WebOTX Manual V10.4 (第4版) 目次を表示 |
4. WebOTX V8.2の変更点 |
WebOTX V8.2の変更点について、その概要について説明します。
| 製品全般 | アプリケーション実行環境 | 運用管理・運用ツール | 開発環境 | 旧バージョンでの変更点 |
4.1. 製品全般 |
4.1.1. V8.21での変更点 |
ホスト名の制限を緩和
これまで、WebOTXで使用できるホスト名はRFC1034に基づいているホスト名のみでした。
RFC1034に基づくホスト名とは、0-9の数字、A-zのアルファベットと、"."、"-"で組み合わせで構成され、
ホスト名の最初はアルファベットである必要があります。
V8.21では、RFC1034に加えて、次のようなホスト名も使用できるようになりました。
注)Internet Explorer使用時、Internet ExplorerのCookieの制限により、"_"を含むホスト名を指定し、Web版統合運用管理コンソールにアクセスするとエラーが発生し、利用ができません。 ホスト名の代わりにIPアドレスを指定するか、他のブラウザを使用してください。
4.1.2. V8.2での変更点 |
製品名称の変更
アプリケーションサーバ製品の製品名の最後の「Edition」がなくなりました。また、Download ServerがDownload Contentsになりました。
V8.2の新製品名 | V7の旧製品名 |
---|---|
WebOTX AS Standard | WebOTX AS Standard Edition |
WebOTX AS Enterprise | WebOTX AS Enterprise Edition |
WebOTX Download Contents | WebOTX Download Server |
複数コアを搭載するマシンに対するライセンス計算方法の変更
WebOTX V8.1までは、Standard / Enterprise等のCUライセンスは、
(1プロセッサ・パッケージあたりのコア数) x プロセッサ数
を元に計算していましたが、V8.2では以下のようにしています。2(1プロセッサ・パッケージあたりのコア数が2〜8の場合) x プロセッサ数
つまり、1プロセッサ・パッケージあたりのコア数に関係なく、「1プロセッサ・パッケージ = 2 CPU」としてCPU数をカウントしますので、たくさんのコアを搭載したプロセッサを利用する場合でも、ライセンス費用が抑えられます。Webコンテナ動作モードの名称変更
WebOTX V8.2から、Webコンテナ動作モードの名称を変更しました。
旧バージョンとの比較表を以下に示します。”スタンダードモード”では、Webコンテナがエージェントプロセス 上で動作します。”アドバンスドモード”では、Webコンテナが(EJBコンテナ と同様に)TPシステムが管理する複数のプロセス上で動作します。
V8.2の新名称 | V8.1以前の旧称 |
---|---|
スタンダードモード | シングルプロセスモード |
アドバンスドモード | マルチプロセスモード |
WebOTXの各エディションがサポートする動作モードは次の通りです。
エディション | スタンダードモード | アドバンスドモード |
---|---|---|
WebOTX Application Server Express | ||
WebOTX Application Server Foundation | ||
WebOTX Application Server Standard | ||
WebOTX Application Server Enterprise |
4.2. アプリケーション実行環境 |
4.2.1. Webサーバ |
4.2.1.1. V8.22での変更点 |
Apache HTTP Server 2.0.63/2.2.14 をバンドル
Apache HTTP Server の最新バージョンである Apache HTTP Server 2.0.63/2.2.14
をバンドルしています。
なお、Apache HTTP Server 1.3.x のバージョンは、含まれておりません
各 Apache HTTP Server の詳細については、次を参照してください。
Apache HTTP Server
mod_ssl 2.0.63/2.2.14 をバンドル
上記 Apache HTTP Server に対応した mod_ssl 2.0.63/2.2.14 をバンドルしています。
OpenSSL 0.9.8l をバンドル
OpenSSL の最新バージョンである OpenSSL 0.9.8l をバンドルしています。
4.2.1.2. V8.2 での変更点 |
Apache HTTP Server 2.0.63/2.2.11 をバンドル
Apache HTTP Server の最新バージョンである Apache HTTP Server 2.0.63/2.2.11
をバンドルしています。
なお、Apache HTTP Server 1.3.x のバージョンは、含まれておりません
各 Apache HTTP Server の詳細については、次を参照してください。
Apache HTTP Server
mod_ssl 2.0.63/2.2.11 をバンドル
上記 Apache HTTP Server に対応した mod_ssl 2.0.63/2.2.11 をバンドルしています。
OpenSSL 0.9.8j をバンドル
OpenSSL の最新バージョンである OpenSSL 0.9.8j をバンドルしています。
4.2.2. TPモニタ(Foundation/Standard/Enterprise) |
アプリケーションの対応バージョン
WebOTX V8.2で動作するアプリケーションのバージョンは以下の通りです。
OS | 対応するアプリケーションのバージョン |
---|---|
Windows x86 | V5、V6、V7、V8(※1、※3) |
Windows x64 | V6、V7、V8(※1) |
HP-UX(IPF) | V6、V7、V8(※1) |
Linux x86 | V8(※1、※2) |
Linux x64 | V7、V8(※1) |
※1 WebOTX 開発環境 V8.2でのR4形式のアプリケーション作成は推奨しません。
※2 Linux x86版では旧バージョンで作成されたアプリケーションは動作しません。
WebOTX 開発環境 V8.2 で作成したアプリケーションのみ動作します。
※3 Windows x86版 開発環境 V8.2 でCORBA C++アプリケーションを作成する場合、
Visual C++ .NET2003以降のコンパイラで作成する必要があります。
イベントジャーナルとキュー滞留数の採取
イベントジャーナルの出力ディレクトリを<WebOTXインストールディレクトリ>/domains/<domain名>/logs/tpsystem/logcollect/<日付10桁>に変更しました。
また、キュー滞留数を同ディレクトリに出力するようにしました。
出力されたディレクトリは一定期間経過後に自動で削除することができます。
historyログとsysmsgログの世代管理
従来はhistoryログとsysmsgログは2世代固定でしたが、世代管理を可能とし、既定値では10世代までログ出力するようにしました。
ファイル名はそれぞれ次のように変更しました。(従来のhistory.sav, sysmsg.savは作成されません)
history.act, history.act.1, history.act.2・・・
sysmsg.trc, sysmsg.trc.1, sysmsg.trc.2・・・
実行時間上限とプロセス再起動
統計情報を元に実行時間上限を自動で設定するようにしました。 実行時間上限を超過した場合、Javaアプリケーションではアプリケーションログにスタックトレースが出力されます。 実行時間上限は従来どおりユーザが手動で設定することもできますが、既定値では実行時間上限超過時にプロセスは再起動しません。 プロセスを再起動させたい場合はシステム単位またはオペレーション単位で設定が必要です。 なお、プロセス再起動の設定は動的に行うことはできません。
スローダウン検出時のスタックトレース採取
Javaアプリケーションでスローダウンを検出した場合、従来はスタックを1回採取していましたが、3秒間隔で5回採取するようにしました。
また、1秒以下でスローダウンを検出した場合はスローダウンと判定しないようにしました。
この変更により、プロセスグループのJavaVMオプションに「-XX:+HeapDumpOnCtrlBreak」を指定していると、スタック採取毎にヒープダンプを出力します。OutOfMemoryエラー発生時にヒープダンプを採取する目的の場合は「-XX:+HeapDumpOnOutOfMemoryError」の使用を推奨します。
多重度不足時のスタックトレース採取
Javaアプリケーションで多重度の不足を検出した場合、スタックを3秒間隔で5回採取するようにしました。
メッセージ出力抑止
イベントログ、syslogに出力していた以下のメッセージの出力を抑止し、出力先をWebOTXのログに変更しました。
その他
既定値の変更は次の通りです。
機能強化やその他変更点です。
4.2.3. JMS |
JMSXDeliveryCount(配信回数)プロパティ対応
JMS定義のプロパティである「JMSXDeliveryCount(配信回数)」に対応しました。
この対応に伴い、配信対象の状態を保持するための永続ストアを変更しています。旧バージョンで利用していたJDBCストアのテーブルは、再作成する必要があります。詳細は「注意制限事項」を参照してください。
永続ストア切り替え操作の改善
永続ストアの切り替えが、JMSサービスに対する運用操作でも可能になりました。
この変更により、これまで必要だったJMSサーバ定義ファイル(config.properties)に対する修正は不要になります。
再配信に関する設定の拡張
再配信に関する設定(再配信遅延時間、再配信回数、不達メッセージ転送先)が、送信先ごとに可能になりました。
なお、これまで再配信回数を超過したメッセージを転送する送信先の名称は「破棄メッセージ移送先」としていましたが、「不達メッセージ転送先」に変更しています。
送信先情報の出力内容を追加
統合運用管理ツールや、運用管理コマンド(get-jmsdest-info、list-jmsdest-messages)で、送信先の情報を参照したときに、送信先に対するクライアントの接続数に加えて、各クライアントが利用しているコネクションやセレクタの情報(コンシューマの場合)も参照可能になりました。
コネクション一覧の抽出条件追加
統合運用管理ツールや、運用管理コマンド(list-jms-connections)で、JMSサーバ上のコネクション一覧を表示するときに、プロデューサ利用や、コンシューマ利用といったクライアントのタイプと、送信先で抽出可能になりました。
XMLファイルからのJMSリソース登録
XMLファイルからのリソース登録(add-resources)で、JMSリソース(コネクションファクトリリソース、送信先リソース)の登録が可能になりました。
4.2.4. Webサービス |
EJBエンドポイントを持つアプリケーションの動作プロセス
WebOTX AS Foundation/Standard/Enterpriseのスタンダードモード(旧シングルプロセスモード)では、EJBエンドポイントを持つWebサービスアプリケーションは全てエージェントプロセスで動作するようになりました。 例えば一つのEARの中に、EJBエンドポイントを持つEJB-JARとEJBエンドポイントを持たないEJB-JARがあった場合でも、これらEJB-JAR全てがエージェントプロセスで動作します。 旧バージョン(WebOTX V6およびWebOTX AS V7)では、EJBエンドポイントの有無に関わらずEJB-JARはプロセスグループで動作していました。
これに伴い、EJBエンドポイントを持つWebサービスアプリケーションを配備する場合は、プロセスグループの指定が不要になりました。
4.3. 運用管理・運用ツール |
4.3.1. 運用基盤 |
JavaEEプロセスグループのログレベル設定手順の変更
V8.2より、JavaEEプロセスグループのログレベル変更手順が変更になりました。V7.1ではプロセスグループトレースレベルを変更することにより、ログレベルの変更が可能でしたが、V8.2より、トレースレベルの変更ではなく、各モジュール単位でログレベルの変更が可能となりました。以下のモジュールについて変更が可能です。
シングルドメインモードの廃止
シングルドメインモードは、ドメインを1つしか利用しないケースのとき、管理ドメインを起動しないことでマシンリソースを 節約することを目的としていましたが、V8.2では管理ドメインの使用するマシンリソースのサイズが小さくなり、システムに 負荷を与えなくなったため、シングルドメインモードを廃止することとしました。
4.3.2. 運用管理コマンド |
ユーザ操作コマンド(create-file-user、delete-file-user)のauthrealmnameオプション省略時のデフォルト値を変更
V8.1では、ユーザ操作コマンド実行時にauthrealmnameオプションを省略した場合、デフォルト値がアプリケーションが使用するレルム(デフォルトではfile)でしたが、V8.2より運用管理ユーザが使用するレルム(デフォルトadmin-realm)に変更となりました。
4.3.3. 統合運用管理ツール |
ユーザ管理画面でユーザを編集するレルムの選択が可能
V8.1ではユーザ管理画面で編集するレルムの指定を行うことができませんでしたが、V8.2よりレルムの指定が可能となりました。
4.4. 開発環境 |
4.4.1. Developer's Studio |
Webサービス開発ツールの強化
Webサービスクライアント生成機能の強化
複数のWebサービスクライアントを同一プロジェクトに生成できるようになりました。
WSDL生成機能の強化
開発中のアノテーションを利用したWebサービスのWSDLファイルを生成する機能を提供しました。
サーバツールの強化
インストール済みランタイムの自動設定
Developer's Studio起動時に、Developer's Studioをインストールしたマシンにインストール済みのWebOTX ASを調べ、自動で”インストール済みのランタイム”を設定するようにしました。これにより製品インストール時の初期設定が容易になりました。
4.A. 旧バージョンでの変更点 |
旧バージョンに関するものは、以下を参照してください。