WebOTX Manual V10.4 (第4版) 目次を表示 |
3. WebOTX V8.2の新機能 |
ここでは、WebOTX V8.2のリリースで新しく追加された機能を説明します。
| 製品全般 | アプリケーション実行環境 | 運用管理・運用ツール | 開発環境 | 拡張製品 | 旧バージョンでの変更点 |
3.1. 製品全般 |
WebOTX V8.2での製品全体における機能強化項目について説明します。
3.1.1. V8.22での新規機能 |
サポートOSの拡大
Windowsプラットフォームにおいて、Windows Server 2008 R2
を追加サポートしました。
なお、Windows Server 2008 R2 は、
64ビットOS のみの提供となります。
仮想化環境CPU/CUライセンス製品の新規提供
WebOTX Application Server の Foundation/Standard/Enterprise に 仮想化環境用の CPU/CUライセンス製品を設けました。
1つの筐体内の仮想サーバへのインストールであれば、1つのライセンスで 複数の仮想サーバに対するインストールが可能となります。つまり、ある仮想サーバに割り当てられた最大CPU/コア構成の1セットのライセンスを利用して、同一筐体内に存在する複数台の別仮想サーバに対してインストールすることができます。
3.1.2. V8.21での新規機能 |
サービスインテグレーション製品の新規提供
WebOTX V8.21で新たに企業情報ポータル製品である「WebOTX Portal」を提供いたします。
「ポータル」とは、利用者が必要とする多種多様な情報や複数のシステムを一つのブラウザ画面上に統合したウェブサイトです。ポータルを導入していないシステムの場合、必要な情報にたどり着くためには、関連するサイトへアクセスしてそれぞれに対して操作を行う必要があります。
WebOTX Portalを導入することで業務上必要なシステムを一つのポータルサイト上にまとめることができます。また利用者ごとに表示する画面内容を設定するパーソナライゼーション機能や、認証手続き作業を軽減するためのシングルサインオン機能などを提供しており、高い運用操作性を実現します。
サポートOSの拡大
Windowsプラットフォームにおいて、64ビットOSをネイティブサポートしました。
Hyper-V 上での動作保証
Windows Server 2008 の搭載機能である Hyper-V 上で構築したゲストOS上での動作を保証します。 Hyper-V上でも問題なくWebOTXを利用することができます。
HP-UX Java SE 6 上での動作サポート
従来、Windows, LinuxでのみサポートしていたJava SE 6ですが、HP-UX でもサポートします。 なお、サポートするバージョンは、6.0.04以降となります。
3.1.3. V8.2での新規機能 |
アプリケーションサーバ製品の統合、および、新規提供
WebOTX V8.1までは、Web ベース、あるいは、Web アプリケーションベースでのシステムの基盤としてWeb Editionを提供し、
EJBなどのJava EE ベースの業務システムの基盤としてStandard-J Editionを提供してきました。
WebOTX V8.2では、これらを統合し、新たに、「WebOTX Application Server Express」という製品を提供いたします。
本製品では、Web アプリケーション、及び、Java EE アプリケーションの両方をサポートする基盤を提供しています
(従来のStandard-J Edition相当の機能)。
新たに、「WebOTX Application Server Foundation」という製品を提供いたします。 本製品は、Java EE アプリケーションでシステムを構築できるアプリケーションサーバです。いくつかの機能制限がありますが、 Standard と同等の機能が提供されており、中小規模システムで高信頼のシステムを低価格で構築することが可能となります。
サポートOSの拡大
WebOTX V8.1まででサポートしていた Red Hat Enterprise Linux 4に加え、Red Hat Enterprise Linux 5についてもサポートします。
WebOTX V7では、HP-UX 11i v3はパッチを利用することによりサポートしていましたが、WebOTX V8.2では正式に対応しました。
Standard, Enterpriseの提供
より大規模ミッションクリティカルなシステムに対応できる、Standard、および、EnterpriseをWebOTX V8.2としてリリースしました。 WebOTX V8.1で出荷した製品同様、Java EE 5 対応、および、Windows Server 2008に対応しています。
3.2. アプリケーション実行環境 |
3.2.1. TPモニタ(Foundation/Standard/Enterprise) |
古いログの自動削除
アプリケーションログやシステムトレースはプロセスが終了するとsaveディレクトリに退避されますが、 saveディレクトリ内の一定期間(既定値30日)を過ぎたログを自動で削除できるようにしました。
アプリケーショングループ強制停止時間改善
アプリケーショングループを強制停止した場合の停止時間を最大90%短縮しました。 特にプロセスグループ数が多い大規模システムで短縮率が大きくなります。
電文長最大サイズの拡大
通信可能な電文長最大サイズを100MBに拡張しました。
メモリプール不足時のメッセージ出力
メモリプールサイズ使用量が閾値(既定値90%)を超えた場合、メッセージを出力するようにしました。
3.2.2. JDBCデータソース |
パフォーマンス関連の統計情報採取機能
SQL命令の種類毎の実行時間の採取機能を提供します。
また、JDBCコネクションの使用時間やトランザクションの実行時間も採取可能です。
SQLランキング情報の出力機能
実行されたSQL命令の実行時間のランキング情報をダンプする機能を提供します。
3.2.3. Working Domain Coordinator |
ドメイン障害監視機能
ドメインやその内部の各種サービスの障害を検出し、該当ドメインを自動的に負荷分散装置の振り分け先から削除する機能を提供します。逆に、障害が復旧した際には、自動的に負荷分散装置の振り分け先に再登録することも可能です。
3.2.4. JMS |
コネクションクローズ機能
JMSサービスに対する運用操作として、JMSクライアントとのコネクションを強制的にクローズする機能を提供します。
何らかの異常が発生しているJMSクライアントのコネクションを強制的にクローズすることで、占有しているネットワークリソースの開放や、JMSクライアントが実装する例外リスナによる復旧を試みることができます。
メッセージ送信機能
送信先に対する運用操作として、メッセージを送信する機能を提供します。
コンシューマアプリケーションの開発や環境構築において、プロデューサアプリケーションを作成することなく、受信動作や設定の評価で利用できます。また、簡単なものであれば、コマンドベースでの送信機能を構築することができます。
メッセージ移動機能
送信先に対する運用操作として、送信先に滞留している通常メッセージや、不達メッセージ(再配信回数の上限を超えたメッセージ)を別の送信先に移動する機能を提供します。
処理が滞っているメッセージを別の送信先に接続しているコンシューマに肩代わりさせたり、不達メッセージを本来の送信先で再度処理させることができます。
3.3. 運用管理・運用ツール |
3.3.1. 運用管理コマンド |
リモート環境でのユーザドメイン管理機能追加
管理ドメインが起動しているサーバ内において、リモートモードにて ユーザドメインの起動・停止・状態表示を行うことができるようになりました。
対象サブコマンドは以下のものとなります。
ユーザドメイン起動・停止のタイムアウト機能追加
ユーザドメインの起動・停止にタイムアウトオプションを追加しました。
対象サブコマンドは以下のものとなります。
運用管理コマンド接続時に使用するタイムアウト値の追加
運用管理コマンド(運用管理ツール)からドメインへの接続に使用するプロトコルにJMXMP(JMX Messaging Protocol)を用いる場合に、接続までのタイムアウト時間を指定できるようになりました。デフォルトでは60秒であり、システムプロパティ(com.nec.webotx.login.timeout)により変更することができます。
※RMI JRMPプロトコルにも同様のタイムアウト指定は可能です。
3.3.2. 運用基盤 |
任意ディレクトリでのドメイン環境構築サポート
インストールディレクトリ以外の任意のディレクトリでドメイン環境を構築することが可能になりました。これにより、ドメイン環境を共有ディスク上に作成し、運用することができます。
3.3.3. Web版統合運用管理コンソール |
Ajaxベースの運用管理コンソールをサポート
操作性を向上したAjaxベースの運用管理コンソールに更新しました。従来のWebアプリケーションに加えて、EJBやJ2EEアプリケーションなども、 運用管理コンソールで配備・配備解除などのアプリケーションの管理をすることが可能になりました。
3.4. 開発環境 |
3.4.1. Developer's Studio |
ポータル開発ツールの新規提供
ポートレットの新規作成、および既存Webアプリケーションをポートレットに変換する機能を提供しました。
ESB開発ツールにサービスアセンブリエディタを追加提供
サービスアセンブリ開発を支援するビジュアルエディタを提供しました。これによりサービス間の呼び出し関係を確認しながらサービスアセンブリの作成を行うことができます。
Java 2 SDK, Standard Edition (J2SE)のサポート
Java SE 6を追加サポートしました。
ヘルプの提供
マニュアルおよびサンプル集をヘルプとして提供しました。
サンプル集はDeveloper's StudioのWorkspaceをエクスポートした形式となっており、ヘルプからワンクリックでインポートして実行確認が行えるようになりました。
3.5. 拡張製品 |
3.5.1. Service Repository |
サービス分析機能の提供
均一なサービスの作成を促進するため、サービスの粒度、他サービスへの依存度を分析する機能を提供します。
3.5.2. Enterprise Service Bus |
3.5.2.1. V8.21での新規機能 |
SOAP BCのWS-RM・WS-R対応
SOAP BCではWebサービスの高信頼メッセージング機能(WS-RM・WS-R)をサポートしました。SOAP BCとWebサービス間のSOAP通信で、メッセージの再送による送達保障やメッセージの順序保障を実現します。
3.A. 旧バージョンでの変更点 |
旧バージョンに関するものは、以下を参照してください。