WebOTX Manual V10.4 (第4版) 目次を表示 |
ここでは、WebOTX V8.3のリリースで新しく追加された機能を説明します。
WebOTX V8.3での製品全体における機能強化項目について説明します。
サポートOSの拡大
分散管理サーバ
分散環境下にある複数のドメインを、ドメイングループとして管理操作することができます。
分散配備
ドメイングループに対して、様々な組み合わせのアプリケーションを一括して配備することができます。また、 配備操作を、複数のドメインに対して並行して実行することができますので、コマンドを順番に実行するのと比較して、配備時間を大幅に短縮することができます。
Out Of Memory Errorへの対応
プロセスの利用しているメモリ使用量を採取しメモリの増加を監視し、JavaVMが使用できる最大メモリ量に達する前にプロセスを終了または、GC要求を発行する機能を提供します。以下の2つの方法によりメモリ枯渇状況を監視します。
事前にスレッドを起動し、必要に応じて閉塞状態(使用できない状態)、使用可能な状態に変更ができるようになりました。
これにより、オペレーションを処理するスレッドの多重度を動的に変更できるようになります。
配備時に設定することにより自動名前登録が可能になりました。これにより、CORBAアプリケーションにおいて名前サーバへのオブジェクトリファレンスの登録を「永続的に扱う」場合、配備後に手動で名前登録を行う必要がなくなります。
運用管理ツールより配備する場合は、コンポーネント配備ウィザードの名前サーバ登録方式、otxadminコマンドより配備する場合は、deployコマンドのオプション"--bindtype"を使用します。(transient:一時的、persistent:永続的)
WindowsのC++アプリケーションが異常終了した場合、アプリケーションログにスタックトレースの出力を行います。これにより、ワトソンログを採取しない場合でも障害時のスタックトレースを確認できます。
プロセスグループの強制停止処理に即時強制停止する設定を追加しました。
実行時間上限超過発生時にプロセスを停止する設定を動的に変更可能となりました。
滞留メッセージの優先順位変更
送信先に対する運用操作として、送信先に滞留しているメッセージの優先順位を変更する機能を提供します。
障害からの復旧後、送信先に滞留しているメッセージのうち、優先的に処理したいメッセージの優先順位を変更することによって、先にコンシューマに配信することが可能になります。
送信先リソースと物理的な送信先定義操作の簡略化
送信先リソース、あるいは、物理的な送信先を相互に生成、削除できる機能を提供します。
これまでは、送信先リソースと物理的な送信先は別の操作(コマンド)で作成する必要がありましたが、この機能により、1回の操作に簡略化することが可能となります。
静的クラス生成ツール
EJB 3.0のlookup時に動的に生成されていたクラスおよびインタフェースを事前に生成するツールを提供しました。 これにより、初回lookup時に発生していたオーバーヘッドを軽減させることが可能です。
配備記述子変換ツール
V5以前のWebOTX上で動作するJ2EEアプリケーションは、ベンダ固有配備記述子の変更により、そのままではV6以降のWebOTX上で動作させることができません。
V6及びV7では配備ツール上で配備を行うことで、アプリケーションに含まれるベンダ固有配備記述子を自動的に変換することができます。V8以降は
配備ツールを提供しておりませんので、このツールを用いて、配備前にベンダ固有配備記述子を変換してください。
新たな再配備方式「置換(replace)」を提供
アプリケーションの再配備の方式として、新たに「置換(replace)」を提供しました。
通常の再配備では、インタフェースやオペレーション単位に設定した情報がクリアされますが、「置換」ではそのまま引き継がれます。
条件として、再配備前後でのインタフェースやオペレーションが全て同一である必要があります。
運用環境において、設定情報が変更されないことを保証したいときに有効です。
アプリケーションの状態確認のタイムアウト
アプリケーションに対する以下の運用操作で、アプリケーションの状態確認のタイムアウト値を設定できるようになりました。
上記の各操作を実行すると、アプリケーションの状態は停止状態から開始状態へ、あるいは開始状態から停止状態へ遷移します。 この時WebOTX ASは、プロセスグループに対してポーリングを行ってアプリケーションの状態遷移が完了するのを待ち合わせます。 以前のバージョンのWebOTX ASでは、ポーリングのタイムアウトは固定値で120秒でした。 WebOTX AS V8.3では、タイムアウト値として任意の秒数を指定できるようになりました。
otxadminコマンドを利用する場合、タイムアウト値の指定はオプション--statechecktimeoutを利用します。 統合運用管理ツールでアプリケーションの配備/再配備/置換/配備解除を行う場合は、ウィザードまたはダイアログに従ってタイムアウト値を入力してください。 統合運用管理ツールでアプリケーションの開始/停止を行う場合は、プロパティのキーとしてstatechecktimeoutを、値としてタイムアウト値を指定します。
テンプレートによる設定のカスタマイズ機能を提供
信頼性や性能重視で複数の属性を一括でカスタマイズするための機能を追加しました。
JDBCドライバベンダ固有のプロパティ設定機能を提供
JDBCドライバベンダ固有のプロパティを設定するためのインタフェースを持つOracleなどのJDBCドライバ
を利用する場合に、oracle.jdbc.ReadTimeoutといった様々なプロパティを設定できるようにしました。
データベースのバージョンアップ対応
次のデータベースのバージョンアップ対応を行いました。adminutilツールを提供
WebOTX Application Serverの運用をサポートするツールとして、新たにadminutilツールを提供します。
本機能を使用することで、ドメインに設定した値を抽出し、管理することができます。
モニター(Monitor MBean)による監視のためのコマンドを提供
これまで、統合運用管理ツールからのみ可能であったモニターによる監視操作が、運用管理コマンドからも実行できるようになりました。
追加されたサブコマンドは以下の通りです。
モニター登録情報の永続化
ドメイン上に登録されたモニター(Monitor MBean)の管理情報が永続化されるようになりました。 これにより、ドメイン再起動時にモニターの再登録操作をする必要がなくなります。
ESB 開発ツールに「サーバーで実行」機能を追加
サービスアセンブリの配備をサービスアセンブリプロジェクトの右クリックメニューから行えるようになりました。 この機能により、開発中のサービスアセンブリの動作確認を容易に行うことができます。
更新サイト対応
ヘルプの更新を Developer's Studio 上から行えるようになりました。 手間をかけずにヘルプの更新を行うことができます。
コンテキストヘルプ
ダイアログの内容と同期したヘルプを表示できるようになりました。 操作中の内容とマッチしたヘルプをその場で確認することができます。
分散ESB機能
複数のESBに跨る経路を構成するESB分散機能をサポートしました。SOAPあるいはJMSを使用してESB間のメッセージを転送します。従来の単独のESBと同じ感覚で、複数のESBに跨る経路のサービスアセンブリの開発と運用(*1)ができます。
(*1)WebOTX ASの分散管理サーバと併用することで可能
エンドポイントのクラスタ化
ESBを介して連携する外部システムのクラスタ構成(負荷分散やフェールオーバ)にあわせて、複数のプロバイダエンドポイントをグルーピング定義することにより、プロバイダエンドポイントへの経路をNMRで制御することができます。
次の2つの方式を利用できます。
ラウンドロビン
指定した重み付けに従ってエンドポイントを選択します。ロードバランスクラスタ構成に適用できます。
また、追加するエンドポイントの処理を徐々に増加させることができるよう、サービスアセンブリ起動にスロースタートを設けました。
固定シーケンス
指定したシーケンスに従ってエンドポイントを選択します。フェールオーバクラス構成に適用できます。
Message Exchangeハンドラ機能強化
プロパティ伝播
Message Exchangeハンドラ、およびSequencing SE用ハンドラ間でプロパティを伝播することができます。
この機能を利用することでハンドラ間での情報共有ができるようになりました。
JTAトランザクション参加
ESBのinbound/outboundで開始されたJTAトランザクションに参加できるようになりました。
また、ハンドラを利用してJTAトランザクションをロールバックさせることもできます。
エラーハンドリング
IMessageExchangeHandlerインターフェースに、handleErrorメソッドを追加しました。
in/out/faultに加え、エラー発生時にもハンドラを実行することができるようになります。
UserProcessor SEが提供するプロセッサを追加
組込み定義プロセッサにUniAssist Processorを追加しました。FontAvenue UniAssist コード変換と連携することで、入力データの文字コード変換ができるようになりました。
Fault生成用プロセッサを追加しました。FaultProcessorクラスを拡張することで任意のFaultを返却することができます。
データ検証機能の追加
XMLスキーマを用いて、ESBの入出力データの妥当性を検証する機能を追加しました。
メッセージログファイル削除機能
定期的にメッセージログ出力フォルダのファイルサイズを計測し、設定値に収まるように古いメッセージログファイルを削除する機能を追加しました。
メッセージログファイル非同期出力モード
メッセージログをファイルに出力する場合に、非同期で出力できるモードを追加しました。
これにより、V8.2以前に比べてメッセージログ機能を有効にした場合の性能が向上します。
他社JMSリソースアダプタによる接続をサポート
JMS BCにおいて、他社JMSプロバイダが提供するJMSリソースアダプタの利用をサポートしました。
旧バージョンに関するものは、以下を参照してください。