサービスを始めとする様々なサービスを管理する機能を提供します。
メタデータ管理
サービスに加えて、サービスに関連する情報(メタデータ)を管理します。サービスの作成/配備/公開の判断に必要な情報を、必要なタイミングで提供します。
ライフサイクル管理
開発済み、承認済み、公開済みなど、サービスの状態を管理します。
アクセス制御
ユーザやグループごとに、サービスおよびサービス情報の参照や操作を制御します。
運用環境
WebOTX Application Serverの運用機能と統合しています。統一したインタフェースでサービスの管理を行うことができます。
サービスの公開
UDDI Registryとの連携により、サービスの作成から公開までシームレスな構築環境を提供します。
3.A. 旧バージョンでの変更点 |
旧バージョンに関するものは、以下を参照してください。